日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

沖縄、東北そして北海道巡りを考える:NHK「沖縄 学徒の遺書」をみて

2016-04-24 17:42:59 | 建築・風景
2月に沖縄、4月の東北、そして例年の10月或いは11月の北海道巡り。旅への意味合いが少しずつ違うとは言え、この「三つの旅」への想いを再考してみたくなった。ただみて歩く!そうであったほうがいいと。これが僕の旅、だった。さて?

この三つの旅達は、日本全国の建築家に設計した建築を案内してもらって写真を撮り、生い立ちも含めてヒヤリングして写真とエッセイによって建築ジャーナル誌に連載して4年目に入った「建築家模様」での取材とは、異なる旅である。

仕組みを考えてみたくなった!とは短絡的だが、昨3月23日、NHKのTV「目撃!日本列島・沖縄 学徒の遺書」見、瞑目しながら浮かび上がってきた思いである。「沖縄の学徒の遺書」、詳細については敢えて触れず最後に一言だけ付記しておきたいが、この僕のブログを文章化する時の僕の思いは、「人の生きることとは何か」という命題である。

さて三つの旅。つい先日の東北、2011年3月11日に被災した跡を写真家小岩勉さんに車で案内してもらって、その様を心に留め置く。出会いは小岩さんの著作、後に被災する女川、「女川海物語」(1992年3月カタツムリ社刊)だった。

北海道の旅、若き朋友moroさんに、と言うよりも、moroさんと共に十数年前から毎年異なる地域をやはり車で、時には一泊して廻ってきた。ある意味、建築検索ツアーでもある。風土と建築、僕の建築に関する問題意識の根底にある課題を探る旅でもある。世代の違うmoro建築観との対話の旅だとも言っておきたい。
そしてこの旅での一齣、札幌市立大学での羽深教授の院生への僕の建築へのトライを伝える講義、これもまた僕の旅でもある。

そして沖縄。
近年は2月11日(建国記念日)に聖クララ教会・修道院で行われる建築士会島尻支部の建築家根路銘さんの肝いりで行われてきたコンサートに参加(毎年会場に詰め掛けた方々に一言挨拶を述べさせてもらう)。
その根路銘さんとの出会い、その前には(何度も繰り返して述べてきたが)数年に渡って母校明大の大学院で一講座を担っていた渡邊欣雄教授(現・國學院大學)と院生を中心としたグループに同行、風水などを視野に入れた琉球・沖縄文化検索の学術的な旅、これが僕の沖縄感のベースになっている。
そして根路銘さんが車で案内してくれる建築を含めた多彩なツアー。ライブハウス「寓話」でのJAZZは僕の沖縄での拠点の一つであることをあえて付記しておきたい。

この三つの旅の一つのこの沖縄。「沖縄 学徒の遺書」は、中学生時代に学徒動員で徴兵され戦没した若者を捉えたドキュメントである。この亡くなった学徒の家族へ向けた遺書に出会った若き女性レポーターの涙に言葉が出ない。

ただ、歩いて視るだけでいいのか!

<写真 昨2015年2月13日の那覇空港にて>