日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

キース・ジャレットの「クリエーション」を聴いて そして菊池雅章の訃報

2015-07-15 17:12:31 | 日々・音楽・BOOK

クラッシク音楽の新しく出たアルバムを紹介する「for your Collection」という、新聞の紹介欄(朝日新聞6・11)の特別項で、JAZZピアニスト、キース・スジャレットの新盤(CD)ソロによるアルバム『クリエイション』の紹介がなされた。
キース・ジャレットは、バルトークのピアノ協奏曲第3番など、クラシックのアルバムを数多く出していて、僕はオルガンによる演奏などのCDを持っている。この一文でこの「クリエイション」を紹介した矢澤孝樹氏は、キースのクラッシク演奏は、躍動感が尋常ではなく、今聴いても実に新鮮だと書き、更に、自らのジャズ演奏を育んだ大地に還るような・・と絶賛する。そのキースの新盤となると、手に入れて聴かないわけには行かない。

嘗て僕は来日したキースの演奏、ゲイリー・ピーコック(bs),ジャック・ディジョネット(ds)によるトリオを東京文化会館などで、ソロ(インプロビゼーション・即興演奏)は中野のサンプラザホール(敬愛した建築家林昌二の設計)で聴いたことを思い起こす。
この新聞での紹介記事で気になったのは、キースは手を負傷し「世評高いトリオを解散した」という一文である。キースは同世代とは云え僕より少し若い70歳。僕は20代から30代の始め、銀座の「ジャンク」というライブハウスに通いつめ、京都で隠遁生活をしていたというゲイリー・ピーコックを引きずり出しての演奏も聴いていて、特段の思いがある。

ところでこの「クリエーション」は、訥々としたタッチで演奏されるが、音を紡ぐその音(ネ)は人を慈しむように温かく、キースはキースだ!と思ったものだ。

上記ジャンクで、のめりこんで聴いていたピアニスト菊池雅章(キクチマサブミ)がNYで亡くなった。建築誌に連載している「建築家模様」で、郡山の建築家を捉えるその一文を菊池のジャンクでのライブに触れて書き起こしている時に訃報を聞いて動転、思わず瞑目。その一文に、「人の生きることを噛みしめる」と書き記すことになった。

<写真 天に思いを寄せる>