フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2018年04月

2018年03月01日 | しゃちょ日記

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2018年4月13日(金)その3197◆親孝行

東京下町・人形町育ち、画家志望だったが当時の慣いで12歳で奉公に出た父。
生涯仕事(紳士服仕立て)とクラシック音楽を愛した内気で温厚な働き者だった。
人さまのお役に立つことが生き甲斐だった駒込育ちの母。
まぢ下手だったがTBSラジオの民謡選手権に出場し、
あれよあれよと予選を勝ち抜き度胸と愛嬌だけで優勝した。

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我がまま放題の末っ子が、親の有り難みに気づいたのは十代後半働き盛りのころだが、
どちらの長所・短所も濃淡織り交ぜながら引き継いでいることに気づいたのは
ずっとあとのこと。遺産も負債も皆無で、
目減りしない暮らしの元手(仕事好き音楽好き)だけを遺してくれた。

明日4/14、63歳。
誕生日は気重なものだが、父の享年と並べることをちょっとだけ親孝行としておこう。
明日土曜は宵からご近所でかれこれ二十年つづく連れ合い主催の残念会。
短い首を長くして留守番ジェーは折り詰めを待つ。
本日13日の金曜日、机上は編集整理の海と嵐。
とりあえず今日一日、死なない程度にがんばろう。

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2018年4月10日(火)その3196◆粋で律儀で

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明晩の石塚隆充パセオソロライブ、
ギター伴奏は石井奏碧。
で、例によってプログラムのフライング発表だが、
なんと『CANTE DE TAKA』(CD付カンテ教本の第一集)
を掲載順に十曲歌うという。
明日はその第二集の発売記念ライヴでもあるわけだが、
律儀なタカミツらしい粋なアイデアだよね。

1. Soleáres
2. Alegrías
3. Tientos
4. Bulerías de Jerez
5. Siguiriya
6. Malagueña
7. Tangos
8. Sevillanas
9. Tarantos
10.Martinete
     
座席予約は絶賛受付中!
中盤あたりから、何かが降りてくる予感!
    
2018年4月12日(木)20時
パセオフラメンコライヴVol.85
石塚隆充カンテソロライヴ
電話予約 ◇
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約 ◇ selva@tablaoesperanza.com

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2018年4月11日(水)その3195◆リトマス効果

重たく逞しい憂愁はマルティネーテに似ている。

心のリトマス試験紙。
バッハ無伴奏チェロにはそんな機能もある。
寝不足の今朝は、やや酸っぱく弱酸性。
ややアルカリ(苦い)っぽい、
ケラスの冷静な推進力に引っぱってもらおう。

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2018年4月10日(火)そ3194の◆永い目

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戒律に飽き、仕事を怠け東京中を彷徨い歩いたころ。
三年歩いて気が済んだ。
いまのバランスはあの頃の恩恵だろう。
バランスは本能に聴け、とゆーことか。

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2018年4月9日(月)その3193◆石塚隆充ライヴ

発売同時にバカ売れ中!となったタカミツ先生のカンテ教本その第二弾!
CD付で2,500円は安すぎるが、今回も普及を取りますた。
その出版記念のパセオライヴは今週木曜で、もちろんサイン会付き。
まだいい席あるのでご予約はこちらまでどーぞ(↓)。

2018年4月12日(木)20時
パセオフラメンコライヴVol.85
石塚隆充カンテソロライヴ
電話予約 ◇
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約 ◇ selva@tablaoesperanza.com

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「心の核は"無"に近いです。それは僕にとって、自由と解放を意味します。無とは、いかなるものからの束縛もない状態であり、同時に、いかなるものにもなり得る状態なんです」
 フラメンコはもとより、ラテン、ジャズ、ポップスと多才に歌い、親密なライヴであろうと大劇場でのミュージカルやオペラの舞台であろうと自然体で闘い続け、その存在感を刻みつける石塚隆充。その「核」に在るものは?という問いに、彼はそう答えた。
 様々なジャンルのミュージシャンと共演を重ねてきて、石塚は自らの心境の変化に気付いたという。純粋なフラメンコを歌うときは常に厳しい「自分との勝負」である一方、他ジャンルとの共演で意識が強まってきたことは「聴き手の存在」であり、何かを感じてもらい、その感じたものを持ち帰ってほしいという願い。その祈りにも似た想いこそが、石塚の真髄であり、それは"優しさ"なのだ。何でも歌いこなせるように見えて石塚は決して器用なタイプではない。「歌うことが好き」という彼の言葉の奥には、心を無にして一曲一曲の歌に込められた想いを受け止めようとする深い懐がある。ニュートラルな状態で歌の世界に染まり、素直に解放することで、その光景は温もりを帯びて聴く者の胸に届く。
「僕のステージが、未知なる新たな音楽と出逢うきっかけになれば、こんなに幸せなことはありません」 
 真摯に歌う合間のシャイな破顔一笑を想い出す。クールなカンタオールに宿る優しさに、また触れにゆきたい。
     (パセオフラメンコ2018年4月号より~井口由美子)

