音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

2019年を振り返って

2020年01月01日 | 日記
あけましておめでとうございます。


2019年を月ごとに振り返ろうと思います。

1月
でんぱ組.incの夢眠ねむちゃんの卒業ライブ。見事な卒業公演と幕引きでした。
彼女が居なければ、寺嶋由芙ちゃんもフィロソフィーのダンスをやる事もなかったと思うので、そういう意味で
も感慨深いです。そして結婚おめでとうございます。

2月
日向ハルちゃんの「ザ・カラオケ・バトル」への出演。
この番組、当日、適当に得意の曲を歌うというのではなく、事前の準備、さらに特訓もかなりあるんです。
色々勉強になりました。

自分がオーナーのレストランCUMAの開店。

なぜ店をやる事になったのか経緯を説明すると育成してデビューしたKUMAMIというSSWが代官山のレストランでライブ演奏と接客のバイトをしていて、その店が
閉店するのでシェフと一緒に店をやりたいので援助してくれないか、と頼まれました。
二人は信用出来るので面白いと思ったのですが、弟も飲食業なので相談した所「飲食は物件が全て」と言われました。
不動産に出てる店は、はやらず潰れた店なのでダメだそうです。
予定よりかなり遅れたのですが、二人が頑張って未公開の物件を見つけて来ました。
なので、僕が確認したのは物件だけで、店のコンセプト、インテリアなどは全部お任せ。店名も決まってから聞かされました。
お陰様で評判も良く、年末は僕も入れないくらい流行っていたので、暫くは何とかなりそうですが、一度来てやってください。

ナンバーガールの再結成発表
今まで、再結成の話が出たことが無いわけでは無いのですが、今回僕は蚊帳の外でした。
発表前日に向井くんから電話があり「どうしたの?」と聞いたら「やりますよ」「何を?」『だから、やりますよ」というシンプルな電話がありました。
メンバーが現役のうちに出来た事が本当に良かったと思います。

3月
ブライアン・フェリーの来日公演。
東京、大阪行きました。
1977年の初来日も行きました。リアル・タイムにラジオで聞いた「ラブ・イズ・ドラッグ」のショックは僕の音楽観を形成したものの一つです。
のちにシックのナイル・ロジャースもこの曲を聴いてインテリジェントなダンス・ミュージックをやろうと思ったとの事なのですが、これはフィロソフィーのダンスのコンセプトにも繋がっているので我が意を得たりという感じです。
ライブは声の色艶の衰えは感じますが完成度の高いショー、オールタイム・ベストの選曲は最高ですね。
ギターが初来日と同じクリス・スペディングなのも泣きました。

フィロソフィーのダンス、サード・アルバム「エクセルシオール」発売。
30年間、何十枚もアルバム作って来ましたが、ジャケなども含め自己満足度が一番高い作品になりました。

4月
フィロソフィーのダンス 20代の3人編成のバンドを従えての東名阪ツアー。
若いミュージシャンはテクニックは劣っても、若さならではのフレッシュな演奏を聴かせてくれる時があります。
例えればボジョレー・ヌーボーみたいなもんですかね。

クリトリック・リスの日比谷野音ワンマン。
35歳から楽器も弾けないのに音楽を始めてステージに立ちサラリーマンを辞めて、14年後に日比谷野音でワンマンライブ。
どう考えても音楽史上に残る快挙だと思います。
これを取り上げない、ヒューマン・ドキュメンタリー系のテレビ番組はどうなってるんでしょうか。

「夢を諦めるな」「いくつになっても始めるのは遅くない」なんていう綺麗事は聞き飽きましたが、ここにそれを実現した人がここにいるわけです。

多分名前で引っかかってるとは思うんですが、言ってないですから、アナル・カント(そういうパンク・バンドがいます)では無いですから。
笑って、泣いて、感動させてもらいました。


