京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間。

2013-07-26 09:16:08 | 日記

「時計師の仕事を希望しているのですが?」
毎年この季節になると問い合わせがきます。

写真は時計用旋盤。
文字盤などに穴を空ける時に使います。
ドリルを固定して文字盤など材料のほうを回転させながら穴を開けていきます。

6時寄りにあるスモールセコンド用の穴など正確に回転の中心をずらしてセッティングするのがコツ。
また、この旋盤で軸受け石入れなどの工具など削って作る。

もう一つの縦型旋盤は天板の軸受け穴を自由に造れるので便利だ。
ベルトのコマのジョイント部分もこれで修理が早くできる。

私たちの世代の時計師は熟練「旋盤工」の技術も必要でした。

今のままでは19世紀の頃から続いてきたこのような技術と工具は私たちの世代で終わりになるでしょう。

今ではユニット交換がほとんどです。
機械ごと交換した方が安価で早い。機械も人間の手を必要としない大量生産物です。
ぽいっと捨てて交換。
10分もあれば時間給800円程度のアルバイトでも出来る時代です。

私の工房では早朝から油まみれになりながらもう一度動くように部品から作り上げていく。
完成した時の喜びと満足感は格別なものです。これでは自己満足の世界だ!

「ネット通販のほうが安かった!」
アンティーク時計は修理費が3万円を越えると要注意です。
ネット通販での購入が安い場合があるので修理依頼を受ける時にお客様へリスクを伝える事です。
修理料金の事で完成後お渡しの際にトラブルになります。

最近このようなトラブル、ガッカリ修理が増た。
お客様が喜んでくれない!

仲間たちが櫛の歯を削るように辞めていくのも時代の流れでしょう。
その際技術を引き継げなかった悔しさが伝わります。

 若い人に引き継ぐ場合10年ほどエネルギーを継続させないといけない。
教えるほうも大変な労力とお金がいるしごとです。

この小さな工房を立ち上げる時だけでも「銭湯の掃除」や「眼鏡屋さん」のアルバイトなど生活の為に副業も探す必要が出てくるのです。

私の場合は会社が倒産した後始末だ。家族をなんとか説得できた。
二人分の給料など出せる見込みがない。

私自身は特別不器用!若い頃は失敗ばかりです。
「ガラスを割る」「ケースに傷をつける」「部品を飛ばして失くす」
 利益を稼ぎだすより事故の出費のほうが確実に多い。

現在、このような会社で作業ロスを負担し、指導してくれるところは皆無に近いでしょう。
それに現在日本の時計工場のほとんどは中国生産に移行した。
「赤龍」眠れる「安物龍」が目覚めてみんなそっちに群がってしまった結果だ。

共産党独裁政権だから「赤い竜」です。
息を吐くとPM2,5を噴出す。排出物は重金属入りの水が噴出す。
地上では暴動、ストライキを先導する。

これではいつ破綻してもおかしくない状況だ。働く人が病気・事故に直面する。

今の間に国内回帰の準備が必要になるでしょう。必ず国産・高級時計の時代が来る。
時計産業も行き場を失う前の準備が必要です。

自動車業界も同じように技術を残そうとトヨタ自動車を中心に動き始めました。
生産と販売が1本化している業界なので出来るのだが、やはりうらやましい。

そろそろ、アルバイト先を探してお金をせっせと貯めこみましょうかね~?
冬が来る前にせっせとアリさんバージョンに切り替えたいのだ!
死ぬまで一人くらいは技術と工具を伝えたい。

「時計のしごと」希望の人には全く役に経たないブログになってしまいました。
ごめんなさいよ~。


















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