五里夢中於札幌菊水 

野戦病院へ出向予定。
医療崩壊に対して国民全てと共闘を夢想。
北海道の医療崩壊をなんとか防ぎたい。

積丹岳 雪崩事件

2007-03-21 10:14:27 | 登山
痛ましい事件である。
亡くなられた4人のご冥福を祈ります。

事件の概要↓


2007/03/19 14:12 北海道新聞

不明3人遺体で発見 積丹岳雪崩、死者は計4人
 
【積丹】後志管内積丹町の積丹岳(一、二五五メートル)で十八日、一人が死亡し、三人が行方不明となった雪崩事故で、道警や自衛隊などは十九日早朝から捜索を再開し、午前十時半すぎ、行方不明だった三人の遺体を雪の中から発見した。前夜に死亡が確認されていた小樽市富岡二、運送業渡辺正博さん(44)を含め、計四人が死亡する惨事となった。道警は表層雪崩が起きた可能性が高いとみている。山岳ガイドでつくる北海道雪崩事故防止研究会などによると、道内の雪崩事故で四人以上の死者が出たのは一九七二年十一月に大雪山系旭岳で五人が死亡して以来。

 余市署によると、新たに見つかった三人は北見市北上八○五、自営業大矢根博さん(59)、札幌市豊平区月寒東五の一三、会社員内多吏(うちだおさむ)さん(34)、同市西区西町北一八、店員山際友貴哉さん(20)とみられる。渡辺さんの遺体は十八日、仲間が雪の中から掘り出したが、悪天候のため収容できなかった。三人は渡辺さんが見つかった標高七五五メートル前後の地点で、深さ約一メートルの雪の中から見つかった。四人の遺体は雪上車やヘリで収容し、いずれも余市署に搬送して、身元確認を急いでいる。

 同署などによると、十七台のスノーモービルに分乗した一行二十二人は十八日午後二時五十分ごろ、積丹岳山頂から東方向に広がる直径二、三キロのすり鉢状のくぼみの付近にいた。このうち一台が斜面を上ろうとした際、アイスバーンの上に積もっていた新雪が落ちて雪崩が発生。一行のうち十四台十四人が巻き込まれたが、このうち四人が雪崩の直撃を受け、約二百メートル流された。

 重傷を負ったスノーモービル販売店「ASSプロモーション」社員で石狩市在住の男性社員(29)ら十八人は十八日夜、道警などに救助され、下山していた。

 現地対策本部によると、道警などの捜索隊は十九日午前五時半ごろ、スノーモービルなどで積丹岳登山口を出発、同七時半ごろ、事故現場に到着し、捜索していた。

2007/03/19 14:22 北海道新聞

スノーモービルが誘発か 「表層雪崩」重さや振動で 積丹岳

 積丹岳の雪崩事故で、余市署は十九日、多数のスノーモービルの重さや振動で斜面の雪の上層部だけが滑り落ちる「表層雪崩」が発生したとの見方を強めている。海外ではスノーモービルと雪崩の因果関係を示すデータもあり、関係者は注意を呼びかけていた。

 表層雪崩は、寒さの緩みや雨などで雪の表面がざらめ状に変化し、その上に積もった雪との接着力が弱まることで発生しやすくなる。

 余市署によると、雪崩発生場所は標高七五五メートルの「ピリカ台」南側で、すり鉢状になった斜度約三○度の急斜面。生存者は「一台のスノーモービルが斜面を上っている際にアイスバーン状の上に積もっていた雪が滑って雪崩が発生した」などと話している。

 札幌管区気象台によると、積丹岳周辺では三月上旬に平均気温の高い日が続き、五日には平年より八度高い六度を観測。その後、平年並みに冷え込み十八日の平均気温はマイナス一・一度だった。

 NPO法人「日本雪崩ネットワーク」によると、カナダで発生する雪崩のうち約二割がスノーモービルに起因すると報告されており、北米ではスノーモービルが雪崩に巻き込まれる事故が多い。

 スノーモービルの重量は二百-三百キロで、スキーやスノーボードよりも雪に負荷がかかり、雪崩を誘発しやすい。

 「日本スノーモビル安全普及協会」によると、全国の保有台数一万台超のうち約四千台が北海道に集中。自然環境や動植物の生育環境に影響を与えるとして、国立、国定公園の特別保護地区などが使用禁止区域に指定されているが雪崩などへの影響を防ぐ規制はない。

 同協会は、スノーモービルで山岳をツーリングする場合、山を熟知したベテランを複数配置するよう安全指導している。日本雪崩ネットワークの出川あずさ理事長は「雪崩が発生しやすい地形の知識を学んで入山し風や地形をよく見て行動してほしい」と話している。


