オーチャードホールで広東雑技団の「アクロバティック白鳥の湖」を観た。
中国の雑伎にもいろいろ劇団があるが、広東雑技団の目玉は、肩の上で踊るというもの。
これまでに中国の雑技は上海雑技団をはじめ何度か観ているのだが、何故そういうことができるのかいつも驚愕である。
少し前にNHKでこの二人のドキュメンタリーをやっていたが、肩の上につま先立ちをするというのは想像を絶する修練が必要なようだ。
女性(妻)は相当に細くて軽そうではあるがそれでも体重は40kgはあるだろうから、それがつま先の1点に集中するわけだ。バランス感覚も相当なものである。
肩だけではなく、男性(夫)が、頭の上にも載せる。その状態で回る。
双眼鏡(オペラグラスではない)でよくみると、頭の上に載せる時には男性はお皿が着いたネットをかぶる。まあ頭は球形だからすべるのだろう。
私自身、雑技は雑技であった方がよく、「ドラリオン」のように妙に演出やストーリーに超絶技を交ぜずともいい。
と思っていたがこれは超一級。
夫も妻もそこらの夫婦っぽいのがまたよい。
ドキュメンタリーを観ると夫の性格の良さが際立つ。妻を全力で支える、頭でも支えるが精神的にも支える。見習いたいものである。
頭上の白鳥がメインではあるが、他の演目、もうひとつのウリ、「軟体モノ」、ムギワラ帽子投げも楽しめる。
中国で雑技のチケット代は2000円位だと思うが日本に来ると何でも高くなるのは残念。