Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

月末の夢判断

2005-04-27 | 雑感
10時15分の船に乗らなければならない。島に渡って急いで用を足さなければならないからだ。港は入り組んでいて分かりにくい。町から列車に乗って最寄の駅へと辿り着く。何処で乗り換えるのが一番良いのかが分からない。駅員に尋ねてみる。本当は手前の駅で降りてシャトルで港に向かう方が良かったらしい。それを知らずに乗り越してしまったようだ。出航の時刻が迫っている。その時間を挽回する方法を聞いてみた。すると駅員は、「正式には駄目だけどね、裏の通用口から線路に下りて、次の階段から道路に下りたら随分と早いよ。間に合うためにはそれ以外に方法がないからさ。気を付..」と教えてくれる。後ろを振り返りつつ礼を言いながら既に歩き出していた。

そうして急いで、プラットホームの後ろ側の鉄の扉を開けて、非常階段状の通路を降りていく。踊り場で向きを変えて、線路に躍り出る。黒光する線路に沿って後ろを振り返ることもなく、教えられた方向へと進む。砂利に足をとられてなかなか歩みが進まない。やっとの事で、道路へと降りる梯子を右の肩に見つけた。手を汚し、服に錆がつかないかと躊躇しながら日陰の冷たい鉄の棒を握る。

暗い道路にやっと降り立った。裏道である。高架と大きな建物の影にスッポリと包まれている。ビルの隙間から明るい空が見える。そこには海がある筈だ。桟橋を目指して暗い影の中を空を目指して突き進む。時間がない。

するとそのポッカリと空いた間隙を大きな舳先を見せて大きな船が船出して通り過ぎるのが見えた。黒っぽい巨大な客船のようだ。青い空は、その巨体に隠されて辺りは暗くなる。若しかしてと言う不安に心が翳る。しかしあの島に行くのにそのような客船は必要がないので、きっと気のせいだろう。

波止場の水際に着いて、右のターミナルの方へと進む。向こう側の突堤へと渡らないといけないので、長いタラップのようなエスカレーターに並ぶ。旅行者で一杯である。そのタラップは、網状になっていて下から強い風が吹きつける。揺れるタラップの遥か下には真っ青な海が広がる。エスカレーター式にその人の列は上げって行く。気になって財布を調べる。通行料を払わなければならない。1ユーロしか入っていない。列を戻る事は出来ない。そもそも引き返す時間などないのだ。

タラップが上へ着くと左へと曲がり、スキー場のリフト小屋のような所で足ふみをすることになっている。小窓の向こうにいる、茶色系の髪の実直そうな男に、「これしか手元に無くて、船が出るので、急いでいるので何とかならないか?」と問う。すると男は、「その船は出航してしまったよ。残念だな。次は、10時45分だよ。金が無いのか?」と朴訥だが親切に尋ねる。財布を開けて中をひっくり返して見せると、「仕方ないな。俺が払った事にしとくよ。貸しだよ、帰りに、返してくれりゃいいさ。」と、その男は言う。彼がスイッチを押したのか足元のコンヴェアーが再び動き出し、左後ろに振り返りながらその男の名札を見る。マルティン・シュトロープと書いてあった。小屋を回ると広い海に大きな客船が停泊した風景が広がっていた。

40メートル程下のキラキラと乱反射する海面から吹き付ける風に、突如足元が消えて目が覚めた。
コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする