その蜩の塒

徒然なるままに日暮し、されど物欲は捨てられず、そのホコタテと闘う遊行日記。ある意味めんどくさいブログ。

「断る力」を読んで

2010年04月10日 | 本・雑誌
 著者の勝間氏から読者へのお願いとして、本の感想をブログに書いて下さい、ということなのでいつも通り歯に衣着せずに書きましょう。

 まず、P76「・・・ずっとついていることができないのですから、不可能だからです。」英語で言うところの both A and B みたいな相関接続詞的に用いられていますが、「・・・できないのですから、不可能です。」の方がすっきりしていると思います。でも「・・・できず、不可能だからです。」は違います。並列的なかかり方はしていないからです。

 P78「・・・日本的な雇用の安定を望む価値観の中で、業務の中で・・・」中での繰り返しは語呂が悪いですね。「・・・価値観の中で、業務における・・・」にしたらどうでしょ。

 P109「・・・たかい経済成長」高いがひらがなになっていますが、何か意図があるのでしょうか?不自然に感じました。

 本書は30代をターゲットにされてるそうですが、このご時世においてスキルアップやキャリアパスの構築を目指して転職もやむなし、という考えは危険があります。ヘタすると再就職できず路頭に迷うことになります。社会構造問題か自己責任なのかはまた別ですけど。自己実現に自分探しといった自己啓発本には、いささかうんざりです。我慢も時には必要ではないでしょうか。

 ヒエラルキーの上層部は数に限りがあります。努力しても挫折する確立が高いのは、目に見えてます。今や定説となっていますが、働きアリやハチは皆が働いているわけではなく、中には怠けているのもいるんです。なすがまま、あるがまま、気の趣くまま生きるのも悪くないですよ。CMでも「足し算の人生はもうやめた」って言ってるじゃないですか。ムダが多様な価値観を生むこともあります。

 またグローバリゼーションにおいては、日本人的思考回路は通用しなくなってきている、というのは実にもっともらしいです。しかし、その思考回路を捨てたら日本人のアイデンティティを失うことになりませんか。

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2 コメント

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読後のモヤモヤわんさか、カツマサン ()
2010-04-12 16:32:59
×2だか×3のご自身の婚活においては「断る力」が弱かったと思われ。それを繰り返した彼女、同世代のワタシには理解できません。でもカツマーだのとメディアに持ち上げられてるウチは信者さんもまだまだたくさんいるでしょうね。自己啓発モノは忘れた頃にやってくるwww
ずっと昔、自分もそうだったので合理性ばかり考えて事を進めるというのはなんとなく理解できます。しかし、最近は人生の中の無駄も享受できるようになり、例えば「相手からどれほど情報を得られるか」という目的だけの人間関係は疲弊するだけだろうな~と。
Let it beな生き方って実は難しい。「本当の自分」とかいうやっかいな存在が消滅するまで、何かを探しているでしょうしね。もっともワタシぐらい年をとってしまうといろんなことが明らかになっていくので、かなり楽になるんですけどね。
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Re:読後のモヤモヤわんさか、カツマサン (岸利徹)
2010-04-12 20:52:09
 婆様、初めまして。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ある程度年齢を重ねないと分かりませんね。人生の指針が欲しい人にとっては、論理的な文章で、洗脳されてしまうのも無理からぬことかもしれません。

しかし、自己啓発に躍起になっていると、勘違いして失敗することもあります。一例ですが外銀を渡り歩いた末、デイトレーダーになり離婚し音信不通になった知人がいます。早く自分の力量に気づくべきです。

そして、禁欲的生活を送り頑張りすぎてウツになっている人が多いです。笑いや遊びも大事です。人間関係では、「飲みにケーション」だっていい面があります。今は一切付き合わない人が増えてるそうですけど。。
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