peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

束稲山のナンバンギセル(南蛮煙管)

2006年08月26日 | Weblog




8/25(金)、一関市と平泉町、奥州市前沢区にまたがる束稲山(たばしねやま)に登ってみました。標高595.7mの丘といっても良いような山で、頂上まで後100mほどの所まで車で行けますので、ここ2~3年は、年に2回は行っています。
 この日は天気が良くて、爽やかな秋風も吹いて快適でした。頂上付近で「ナンバンギセル(南蛮煙管)」の花が咲いているのを見つけました。





ナンバンギセル(南蛮煙管)ハマウツボ科 ナンバンギセル属 Aeginetia indica
ススキ、ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生する1年草で、葉緑素をもたない寄生植物。「南蛮煙管」というのは西洋のパイプのことで、花の形が似ていることに由来する。また、万葉集に出てくる「オモイグサ(思草)」は、この草といわれている。

 茎や葉は短く、地中にあってほとんど地上には出ないという。地上に出ているのは花柄で、高さ15~20cmになり、その先端に長さ3~5cmの筒状で紅紫色の花を横向きに1個つける。花期は7~9月。萼は黄褐色で淡紅紫色のすじが入る。長さ2~3cmで先が尖っている。

 果実は萼に包まれたまま熟し、中に粉状の黄色い種子が多数入っている。分布:日本全土

一関市東山町のヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)

2006年08月24日 | Weblog



8/24(木)、きょうは一関市東山町田河津字矢ノ森にある九郎森山(黒森)に行ってきました。8/24付の地元紙「岩手日日」に”一関市東山町の矢ノ森史跡保存会(佐藤惣之助会長)は19日、地域おこし事業「金と黄金のいちょうの里づくり事業」の第1弾として、九郎森山(黒森)の山頂に通じる道約1500メートルの草刈り作業を行った。」と記載されていたからです。

 この九郎森山は、源義経が乗馬の練習に励んだという伝説が残る場所です。また、束稲山(たばしねやま)の麓に広がる矢ノ森地区には、藤原秀衡公の金山坑跡、源頼朝公墓、九郎判官義経公ゆかりの地など奥州藤原氏に関係する伝説が存在するそうです。

















ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)ユリ科 ホトトギス属 Tricyrtis affinis
山野の林内、林縁、道端などに生える多年草。草丈は30~60cmぐらいになる。茎には斜め下向きの毛が密生して、ざらざらしている。葉に、黒紫色の斑点が見られるものもある。

 8~10月、茎の先や葉のつけ根から1~3本の花柄を出して1~2個ずつ花をつける。ホトトギス(杜鵑)に似ているが、ホトトギスは花びらが斜めに開くのに対し、ヤマジノホトトギスは花びらの基部はすぼまっていて、上半部(花被)が水平に開き、突き出た花柱がよく目立つ。紫色の斑点は花の下部に密集し、花柱には模様がない。

 良く似た「ヤマホトトギス(山杜鵑)」は、花被片が強くそり返り、むき出しになった花心がひときわ派手に見える。また、ほかのホトトギスの仲間よりひとあし早く咲き始める。

一関市釣山公園のヤブガラシ(藪枯らし)

2006年08月23日 | Weblog




8/23(水)、きょう、久しぶりに一関市の釣山公園に行ってきました。公園には雨が降った直後ということもあるかもしれませんが、公園内の草刈りなどをする人たち以外いませんでした。









ヤブガラシ(藪枯らし)ブドウ科 ヤブガラシ属 Cayratia japonica
ヤブ(藪)や林の縁、道端などに生えるつる性の多年草。地下茎を長く延ばして繁殖する。つるは葉と対生した部分から伸び、他の植物などにからみつく。特に、草やぶでつると葉を広げている。

 日当たりが好きで、ほかの草や木の上を覆って伸びていくので、日陰になった植物は弱って枯れることもあるというので「ヤブガラシ」の名前がついたという。
 別名に「ビンボウカズラ(貧乏葛)」があるが、この草をはびこらすと貧乏になるという警告的な意味があるとか。

