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ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

フェルメール(2) ‐ ナショナル・ギャラリー(14)

2014年04月23日 |  ∟イギリスの美術館

 17世紀オランダ絵画黄金期において活躍した画家ヨハネス・フェルメール(1632-1675 )の二回目。

 カタリナ、この画家が結構気に入っていたようで、個人所蔵の2点を除き現存するとされる35点、残念ながら数点を残して叶わなかったけれど、全作品を「観るんだ」と楽しそうに話していた。

 そAのことは、<フェルメール展>(10/02/08)などでも書いたが、スコットランドやアイルランドなど、遠方の美術館が収蔵する作品が来日すると聞くと、関西は勿論のこと東京でも「行くの」と言ってきかなかったことが思い出される。

 話がそれたが、今回は「ヴァージナルの前に座る女性」(上)。

 前回の「ヴァージナルの前に立つ女性」の4、5年後に描かれ、展示室に並んで架かる「―― 前に座る女性」、「―― 前に立つ女性」と対照的なペア、いわゆる対画をなしているとされる。

 「―― 前に立つ女性」が音楽は愛、“ 恋人への貞節 ” がモチーフならば、今回の「―― 前に座る女性」は聊かその趣を異にする。

 画面左手の窓から光が射していないので夜なのだろう。
 前景にヴィオラ・ダ・ガンバとそれに用いる弦が描かれ、この女性が二重奏の相手を待っていることを暗示させている。

 とB_2ころで、ヴィオラ・ダ・ガンバとは脚のヴィオラの意で、楽器を脚で支えることに由来するらしい。
 それに対してヴィオラ・ダ・ブラッチョ、つまり腕のヴィオラと呼ばれたのがヴァイオリンとか。

 その、「―― 前に座る女性」、背後の壁に、「―― 前に立つ女性」のキューピッドが示す忠実の愛に対し、俗欲の愛を意味するディルク・ファン・バビューレン(1595-1624/オランダ絵画黄金期)の「取り持ち女」が描かれ、“ 欲得ずくの愛 ” を示唆しているのだと言う。

 ペトロ には、その込められた寓意を読み解くことはまず不可能だが、このように解説されると、「えっ、同じようにしか見えないのに」と脱帽なのである。

 余談だが、フェルメールもこの取り持ち女をモチーフとした「娼婦(取り持ち女)」(下/ドレスデン国立美術館蔵)を描いている。
 08年にウィーンから列車でドレスデンに入り対面したが、同美術館が所蔵する「窓辺で手紙を読む女」、ウィーン美術史美術館が収蔵する傑作「絵画芸術」とともども機会があれば投稿したい。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.798

 ※ ロンドン・ナショナル・ギャラリーの旅(13)へは(コチラ)から入れます。

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