ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

愛すること ‐ 6月がきた

2016年06月01日 | 季節/暦

 先週<呆け>のことを書いたが、某HPによれば “ 呆けるタイプと呆けないタイプ ” があるそう。
 そのタイプ、概ね外交的か否かで括られるようだから詳しくは省くが、それが正しいとすれば酔狂、呆け道まっしぐら、勿論、呆けたいと思っている訳ではない。

 ふた昔近くも前、ふたり揃って毎日曜にミサに与っていた頃のこと、ご主人が教会の役員をされていたご高齢のご夫妻、仲睦まじくミサに与られる姿を拝見、「老いても斯くありたいわね」と話したことを憶えている。

 ところが、ある日を境に奥さんの様子が少しおかしいことに気付いた。
 祭壇前の司祭の許に聖体拝領に向かう足元が危なっかしく、ご主人が軽く手を添えているのだ。

 そんなことが暫く続いていたが、日が経つにつれ傍目にも深刻な様子になった。
 ともすれば、あらぬ方向に勝手に行こうとする奥さんの肩をしっかり抱いて祭壇に向かうようになっていった。

 認知症が進行したのだろうけど、それでも臆することなくミサに与るご夫妻の姿を遠くの席から見るたび、揺るぎない信仰心について考えさせられた。

 それから時間が流れ、あいつ が退院し在宅療養を始めた頃のこと、お天気も好く気分も良さそうなので<散歩>に誘ったら行くという。

 その折、「マンションの人に車椅子姿を見られても大丈夫」と詰まらないことを訊いて 「どうして?」と叱られてしまい、その昔、連れ合いが罹患した時に、彼のご主人のように振る舞えるかお前は、と問うた時のことがほろ苦く思い出された。

 で、人を謗らずがモットーの小編、書くに窮して易きに付いた前号、老いること、愛すること、信じること、青臭いタイトルと思い乍らの一齣(ひとくさり)を、自戒も込めて。

 沖縄と奄美、平年より一週間ほど遅れて梅雨に入ったようだが、斯くも春は短かったのか、花が終わったと思ったら一気に夏を引き連れて水無月・六月がきた。
 花屋さんの店先には 「姫ビンカ」、和名 「姫蔓日々草」が、その花言葉は “ 優しい思い出 ” だ。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1139


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