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2018年4月7日(土)その3192◆先喰い

午前中に仕事を済ませて遠出のつもりだったが、
ふと思い直して整体⇒パセオコースに変更。
今年は梅はパス、桜も数時間だったので、
せっせとスケジュールを先喰いして時を作る。
藤(亀戸天神)とつつじ(根津神社)と菖蒲(小石川後楽園)がやたら恋しい。

昨晩からのお約束でジェーも出社。
午後はどっぷりカマロン特集だな。
晩メシはおめえさんが泣いて喜ぶ、おでんに炊き込みご飯。
きのう仕入れた極上アジの干物もちょっとだけあげよう!

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2018年4月6日(金)その3191◆いよいよ

「シンプルな粋」。
そこが再注目される時代はもう来ないのかと想っていたが、
どーしてどーしてすでに来ていたことを、
昨晩の新宿ガルロチのペペ・トーレスに対する、
詰めかけた関係者多数の一様の反応で知った。
技術の進化と内実の深化とが、うまく噛み合わない時期は
意外と長かったから、正直救われる気分だ。
こうした傾向はこの先三年くらいで浸透する気配がある。
フラメンコの自浄性にびっくりしている。
2020年あたりの協会新人公演で、
そうしたバランス感覚が顕著になることを予測しておこう。
昨今の国際情勢と相反するところが頼もしい。

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2018年4月5日(木)その3190◆刷り上がり

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早くも刷り上がってきたパセオ5月号。
文化庁芸術祭大賞に輝く石井智子(川島浩之撮影)を
冷静に分析賞賛する若林作絵の巻頭一文が秀逸。
続く、味わい深いカプージョ(アントニオ・ペレス撮影)、
ドキリとする森田志保の見開き(大森有起撮影)。
ラスト近く、踊る喋り屋〝しの〟とよらんだ漫画に爆笑。
苦肉の埋め草〝しゃちょ日記〟は入れるんじゃなかった。
日々好日、日々反省。
        
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2018年4月4日(水)その3189◆三人会

明晩は四季の三人会。

ギターつながりで知り合った頃、
チコさん(プリメラギター社社長)は34歳、
林さん(カニサレスモデルや沖仁モデルのSIE社長)は32歳、
駆け出しプロモーターの私は24歳だったからみんな若かったし、
当時から世代を超えて妙にウマが合った。

あれから38年経過したわけだが、毎度まいど集まるなり
懐かしい昭和の昔にすこんとタイムスリップする。
皆生来のわがまま者だが、私の存在が霞んでしまうほど
お二人の先輩には筋金入りの迫力がある。
まあそれでも、云いたいことを云い合って、
それでもケンカにならない関係は悪くないと想う。

呑み会の勘定はワリ勘ではなく順番の持ち回りルール。
今回は私が幹事長なので、なんぼ呑んでも三千円みたいな
美女揃いの高級クラブで開催したかったが、
新宿ガルロチに行きたいという林さんのわがままに押し切られた。
「最年少者は幹事長職を辞退できる」という
後輩に優しい法案を今度こそ通してみたいものだ。

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2018年4月3日(火)その3188◆反動

メール返信が大小三十本ばかり溜まってしまった。
ムチャぶり多し。
普段の行ないの反動である。
今日は朝から晩まで渾身の返信。
ボックスを空にしたら、仕事してよしっ!

