保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

“普通”の通夜・葬儀・告別式・お別れ会など

2014年08月14日 | 葬祭と相続の記録&自らの終活

止むを得ない歴史的流れに因るとはいうものの
葬式の際にしか必要とされなくなった現在の日本の
形骸化した仏教の姿を揶揄した「葬式仏教」なる言葉があるように
普通は人が亡くなると唐突に仏教が身近になり
全ての儀式等がそれに則って、つまり仏式で行なわれます。

ただし一口に仏式とは言っても、宗派以外にもかなりの地域差があるようです。

私の住むこの地方では一般的に、通夜の翌日の昼間に火葬
次に葬儀、すぐ続いて告別式が行われます。

1.通夜

昔は死を確認する技術が稚拙であり
死んだと判定された者が生き返る例が多く、そこで遺体の監視をする必要があり
それが通夜の意味だったようですが、一人で死体を監視するのは怖いため
大勢で陽気に飲食をしながら過ごしたそうです。 

近代になってからは故人と親しかった人たちが葬儀の前夜
夜を通して故人に付き添い、別れを惜しむまじめな儀式になり、さらに現代では
死者に初めて僧侶がお経を聞かせるという意味を合わせ持つようです。

枕経と呼ばれ、宗派によっては行なわない場合もあるそうです。

最近では、一般の弔問客を迎え
通夜ぶるまいを含めて午後9時頃には終わる「半通夜」が大半で
意味合いも、告別式に出席できない人のためのお別れ式に変わってきています。

(通夜ぶるまい)
通夜が終わったあと
弔問客を別室に案内して飲食をふるまう事をいいます。
「お清め」の意味で日本酒やビールを用意します。
弔問客への感謝の気持ちを表す席ですので
故人の思い出を語り合うしめやかな席となります。

2.納棺・火葬・納骨

遺体を棺に納める納棺は
通常、火葬及び葬儀・告別式の直前の昼間に行ないます。

湯灌(ゆかん)と呼ばれるさまざまな遺体処理を施した上で
死化粧を施し死装束と呼ばれる白い衣装を着せたり
棺の中に遺体と共に愛用していた物(副葬品)などを納めます。

これに携わる人を納棺師と呼び、一時期ブームとなった
映画「おくりびと」はこの納棺師にスポットを当てたストーリーです。 

本来は家族が行なっていたのですが、感染症等の衛生上の観点から
専門的な知識を持つ人が係るようになっています。

湯灌→死化粧、死装束→納棺→斎場にて火葬
といった流れになります。

ちなみに、病院で亡くなった場合は家族に引き渡す前に
約1時間くらいかけて看護師が遺体の処置を行なってくれますが
これを「エンゼルケア」と呼びます。

また最近では、特に女性の死化粧において
約3万円で本格的なメイクを施すサービスもあります。

そして、火葬は法規上、原則として死後24時間以内は出来ません。

火葬が済むと遺骨は骨壺に納められ(骨上げ)、葬儀の際に祭壇に置かれ
その後、自宅に安置、原則として「四十九日」までに墓に埋葬(納骨)します。

宗派によるのでしょうが、納骨は冬の積雪時は春の「百日忌」まで待ち
新たに墓を造る場合は「一周忌」でも良いとされています。

2.葬儀・告別式

葬儀(仏式)は本来、死者をあの世へ送るために遺族や親族が営む儀式で
故人に仏弟子としての戒律を与える授戒と極楽浄土へと導く
引導を行いますので、僧侶が主導します。

告別式は、友人や知人を含む社会が
焼香や献花をもって故人に最後の別れを告げる儀式ですので
故人の死を悼む者であれば誰が参列しても良く、喪主が主導します。

近親者のみが火葬のため斎場に行き、一般会葬者が同行しなくなった現代では
葬儀に引き続き、同時に告別式を行うことが多くなっています。

(参考)

一般的にお葬式で人々の会葬を受ける場は「葬儀・告別式」です。
これは本来「葬儀」の後に「告別式」が別個に行われていたのが
一緒に行われるようになったためで
「葬儀ならびに告別式」というのが丁寧な表現になります。
ただし、会場案内等に書くときには、「葬儀・告別式」と併記しないで
「葬儀」または「告別式」のいずれかを用いるのが慣用となっています。
 
“葬儀は13時から14時まで、告別式は14時から”というときには
葬儀に参列していただく方には葬儀の開始時刻13時を連絡しますが
死亡広告等の一般の方への案内では告別式の開始時刻14時のみを案内します。

なお、近年は仕事の関係上、通夜に会葬される方が多くなっています。
本来は通夜は近親者が故人と最後のお別れをする場ですから
特別に親しかった人以外は弔問しないものでした。

今でも地方では、通夜は近親者だけで行なう地域があります。
特に故人と親しかった人は通夜にも翌日の葬儀・告別式にも出ますが
それほど親しいわけではないがお別れしたい人は告別式の方へ出るのが本来です。

3.お別れ会

最近よく耳にするお別れ会とは、家族・近親者だけで火葬・葬儀を済ませ
後日改めて故人や遺族と縁故・親交のある人、友人・知人、会社や団体の関係者などを
広く招いて故人とのお別れをしていただく、いわば“告別式中心の葬儀”です。
「偲ぶ会」「送る会」など名称はさまざまです。
 
著名人や芸能人などの訃報で「葬儀は遺族近親者のみで済ませ
後日お別れ会を行う予定」と告知されることがよくあります。
このため、お別れ会は多くの人が参列するような有名人に限ったものと
思われているようですが、必ずしもそうではないようです。
 
現代では葬儀はプライベート化する傾向が強まり、密葬化・少人数化してきています。
また、葬儀をせずに火葬する「直葬」も増えています。

こうした世相を反映するように、葬儀はとりあえず近親者だけでひっそり済ませ
社会的関係でのお別れの場は後日改めて設けるといったスタイルの
お別れ会が一般化しつつあります。

 

今回の内容については、言葉の意味を含めて画一的ではない部分も多く
私なりに解釈していますので、今後、理解が深まるにつれ
訂正することがあるかもしれません。

 

 

コメント
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