現代人の歩き方を「行進歩き」または「軍隊歩き」と呼ぶのに対し
“右手と右足、左手と左足を同時に出す”
たとえば、竹馬に乗った時や相撲の擦り足の時の歩き方は「ナンバ歩き」と言われ
もともとは急な坂道(難場)を登る際に良いからこう名付けられたとされてます。
そして、江戸時代は着物なので、帯が緩み難いし前がはだけないとか
特に武士は日本刀が着物に絡むことがないためこの歩き方だったようで
実際にこの頃の絵画の人物は基本的に
右手と右足、左手と左足が同時に出ているように描かれていることが
この説の根拠になっているという話も聞いたことがありました。
(ただし、この手の学問の常で、異論はあるようです)
本などの絵は小さすぎてはっきりと確認できずにいたのですが
たまたま訪れた「北国街道の400年」なる特別展を開催していた市立博物館で
複製の大きな絵を目にし写真に撮ることができました。
間違いなくそうですね~。
ところが、実際にやってみると、これがなかなかうまく歩けないのですが
当時の人はこれで一日40㌔も歩いたそうですから要は慣れなのでしょう。
慣れと言えば、同じく展示されていた実在した古民家の室内の明るさ、否、暗さは
現代人がとても暮らせるものではありません。
(フラッシュなし撮影)
庶民にはとても高くて日常的には使われていなかったとされるロウソクでさえ
1本約5wで、この室内はこれでも100wのスポットライト3個で照らされているのです…。
以前に訪ねたことがある東京・深川の「江戸資料館」でも
同じ印象を持ったことを思い出しました。
人間がこの程度の明るさのなかでも
現代風のピカピカキラキラの何十倍もの時代の長さを
暮らせてきた事実をすでに忘れてしまっています。