時折薄い日が差す日曜日、蝉の音が聴こえてくる。
道端の鉄砲百合にへばりついた蝉殻に見入った。
肌にもほとんど感じない風でゆらゆらと揺れ、カメラのファインダーの中に留めるのに、一苦労する。蝉はどうやってこの百合を選び、飛び立ったのだろうかと考え込んだ。
月日は巡り、明日から初秋、9月長月である。
ー追記ー
一夜明け、小雨降る新宿西口公園を通ってオフィスに向かう。
烏が鳴き、小鳥がさえずる木々のなかで、ただ一匹の蝉がここを先途と鳴いている。
ミーンミン蝉だった。
ー追記ー
更に一夜明けた今朝、見事に晴れ上がった西口公園を通り抜けた。
色づき始めた欅の葉がほんの少し目につく中、蝉の音の饗宴だった。