【2009年11月19日(木)】
◆読んだ新聞
日本経済新聞 11月19日(木) 朝刊 13面
◆記事の見出し
《CCC、999円のCD》《レコード大手と組み来月発売》《洋楽ベスト60タイトル 販売をテコ入れ》
◆記事の内容
★カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)はレコード会社最大手ユニバーサルミュージックと同大手ビクターエンタテイメントの2社と組み、PB(プライベートブランド)のCD「ザ・ベスト・バリュー999」を12月4日から同社が運営するCD販売・レンタル店「TSUTAYA」約1,380全店で独占販売する。12月12日からはレンタルも始める。
★今回は第1弾となるもので、カーペンターズやスティービー・ワンダーなどのベスト盤60タイトルを一斉に発売する。レコード会社2社が持つ各アーティストの楽曲を再編集しジャケットに共通の帯を付けてPBとしての統一感を出す。今後も洋楽ア-ティスト、邦楽アーティスト作品のPB化を進め、2010年3月末までに40万枚の販売を見込んでいる。
★CCCは通常2,000円以上するベスト盤を低価格で販売し集客の目玉にする。一方、レコード会社はCCCの販路を利用することでまとまった出荷枚数を見込め、販促費負担も軽減できる。
★日本レコード協会によると、CD生産額は1998年の5,878億円強をピークに前年割れが続いており、現在は11年前の2分の1程度まで落ち込んでいる。CCCはPBの手法を活用した低価格品で音楽ソフト市場をテコ入れする考えである。
●今日の気づき
★これからも、いろんな分野で「低価格品」が開発されてくることが予想される。止めようのない大きな潮流と言える。
★ある意味では、「無形の付加価値」受難の時代と言える。
★品質が保証されたものの低価格化でしか生活者は目を向けなくなっている。かつてよくあった有名な映画音楽を無名のアーティストが演奏する安価なミュージックカセットテープのようなものではない。まして、海外で出回って問題になっている海賊盤でもない。有名ブランド衣料のバーゲンセールが恒常的に行われているような印象である。低価格指向は品質指向でもある。「安かろう、悪かろう」でなく「安かろう、良かろう」でなければ売れない時代になってきた。そうした生活者の「値ごろ感」に対応した商品が、いろんな分野で出てくることは間違いない。
★今の「値ごろ感」を言う時には、生活者の収入環境が厳しいので、定量的な判断が優先されがちである。コストと利益の計算が優先される。定性的な無形の付加価値を評価する余裕がなくなってきている。商品の価値は、金額計算の域を超えるような無形の付加価値を大きくすることで、高めてきた。そういう価値形成の構図をいったん否定する時代に入ったとも言える。その時代を経て、新しく「無形の付加価値」が認められる時代になっていくものと思われる。いわば、時代の大きな転換点である。その転換点を引き寄せたのは、経済の低迷、消費市場の成熟、品質の底辺向上の3点である。
★100円ショップのわが国消費市場に与えた最大の功績は「100円の価値」を生活者に知らしめたことである。これまで200円で買っていたものが100円でも納得できる品質なので100円のものを買うようにしようとか、あるいは200円で買っていたものは200円の価値があり100円の商品を買うのはやめようというように、「100円の価値」を生活者が認識し、その認識を基準に200円の商品、300円の商品も買うようになった。100円ショップで200円や300円の商品も販売しているが、「100円の価値」が認識できたので、100円ショップで200円や300円の商品が売れているのだと考えている。しかも、200円や300円の商品を選択する生活者は、当たり前のように、無意識に、デザイン性や使い勝手など、感性的な「無形の付加価値」を認めているのである。
★商品を提供する側も、商品を購入する側も、今までの価値観をいったん崩壊させ、新たに商品の価値観を再構築する時期に突入したのではないかと感じている。ただ1つ、これまでの価値観を築いてきた環境と、これから価値観を築いていこうとする環境に、大きな違いがある。それは、もの不足からもの充足への過程且つ経済の高度成長という環境と、ものの豊かさ且つ経済の低迷状態という環境の、違いである。