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2018年4月2日(月)その3187◆ポテンシャル

スタジオ番犬歴は十五年。
経理・総務の経験はない。
新しい仕事がしたい気持ちはわかる。
営業は向いてるかもしれない。
        
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2018年4月1日(日)その3186◆ケア

あれよあれよの四月。
三年先のインフラと一年先のスケジューリング、
それと毎月の締切とを粛々とこなしていたら、
半年ばかり放っておいた身体が悲鳴を上げはじめた。
ここらでちょっと抜くかと、6月号追い込みの合間をぬって、
きのうは眼科と歯科と整髪に出かけ、今日は整体とコンタクト新装。
どれも家から三分以内で行けるので、ほどよい休憩の気分で身を任せる。
待ち時間は久々の藤沢周平にどっぷり浸かって英気を養う。
生きてるだけで丸儲け、という先人たちの英知が春の青空から降ってくる。
        
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しゃちょ日記バックナンバー/2018年03月

2018年03月01日 | しゃちょ日記



 

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2018年3月31日(土)その3185◆だからリアル

もとはスペインで生まれたダンス音楽。
エロすぎて演奏禁止を喰らったこともある。
「シャコンヌ」。
バスク語の chocuna (ひどい)が語源 (汗)
決定版を創ったのはバッハ。

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テーマは低音部のメロディ。
そのリピート上に三十ほどの変奏を載せる。
ひとつの本質から生まれるさまざまな顔。
 天使と悪魔。
 激情と安堵。
 刹那と求道。
だからリアルで、まるで暮らしの参考書のよう。

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2018年3月30日(金)その3184◆自我爺さん

「Paseo編集長、新作ありがとうございます!
 相変わらず素人でも面白い絶妙な編集ですね
 面白かったです」

パセオライヴにも出没する
上原時代の呑み友Yukaちゃんからメール。
はみ出る色気と癒しの美人さんだが、
さすがにおだてのツボを心得てやがる(笑
まあしかし、ボコボコにされるのを常とする編集長稼業ゆえ、
月に一度はマッカランで自画自賛(自我爺さん)

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2018年3月30日(火)その3183◆メソポタミアの昔から

過度に内罰的、そのくせ責任回避したい。
自分以外の何かに原因や救いを求める病。

現場の鬼にしてパセオライター、石井拓人は現代の若者の傾向をそう読む。
なるほど納得の分析であり、ここ数十年、
つい最近まで(そしてこれからも)驚きと落胆の連続だった。
とは云え、若い私だって安穏とそこにハマった時期もあるわけで、
親や周囲もそういう頼りないモヤシ野郎を憐れんでいたに違いない。
だからこそ今、力なく笑いながらも、どーやら立ち直ることもできるのだろう。
「今どきの若者はなっちゃいねえ」
これはメソポタミアの昔からの伝統である。

不安は前進の糧だ、やり尽くしてから考えろ。
一心不乱の父は、シンプルな楽天性。
唯我独尊の母は、壁を作らないバランス調整力。
とまあ、不滅の名盤『シロコ』冒頭のタンゴがそう響く。

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2018年3月29日(木)その3182◆今宵はマリア

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今宵はマリア・パヘス。
近ごろの渋谷は鬼門だが、オーチャードだけは別もの。
パセオ忘備録(8月号)は白井盛雄と関範子が担当。
編集部新人Ricoも2018マイベスト座談会に向け初取材。
人気連載つれづれメンコの取材(6月号)で写真家大森有起も入る。
これから夕方まで6月号汗だくの追い込み。
終演後は来年度の重要企画会議という名の呑み会。
帰宅後は3/22藤井六段VS糸谷八段戦、三度目の徹底検証。
   
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2018年3月28日(水)その3181◆間違い探し

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日曜のNHK将棋トーナメントの決勝戦。
ジェーも私もテレビの画面もまったく動かないことに驚く連れ合い。
間違い探しですか?と突っ込むまにさん。
            
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2018年3月27日(火)その3180◆無いほうがいいもの

頼りになるデザイナーが精魂込めて仕上げてくれたレイアウト刷りをズラリ床に並べ、
この段階でページの並びを最終的に決める。
オールカラーに踏み切ったことでそういう自由度が増し、
マーケティングから割り出す予定の代割が大幅に変わることもある。
結論と決断、自由と責任、もう後戻りは出来ない、
センスのみが頼りのアナログ編集長冥利に尽きる瞬間だ。