5月
トッド・ラングレン来日公演
好きなアーティスト、ベスト5に入るのですがライブは初めて。
かっこいい、歌うまい、楽器うまい、良い曲書く、他人のプロデューサーでもヒットを作れる。
並ぶとしたらプリンスくらいでしょう。
でもこの人本当に自分が好きで、人から最高だ、大好きだ!と言われたくてしょうがないんでしょうね。

90年代高野寛のプロデュースで東芝EMIのスタジオにいるのを覗きに行って、ほぼ関係ないのにサヨナラ・パーティーに潜入した事を思い出しました。
また来てほしいです。

近田春夫さんのトーク・ライブにお邪魔する。舌鋒するどさ半端ないですね(すいません、ここには書けないです)
相当久しぶりにお会いしたのですが「おー、加茂くん来てたの」と言っていただき嬉しかったです。


6月〜7月
ベルリンにベルリン・フィル・オーケストラの野外コンサートを弟と母親と見に行く。
母親が見たいというので、弟付き添ったというか便乗した感じですね。
ベルリン・フィルは高級な寿司屋に行ったという感じでしょうか。

夜中に一人で道に迷い、スマホの電源も切れ、やっとの思いで、拾ったタクシーでドライバーがかけていたミニマル・テクノのラジオがベルリンの夜景に溶けて行ったのが忘れられない思い出です。

世界一と言われるチェコのプラハのビールも美味しゅうございました。


基本的には年に1個何かオーディオをグレードアップするのですが、秋葉原のヨドバシカメラに通いつめてメーカーからの回し者ではない純正のオーディオ・コーナーの社員(60代中盤)に取材し、試聴しまくってFYNE AUDIOのスピーカーを買いました。ご機嫌です。

フィロソフィーのダンス「ダンス・オア・ダンス」の制作。
今回はビジュアル・チームを一新しました。衣装も久しぶりのオリジナル。
音楽性もロカビリーという意外な音楽性ですが、制作チームが同じなので基本的は芯はブレないですが、メンバーの存在感が何をやってもフィロソフィーのダンスになるという強さ持つようになったと思います。

8月
ナンバーガールのライブを見に札幌ライジング・サン・ロック・フェスティバル。
前日で雨で中止。行くことにはしたのですがショックで具合が悪くなりました。

翌週に日比谷野音でワンマンライブ。

17年間何も変わっていないです。懐メロ・フィーリングも皆無。完全に今そこに居る必然があるバンドでした。
体が二つあれば会場外で音漏れを聞く客にも混じりたかったです。
会場内はたまたま当たった人もいるわけですが、入れなかった人は音漏れでも良いから聞きたいという熱狂的なファンですからね、その熱量を感じたかったです。

9月
同じく「ダンス・オア・ダンス」のMV 制作。
ビンテージなロック・バー、で親父のロカビリー・バンドで撮りたいというのは僕のアイデア。
場所、バンドの選定はやりました。
キャリア30年のOne Night Standsは当て振りなのにコピーまでしてくれていて有り難かったです。
キャラクターも最高で、マイペースで活動を続ける姿勢も素晴らしいです。

りんご音楽祭も初めてフィロソフィーのダンスで初参加しました。
噂通りの良いバイブスのフェスですね。大トリがクリトリック・リスというのも最高ですね。

10月
念願だったフィロソフィーのダンスとNONA REEVESの2マン・ライブ。
ジャンルを超えた音楽の共振が出来たと思います。

台風でフィロソフィーのダンスの大阪公演が中止。10年前ならやったと思うのですが、これも時代の流れで良い事だと思います。
フジロックの1回目は今なら1日目は中止。2日目は決行だと思うんですよね。

りんご音楽祭もフィロソフィーのダンスで初参加
良い意味で学園祭フィーリングで好感度高かったです。

11月
フィロソフィーのダンス「シスター」のレコーディング
歌詞のテーマは「ゆり」ですね。
日本人は歌舞伎、宝塚、ビジュアル系とジェンダーが捻れたものとエンタテインメントが共存していると思うのですが、歌詞のテーマではあまりないと思います。
ジェンダー問題は、これから大きなテーマになってくると思うので、また挑戦したいです。

