この日本をどうするのか。真の改革の担い手にふさわしいのはだれか。安倍内閣10カ月の実績とビジョンに、有権者の審判が下される。
任期が6年と長く、解散による失職がない議員の選挙でもある。ここ数カ月、世の中を騒がせたテーマに目を奪われ、怒りにまかせて貴重な投票権を行使するわけにはいかない。
与野党の勢力が激変することも予想されているが、その結果もたらされる政治構造の変化は、日本が向き合う諸課題の解決にとって、ふさわしいものとなるのだろうか。
≪「年金」では選べない≫
改革の立ち遅れは、転換期に立つ日本に重い後遺症をもたらしかねない。長期的視野が必要だ。判断の誤りは重大な結果を有権者に突き付ける選挙であることを、いま一度考えたい。
今回の参院選への国民の関心が高いことは期日前投票の増加にも表れている。「年金選挙」として醸し出されたムードの影響は大きい。
年金記録紛失問題は、社会保険庁を舞台に、官僚のずさんな管理と、職員労組の過剰な権利意識の所産であったことを浮き彫りにした。
それを見過ごしてきた責任は、政治全体にあった。それでも、早急に対応策が整えられ、年金記録問題はひとまず片付いた。この問題だけで与野党の勝ち負けを決めようというのは、どうみても無理がある。
選挙結果に伴う安倍晋三首相の進退にも関心が向けられている。
たしかに、平成元年には宇野宗佑首相、10年には橋本龍太郎首相が、それぞれ参院選敗北の責任をとって内閣総辞職した経緯もあった。
しかし、参院の本来の趣旨は衆院に対する抑制機能にあるはずだ。その選挙が、またもや政局を大きく左右する様相を呈している。政局本位の選挙であってはならない。
戦後60年を経て、さまざまなシステムにひずみが出てきた。
安倍首相が目指す憲法改正や教育再生は、新しい国を形作るうえで不可欠だ。公務員制度改革への着手は、官僚主導政治に本格的にメスを入れる試みとなる。税財政のあり方を含む構造改革の推進、少子高齢化対策、地方の再興といった内政課題も急務である。
核の脅威を振りかざす北朝鮮に、安倍首相は毅然(きぜん)とした姿勢を示し、拉致問題解決を最優先課題としてきた。それだけに、北朝鮮は最近、ことさら安倍首相を批判し、その退陣を心待ちにしているようだ。
≪改革の必要性は不変≫
原則を曲げない対北外交方針は、日米同盟の維持、強化とともに不変でなければならず、いずれも死活的に重要なものである。いまは政治の混乱や停滞が許される状況にはない。
平成元年の参院選で、自民党の参院過半数割れが生じた後、自民党の下野と細川連立政権の誕生、新進党結成や自社さ政権、自自連立といった政界再編、混乱の時代が続いた。
首相や政権の枠組みが次々と代わるだけで政治は安定せず、「政界の失われた10年」とも呼ばれた。
自公連立体制が確立することによって、自民党は参院の過半数割れを意識せずにすんでいた。しかし、この選挙を経て、自公連立でも数が足りない事態が予想されている。
衆院で与党が圧倒的多数を持っていても、参院で過半数割れすれば、野党が反対する法案はいずれも参院で否決されてしまう。衆院と同様に参院も政党化している現実から、与野党対立の状況は、参院の抑制機能を超えて、法案の成否を決めてしまうのだ。
野党の賛成も得て成立させようとすれば、政府・与党が思い切った政策を打ち出すことは難しくなる。
小沢一郎代表が率いる民主党のねらいは、参院を与党過半数割れにしたうえで、安倍首相を衆院解散・総選挙に追い込むことにある。
その後の政権奪取や政界再編も視野に入れたものだが、日本がどのように改革の道を進んでいくのかについて、シナリオは見えてこない。
ふさわしい改革とそれを実現できる候補者、政党を見いだすことが、有権者に求められている。
【産経新聞】
