日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

ホークの飲む酒

2005-11-05 12:59:18 | 日々・音楽・BOOK

BOWMOREという酒がある。スコットランドのシングルモルトのISRAYウィスキイ。美味いのは12年物と言ったのは建築家の大澤秀雄さんだ。ちょっと海の匂いの癖のあるSCOTCHでいちど口に含んだら忘れられなくなるなんて言う。そう聞くと矢もたまらず酒屋に飛び込んだ。
ISRAY(アイレイ)?と何回も彼に聞きなおしたほどで、僕はISRAYってのは知らなかった。

あった!ISRAYってのが。
BOWMOREは鴎の絵のあるラベルに、グリーン地にAged12Years、ESTABULISHED1779と言う数値が誇らしげだ。
ところがISRAYのある棚を見ていたら、これはホークが飲む酒だ、と言うラベルが目に飛び込んできた。RAPHROAIGE。モノトーンのラベルに、SINGLE ISLAY MALT SCOTCH WHISKY 10 Years Oldとある。この酒はさらに癖があり海草の匂いがきつく、飲めない人もいるがこれぞ男の酒なんて書いてある。そしてホークが飲むのも10年もの。ホークは言うまでもなくボストンの私立探偵スペンサーのスキンヘッドの相棒。これを買わずにいられようか。

さてっと!
コルトレーンの「バラード」をデッキにいれPrayを押す。マッコイ・タイナーのピアノに載せてサックスの艶のある音がためらいがちに流れ始める。さてドチラカラいこうか。大澤さんに敬意を表して、僕の好きな浜田能生さんの吹いたグラスにまずBOWMOREを注ぐ。グラスをちょっと上げて敬意を表する。甘い。40度もあるのに。微かに潮騒の香りがしてくるような気がする。なーるほど!
エルビン・ジョーンズの刻むリズムもいいものだなあなんて思いながら、ISRAYにことが及んだ大澤さんたちと飲んだ、東大キャンパス見学の後の楽しかった飲み会のことなどぼんやりと思い出したりする。

さてっと!
「バラード」が終わり、デスクを「NAIGHT OF BALLADS & BLUES」に入れ替える。ブルースの夜だぜ!うーん!いい感じになってきた。
興味津々。RAPHROAIGEだ。口に含む前にテイストする。なんていうのかなあ!漁港の臭いだ。よさそうだぞ。これも甘くて結構いけるじゃあないか。マッコイ・タイナーの調子もいいし、リズムを刻むスティーブ・デイヴィスのベース、レックス・ハンフリーズのドラムスも控えめでいい。あれ!この二人僕は知らないや。なーんて独り言を言っているうちに、ブルーモンクになった。こういうリズミカルなブルーモンクもなかなか乙なものだ。
ホークか!男の酒か。アルバムを`至上の愛`の様なハードなものに変えようか!夜は更けていく。