Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

食品による内部被曝の予想

2011-07-29 | 生活
EUの食品安全基準値が福島後に上げられていた。迂闊であった。それによると放射線の安全値が、例えば乳製品では従来の370Bq/Kgが1000Bqへと、その他の食料品では600Bqから1250Bq/Kgへと引き上げられている。つまり基準値を超える食品は、輸入も販売も許可されない。それでも既に1500Bqを超える茸が市場で見つかっていて、チェルノブイリ周辺の茸とバルト海沿岸のものとが混ぜ合わされているのだろうという見解である。いづれはそこに日本産の商品が混ざるのかもしれない。

バイエルン州の環境庁が出している資料が今後の日本の食料品内部被曝対策を考える場合の参考になるかもしれない。もちろん、福島近辺の食料品は少なくとも先二十五年ほどは一律廃棄処分にするとしての前提である。チェルノブイリから何千キロも離れたバイエルンの二十年間の汚染度は、そのまま一部のホットスポットを除く首都圏からさらに遠くの静岡などの地域での日本の福島からの汚染状況と似ているからである。特に日本の胃袋である都内の消費生活は内部被曝を考える場合の重要な拠点となるに違いない。

さてそれならば基準値を下回る食品についての危険性についても、たとえば3000Bqのセシウム173が含まれた茸を500G摂取したとすると、レントゲンを一度受けたほどの被曝になるというのである。もちろん透過するものと摂取する内部被曝とは異なる。その被曝量に関しては誰も健康については考慮しないが、専門家はこうした食物を妊婦や子供に与えるべきではないとしている。

チェルノブイル後には茸類、野草や果実類だけでなく森の猪などもキロ1000Bcを遥かに越えていた。淡水魚なども全く同じような汚染濃度であったのだ。

そこから推測すれば、先ず日本の漁業は壊滅するに違いない。大気中やそこからの淡水魚がこれほど汚染されていることを考えれば、その大気の塵だけでなくて更に高濃度の汚染が福一から流されている限り、もはや日本人が食せる魚はなくなると思われる。これは既に三月中にSWR2ラジオ放送では日本人の食料がなくなると危惧されていたが、福島から離れたところの魚はなんとか漁ができるのではないかと考えられた。

チェルノブイリの近隣諸国が取ったような、外部被曝などで既に許容の被曝量を超えたことで食物による内部被曝を極力避けるような政策が日本には求められるのだろう。もしそのような食料政策が可能となるならば、初めて復興への道筋がつけられるかもしれないのである。



参照:
Tschernobyl - Bayern 20 Jahre danach, Bayerisches Landesamt für Umwelt
Tschernobyl ist nicht passé (BR-online)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする