北京ダック「日本鬼嫁・中国オニシュウトメ」日記。

再開しました。 私は今、夏に居ます。

ダック鬼嫁日記90「ハナ子とスイカに御用心!そのにじゅうなな」

2008-08-17 | ㊥ハナ子とスイカに御用心!
 
盆休みも終わりですね~
うち? うちは盆とか関係ないんですよ。
まあ、盆休みってどこ行くのも高くて混んでいるし、いいんですけど・・・
いや・・・
強がりですな。
休みがあったなら。
行きたい場所はそりゃあもうたくさんある!

                   



パパン。 どーしてまだ黙ってるわけ?
そういうのって、「穏やかな人柄」っつうのと、違うよね? 違うよね?
・・・と、思っていたら、彼はようやく言葉を発した。

「あのぅ・・・ここは職場なので、ケンカはやめてください・・・没有面子だから・・・お願い・・・」

えー・・・
そんだけー・・・

そんな小さな主張、こんだけヒートアップしているに届くわけ無いじゃない。 聞こえてもいないと思うよ。

案の定、がチラ見したものの、ハナ子の激しい攻撃に見舞われて応戦するうち、パパの主張は凄い勢いで無かったことになり、元通りのケンカが続行されたのであった。

パパン。 言いたいことは大きい声で言いましょう、って幼稚園で習わなかったのかな~?・・・などと、私がしょうもない脳内ナレーションで気持ち的にK1リングサイド的バトルをやり過ごすうち・・・

ガチャ、っと、扉が開いた。
つまりこの席は、個室なので、外の大部屋に続く扉が開いたわけ。

「お料理お持ちしました。」
わりときれいめな服務員さんが運んできた、ほっかほかの湯気が立っているお料理。 かなり山盛り、豆腐か何かの料理だったような気がするけどさすがにそこまでは憶えていない。

突然入ってきた第三者に、一瞬静かになったMY夫。
かまわず怒鳴り続けるハナ子。

怒鳴っている内容は、たいしたことではない。
もっとも、このへんになると、はっきりと聞き取れたとまでは言えない。 もともと中国語がそんなに出来るわけじゃない上に、服務員出現と、開け放たれたドアの向こうのざわめきが気になってしょーがなかったから・・・

ただ、ハナ子が、シドニーで嫁に虐待されたんだ、ごはんを貰えなかったんだ!!!と、繰り返していることだけはわかった。

料理を置くと、服務員さんは、ハナ子に向かって、「座ったらどうですか?」みたいなことを言っていた。 日本で言うところの「他のお客様のご迷惑になりますので」みたいな意味であるのか、それともただ、見るに見かねた気持ちをストレートに表現しているのか、よくはわからなかったけれど。

この時点で、夫は少し冷静になったというか、ハナ子に言い返すのをやめていた。

ところが。

ハナ子は。

第三者の出現で、ますますヒートアップして、「母ちゃんは被害者なんだエイヨォ!!!!!!」と、更なる大声で叫びだしてしまった。

;「虐待なんかされてないだろ!」

言い返す能力つまり中国語力を持たない妻が、言われ放題になったのが、夫が我慢できなかった理由だと思うんだけど。

彼もまた、言い返した。
さっきまでよりは抑えた声だけれど、しかし強い口調で。

服務員さんは、諦めたように去っていった。
また扉は閉じられ、戦いは続く・・・。

いつまで続いちゃうのかしら。
平行線だから、終わりが見えません。

止めるべき人→は、ただひたすら傍観者になっているし。

はて。

どうなんだ。


そうこうするうちに、またドアは開いた。
そりゃそうだ。
だって、お料理、どうやら中華のコースなんだもん。
品数多いわけよ。
その度に扉が開き、怒鳴り声はより明らかに外の世界に響き渡り・・・。

RPGで言えばバグ、ハマリだわね?
ゲーム続行不可能なエラー・・・。

永遠に続くのかい?・・・という勢いでゲンナリしてきた頃合。

再びパパは起動した。


パパは。

すっくと立ち上がり。

小さな声で

「面子が立たないから、ケンカしないで・・・」 

そんだけかよ。

またかよ。

もういいよ。

しかも。 ハナ子はまるっきり無視して見もしないで、ただの方だけを見て言うんだから、まったくもってどうかしている。 ハナ子に対しても、に対しても、「お前達、こんなところでよしなさい!」って一喝するのが筋ってもんではないか? 私はそう思う。

私はイライラした。

とても。

何故パパは、毅然とした態度を取れないばかりか、ハナ子とは目も合わせず、にばかり言うのか。

そういう態度はに悪いと思わないのだろうか。

ハナ子にも悪いと思わないのか?

