Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

インタヴュアーの実力

2022-12-03 | マスメディア批評
数時間も銀行の案内電話で苦労した。結局用は為さなかったが、何が起きていたかははっきりした。少なくともここ10日ほどは税務署ではなくて銀行によって口座が一部閉鎖されていることになって、不当ということで苦情を書いた。最悪な状況にはならなかったが、それでも金の流れが止められると信用問題である。

どうも閉鎖の最初に税務署に支払った額が見落とされていて、それをデポする義務感で動いている。明らかに誤りなのだが、どうして銀行がその様になるのか分からない。兎に角、担当者が当分はいないので代行者にメールを出しておいた。初めから分かっていたら電話でつつくところだったが、電話は引継ぎされていなかった。この辺りが人員を減らす大銀行のサーヴィス低下を表している。週明けにどれだけ早く解決されるか見ものである。

土曜日に初日が生中継される新制作「ロ―エングリン」の指揮者ロート氏が別のインタヴューを受けて、こちらは質問者も気が利いているのか、より本質に迫る回答をしている。もしかして私の批判を読みましたかとなる。

先のインタヴューアは日本で好評発売中の亡くなった指揮者ヤンソンスの本の著者でオペラ批評を書いている人であるが、なぜか突っ込めていなかった。しかしここでは先ず話しの最初に皆はリヒャルトシュトラウスを期待していたのではないか、なぜヴァ―クナーをとまさしくポイントを突く。これだけでヴァ―クナーはケントナガノも失墜した様に難しいぞ、特にヴァクナーの本拠地でとなる。その様に尋ねると、先も話していた古楽器演奏と新しい音楽への興味があってというのが意味を成してきて、リゲティの響きの先駆と考える序曲のイ長調のフルートとオーボエとヴァイオリンの判別できな音色となって来て、抽象的な話ではなくて具体的な聴きどころが流れてくる。そして実際に繰り返し繰り返し楽団にその音色を思い浮かべてくださいと指示していたとある。答える方は同じ調子でも質問の仕方や文章で纏めるときの方法で全く意味が変わってくる好例である。

ドルビーサラウンド効果に関しても、自身がパリにオペラでその他のヴァ―クナー作品の舞台音楽をフルート奏者として全て経験したというのも活きてくるのだ。要するに具体性とその思考のありどころが掴める。

そしてエルザの登場の衝撃は、その沈黙と管弦楽でもあり、パリでは管弦楽に背を向けて振っていたのを初めて手前で振るようになったとしていて、そのここでも先日チャイコフスキーで触れたようにレティタティーヴのやり方に言及。これならば私が求めていたことを全て暗示している。勿論フランス人指揮者にとってはその影響はチャイコフスキーに見るのではなくてドビュシイーの「ペレアス」に見ている。

そしてヴィヴラートの掛け方でも座付き楽団の方からサジェスチョンもありと、健全なあり方として捉えられる。こうなるとそのコンセプトに関しては熟れているものとして、残るはイントネーションの問題とオペラ指揮上の技術的な精査となる。指揮に関してはある意味分かっているので、それ以上期待出来ないがラトルなどの素人指揮よりも舞台へとしっかり指示を出せるかなどとなる。

30小節の聖杯の語りは、主役の声の為にも通常通りカットされる様である。出かける前にこれぐらいは想定するというお話しだ。



参照:
"Ich habe Wagner neu kennengelernt", Robert Braunmüller, AZ vom 2.12.2022
あまり立派でない素材 2022-12-02 | 文化一般
みんなみんな狼だか 2022-12-01 | 文化一般
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