(東)
◆読んだ新聞
日本経済新聞 11月19日(木) 朝刊 13面
◆記事の見出し
《CCC、999円のCD》《レコード大手と組み来月発売》《洋楽ベスト60タイトル 販売をテコ入れ》
◆記事の内容
★カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)はレコード会社最大手ユニバーサルミュージックと同大手ビクターエンタテイメントの2社と組み、PB(プライベートブランド)のCD「ザ・ベスト・バリュー999」を12月4日から同社が運営するCD販売・レンタル店「TSUTAYA」約1,380全店で独占販売する。12月12日からはレンタルも始める。
★今回は第1弾となるもので、カーペンターズやスティービー・ワンダーなどのベスト盤60タイトルを一斉に発売する。レコード会社2社が持つ各アーティストの楽曲を再編集しジャケットに共通の帯を付けてPBとしての統一感を出す。今後も洋楽ア-ティスト、邦楽アーティスト作品のPB化を進め、2010年3月末までに40万枚の販売を見込んでいる。
★CCCは通常2,000円以上するベスト盤を低価格で販売し集客の目玉にする。一方、レコード会社はCCCの販路を利用することでまとまった出荷枚数を見込め、販促費負担も軽減できる。
★日本レコード協会によると、CD生産額は1998年の5,878億円強をピークに前年割れが続いており、現在は11年前の2分の1程度まで落ち込んでいる。CCCはPBの手法を活用した低価格品で音楽ソフト市場をテコ入れする考えである。
●今日の気づき
★これからも、いろんな分野で「低価格品」が開発されてくることが予想される。止めようのない大きな潮流と言える。
★ある意味では、「無形の付加価値」受難の時代と言える。
★品質が保証されたものの低価格化でしか生活者は目を向けなくなっている。かつてよくあった有名な映画音楽を無名のアーティストが演奏する安価なミュージックカセットテープのようなものではない。まして、海外で出回って問題になっている海賊盤でもない。有名ブランド衣料のバーゲンセールが恒常的に行われているような印象である。低価格指向は品質指向でもある。「安かろう、悪かろう」でなく「安かろう、良かろう」でなければ売れない時代になってきた。そうした生活者の「値ごろ感」に対応した商品が、いろんな分野で出てくることは間違いない。
★今の「値ごろ感」を言う時には、生活者の収入環境が厳しいので、定量的な判断が優先されがちである。コストと利益の計算が優先される。定性的な無形の付加価値を評価する余裕がなくなってきている。商品の価値は、金額計算の域を超えるような無形の付加価値を大きくすることで、高めてきた。そういう価値形成の構図をいったん否定する時代に入ったとも言える。その時代を経て、新しく「無形の付加価値」が認められる時代になっていくものと思われる。いわば、時代の大きな転換点である。その転換点を引き寄せたのは、経済の低迷、消費市場の成熟、品質の底辺向上の3点である。
★100円ショップのわが国消費市場に与えた最大の功績は「100円の価値」を生活者に知らしめたことである。これまで200円で買っていたものが100円でも納得できる品質なので100円のものを買うようにしようとか、あるいは200円で買っていたものは200円の価値があり100円の商品を買うのはやめようというように、「100円の価値」を生活者が認識し、その認識を基準に200円の商品、300円の商品も買うようになった。100円ショップで200円や300円の商品も販売しているが、「100円の価値」が認識できたので、100円ショップで200円や300円の商品が売れているのだと考えている。しかも、200円や300円の商品を選択する生活者は、当たり前のように、無意識に、デザイン性や使い勝手など、感性的な「無形の付加価値」を認めているのである。
★商品を提供する側も、商品を購入する側も、今までの価値観をいったん崩壊させ、新たに商品の価値観を再構築する時期に突入したのではないかと感じている。ただ1つ、これまでの価値観を築いてきた環境と、これから価値観を築いていこうとする環境に、大きな違いがある。それは、もの不足からもの充足への過程且つ経済の高度成長という環境と、ものの豊かさ且つ経済の低迷状態という環境の、違いである。
(東)