ここはもっといい写真じゃないとな、
ここはもっと面白い文章じゃないとな・・と次々に欲が湧いてくる。
そのイメージが次号からのクオリティを高めてくれるから、
安い原稿料のわりに協働スタッフへの要求も高まってくる。
これは無いほうがいいなと感じるのはおおむね私の原稿であり、
一刻も早く全体のレベルを高めることで、
こうした汚点を早期撲滅する必要がある。

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2018年3月26日(月)その3179◆それがゆえに

あらゆる宗教から距離を置くようになったのは、
育った時代に拠るところも大きい。
もちろん共産主義や儒教などもその例外ではない。
1970年代に思春期を迎えた世代というのは、
そこそこ世界の宗教史の裏側を学んでいるし、
それらの布教現場の現実も嫌やというほど知っている。
そうした反動から哲学やらアートに流れたことはともかく、
世代的にはやはりラッキーだったと想える。
漂流先がフラメンコだったことは意外だったが、
今はそれが数少ない必然だったようにも思える。
挑戦と融合。
フラメンコは大いに本能的だが、
それがゆえに戦争を避ける知恵を内包している。

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2018年3月25日(日)その3178◆嵐の前の静けさ

花見帰りのオープンカフェ。
スイーツにがっつく寸前のジェー。

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2018年3月25日(日)その3177◆だから

深い味わい。

その人だけの魅力。
踏み込んだがゆえの困難、
その泥沼から探りあてたその人だけの真実。
行為と思索の積み重ねだけが生む、信頼に値する美しさ。
その熟成には永い葛藤を要する。
それらはしばしば普遍性を帯び、
人々に安堵と勇気を与えもするが、
すでに本人はあまり意識していない。
だからパセオを創る。

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2018年3月25日(日)その3176◆花見

きのうはパセオで番犬、今日は一家で遠足。
朝から絶好調のジェー。
朝湯で新聞を読んでたら、早く行こーぜと迎えに来る。
連れ合いは自主練に出かけた。
ケーコはケーコ好きなのである。
戻ったら、皆してご近所新井薬師の桜だ。
元旦以来の全休なので、全身脱力でのんびり暮らす穏やかな日曜日。

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2018年3月24日(土)その3175◆三日見ぬまの桜かな

各員万障乗り越え、あす日曜は一家総出で花見。
今年が最後だと云い聞かせつ、一方で塩分控えめの暮らし。
切腹を前に煙草を勧められ、いや身体に悪いから結構、
と断った故事を想い出す。

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2018年3月21日(水)その3174◆見よう見マネ

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なんとかしちゃう奴。
男でも女でも中性でも、先輩でも後輩でも同期でも、
そういう人間とつるむことが多いのは、
観ていて爽快であり、かつラクチンだからだろう。
元来ヘコタレ野郎の私も、やはりそう在りたいから、
見よう見マネでこの半世紀ほどそうやってる。
詰まるところ、これが一番疲れない暮らし方であり、
そんな意味でフラメンコはもってこいの場だった。

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2018年3月20日(火)その3173◆髙野美智子ソロライヴ

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高円寺エスペランサ、ともに20時スタート。
明日日水曜は松下幸恵(Vol.83)、
明後日あさって木曜は髙野美智子(Vol.84)が登場するパセオライヴ。
二日連チャンはシリーズ開始以来はじめてのこと。
高野は私の熱望にチャレンジしてくれると云う。
熱望とはどちらにとってもプレッシャーと知る(汗)。
パセオ忘備録執筆は井口由美子。

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2018年3月19日(月)その3172◆松下幸恵ソロライヴ

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あさって水曜パセオライヴは名古屋のマエストラ松下幸恵が初登場!
高円寺エスペランサ20時スタート。(フライヤーの19時半は開場時間)
協演はカンテのマヌエル・デ・ラ・マレーナ、
ギターの鈴木尚と俵英三、パルマに井山直子。
座席指定は予約開始翌日にソールドアウト。
以降の立見予約もパンパン状態。
パセオ公演忘備録担当は若林作絵。
気合い入るわあ。

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2018年3月17日(土)その3171◆かぼちゃプリン

「天気はいいけど寒いよ」

起き抜けに連れ合いが云う。
陽射しが書斎を直射して心地よい。
ユーミン『春よ、来い』が聞こえてくるようだ。

 春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
 愛をくれし君の なつかしき声がする

お出かけ日和だが、連れ合いは生徒たちのライヴ本番、
私はパセオで記事書きなので、ジェーも出社で番犬、ご褒美はかぼちゃプリンだ。
晩めしもおめえの好物ちゃんこ鍋だから、今日もさわやかに張りきって行こーぜ!

