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アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

米艦、中国支配の島から12カイリ航行 南沙に続き西沙で作戦 南シナ海 (時事通信)

2016年01月31日 | 安全保障と南シナ海紛争
米艦、中国支配の島から12カイリ航行 南沙に続き西沙で作戦 南シナ海
時事通信 2016/01/31-00:44)

  【ワシントン時事】

 米海軍のイージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」が30日、中国の実効支配下にある南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島のトリトン(中国名・中建)島から12カイリ(約22キロ)内を事前通知なしに航行した。米国防総省によれば、行き過ぎた海洋権益の主張に異議を唱える「航行の自由作戦」の一環。ただ、訓練などの軍事活動を伴わない「無害通航」だったという。
 
 航行の自由作戦では、米軍は昨年10月27日、南シナ海・南沙(スプラトリー)諸島のスービ(渚碧)礁に中国が造成した人工島から12カイリ内にイージス駆逐艦「ラッセン」を送り込んだ。米政府は今回、南沙の北方の西沙諸島を作戦対象とし、南シナ海への進出を強め軍事拠点化を図る中国を一段とけん制した。
 
 米軍は今後も3カ月に2回超のペースで、南シナ海を舞台に航行の自由作戦を継続する方針。米CNNテレビによると、中国の崔天凱駐米大使は米軍の行動について「政治的・軍事的に極めて重大な挑発だ」と反発した。
 
 国連海洋法条約は沿岸から12カイリまでを領海と定め、外国の軍艦の無害通航を認めているが、中国はトリトン島周辺の「領海」に入る場合、事前に通告し、中国の許可を得るよう各国に要求している。米政府はこうした政策を問題視。国防総省のデービス報道部長は「トリトン島をめぐる過度な権利主張は、国際法と相いれない」と強調した。