元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

きれいと汚いの間のもの美

2021-01-24 | モノについて

カンダミサコさんに神戸ペンショーの時実験的に作ってもらった様々な素材のペンシースの中でも、一番人気があったクードゥー革。
それで2本差しペンシースを作ってもらったら、なかなか好評でした。

アフリカの大型の牛科の動物であるクードゥーの革は、自然の中でいきているため、傷やムラが多く、厚みもバラバラです。

しかし、それがこの革の景色というか、模様のようになっていて、面白味のある革だと思っています。

キメの揃った作り込まれた完成度の高い革もいいけれど、私はどうしてもこういう素材感に溢れたものに惹かれてしまう。

こういうものを私はきれいと汚いの間と日頃から言っていて、モノのあり方として最高のモノとしてきました。

その価値は、かけた手間や金額では推し量ることのできないモノのあり方で、完全に自分の好みだけど、そういう自分だけのモノの見方の基準もあってもいいと思います。

きれいと汚いの比率はその有り様によって様々ですが、この間に存在する全てのものを私は拾っていきたい。

ちなみにクードゥーの革の度数は、きれい3:汚い7くらいのかなりの上級者でないと理解できないものだと思っています。

クードゥーの革のユニークなところは、表革がかなり暴れているのに、裏革はスウェードに使えるくらいのキメの細かさと、揃った毛並みを持つところです。この表裏の極端な差を知ってから、さらにこの革に惹かれるようになりました。

 

 

 

 


2 コメント

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Unknown (西木啓(相根いびさという名で物書きになりたい人間))
2021-02-17 19:02:29
こんにちは。
西木啓と申します。
昨日夕方前でしょうか、1時間半程の長時間の間、御社Pen and message. にて私にとって非常に幸せな時を過ごさせて頂いたものです。
いくつか記事を拝読させて頂きましたが、このタイトル・内容共にとても共感したためこちらにコメントさせて頂いてます。
改めまして、昨日は吉宗さま、お姉さま、お二人で本当に丁寧なご対応をして下さいましたこと、心より感謝しております。涙が溢れそうな瞬間を感じる程に幸せな時を過ごす事が出来ました。おふたりのおかげです。心より感謝申し上げます。
なお、祖父の使っていたであろう万年筆はその後調べる事によってMontblancでしか無いだろうとの結論を得、今私が現金化出来る大切な物が売れましたら、どうしても購入したい万年筆とインクを見つけました。
MontblancがLa Petit Princeと限定コラボにて販売したものです。
明日、お電話をさせて頂くつもりでおります。
その際もし可能であればいくつかご相談に乗ってくださると大変助かります。難しければ、他の時間に改めさせてもらいたく思っております。何卒よろしくお願い致します。

重ね重ねではありますが、昨日のあの時は何ものにも代え難い至福の時でした。誠にありがとうございました。

西木啓
(将来相根いびさとして物書きになる夢を現実化する為にMontblancの万年筆を必要としている人間です。)
Unknown (penandmessage)
2022-03-12 00:03:45
西木啓様
返信遅くなりまして申し訳ありませんでした。
当店での時間をお楽しみいただけてとても嬉しいです。私たちもお客様との時間によって何物にも得難いものをいただいており、仕事の糧としております。
また何なりとご相談下さい。お待ちしております。