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慰安婦問題で日本が責任認定 「法的責任」は曖昧  (聯合ニュース)

2015年12月29日 | 日韓紛争
慰安婦問題で日本が責任認定 「法的責任」は曖昧
聯合ニュース 2015/12/28 18:40

 
【ソウル聯合ニュース】

 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官と日本の岸田文雄外相は28日午後、ソウルの外交部で会談を行い、旧日本軍の慰安婦問題を最終妥結させることで合意した。

 合意案は日本政府が第2次世界大戦当時に強制動員された慰安婦に対する責任を公式に認めたという点で、2012年に当時の佐々江賢一郎外務事務次官が提示したとされる案より一歩前進したと評価される。 

 安倍晋三首相が就任後初めて慰安婦問題に対し、はっきりとした謝罪と反省の意を表明したことも成果に挙げられる。 

 しかし主要争点だった日本政府の法的責任をめぐっては妥協した部分があり、論議の余地を残したとの指摘も出ている。 

 

 日本政府が初めて責任認定

 岸田外相は外相会談後の共同記者会見で、「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から日本政府は責任を痛感している」と述べた。

 日本政府はこれまで加藤談話や河野談話などで第2次世界大戦当時における慰安婦動員の強制性を認め、謝罪と反省を表明したことはあるものの、政府の責任を公式に認めるのは今回が初めて。 

 2001年に当時の小泉純一郎元首相が慰安婦被害者に送った手紙で、「わが国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならない」と表明したが、被害者個人にあてた手紙という点で限界があった。

 日本が設立した「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)事業の一環として送られた「首相の手紙」では、「日本政府」ではなく「わが国」という表現が使われ、責任問題も「道義的責任」に限定されていた。 

 岸田外相が「安倍総理大臣は、日本国の内閣総理大臣としてあらためて、あまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と伝えた点も、首相就任後、最も前向きな謝罪と反省と評価された。  

 

 韓国政府が財団設立 日本政府は予算を拠出

 慰安婦被害者支援のために韓国政府が設立する財団に日本政府が約10億円の予算を拠出するのは、アジア女性基金に対する否定的な認識を克服するための両国の妥協案と評価される。 

 日本側は1995年にアジア女性基金を設立し、慰安婦被害者支援を行ったが、慰安婦被害者を支援する市民団体、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などが法的責任を認めない「人道的支援」は受け入れることができないとの立場を表明した経緯がある。

 韓国人被害者に対するアジア女性基金の支援は1997年に始まったが、1999年に韓国内の団体の反発により事業が一時中断。2002年に韓国での基金活動を終了した。

 日本政府が昨年6月に公開した河野談話の作成過程に関する検証結果の報告書によると、合計61人の韓国人被害者が基金の支援を受けた。 

 政府当局者は「これまでアジア女性基金でも日本政府の予算が一部投入されたが、被害者に直接支援される資金は民間募金で用意され、日本政府の予算は人道的事業に使われた」と説明。今回の合意では被害者支援に日本政府予算が投入される点に意味があることを強調した。 

 韓国政府が設立する被害者支援の財団は医療サービスの提供、健康管理、療養、介護などを行う予定だ。韓国内に生存する慰安婦被害者46人が高齢であることを考慮した措置とみられる。


 佐々江案より進展、「法的責任」は曖昧

 今回の合意案は2012年3月に日本政府が韓国政府に提案して拒否された佐々江案よりも進んだ内容と評価される。日本は当時、道義的責任を前提とした人道的措置を提案したが、今回は日本政府の責任を公式に認めたためだ。

 謝罪と反省についても佐々江案は駐韓日本大使が慰安婦被害者を個別訪問し、謝罪を表明して首相の書簡で道義的責任を再度認めるという程度だったが、今回は首相が公式に謝罪と反省の意を表明するという点で意味があると政府当局者は説明した。 

 被害者補償も佐々江案では日本政府予算の用途は医療費支援など人道的措置に限定されていたが、今回の合意案では「被害者の名誉と尊厳の回復および心の傷の治癒」などが含まれたという点で一歩進んでいる。 

 しかし慰安婦被害者に対する日本政府の法的責任が明示されていない点は不足だと指摘された。

 岸田外相は「日本政府の責任を痛感する」としたものの、日本国内で「道義的責任に言及したもの」と説明すれば、議論が起こる可能性がある。

 また韓国政府が設立する財団に日本政府が予算を投じることについて、挺対協などの市民団体が要求している「法的責任による賠償金」とは距離があるとの声も出ている。

 政府当局者は「日本政府が責任を認めて謝罪と反省をし、このために予算を投じるとした」と説明した上で、「国際法的な責任を認めたものであり、国際社会もそのようにみるだろう」と話した。


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