自民党支持丸出しの主張。さすがは三流新聞。素直に「自民党に1票入れろ!」って書けばいいのに。
任期が6年と長く、解散による失職がない議員の選挙でもある。ここ数カ月、世の中を騒がせたテーマに目を奪われ、怒りにまかせて貴重な投票権を行使するわけにはいかない。
与野党の勢力が激変することも予想されているが、その結果もたらされる政治構造の変化は、日本が向き合う諸課題の解決にとって、ふさわしいものとなるのだろうか。
≪「年金」では選べない≫
改革の立ち遅れは、転換期に立つ日本に重い後遺症をもたらしかねない。長期的視野が必要だ。判断の誤りは重大な結果を有権者に突き付ける選挙であることを、いま一度考えたい。
今回の参院選への国民の関心が高いことは期日前投票の増加にも表れている。「年金選挙」として醸し出されたムードの影響は大きい。
年金記録紛失問題は、社会保険庁を舞台に、官僚のずさんな管理と、職員労組の過剰な権利意識の所産であったことを浮き彫りにした。
それを見過ごしてきた責任は、政治全体にあった。それでも、早急に対応策が整えられ、年金記録問題はひとまず片付いた。この問題だけで与野党の勝ち負けを決めようというのは、どうみても無理がある。
選挙結果に伴う安倍晋三首相の進退にも関心が向けられている。
たしかに、平成元年には宇野宗佑首相、10年には橋本龍太郎首相が、それぞれ参院選敗北の責任をとって内閣総辞職した経緯もあった。
しかし、参院の本来の趣旨は衆院に対する抑制機能にあるはずだ。その選挙が、またもや政局を大きく左右する様相を呈している。政局本位の選挙であってはならない。
戦後60年を経て、さまざまなシステムにひずみが出てきた。
安倍首相が目指す憲法改正や教育再生は、新しい国を形作るうえで不可欠だ。公務員制度改革への着手は、官僚主導政治に本格的にメスを入れる試みとなる。税財政のあり方を含む構造改革の推進、少子高齢化対策、地方の再興といった内政課題も急務である。
核の脅威を振りかざす北朝鮮に、安倍首相は毅然(きぜん)とした姿勢を示し、拉致問題解決を最優先課題としてきた。それだけに、北朝鮮は最近、ことさら安倍首相を批判し、その退陣を心待ちにしているようだ。
≪改革の必要性は不変≫
原則を曲げない対北外交方針は、日米同盟の維持、強化とともに不変でなければならず、いずれも死活的に重要なものである。いまは政治の混乱や停滞が許される状況にはない。
平成元年の参院選で、自民党の参院過半数割れが生じた後、自民党の下野と細川連立政権の誕生、新進党結成や自社さ政権、自自連立といった政界再編、混乱の時代が続いた。
首相や政権の枠組みが次々と代わるだけで政治は安定せず、「政界の失われた10年」とも呼ばれた。
自公連立体制が確立することによって、自民党は参院の過半数割れを意識せずにすんでいた。しかし、この選挙を経て、自公連立でも数が足りない事態が予想されている。
衆院で与党が圧倒的多数を持っていても、参院で過半数割れすれば、野党が反対する法案はいずれも参院で否決されてしまう。衆院と同様に参院も政党化している現実から、与野党対立の状況は、参院の抑制機能を超えて、法案の成否を決めてしまうのだ。
野党の賛成も得て成立させようとすれば、政府・与党が思い切った政策を打ち出すことは難しくなる。
小沢一郎代表が率いる民主党のねらいは、参院を与党過半数割れにしたうえで、安倍首相を衆院解散・総選挙に追い込むことにある。
その後の政権奪取や政界再編も視野に入れたものだが、日本がどのように改革の道を進んでいくのかについて、シナリオは見えてこない。
ふさわしい改革とそれを実現できる候補者、政党を見いだすことが、有権者に求められている。
【産経新聞】
自民党支持丸出しの主張。さすがは三流新聞。素直に「自民党に1票入れろ!」って書けばいいのに。