元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

万年筆で美しい文字を書こう

2010-11-07 | 仕事について

一昨日ペン習字教室「万年筆で美しい文字を書こう」の第1回目を開催しました。
楽しく、美しい文字を書けるようになろうというのが、今回の講座の目的とするところでしたが、本当にそのような講座になったことは、堀谷龍玄先生のお人柄と参加者の皆様の前向きな気持ちがあったからだと思い、感動に近い感覚を覚えました。
万年筆を使っているからには、美しい文字を書きたいと思っていましたが、願うだけで通信教育や講座を受講するなどの行動を起こしてきませんでしたので、今回の講座は私自身が一番強く願っていたものかもしれません。
美しい文字を書きたいという思いを持っておられる方は多いようで、店にある椅子とテーブルでは間に合わず、長テーブルを借りたり、当マンションに足場を組んで工事している工事事務所からパイプ椅子を借りてきたりしました。

先生のお手本を見ながら、丁寧に自分なりに美しい文字書いてみると、日々いかに雑に文字をかいていたかを思い知りました。
雑に急いで書いた文字も、丁寧にゆったりと書いた文字も、例えば手紙で相手に届いて残るのは同じです。
気が急いて書いても時間的にもそれほど変わらない、どうせ書くなら残っても恥ずかしくない文字を書きたいと思いました。
線1本1本に気をつけながら文字を書くという気持ち、これが文字を美しくするのかなと思います。
黒インクを入れた細字の万年筆ということで先生が決めてくださいましたが、黒インクが一番文字を美しく見せてくれることも分かりました。
自分の持っている万年筆をいろいろ試したり、人から借りて書いてみたりしましたが、渾身の集中力で丁寧に文字を書くというある種極限の状況で万年筆の性能も見極めることが出来、美しい文字が書きやすい万年筆とそうでないものがあることも分かりました。
これに関しては、今後いろいろ試して解説できる機会を作りたいと思っています。
万年筆を使うことで期待していることのひとつは美しい文字を書きたいということだと思い出した、今回の「万年筆をで美しい文字を書こう」講座で、万年筆にはこんな楽しみもあるのかと私などは遅ればせながら思いました。
次回は12月3日(金)19時から21時「万年筆で美しく年賀状を書こう」です。