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2018年3月16日(金)その3170◆35年目

編集長復帰号(4月号)の発送もすみ、5月号も校了し、
間髪入れず6~7月号の編集整理に入る。
本業もあるので今は時を稼ぎたい。
ページを減らしたが、Since1984、創刊35年目にして
ようやく念願のオールカラー印刷。
新企画をもりもり潜行させながら、来年新年号には増ページのメドも立った。

せっせと両面コピー手作り製本している29歳のおれに
こいつを見せて活を入れてやりたいが、あいにくタイムマシンは故障中。
まあ、欠陥だらけだがあきらめない奴なので、きっと何とかするのだろう。

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2018年3月16日(金)その3169◆節約

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寒い朝はパールマンであっためる。
暖房費の節約。
つま先まであったまる。
だがジェーはふかふか布団の中。
          
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2018年3月15日(木)その3168◆口説き文句

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「自分の欠陥に邪魔されない仕事に打ち込めばいい。
 できないことを悔やむには及ばない」

今朝の東京新聞で、ホーキング博士のこんな矜持を知った。
博士の功績に畏れながらも、欠陥とコンプレックスのデパートのごとき私は、
ド共感で胸がいっぱいになった。
また、博士はこんなことも云っているのだが、これは編集長復帰以来、
お仲間たちを口説くのに汎用する私の定番文句でもある。

「どのみち死ぬんだから、多少は善いことを」

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2018年3月15日(木)その3167◆安全ベルト

今日明日でパセオ5月号のデザイン入校が終わる。
だいぶ勘が戻ってきたので、ジェットコースターに例えるなら、
両手で万歳しながら引きつった笑顔をふりまくぐらいのことは出来るようになった。
ちなみに安全ベルトはセロテープである。

新連載は一本だけだが、これがめっちゃおもろい。
踊る喋り屋しの(凌木智里)による連載エッセイで、
春夏秋冬、年四回の掲載予定だったが、
とりあえず隔月連載に増やす魂胆であり、本人はまだ知らない。

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2018年3月14日(水)その3166◆大爆発を未然に防ぐ

「愚痴は周囲と自分を同時に腐らせるから、
 一歩踏み込んで具体的な改善策を提案したらいい」

十年も昔にmixiにそんな風を書いたら炎上した(汗)。
十代半ばで社会に出た頃、それが愚痴だということも知らずにさんざボヤいたことで、
周囲の大人たちから総スカンを喰った苦い想い出から、
あの頃はほんとバカだったよと自嘲を込めて書いたつもりだったが、
愚痴がいかんとは何事かとボカスカやられた。

「男と女では生理が違うのよ。ぐちぐちコボすことで大爆発を未然に防ぐの」
唯一この見解には合点がいった。
とはいうものの類は友を呼び、永年の仕事仲間や呑み友たちは男も女も皆、
愚痴知らずの完全燃焼タイプであるからして、
いっこうに愚痴に対する免疫は育たず、十年にいっぺんほど、
こうしてぐちぐちコボすことで大爆発を未然に防ぐ。

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2018年3月14日(水)その3165◆ギブ&テイク

まー何処へ云ってもグチだらけでたまったもんじゃねーが、
そんなにおれにグチが云いてーなら、
一分だけ聞いてやるから一発殴らせろというグチ。

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2018年3月13日(火)その3164◆高め安定

前列左のヒロミ(山室)とボクシング観戦の打ち合わせ、
右隣りの今宵の忘備録ライター関範子と来年新年号の大型企画の相談、
後列のボケ老人への対応と、いつもながら何かと忙しい開演前。

代々木上原ムジカーザのアルテイソレラ『港に着いた黒んぼ』初日。
やはりと云うか、鍵田真由美と大沼由紀の〝黒白(こくびゃく)の
コントラスト〟には内臓に鳥肌が立った。
横綱同士が恐れることなく対峙し、互いの底力を存分に発揮し合う
世にも稀なるガチンコシーンに、なぜか不思議と涙腺がゆるむ。
凄いもん同士がこれ出来るって、実はこれ稀有なことなんだよね。
フラメンコ的完全燃焼という点で若干不満は残るが、
アルテイソレラの高く安定するクオリティに今回も脱帽。
団員たちの深く潔い献身、そして、おそるべきコンダクター佐藤浩希。
あっ、矢野吉峰のワル役も九平次ばりに黒光りしてたぞっ!