 茎は緑紫色で稜があり、生長が早い。巻きひげは葉と対生する。葉は鳥足状の複葉で互生し、小葉の縁には浅い鋸歯がある。5個の小葉がつく。先端の小葉は長さ4~8cmの狭卵形。

 6~8月、葉と対生して花柄を伸ばし、直径5mmほどの淡緑色の小さな花を多数開く。緑色の花弁が4~5枚、雄しべが4つ、雌しべが1つある。花弁は緑色で目立たない。花は朝開き、午前中に花びらと雄しべは落ちてしまうが、花の中央に蜜を貯めたオレンジ色の「花盤」という部分だけが残って昆虫を誘う。オレンジ色の花盤は、のちに橙色になりよく目立つ。分布:北海道西南部、本州、四国、九州、沖縄、小笠原

一関市東山町のガガイモ(蘿藦/鏡芋)

2006年08月19日 | Weblog




8/19(土)、主要地方道一関・大東線(「今泉街道」)の一関市東山町松川字滝ノ沢地内で、「ガガイモ(蘿藦)」の花が咲いているのを見つけました。三菱マテリアル岩手工場(セメント工場)が見える所です。








ガガイモ(蘿藦/鏡芋)ガガイモ科 ガガイモ属 Metaplexis japonica
山地、丘陵、野原などの日当たりの良い草薮に自生するつる性の多年草。河原の堤防でもよく見かける。茎は緑色で、ほかの木や草にからまって長く伸びる。つる状の茎は2~5m。茎を切ると白い汁が出る。葉は対生し、細長いハート形で長さ5~10cm、幅3~6cm。葉の主脈や側脈が目立つ。

 花期は7~8月。葉のつけ根から出た長い柄に淡紫色の星形に見える花を多数つける。花は直径1cmほどで、内側には白い毛が密生している。花は5裂しているが、基部はつながった合弁花である。花の中心には雄しべと雌しべがくっついたずい柱がある。

 果実は長さ10cmほどで、熟すと2つに割れて、長い絹のような毛のある種子が風に乗って飛び散る。割れた実の外皮は舟形で、この舟形の片側に白色の毛をつけたタネが多数入っている。

 和名は、花後に牛の角のような形の実[袋果(たいか)]がなるが、一見イモ(芋)のように見えることによる。

 また、外側が青いうちに割って舟形の実の内側を見ると、白色で鏡のように光るので「鏡芋」の名前がある。鏡芋は「輝美芋」とも書かれた。「カガミイモ」がなまって「ガガイモ」になったという。その後、平安初期の「本草和名(ほんぞうわみょう)」では、中国名「蘿藦(らま)」をガガイモに当て、「ガガイモ(蘿藦)」と書くようになったという。「蘿藦」は当て字とのこと。

 また、タネにつく絹糸のような毛があることから「草綿」の別名もある。この毛は綿の代用になり、印肉用としても使われたという。
 分布:北海道、本州、四国、九州

 このガガイモの実に似たものに、別属の「キジョラン」の実がある。

八幡平のハリブキ(針蕗)

2006年08月16日 | Weblog

7/26(水)、八幡平の「八幡沼周辺自然探勝路(総延長3,390m)を歩いたとき、見返り峠の歩道脇に「ハリブキ(針蕗)」が実をつけていました。秋になると、この緑色の実が毒々しいまで真っ赤に熟します。




ハリブキ(針蕗)ウコギ科 ハリブキ属 Oplopanax japonicus
亜高山のやや湿った所や針葉樹林の中に生える落葉性の低木で、高さ50~100cmほどになる。
 茎はほとんど枝分かれせず、葉はごわごわしていて、名前の通り茎や葉には針状のトゲ(刺)が多い。葉は長さ20~40cmと大きく、茎の先に集まって互生する。縁には欠刻状の重鋸歯があり、鋸歯の先は針のように尖っている。

 6~7月、茎の先に淡黄緑色の小さな花が集まった散形花序を多数つける。果実は秋に赤く熟す。分布:北海道、本州(中部地方以北、紀伊半島)、四国(石鎚山)