今頃の季節、果物屋さんにビワが並ぶのを目にすると、小学校6年生まで家族4人で暮していた高槻の団地の部屋でのことを色々思い出します。
団地の棟の裏が花壇になっていて、父か母が1階だったウチの窓の下のところに食べたビワの種を埋めたら、それなりの木になって実が生るようになりました。
ウチが植えたということもあるし、ウチの窓の下ということもあって、そのビワをもぎる権利はウチにあって、窓からビワをもぎって食べていました。
木や葉っぱ、実はどれもあまり美しくないけれど、食べるととても美味しいと思っていて、ビワは今でも大好きな果物のひとつです。
子供時代のほとんどを過ごしただけあって、桜台小学校の目の前のその団地の部屋には本当にたくさんの思い出があって、今でも団地でのことをよく思い出します。
初めてうちにクーラーがついた日のことはよく覚えていて、木目調の今から思えばかなり分厚いクーラーから極端に冷たい風がけっこう大きな音とともに吐き出されていました。
確か本体から鎖のようなものが出ていて、それがパワーの切り替えだったような気がします。
夏の日曜日の家族の楽しみは、熱いうどんをクーラーでキンキンに冷えた部屋で食べるというもので、何とも素朴な楽しみだったと思う。
私たちの暮らしや、楽しみはあの頃と比べようもないくらい便利で、ハイテクになったけれど、何かと引き換えでないとキンキンに冷えた部屋でうどんを食べるということさえできなくなった。