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2018年3月13日(火)その3163◆港に着いた黒んぼ

今宵はアルテイソレラ、久々のデスヌード。
会場は代々木上原のムジカーザ。
以前住んでた自宅から歩いて五分の会場だったので、
開演前にひとっ風呂浴びてブラり出掛けるのが定跡だったが、
中野に引っ越して来てからもその黄金定跡は不滅である。

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今回は小川未明の原作『港に着いた黒んぼ』。
あの大沼由紀さんの客演が大きな観処になるだろう。
何年か前の日本橋劇場の「鍵田真由美(生)VS
大沼由紀(死)」の凄絶な葛藤は、日本フラメンコ史の金字塔だった。
観る前からゾクゾクするパブロフ状態がアルテイソレラ公演の真骨頂である。

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2018年3月11日(日)その3162◆生き埋め以外は

パセオ5~6月号の入稿ラッシュで、土曜予定の遠足は来週に先送り。
ボーナスとしておやつは450円まで。これで歌舞伎せんべいが射程に入った。
納期と闘うそこそこハードなトンネル工事は、抜けてみれば結局、
これが裏方稼業のやり甲斐、自らも掘り進む現場監督の歓びなのだとわかる。
この先も果てしないトンネル工事はつづくが、
生き埋め以外はすべてオッケーと判明。

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2018年3月10日(土)その3161◆労働歌

歩いて五分のパセオ編集部。
来客や電話の少ない土日祭などは妙に作業がはかどるので、
休日は連れ合いのスタジオの仕事(番犬)が非番となるジェーを連れ、
ついつい遊びに来てしまう。

ひとり気ままな休日出勤の主なBGMはグールドのバッハ、
ファジル・サイのモーツァルト、桂枝雀師匠の落語などで、
作業の性質に合わせてアバウトに選ぶが、
さすがに"音楽"としては聴いていない。
ただ、どれもパコ・デ・ルシア『アルモライマ』や『熱風』のように
数千回はまじ聴きしたものばかりで、
あらゆる細部に至るまでしっぽり心身に染みている。
だからある瞬間に触れるだけでその全貌が全身を貫く。

おそらく私は、ある一定の距離を保ちながら名人たちのリズムの呼吸に反応している。
それらに共通する安定した骨太の通奏低音が、
雑念から逃れ作業能率を高めながら集中に達しようとする快適な追い風となる仕組み。
その意味ではフィジカルに作用する労働歌に近くて、
事務作業は落語、編集整理はモーツァルト、企画と記事書きはバッハ、
みたいな役割分担が多い。

中でもシンプルな二声が対話の理想を奏でるグールドのフランス組曲(バッハ)は、
読者や取引先との会話を楽しむような気分ですらすら筆を進ませる。
このようにほぼ万全たる休日の制作環境であるのだが、
唯一文章のクオリティの問題だけが解決されぬまま今日に至っている。
ちなみに、平日はフラメンコ漬けのジェーの、
休日のお気に入りはモーツァルトのようで、
落語をかけると何故かのそのそ足元から遠ざかる。

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2018年3月9日(金)その3160◆一週間

明日土曜は久々の安息日。
地元書店でじっくり選んで、向島百花園で読書三昧。
おやつは三百円まで。
ただしゆで卵とバナナはこれに含まない。
帰りに渋谷タワレコで外盤バッハ新譜を漁り、
宵から中野で連れ合いと月イチおつかれ会。
ちょっとサボってささやかな平穏と解放、日曜から新たな一週間、
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー♪~   

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2018年3月8日(木)その3159◆注文の本質

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「3月22日は2回目のパセオライブ、
 小山さんに前回頂いた課題をクリアできるように頑張ります」