この夫婦は、もうそういうことを言える状態ではない・・・って言い方も出来るのかもしれない。 そうやって、パパを庇う気持ちで居ようとしてきた気がする。

だけど、曲りなりに夫婦を三十年も続け、今も寝起きも共にしているのに、そんなのってありなのかな。

こんなところで、母親と怒鳴り合いをしている息子に対して、止せ!止めろ!って言わないって、ありなんですか。

私は何も言わず成り行きを見守っていた。 それは、この問題が、彼ら家族の問題で、そこに嫁である私が何をしたとかどうとか言われているのは、ただ表面的に何がしかの不満を述べるのに使われたに過ぎないと思うから。

けれども私の内心で、それまで懸命に深く考えないように努めていた、パパという人物に対する正直な気持ちが、酷く嫌な重圧のように込み上げて来た。

私は、色々な意味で、パパを嫌いだと認識したくなかったんだけど・・・。

やっぱり自分に嘘は吐けないか。 









「ハナ子とスイカに御用心!そのにじゅうはち」に続く。




実は8月の夜が苦手なんです。
戦争を思い浮かべがちなんで。
別に体験者じゃないし、深く考えなければいいことだし・・・シドニーに住んでいたときはそれほど考えなかったんですけどね。
小学校低学年くらいまでに受けた、悲惨さを伝えんとする教育の賜物であるのか。
戦争に行った、じいさんから散々聞かされた(とは言え彼は孫娘にはかなりいやな部分をカットして聞かせてくれたはずなのですが)せいなのか。
想像もつかない、苦しみを味わった人々が、現実に居たのだよな・・・ってことを、ふとしたときに思ってしまうんです。
大人になった今は、この世のどこかには、今もそういう思いをしている人々がいるんだな、と考えるので、余計にダメ。
善人ぶるわけでなくて、そういうことが、そういう苦痛が存在することに、妙な恐怖を覚えてしまうんです。
そんな苦痛は本来あってはならないことだと、将来私の子供にも認識して欲しいと思います。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (しろくま)
2008-08-17 10:56:57
いわゆる「いいひと」を嫌いって認めるのは
なかなか苦しいですよねえ…
明らかにヘンな人ならどんなに気が楽か。
できるなら「嫌い」に気づかずやりすごしたい
ところですよね。
近しい関係では当然無理なんですけど。。

Unknown (xionglong)
2008-08-18 11:46:22
パパがおとなしいから
ハナ子さんがそんな風に暴走するようになってしまったんですね。
っと勝手に決め付けてはいけませんね。
面子を大事にする中国人なのにハナ子さん、
パパの面子をつぶしておかまいなし。
パパも威厳なし。
会社でもそうなんでしょうね。。

パパがかわいそうになってしましました。
自業自得なんでしょうが。。

しかし、北京ダックさん、すごいこと言われてますね。
ハナ子さん、本当自己中です。。
Unknown (サトシ)
2008-08-21 19:17:12
ちょくちょく拝見させていただいてます。
応援ポチッ!!!
また返事遅くなっちゃった (北京ダック)
2008-09-17 00:42:02
ごめんちゃい。

しろくまさん
その通りなんですよね。
誰が見ても嫌なやつを嫌うのは、周囲の共感を得やすいんです。 でも「いいひと」を嫌うと、なかなか理解されない、表現できない分、妙なストレスがたまります。 
だから、一度嫌悪感を持ってしまうとなかなかもとのようには見られないですね。

xionglongさん
最初はパパはかわいそうだ、って思っていたんですが・・・世の中そう単純ではないな、と思っています。 難しいです。
ハナ子は意味不明なまでに自己中だし・・・。

サトシさん
ありがとうございます。
またお願いします。