Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

溶融落下の政治手腕の必要

2011-07-09 | マスメディア批評
細野大臣の就任に際して、FAZが人の紹介をしていたのを見過ごしていた。その内容はこのBLOGの内容を反映しているので繰り返す必要はないだろう。しかし、名をゴウシと呼ぶことも知らなかったが、京都の法科出身とも思わなかった。さらに小沢何某に近いと聞いていたが、今や首相の腹心ということになっている。

菅首相の迷走ぶりは甚だしく、本当に日本のゴルバチョフに近づいていて、発送電分離や脱原発へと道筋をつけるようなことになれば、憲政史上最高の宰相となりそうである。その政治手法も専権事項の解散権を振りかざすことで突き進んでいるようで、分厚い官僚政治の壁を打ち破るためには支離滅裂型のメルトスルー式政治手腕を振るわなければいけないのだろう。

FAZはストレステストの導入に関して、許認可事業者と通産官僚やその原子村政治家を含む規制当局などとの癒着関係に、政府としての不信感を表明したものとして伝えている。こうした報道姿勢とはかなり違った日本のそれ自体が、既に戦々恐々とした「他の村社会」の実情を浮き彫りにしているようだ。

発送電分離の本当の自由化は、あらゆる許認可事業への突破口となり、日本の政治社会経済の強力な推進力となるのだろう。3.11で裸の日本の姿が浮かび上がったようで、もはやそうした巨大な村構造の投影をヴェールに包む込もうとすればするほど、その巨大な圧力主体がより明らかになってくることに国民が気がついた筈だ。

ストレステストと今後の原発の操業停止と再開の手順は一向に不明であるが、新聞は、部下との不倫で左遷された西山審議官が娘の勤めるテプコばかりでなく業界からも距離を置くようになったのが本当の人事の事情だったと伝え、「失言」のメルトダウンを口走った前任者の人事とともに、組織再編成について説明する。

IEAEの指摘を受けたように、その原子力安全委員会の独立性の確立が検討されていて、原子村外からの委員の起用が予定されているといわれる。新たな組織編制で、事故調査や原発の操業により客観的な視点から村社会の膿を取り出すことが期待されるようである。要するに、現在日本の中枢で起こっていることは、議会の中での勢力争いではなく、政財界学会など全ての日本社会の権力構造内での覇権争いであり、これほどまでにその圧力構造があからさまになったことは今だ嘗てなかったのではないだろうか。

それにしても、既に二機もの原子炉がテスト操業として既に四ヶ月も秘密裏に動き続けていたことが水曜日に明るみになったとは日本語の情報では全くわからなかった。急激な原発停止に日本社会が対応できるのかどうかは一向に不明であるが、ストレステストによって「有効期限」が定められるのは重要であろう。ここでの急激な組織変換はその後の社会の変革を一挙に推し進めるに違いない。



参照:
Eine Hand wäscht die andere, Petra Kolonko, FAZ vom 7.7.2011
日本のゴルバチョフへの条件 2011-06-28 | 文学・思想
前近代に生きる日本の自己欺瞞 2011-04-03 | 文化一般
コメント
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