2007/03/20 08:26 北海道新聞

雪崩の危険認識か 参加者の一部が指摘 積丹岳雪崩事故   

【積丹、余市】後志管内積丹町の積丹岳(一、二五五メートル)で十八日、四人が死亡し、一人が重傷を負った雪崩事故で、スノーモービル愛好者らの一行は、雪崩に遭う前、天候が悪化し、参加者の一部が雪崩の危険を指摘し、下山を促す声が出たにもかかわらず、現場付近にとどまっていたことが十九日、余市署の調べで分かった。同署は雪崩の危険を認識しながら下山が遅れ、四人の死亡につながった業務上過失致死傷の疑いもあるとみて、参加者から事情を聴いている。

 同署によると、一行二十二人はこの日、おもにスノーボードのPR映像を撮影するため小樽市内で集合し、現場に向かった。雪崩が起きる直前の十八日正午ごろ、八合目付近のくぼ地でスノーモービルに乗っている最中に風雪が強まったため、一部のメンバーが「雪崩の危険があるので下山しよう」と呼び掛けた。しかし、だれも下山を決めず、その後、別の場所に移動しようとしたところ、雪崩に遭ったという。

 同署は、雪崩の危険を認識しながら、下山しなかった経緯について、救助された十八人から詳しく事情を聴く。救助関係者によると、死亡した四人のうちの一人が現場付近の地形などに詳しかったが、明確な責任者はいなかったとみられる。同署は、事故当時の状況について調べるため、二十日以降、天候の状況を見ながら、事故現場で実況見分を行う。

 また、同署は十九日午前に収容した四人の遺体は、不明だった四人と確認した。このうち、三人の死因は窒息死と判明したが、運送業渡辺正博さん(44)=小樽市富岡二=は、死因が特定できないことから、二十日に北大で遺体を司法解剖する。


~以上抜粋~

問題点として考えれること
① 22人パーティーでは統率がとれない
しかもリーダーが誰すらかも決まっていない。
こういった場合ずるずると突き進む可能性が高い
(特に文献は読んでいませんが知っている範囲内での遭難事故から)。

② 雪山に入る際のルールを守っていない

大量降雪があったときには行動しない

一度に大量の降雪があると弱層の上に積もる雪も当然厚くなり、その分荷重も増す。特に急な斜面の場合、弱層は支持力を失いやすくなり、雪崩が発生する危険も非常に高くなる。
また新雪そのもの自体も結合力が弱く危険なので、激しい降雪中やその直後に行動するのは、出来るだけ避けたいものだ。また、山行日の2~3日前までの間にドカ雪が降ったかどうかもチェックしたい。もしドカ雪が降っていれば、積雪の状態が不安定になっていると考えられるので、計画の変更または中止を検討すべきだ。一つの目安として、一晩に30cm以上の降雪があったら要注意と心得よう。
ただし、上部に傾斜が急で広い斜面があるときは、10cmの積雪でも注意しなければならない。


斜面の中の狭い範囲に荷重刺激を与えない

間隔を開けずに数珠繋ぎになって斜面を登る、ひとかたまりになって斜面を滑降する、休憩するために斜面の1カ所に何人も集まる(2~3人でも雪崩発生の事例がある)など、斜面のごく狭い範囲に荷重を集中させることによって雪崩は起こりやすくなる。斜面を登る時はなるべく間隔を開けて行動し、出来るだけすみやかに尾根筋に抜けられるコースをとるようにしよう。狭い斜面を通過しなければならない場合は、何人もが同時に侵入せず、ひとりづつ通過することだ。

加重を考えるとスノーモービル自体禁忌かな?

雪崩ビーコン・スコップ・ゾンデは必携

雪山での行動者は、雪崩ビーコン・スコップ・ゾンデのセルフレスキュー3点セットを必ず個人装備に加えなければならない。雪崩ビーコンは小型の電波発信&受信機で、雪崩に巻き込まれた人の埋没地点を特定するのに威力を発揮する。ゾンデは雪面に突き刺しながら埋没者を検索する長い棒状の物。スコップは埋没者を掘り出す時に必要となる。雪崩による埋没者は、15分以内に発見・救助出来れば生存の可能性が高いとされているが、この3つが揃っていなければ迅速なレスキューは望むべくもない。ただし、雪崩ビーコンはただ持っているだけでは何の役にもたたないので、購入したら講習会などに参加して使用法をしっかりマスターしておきたい。

今回は持っていたのだろうか?記事ではわからないが・・・。

こちらのページ→雪崩情報
雪山直前対策 雪崩で死なないための10の法則を参照させていただきました
読むだけでも勉強になります。

こちらも勉強になります↓
決定版 雪崩学―雪山サバイバル 最新研究と事故分析

山と溪谷社

このアイテムの詳細を見る


こう見ていくと以前の八甲田山雪崩事件との共通点が浮び上がってきます。
積丹岳に行きたいな~と思っている矢先の事件で身震いがしました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。