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米朝会談で金正恩は考えを変えずに済んだ

2018-06-14 09:08:21 | 時事問題 政治
北朝鮮労働党委員長金正恩は、米朝会談でしっかり者として十分その実力を見せてくれた。南北朝鮮のトップ会談、2回の中朝トップ会談、外交が一度もなかったリーダーが、これらでトップとの会談を経験し、自信を得たのであろう。シンガポールにおける、歴史上で初の米朝会談では、さすが当初は緊張していた様子がうかがえたが、米大統領トランプのリードにうまく乗ったこともあり、無難にこなした感じであった。開口一番で、自分たちがこれまで扱われた嫌な思いを乗り越えてここまで来たのだということを、暗唱してきたことを思わせる、口調でスピーチした。小国であるが相応に頑張っているということと、トランプに認めてもらったことへの自信が込められていると解せる。これがトランプの意を動かしたのか、トランプから握手を求められ、それですっかり緊張がほぐれた様子であった。おだてに乗らない人は少ないが、金正恩もまた、おだてに上手に乗る人である。

一対一の会談を終えてワーキングランチに参加するときはもうニコニコ顔で、よいことがあったことが思わされた。拡大会談でも不都合なことはなかったのだろう。当初の品折尾通であったのだろう。金王朝の安全が保障され、その見返りは非核化で、非核化の具体策は出さずに終わっている。共同声明における非核化は、抽象的な言葉のままである。北朝鮮が主張していた段階的非核化で、代償が都度出されると北朝鮮は解釈したようで、昨日出た北朝鮮の新聞には、そう書かれている。アメリカは今回の米朝会談で得るものがなかったと、アメリカのメディアが批評するが、北朝鮮の言う通りなら、その批評は当たっている。アメリカのメディアから何か反論が出るのを待ちたい。これが事実であれば、金正恩は以前と同じ考えでいけることになる。金正恩は会談でもそう思って、ニコニコ顔でいれたのであろう。

金正恩は共同声明の冒頭で、世界が変わる、と述べた。米朝間での戦争意識がなくなるということを指したのであろう。北朝鮮にすると、アメリカの脅威がなくなるということである。この安堵感が、これからの為政でこれまでと同様の強い独裁制が続くことが予想される。金正恩は、先代の金正日と異なり、というよりも先代から引き継いだのは経済疲弊であったので、その改善に取り組み、経済の発展を成し遂げたといわれる。ここにきて世界から受けた経済制裁のために、経済が困窮し始めているという。その打開策として、非核化を掲げて、米朝会談を仕掛け、世界の経済制裁を解除してもらう作戦に出たわけだが、それが功を奏する方向に至っている。自分は正しかった、というのが金正恩の今の思いであろう。

米大統領トランプは、米朝会談を実現させたことで、世界から核戦争を回避させたから、ノーベル平和賞ものだろうといいたいのであろうが、北朝鮮の指導者金正恩をおだてだけで、彼の考えを変えることはできていないのである。それにしてもトランプは、北朝鮮は嘘をつくという、世界の常識を知らないかのように、金正恩の言い分を真に受けていたようであったのには、どうかと思う。検証ということばがあれほど流布されていたのに、トランプの交渉術には入ってきていなかった。残念な限りであるが、世界は、とりわけ日本はハンディを背負っても対処しなくてはならないことになっている。

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