京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間

2015-02-12 09:12:26 | 時計修理

2月12日木曜日。大安!
15日の日曜日京都マラソンの開催日!天気予報は晴れだ。わーい!
京都マラソンは北区の道路と小売業の売り上げを止めて走る行事。
マラソン走者が北区の沿線に買い物や食事に立ち寄ることは無い。
当日は開店休業になる京都市民の犠牲の上を走る。当日はあきらめて休店すると言う人も多いことも理解してください。2月の閑散期でよかった。

それでもせっかく走るのだからせめてお天気は晴れてほしい。去年のような荒天だと大好きな京都の楽しい思い出が半減するでしょう。

「パッチもんの京都時間」
写真はフランク・ミューラーのコピー。
この時計の製造原価は1000円を切る程度のお粗末な時計。一目見ただけでコピーだとわかるものを堂々と持ち込む神経がわからない。いくらで買ったのか?
すぐに壊れる300円ほどの安物ミヨタムーブが使われていました。

コピーをすごく嫌う時計業界とコピーに手を出す一般人の格差が大きい。こんな安物が売れる日本人はどこかおかしいのでしょう。
フランス、イタリアではコピー製品を持っているだけで逮捕される。罰金を払わないと帰国できない危ない時計なのだ。こんな事情を知りませんでした!では通用しない。

昨日の日経新聞によると中国産「なんちゃってボルドーワイン」の生産に失敗したそうだ。
中国モンゴル自治区の緯度がフランスボルドーと同じ位置にあることからワインの生産地として適していると判断。
4000ヘクタールのトウモロコシ畑をブドウ畑に変えた。
ところがマイナス30度に下がる気温では多年生ブドウの木は冬を越せないので失敗!
「まあ~失敗してよかった」というのが正直な感想です。
成功していたなら間違いなくエチケットをコピーした偽物ワインがブラックマーケットに流れて日本国内に殺到したことでしょう。

ワインにコーラを混ぜて飲む風習がある中国市場。大市場なのでそのうちワインつくりが成功するでしょう。ただコカコーラの偽物も同時に作られるのも時間の問題か?

とにかくコピー時計の電池交換は絶対に受け付けないので捨ててください。
持ち主は修理先を探して放浪。あげく馬鹿にされ店から放り出される「お腐れさま」扱いだ。

本物の独立時計師は残酷な運命をたどる。
成功した一人のフランクミューラー。パン屋が出て行った後の小さな店に時計工房を作った。
当初、キャリバーを買って時計を作っていました。私より3歳年下の天才フランクミューラー。時計学校をトップで卒業した24時間時計のことを考えられる努力の天才!
当時こんなお粗末なコピーが出回ることなど予測できなかったでしょう。彼には絶対に見せたくない。

世界中の時計師の中で成功した人はほんの数人だ。
日本でも独立時計師が出てきてはそのうちに消えていく過酷な世界です。

コピーはそのような努力の歴史を土足で踏みつけるものだ。
工房にコピー時計を持ち込まないようにしてください。塩をまかれます!






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