携帯電話 ‐ 想い出のカタリナ

　過日、某氏の退職激励会があった。
　当日の昼下がり、幹事さんから、“ 遅れないように ” とのメールが届いた。

　その日はコンディショニングに失敗、返信に、“ 遅れるかも知れないけれど、先に始めていて ” とここまで書いて、ごちゃごちゃと携帯を触っていたら、知らず内にダウンロードの通知画面に。

　カタリナ からよく叱られたものだが、説明書きを碌に読みもせずやっちまう癖があって、この時も、次へ次へとお調子もん宜しくＯＫを繰り返していたら、同意書の画面が現れ、ダイアログ・ボックスに、“ 同意する、にチェック入れてね ” とお誘いが。

　ところが、気前よくＯＫしてあげたのに、なんと、ここでフリーズ！
　何度チェックを入れても同じ画面の繰り返し、“ それでいいわ ” といっかな答えてくれない。

　癇癪持ちの誰かさん、カタリナの顔がちらちらと脳裏を掠めるのを振り払い、えい、面倒な！ と電源を切っちまったとお思い下さい。
　もう一度電源を入れ、ＳＰメールをと思ったら、肝心のアイコンがどこにも見当たらない。

　えっ、なんで？ 携帯を逆さまにしようが裏返そうがない！ ホーム画面から完全に消えちまった。
　慌てて取説やらスタートアップガイドやらを引っ張り出したが珍紛漢紛、激励会の時間は迫ってくるし、結局、連絡は電話で済ませる破目に。

　実はこの携帯、いわゆる形見のひとつ。
　病気になる半年ほど前、余りに古いのを使っているので買い替えを勧めた。
　要らないと言い張っていたのだが、サンクトペテルブルクの旅の計画を進めていたこともあって、「旅先で便利かもね」と、漸（ようよ）う重い腰を上げた。

　そんな事情は忘れたことにして、「せやからスマホなんて信用ならん言うたやろ！」と、己のしたことを棚に上げ、「・・・」の視線を感じつつ何時もの大騒ぎを一人でやってました。

　今日（6/6）は月命日、これから初金（第一金曜、９：００～）のミサに与り、カタリナさんとデートです。
　Peter & Catherine’s Travel.　Tour No.818