国連は北朝鮮人権問題で行動に踏み切れるか (抜粋記事)
ウォール・ストリート・ジャーナル 2014年 3月 17日 14:56 JST
By JOSEPH STERNBERG
17日にジュネーブで、北朝鮮の人権侵害に関する国連調査委員会の画期的な報告をめぐる討議が始まるが、これは国連にとって重要な試金石となるだろう。2月に公表され、今回国連人権理事会に正式に提出されるこの報告は、北朝鮮の金一族が半世紀以上にわたって同国をいかに荒廃させてきたかを手厳しく説得力をもって示した。そして国連のほとんどの文書とは異なり、この報告は行動を求めている。
国連は過去にこのような報告を作成したことがない。新たな試みに踏み出した背景には、北朝鮮調査委員会のマイケル・カービー委員長の存在がある。同氏は最近のウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、この新たなアプローチについて語った。
中略
北朝鮮の金政権を人道に対する罪に問い国際刑事裁判所に訴えるという派手な方法が委員会の標準的なやり方ではない。北朝鮮の友好国である中国が国連安保理事会で拒否権を発動する可能性があるため、この方法は実現性に乏しい。
しかし報告は、特に北朝鮮からの避難民に対する中国の扱いの面で、実行可能な措置を指摘している。中国は難民たちが強制送還された際にどのような危険な目に遭うかを良く承知しているにもかかわらず、彼らを「出稼ぎ労働者」として送還している。調査委は、本国に送還された人たちが迫害されているあからさまな証拠を示し、中国の送還政策は国際難民協定に違反していると批判した。
これは中国にとって微妙な問題だ。同国は何回も要請したにもかかわらずカービー委員会の訪問を認めていない。同国が批判をいら立たしく思っていることは明らかだ。しかし国際的な評判を気にしているという、そのことが同国に脱北者を難民として認め、彼らを韓国に送ることを決意させるかもしれない。そうなれば絶望した北朝鮮人にとって、危険が残されてはいるが新しい逃げ道が生まれる。そしてこの国民の流出が北朝鮮を不安定化させ、金一族に恐怖政治の幕引きを急がせることになる可能性もある。
ウォール・ストリート・ジャーナル 2014年 3月 17日 14:56 JST
By JOSEPH STERNBERG
17日にジュネーブで、北朝鮮の人権侵害に関する国連調査委員会の画期的な報告をめぐる討議が始まるが、これは国連にとって重要な試金石となるだろう。2月に公表され、今回国連人権理事会に正式に提出されるこの報告は、北朝鮮の金一族が半世紀以上にわたって同国をいかに荒廃させてきたかを手厳しく説得力をもって示した。そして国連のほとんどの文書とは異なり、この報告は行動を求めている。
国連は過去にこのような報告を作成したことがない。新たな試みに踏み出した背景には、北朝鮮調査委員会のマイケル・カービー委員長の存在がある。同氏は最近のウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、この新たなアプローチについて語った。
中略
北朝鮮の金政権を人道に対する罪に問い国際刑事裁判所に訴えるという派手な方法が委員会の標準的なやり方ではない。北朝鮮の友好国である中国が国連安保理事会で拒否権を発動する可能性があるため、この方法は実現性に乏しい。
しかし報告は、特に北朝鮮からの避難民に対する中国の扱いの面で、実行可能な措置を指摘している。中国は難民たちが強制送還された際にどのような危険な目に遭うかを良く承知しているにもかかわらず、彼らを「出稼ぎ労働者」として送還している。調査委は、本国に送還された人たちが迫害されているあからさまな証拠を示し、中国の送還政策は国際難民協定に違反していると批判した。
これは中国にとって微妙な問題だ。同国は何回も要請したにもかかわらずカービー委員会の訪問を認めていない。同国が批判をいら立たしく思っていることは明らかだ。しかし国際的な評判を気にしているという、そのことが同国に脱北者を難民として認め、彼らを韓国に送ることを決意させるかもしれない。そうなれば絶望した北朝鮮人にとって、危険が残されてはいるが新しい逃げ道が生まれる。そしてこの国民の流出が北朝鮮を不安定化させ、金一族に恐怖政治の幕引きを急がせることになる可能性もある。