バルセロナの旅の話に戻る。
カタルーニャ地方の聖地モンセラート、バルセロナから日帰りできるエクスカーション・遠足として打って付けのオプションのようだ。
モンジュイックの丘の近く、スペイン広場から州営カタルーニャ鉄道(写真上)が出ている。
この聖なる山に登るルート・方法によって下車駅が異なる。
ロープウェイならアエリ・デ・モンセラート駅、登山鉄道ならモニストロル・デ・モンセラート駅である。
定刻にスペイン広場駅を離れた電車は、10分ほどで地上に出た。
平地を40分ほど走った頃、左手にピンク色の岩肌がむき出しの山(写真中)が遠望できるようになる。その山容、異様といえば異様だ。
だんだん山が近くなり、やがてアエリ駅に着いた。
ホームから地下道を抜けるとロープウェイの麓駅だが、ここまでに高度を稼いでいるらしく眼下に流れる川と道路が小さく見え、それを挟んで奇岩の山肌が目の前に迫る。
標高は1241mなのだそうだが、その8合目辺り、山腹に薄煉瓦色の建物がへばりついていて、その手前の中空に黄色のゴンドラ(写真下)が見える。
この聖地を初めて訪れたのは、97年の初冬の午後のこと。
自由行動の日の午後、ピカソ美術館に行きたかったのだが、生憎その日は日曜、閉館時間が15時と早く、悩んだ末にオプションのモンセラート観光を選んだ。
翌月曜は休館、悔しい思いをしたことは、<ピカソ美術館>で少し触れた。
その当時のことを、次のように書いている。
〈 バルセロナ郊外に聖なる山があります
〈 名をのこぎり山 ・ モンセラートと言うのだそうです
〈 古くは巨人が住んでいたという伝説が語られたという人里離
〈 れたこの山は、やがてベネディクト派の瞑想の場となり、11
〈 世紀には修道院も開設、今も修道士が祈りとともに暮らして
〈 いると言われています
黄色い八角形のゴンドラがゆらりと麓駅を離れる。
ピンク色の岩肌に、僅かばかりの草木がへばりついているのを眼下に覗きながら、15分ばかりで山上駅に着いた。
神の計らいか、<晴れ女>さんの念力か?
素晴らしい天気に恵まれ、重畳と連なる山並みが彼方まで望めた。
写真、動画からエクスポートしたので少し粗くなってしまった。