存在の不思議、無常の力

キャリアコンサルタント、田中道博のブログです。
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大企業に就職するということ

2016年06月27日 | キャリア
先日、某大学職員の方とお話する機会をいただき、短時間ながら大学が抱える事情について教えていただいた。

学生の親御さんが最も興味を持つのは「就職」について。まぁ、そうなのかもしれないが、その要望を聞き驚いた。

それは「大手企業に就職すること」。「一生安泰」というのがその理由らしい。確かに社会人の入口としては悪くない。丁寧な新人研修を施す余裕くらいはあるだろう。

しかし、大企業に就職するということが人生の幸福につながるとは限らない。そもそも「幸福」の意味は人それぞれだ。

当の親御さんとほぼ同世代の私が就職する頃、「花形」といわれた大企業に就職した人の中には、その後壮絶な経験をした人も少なくない。

金融再編の時代もあった、航空会社も厳しい時代を経た、そして電機業界も「まさか」の時代を迎えている。

また絶対的に言えることは、大手であればあるほど、就きたい職種を経験できる確率は低くなる。そんなに社会は甘くない。

たとえ会社に残ったとしても、それが「安定」と言えるのだろうか。日々戦々恐々として過ごす日々が幸福か。

大企業に就職した経験と、そこを離れた今があるからこそ、伝えられることがある気がしている。

分水嶺を越えて

2016年06月26日 | キャリア
この週末は松江市にお邪魔した。今回から8月のお盆時期までの計10日間、国家資格を目指す方たちとともに学ぶ機会である。

往路の金曜日はあいにくの大雨で、列車が1時間近い到着遅れとなった。それでも無事に着くことができて幸運だった。

おかげさまで土日は雨が降ることもなく天候に恵まれた。新たな仲間との出会いは幸せにスタートを切った。

伯備線は木々に囲まれた山の中を走る。左右に深い森があり、急流もあって自己概念を刺激される景色だ。

岡山県から鳥取県の分水嶺を越えると川の向きが変わり、いよいよ山陰地方へと足を踏み入れることになる。かの大山も目に入ってくる。

このように空間を越えてキャリアコンサルティングの素晴らしさを伝えること。しかも様々な人生を過ごした方々が同じ場で集う機会。その中にいられることはこの上ない幸せで、感謝の気持ちが溢れる。

しかし一方で、十分な学びを提供できたのだろうかと省みたりもする。完璧はないが、まだまだやれる実感もある。久しぶりの講座運営ということでかなり疲れもした。

とはいえ、まずは新カリキュラムのスタートに立ち会うことができた感慨を味わう。

次回は7月23日。冒険は続く。分水嶺を越えて。

平和への訴え

2016年06月23日 | キャリア
今日は、71年前の1945年、沖縄で組織的戦闘が終結した日だ。沖縄が日本に復帰する前においては「国民の休日」とされたほど、歴史的には意義深い日とも言える。

私は、高校の修学旅行で、そしてまた、仕事で何度も沖縄を訪れた。「ひめゆりの塔」や「平和の礎」などの戦跡は南部に集中する。

当時の沖縄戦は大戦中最大の決戦となり多くの死者が出た。1ヶ月半後には終戦となるが、この時点ですでに雌雄は決していたといってもいい。

今や歴史の彼方の出来事であるという見方もできよう。しかし、今後同様の事態が発生しないとは限らない。

戦争の理由は数々あるだろう。それは国の威信を賭けた戦いだったり、宗教がらみのことだったり、そして悲しいことに経済原理だったりといったこともあるのかもしれない。

それでも私たちは改めて自身に問いかける必要がある。それは、人が人を殺めることについてだ。

たかだか国の威信や、宗教(人を不幸にするものは「宗教」ではない)や、経済原理ごときが、命を賭すに値するかどうか。

戦争は多くの人を不幸にするということを実感として知っている私たち日本人は、今こそ平和の大切さを訴えるべきなのだろう。日本人こそ平和を説くに相応しい。

れいぼう

2016年06月21日 | キャリア
今日は夏至。1年のうちで最も日中の長い日だ。蒸し暑い一日で、空調のありがたさが身にしみる時期でもある。

そんな今日・6月21日は、我が国で初めて冷房機能を搭載した列車が走った日。1957年というので、今からちょうど60年前に近鉄特急で導入されたそうだ。

ここで気づくことは、僅か60年前までは列車に冷房がなかったこということ。また一方で、60年も前に、冷房を鉄道に導入するという創造性にも注目したい。

考えてみれば、当たり前になってしまっているサービスでも、黎明期には斬新な発想。そのような「歴史」は未来への創造性のヒントになることなのかもしれない。

裏返せば、現在は斬新なサービスでも、時代を経た未来には当たり前になっていくことがあるということ。

「その昔、スマートフォンなるものがあったそうだ。」「ドローンという飛行物体がもてはやされたらしい。」そのような時代はやってくる。

つまり、時代の移ろいはますます早く、そして激しくなってくる。それは、キャリア支援の世界も同様だ。

常に新しい風を感じ、新しい情報を得て、自らがどう在り、そしてクライエントのために何ができるのか。そんなことを考え続ける日々が続くことは間違いない。

「行動」こそ…

2016年06月19日 | キャリア
今日は、いわゆる「百年戦争」における主要な戦闘である「パテーの戦い」(1429年)の日とされる。

この戦いの英雄はかのジャンヌ・ダルク。彼女率いるフランス軍がイギリス軍を撃破。大きく流れを変えた戦闘として知られる。

そのときの年齢を知り驚いた。なんと17歳。その2年後には「異端」の刑決により火刑に処せられている。つまり19年しか生きていないのだ。

そんな若き彼女が遺した言葉を、私は「座右の銘」としている。

Act, and God will act.

彼女はフランス人なので当然フランス語だっただろうが、このような意味。

「行動することです。そうすれば神も行動されます。」

つまりは、なんらかの行動がなければその先に進めない。そして行動を起こしてみれば、思いもよらぬ幸運に巡り会う。なにかが助けてくれる。といったことだろうか。

まさに、この言葉を体現した人生を送ったジャンヌ・ダルク。刑死したものの、後に復権を得た。

彼女の生き様は様々な人生に重ねて考えることができる。昨日記事にしたイチローもそうだし、学習理論の代表的理論家、クルンボルツ博士の理論にも通じる。

そして何よりも私自身、自らの姿にも重ねることができる。そのことの意味を噛みしめている。