日々の生活にみる驚きの中国

単身赴任中の中国(大連)で日々発生する“驚き”を強引かつ身勝手な比較文化で紹介。

やすらぎの場が消える

2009年06月13日 | 庶民生活
駐在日本人はやはり減っているようだ。出張者は豚の影響もあり確かに少ないと聞く。一方、欧米系は多く見かけるが、これには理由がある。彼らはお店の中ではなく、テーブルを外に出して、食べたり、飲んだり・・・・暖かくなり目立つようになってきた。

こんな中、日本人を相手とする、食事、カラオケの店も動きがある。ラーメンのFC店の開店、高級日本料理店の閉店。大型カラオケ店の閉店、その後名前を変えて開店。(たぶん経営者も・・・)カラオケは大型化が一段と進んだ。

私にも行きつけのカラオケがある。老舗ではあるが、多分小さいほうから一番か二番、貴重なお店だ。お世辞でもきれいとはいえない。長期滞在者を常連客とし、一人か、二人で遊びに来るパターンがほとんど。みんなプライベートの人だ。出張者や、お客様を連れて行くでもない。もちろん、旅行者や飛び込み客はほとんどない。

お客とスタッフはもちろん、常連客同士も顔なじみ。でもお互い干渉するわけではなく、客同士のあうんの呼吸も感じる。お客さんは名前が刻まれたきりこのマイグラスがある。

お客が私だけという日もしばしば、そうなると、店は一転本音の世界へ。すでに私の客としての存在はない。みんなトランプで大騒ぎ。馬鹿のりした時は、お店はディスコに変わった。良くも悪くも私の性格まで変えてもらった。(残念ながら認めざるをえない)

この不景気は長期滞在者(やはり年配者が多い)を帰国させた。この店も14日で閉店を決めた。この日はお店の子の結婚式でもある。10年来の常連さんらしい。もちろん(?) 私も爆竹の点火役として出席する。

この店がなかったら、中国での生活も、中国へのイメージも大きく変わった感じがする。売り上げ重視の大型店・・・うんざりするひとは多いもの。私にとって、唯一、家族的でやすらぎの場であったことに間違いない。単身、中国に来て、このお店の存在は精神的バックアップとして大きい。懐古主義ではないが、いいものが少なくなるような気がする。記念のマイグラスは貴重なものとなりそうだ。