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安倍首相、中国との違い強調 アフリカでトップセールス ( 時事通信 )

2014年01月15日 | 中東・アフリカのニュース
安倍首相、中国との違い強調=アフリカでトップセールス
時事通信 2014/01/14-21:40)


 【アディスアベバ時事】安倍晋三首相は14日、中東・アフリカ歴訪を終え、帰国の途に就いた。豊かな資源が眠り、人口急増で市場が拡大するアフリカで、首相はトップセールスを展開。日本をビジネスパートナーに選ぶよう売り込んだ。アフリカ進出で先行する中国との違いを際立たせようと、人材育成や技術移転を重視する日本の姿勢を説いて回った。

 「日本企業がアフリカに来ると、本当の意味でウィンウィンの関係ができる」。エチオピアのアフリカ連合(AU)本部で14日演説した首相は、各国大使らを前に、日本とアフリカの共栄を目指す考えを説明した。
 首相は、アフリカ西部モーリタニアの漁船の造船工場の建設に関わったヤマハ発動機が、モーリタニア人を日本に受け入れ、技術指導した例などを紹介。外務省関係者は「日本は資源をとるだけではない。人を育て、ともに発展したい」と指摘する。

 一方、中国は豊富な資金力を背景にアフリカで政府施設やインフラの整備を推進している。首相が演説したAU本部ビルも中国が総工費2億ドルを出資した。しかし、中国は建設資材を基本的に自国で調達し、労働者も中国人を中心に雇うため、アフリカ側には「地元の雇用を生まず、技術も残らない」との不満がある。

 天然ガスや石炭が豊富なモザンビークで首相は、資源総合開発の政府開発援助(ODA)700億円の拠出を表明。これには、環境・教育・保健分野の支援も盛り込まれている。他に、資源開発分野で300人以上の人材育成方針も打ち出した。

 首相は今回、アフリカの若者の職業教育、女性の地位向上を推進する考えも強調した。コートジボワールの女性職業訓練施設を視察した際は「日本は『女性が輝くアフリカ』を実現すべく支援していく」との決意を示した。

 首相は14日、外遊を締めくくるエチオピアでの記者会見で「成長への躍動感あふれる輝かしいアフリカはもはや援助の対象ではない。人材育成もインフラ整備も全ては未来への投資だ」と強調。「今回の訪問は、日本とアフリカが21世紀の成長のパートナーとなるきっかけとなった」と手応えを語った。

 とはいえ、アフリカには、欧米や中国だけでなく、インド、トルコ、ブラジルなどの企業も積極的に進出。出遅れ気味の日本が巻き返すのは容易ではない。「日本は中国とは違うということが、アフリカの心に届けば成功だ」。8年ぶりとなった日本の首相のアフリカ歴訪について、外務省幹部は控えめに語った。