こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
「親亡きあと問題」を解決する方法として、前回のブログでは、家族信託を紹介しました。
家族信託という方法以外に、障害者の子を持つ親は「特定贈与信託」という制度を使うことができます。
多額の金銭を非課税で子に生前贈与できる制度です。
特定贈与信託は、委託者(親)と信託銀行との間で信託契約を結ぶことにより成立します。
信託銀行が受託者(信託財産を管理する者)になり、受益者(利益を受ける者)は障害を持つ子になります。
特定贈与信託をするには、信託契約時の手数料や、財産管理の報酬が発生します。
しかし、受託者が信託銀行であるため、受託者による不正な金銭の使い込みの心配がなく、信託財産は確実に子のために使われます。
特定贈与信託した場合、親が亡くなったときは、受託者である信託銀行が、受益者である子供のために、生活費や医療費等を定期的に交付します。
特定贈与信託により、子が「特別障害者」の場合は6,000万円まで贈与税が非課税となります。
子が「特定障害者」の場合は3,000万円まで贈与税が非課税となります。
「特別障害者」とは、大まかにいえば、重度の知的障害者など、自らだけでは生きていくのが困難な障害者のことです。
「特定障害者」とは、そこまで重度ではない障害者のことです。
もし、健常者である子に対して親が6,000万円を贈与したならば、贈与税率は55%にもなります。
しかし、子が障害者の場合は、特定贈与信託という制度により、贈与税が非課税または低額になるように配慮されています。障害者である子の生活を守るための制度です。
障害を持つ子のために生前贈与することを考えている場合は、特定贈与信託が非常に有効な手段になります。また、多額の資産をお持ちの場合は、相続税対策としても有効です。
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