保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

御嶽山噴火における「心肺停止」

2014年10月04日 | 世の中のあんなコト、こんな事

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観光が主な産業であるここ長野県で発生した自然災害により
たまたまお越しになっていた多くの皆様が犠牲になられたため
この事故に関する話題は県の住人として避けて来ましたが
私なりに一つの区切りが付いたと判断して投稿させていただきます。

なにはともあれ
まずは始めに亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

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1週間前の事件発生直後からずっと
御嶽山噴火のニュースのたびに登場した「心肺停止」でした。

心肺停止、まさにそのまま心臓と肺(呼吸)が止まった状態のことです。
 
心臓の動きが先に止まる場合と肺の動きが先に止まる場合とがありますが
いずれの場合でも放置しておけば必ず両者は合併し
「心肺停止(状態)」になるそうです。

しかし、蘇生の可能性が残されているため「死亡状態」とは言えません。

日本の医学界では、実際には死亡していても
心臓停止と肺(呼吸)停止のほかに「脈拍停止」と「瞳孔散大」を加えた
4つすべてを確認した上で医師が死亡を宣告しなければ
法的に死亡が確定されないことになっています。

つまり、医師以外の者、例えば救助要員や警察官・報道関係者などは
心肺停止のみをもって死亡としてはならないということです。

事件や事故等の報道の際、「その後病院で死亡が確認されました」
などとよく表現されるのはこのためです。

このため日本のメディアでは、今回のような自然災害の現場において
まだ救出できずに医師も近づけない状態にあったり病院に運ばれている途中の
心臓と呼吸停止の状態にある人に対しては、医師による死亡が宣告されていないため
「心肺停止」または「心肺停止状態」と報道することに決めているそうです。

ちなみに、心肺停止に陥ると脳に血液が行かなくなるため
手遅れになると、たとえ命は助かっても脳死状態になる危険があり
人工呼吸や心臓マッサージなど、迅速な心肺蘇生のための
救命措置が必要であるとされています。

具体的には下のグラフのように
蘇生率は分単位で時間経過とともに急速に0に近づいて行きますので
長時間置き去りの今回では、事実上、死亡と変わりませんでした。


・心肺停止2分後まで蘇生措置をした場合の救命の可能性50%
8分間何もしない場合の救命の可能性15%

なお、日本国外では日本のメディアが「心肺停止」と報道していても
「死亡」「遺体」に該当する単語が用いられることもあるそうです。

蛇足ですが他方
今回は登場しなかった「社会死」と呼ばれる言葉もあります。
 
これは逆に、医師の診断を仰ぐまでもなく
だれが見ても蘇生が不可能と思われる身体の状態のことです。

例えば、頭部の損傷が激しかったり、首がもげていたり、体温がなくなっていたり
死後硬直が始まったり、中にはミイラ化や白骨化している状態などを指します。

 救急隊員はこの状態の死体については
心肺蘇生措置を施さず、救急搬送もしないでよいとされています。

理由は絶対に事件性が無いとは言い切れず
現場を保存するのためと言われていますが、他方
不足している救急に要する人や資材を他に運用する便宜的理由もあるようです。

 

 

コメント
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