thaumatrope

ペテルブルグ幻想

永遠と思っていた時間永遠じゃないから

2009-12-23 | 雑記
「私、どんな娘。小説にもその娘。小説の中で一番好きな、こう、ドキドキする瞬間があるんです。例えばこのシアターだと飯田・辻編の『八重歯がのぞいて、すごく強く見えたよ』が一番好き。でも。『八重歯がのぞいて、すごく強く見えたよ』が好きだからって『八重歯がのぞいて、すごく強く見えたよ』で止めちゃったら……娘。小説じゃなくなる。だから、上手く言えないけど。時間を止めちゃいけないとおもう。時間を止めたら、萌え男。さんも、嬉しくないんじゃないかなあって」


思い出の初現場、サンクユーベリーベリーのDVDが手に入りまして、毎日毎日親の仇みたいに見ております。奇しくも撮影日は922の日、私が観劇した日でして、DVDの編集上というか効果のためというか、ステージ側から客席の方を映すシーンが何度かあるんですが、カメラが客席側を映すたびに入り込んでないのは重々承知してるんですが胃がぴりりと痛みます。ヲタ晒し、ホントやめてほしい。

エスパー舞美

2009-12-13 | 娘。小説
http://www.youtube.com/watch?v=TO7NlEODztw

例えば鉄の時代。クッツェーは40代の男性でありながら、病に蝕まれ衰えゆく老女の語りを鮮やかに克明に書き出しました。フィクションは所詮妄想。端的に言えば、作者の頭の中で作り出した人物を違和感なくストーリーという流れに乗せるのが小説を書く上での必要十分条件であるんですが、いわゆる娘。小説の場合、そこは普通のよりもハードルは高い。なんたって登場人物はみなさんご存知のハロメンなわけですから、「なっちはそんなこと言わない」とかツッコまれかねません。『海のうた』のようにそういった娘。小説の上での既存の共通認識を逆手にとってインパクトで勝負する、という方法もありますが、ほとんどの場合は娘。小説上のお約束に沿っていくのがマジョリティーであり、そして最大の難関でもあります。それを念頭に置いたうえでこの作品を読んだ時、心のどこかに生まれいずるもの。それはトマキさん=愛理ちゃんという可能性。