振り付けはもちろん歌詞のテーマは反映されて居ます。 それを踏まえて見ていただければと思います。

アーティスト写真は「変なポーズ」がテーマ
FKA ツイッグスのアーティスト写真とジャック・ハウス・ビルドのパンフを見て思いつきました。
そのために立つ台を斜めにするというデザイナーの横山さんのアイデアはナイスでした。
衣装の赤の色調は衣装のしげたさんの渾身のこだわりです。

フィロソフィーのダンス  ツアーのリハーサルからのスタート。
ざっくりとしたコンセプトは「ゴージャスでグラマラス」
モチーフとしては映画やドキュメンタリー映画にもなった70年代から80年代、実際にNYにあったクラブSTUDIO54というのを色々モチーフにしています。


12月
ツアーの続き、そして名阪のバンド・セットのライブから新木場スタジオ・コーストでフル・バンド・セットのライブ。
去年のステラボールのフルバンドセットもやりきった感はあったのですが、それを演奏、演出共に超えましたね。
この仕事してて良かったと思える夜でした。

それと悲願だったメジャー・デビューも発表出来ました。

「フィロソフィーのダンスはソニーじゃないの?」と疑問を持つ方もいるかもしれませんがメジャーというのは所属レコード会社が日本レコード協会に入っているかどうかなので、フィロソフィーのダンスは「ソニー・ミュージック・レーベルズ」契約したので、晴れてメジャー・デビューという事になりました。

具体的には宣伝、営業がより大きな体制で動いてくれるという事になります。

欄外

去年観た映画は62本(プラス複数回観た映画もあるので劇場に行った回数は66回)
ライブは43本(フェスやオムニバス・ライブも含まれるので観たアーティスト数は更に多いです)舞台は5本でした。

ちなみにフィロソフィーのダンスはインストア・イベントなどをも含めると115本ライブやりました。

ベスト・ムービーは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ですね
ブルース・リーとのファイト、ブラピのトレーラ・ハウス・ライフ、子役とディカプリオの会話、ヒッピーとブラピの車内の会話、そして最後のあれ。
今思い出しても最高のシーンが多すぎです。
3回しか見てなくてすいません。

「ジョーカー」そしてその双子のような映画「東京アディオス」もセットで忘れ難いです。

「ジャック・ハウス・ビルト」最悪で最高の映画。リテラシーなんか関係ない自分の美学を進めるルース・フォン・トリア支持します。

「解放区」こんな映画も見た事ないです。「アイリッシュマン」まさに映画の王道、最高でした。

ライブは前述もしましたが、他にはストラングラーズ、ギャング・オブ・フォー、ザゼン・ボーイズ、山下達郎、Night Tempoも最高でしたが
なんとなく見に言ったZappが上手い、音楽性も高い、エンタメ性にも溢れていてびっくりでした。


音楽は新譜をCDで買う事は自分が関わったアーティスト以外ではもうないです(ビートルズBe Bop Deluxe等のデラックス・エディションは買ってます)
サブスクも新譜というより旧譜の発掘の方が正直楽しかったです。

アナログはTHIN LIZZYとPrinceを主に集めてました。

新しいデスクの女子と話したのですが好きなアーティストはアレキサンドロスだけと、最近はインスタで知ったキャンディーズにハマっているとの事でした。

これからは初めて知った日が、その人の新譜になる世の中になると薄々は感じていましたが実感しました。

ちなみに今年6曲配信したフィロソフィーのダンスのリミックスの件はアルバムが出た時にでもまとめて書こうと思います。



さて今年も色々ありそうですが、どうなるか楽しみに生きていこうと思います。

































































































































































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