上海に着いた。
広州の位置は香港の北である。日本から飛行機で行けば台湾を超えていくことにはなるが、台湾南の都市、高雄と緯度が近い。
上海は広州の北東1400km、距離的には東京ー鹿児島間といったところか。
また上海の同緯度も鹿児島あたりになる。
季節は春であり、季節感は九州といえなくもなさそうだ。
浦東国際空港は1999年に開業した新しい空港である。
中国経済の有利なところは空港なりビル建設なりあらゆる産業分野について、先進国が汗水垂らして技術開発し、問題点を洗い出したところで導入できるということである。
後出しじゃんけんは無敵なのだ。
空港から市街へのアクセスはタクシー。
広州のタクシーよりは格段にマシなクルマはVWのジェッタである。
4人詰まって6車線はある高速道路を飛ばしていく。
中国のタクシーは安い。
距離としては30~40キロはあるはずだから成田から都心に行くのと変わらない筈なのだがふつうは百数十元だという。
1元は今回15円程度であるから2000円ほどか。
成田からなら1万円以上は覚悟せねばならない。
上海の国際空港は浦東地区にある。
そして上海という都市は揚子江の河口部にある。
揚子江が海に出るほんのわずか手前に黄浦江という河がある。
この黄浦江が南から北へと上海を分断するのである。
河の西が旧市街、19世紀に上海が開港されて以来の街であり、河の東が新開発区域である。
浦東からは河を渡らねば上海市街にゆけないことになる。
今日からの泊まりは紫金山大酒店、このホテルは浦東の方にある。
1階にコンビニが入っている。
明日からまたホテルとオフィスの往復である。
13日に広州入りし4泊した。
この出張は簡単にいうと中国の消費者に消費行動についてインタビューするということなのであるが多くのステージは夜に行う。
朝食をホテルでとり、クルーが集合、タクシー1メーターのオフィスビルに行き、夜まで缶詰になって仕事をし、22時頃ホテルに帰ってくる。
毎日この繰り返しである。
よって中国は広州にいるといってもおのれの足で踏む広州の地面はホテルとオフィスビルの周辺しかないのが残念。
食事は時間がないのでほぼファストフードである。
マクドナルドにケンタッキーにサブウェイなどなど。
珍しいものでもないが、日本で食べるのとは微妙に味は違いむしろうまい。
ホテルの向かいにスターバックスがある。
日本でマクドナルドのシステムを輸入したのは1971年のことである。
中国の一号店はシンセンで1990年のことらしい。
経済発展のスピードはこんなところにも現れるのであろう。
夕方には大体、スコールが来る。
街路樹を見ても南方系のものが多く、湿度が高い亜熱帯の街である。
広州はこんな様子だったが他の都市はどうであろう。
今日はこれから上海に飛ぶ。
広州の白雲空港は国際空港とは信じ難い程古いのだが、聞いた話では新空港が郊外に建設中で8月には全て移転するらしい。
されば空港ロビーのそこかしこで盛大にタバコを吸うような景色はなくなるのかもしれない。