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アジア・オセアニア地域の通信社が配信する記事から『中国の領土紛争問題』を伝え日本の安全保障などのニュースブログ。

中国進出に「深刻な懸念」 防衛装備移転へ交渉 日比首脳 ( 時事通信 )

2015年06月05日 | 安全保障と南シナ海紛争
中国進出に「深刻な懸念」 防衛装備移転へ交渉 日比首脳
時事通信 2015/06/04-20:52)

  安倍晋三首相は4日、国賓として来日中のフィリピンのアキノ大統領と東京・元赤坂の迎賓館で会談した。中国が軍事目的として一方的に岩礁埋め立てを進める南シナ海情勢を踏まえ、防衛装備品移転協定の交渉開始を柱とする防衛協力の強化で合意。会談後発表した共同宣言で、中国の行動に「深刻な懸念を共有する」との立場を表明した。

 会談後の共同記者会見で、首相は中国への名指しは避けつつ南シナ海の埋め立てに言及し、「いかなる一方的な現状変更の試みにも反対することを改めて確認した」と説明。アキノ大統領も「国際社会を構成する国々に対し責任ある行動を取るよう呼び掛ける」と応じた。

 共同宣言では、中国に対し「物理的変更を伴う一方的行動を自制」するよう求めた。フィリピンは南シナ海で人工島造成を進める中国と対立し、日本も中国との間で沖縄県・尖閣諸島問題を抱えている。日比両首脳は防衛協力強化を打ち出すことで中国をけん制した。

 装備品移転協定は、対象品目を選定する両国の協議機関を設置するとともに、装備品を提供された相手国が、第三国移転や目的外使用をしないよう義務付ける内容。日本はこれまでに米英とオーストラリアの3カ国と締結している。フィリピンの南シナ海での警戒監視能力を高めるため、日本の哨戒機やレーダーなどの移転を想定しているとみられる。 
  首相は会談で、深刻な交通渋滞を抱える首都マニラの鉄道整備など、フィリピンのインフラ整備を積極的に支援する意向を表明した。



“南シナ海で深刻懸念” 日比首脳が共同宣言 (NHK NEWSWEB)

2015年06月05日 | 安全保障と南シナ海紛争
“南シナ海で深刻懸念” 日比首脳が共同宣言
NHK NEWSWEB 6月4日 19時10分

安倍総理大臣は国賓として日本を訪れているフィリピンのアキノ大統領と4日夕方、東京・元赤坂の迎賓館で会談し、両首脳は会談の成果などを盛り込んだ共同宣言を発表しました。

共同宣言では、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で、浅瀬の埋め立てを拡大させるなど、海洋進出を活発化させていることを踏まえ、一方的な現状変更の試みに深刻な懸念を共有し、海洋を巡る紛争を国際法に従って解決する重要性を確認したとしています。
また、フィリピンが日本の平和国家としての歩みと世界の繁栄への貢献を評価し、安全保障法制の整備を含む、日本の積極的平和主義の取り組みを支持するとしています。

さらに、日本とフィリピンの間で防衛装備品や技術の移転に関する協定の締結に向けて交渉を始めることや、自衛隊とフィリピン軍の演習を拡大するなど、安全保障分野での両国の協力を拡充することを盛り込んでいます。
このほか、フィリピンの首都マニラを南北に結ぶ鉄道計画などの交通インフラの整備に日本が協力するとしています。

会談のあと、両首脳はそろって記者発表に臨み、安倍総理大臣は「両国は戦後70年間、たゆまぬ努力により、極めて友好的な関係を築き、地域の安定と繁栄に大きく貢献してきた。会談では両国の関係を戦略的パートナーシップとして一層強化していくことを確認した」と述べました。

また、アキノ大統領は「今回の日本訪問は両国の友好関係をさらに深めるきっかけになった。安全保障上の課題について協議し、国際社会を構成する国々に対し、責任ある行動を取るよう呼びかけるため、協力を進めることになった」と述べました。