チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「都道府県別ランキング1位ながら全国的にはマイナーな名字」

2012年09月05日 19時00分15秒 | 語彙の歴史観・ロック、ゴウゴウ
先日、都道府県別ランキングが1位ではないにしろ、
かなり上位なのに全国的にはマイナーな名字の人と知り合った。
その人の親の出身県を一発で当てて、驚かれた。
私は名字オタなので、(東京で)人と知り合うと、
風体と名字、それから(本人が東京に出てきた場合)言葉で、
その人物の父親もしくは(父方の)祖父がどこの人か
判ることが多い。明治になってまだ150年も経ってないので、
東京に出てきたのが本人かその親か祖父、というのが
相当に多いからである。たとえば、
「~とですね」という九州北部の人に特徴的な話し方をして
名字が古賀だったら、福岡県・佐賀県・大分県の順に挙げれば、
たいてい当たる。
「~けん」という口癖があって、名字が藤井だったら、
広島県・山口県・岡山県、でだいたい決りである。あと、
「中島」という名字で「な↑か↓し→ま」という、
清音のsでこのような高低アクセントを名乗れば、たいてい、
九州出身である。反対に、
「な↑か→じ→ま」という高低アクセントでsが濁音で
祖父母が長寿なら、長野県・富山県である。

現在の日本国の「1都1道2府43県」のうち、
それぞれの行政区部でもっとも多い名字で、
全国ランキングでは10位にも入ってないのは、

香川県(大西)
宮崎県(黒木)
沖縄県(比嘉)

の3つだけである。沖縄は比嘉だけでなく上位20位までに
全国上位の名字がひとつもない県なので、
香川県と宮崎県の特殊性が際立つ。宮崎県は2位も
「甲斐」という、全国ランキングでは上位でなく
「下位」といってもいい名字なのである。

「大西」であるが、阿波国三好郡大西がこの名字の
発祥の地である。その祖は信州小笠原氏であるが、
甲斐国巨摩郡小笠原を本拠にした清和源氏である。
その小笠原氏の支流が上記大西に根をおろし、
長宗我部氏没落で徳川の家臣が分割統治した四国にあって、
無関係な者も名門「大西氏」の名を名乗ったので、
現在、これだけの多さになったようである。

「黒木」は、筑後国上妻郡黒木が発祥地である。ただ、
そのルーツは諸説あって、しかも、どれも根拠に薄い。その中で、
もっとも有力とされてるのが、
帰化系の調(つき)氏(坂上田村麻呂の坂上氏と同族)である。
渡来人というと一般には朝鮮人と同じルーツだと思われてるようだが、
インド・ヨーロッパ語族、セム語族系(ユダヤ人)が中国に入り、それがまた
現在の朝鮮半島を経由して日本に来たものである。
現在の朝鮮人や韓国人ではまったくない。ちなみに、
2位の「甲斐」は肥後国菊池郡を発祥とする藤原氏である。
その菊池氏のうち、家の内紛で遠く甲斐国都留郡に
"疎開"したのち肥後に戻ったのが「甲斐」を名乗り、
隣国日向に勢力を伸ばしたものである。

このように、
香川県1位と宮崎県2位の名字はともに
現在の山梨県に縁がある。その山梨県も、
1位は渡辺、2位は小林、というように全国的にも多い名字だが、
3位に「望月」、5位に「深沢」という、
全国的にはあまり多くない名字が入ってる。
「望月」は源氏ではないが、清和天皇の血を引き、
信濃国小県(ちいさがた)郡滋野を本拠とした滋野氏が祖である。
真田氏・根津氏も同族とされてる。
「深沢」は諏訪氏と清和源氏(武田氏)が合体して甲斐・駿河に
勢力を伸ばした、富士山周辺の有力氏族である。

というように、現在、1億2千万人の日本人のうち、そのほとんどが
天皇家から分かれた家をルーツに持つ。さまざまな文化をもたらした
渡来系も源平橘などと婚姻を通して同化してる。つまり、
日本人がなぜ天皇家を敬うかといえば、本当の日本人ならその祖先は
(畏れ多い言いかただが)天皇家に繋がってるからである。
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