クールビューティ、という形容がぴったりだったあの頃の髙野美智子。
あの頃というのは、小島章司門下生だった三十年も前のことである。
やがて髙野は、事も無げに協会新人公演奨励賞を受賞し、
美しい絵心・洗練の突出する本格バイラオーラに成長した。

「フレームからはみ出して完全燃焼する髙野」
それが私の注文(ムチャぶり)だった。
我ながら、まったく観客席というのは我がままなものである。
まるで編集部に対する読者の如しである(汗)
期待する人に対する注文とは、結局のところ、
それは自分に対する注文でもあるわけだ。

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2018年3月7日(水)その3158◆すっかり朝型

近ごろは6時始業なので、遅くも23時にはジェーと布団にもぐる。
早くに帰宅し『相棒』待機の煮物中。
かつおと昆布と日本酒の京風出汁で、豚バラ、大根、こんにゃく、
じゃが芋、ゆで卵、うす揚げ、最後にはんぺん。
(いけねっ、ちくわぶ忘れたあ)
ジェーと連れ合いの帰宅に合わせ、あとはコトコトとろ火で煮込むだけ。
これから湯船でゆっくり、カズオさんの続き。

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2018年3月6日(火)その3157◆伸びしろ満載

予定より三日早く、編集長カムバック号が仕上がってきた。
         
スリルと冷や汗万点の二ヶ月だったが、
パセオ創刊時や協会設立時のジェットコースター感覚が蘇り、
やっぱりオレにはこれなのかと合点がいった。
将棋なら初手を指したところ、
ステージなら幕が上がったところであり、
すべてはここから始まる。
まあしかし、おれなら迷わず定期購読だな。
「いつか読み返したくなる」という編集方針の精度はさておき、
希望と伸びしろだけは満載である。
自分独りじゃ何も出来ない奴だけに、
ひと肌脱いでくれたすべての仲間たちに感謝!

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2018年3月4日(日)その3156◆飛躍

作用反作用の法則。
だから人は平等である。

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2018年3月3日(土)その3155◆いつかきっと来る

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1966年フランス映画の名作『男と女』のアヌーク・エーメ。
私ら世代における美女の典型である。
ところが若い世代と話すと、意外と無反応であったりする。
なるほど、美女や美男の基準は、時代や地域によって大いに異なる。
環境による刷り込みは思いのほか大きく〝絶対〟はない。
つまり、いつかはあんたやおれの時代がきっと来る。

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2018年3月1日(木)その3154◆反動は三日後

筋肉痛が三日後にやって来る。
若い頃ならスッと翌日来てくれたものだが、
伝達回路に衰えが生じている。

身体ばかりではない、心も同様である。
いいことも悪いことも、
鈍く静かに受け止めることが出来る。
嬉しすぎて馬鹿にハシャぐこともなく、
哀しすぎて落ち込むこともない。
冷静にその時点ですべきことに集中するわけだが、
およそ三日後にその反動がやって来る。

嬉しさ余って相手に抱きつくでもなく、
また怒りに任せて張り倒すでもなく、
わが身に起こった事象に対し、
衝動的に反応するのではなく、
ある程度冷静に判断できるわけで、
まあ、その意味では悪かない。
しかしながら、それを年の功と云うべきか、
あるいは耄碌(もーろく)と云うべきかは、
実にビミョーだ。

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しゃちょ日記バックナンバー/2018年02月

2018年02月01日 | しゃちょ日記

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2018年2月27日(火)その3153◆お得なセット

問題発生と問題解決。
これらをセットと認識することで
ノープロブレムになる。

 

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2018年2月26日(月)その3152◆一週間

 

9時間ノンストップ爆睡、ゆったり珈琲で朝刊。
この一週間のいいスタートが切れそう。

 

月曜日にお風呂をたいて
火曜日はお風呂に入り
テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャー
テュリャテュリャテュリャテュリャーリャー

 

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(注1)ジャケットと音源が異なることもあります。
(注2)地元出身みどり先輩、ご、ごみんなせえっ!
         
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2018年2月25日(日)その3151◆転化力

 

恐れている暇がないほどスリリングな時期は
緊張感と集中力が我が身の安全と進化を保証している。

 

そんなのが通用するのはせいぜい四十代までだろうと認識していたが、
六十を超えてもそうした傾向はあまり変わらないことに驚く。
身近な周囲を見渡すだけでも、そんな先輩たちが十数名おられる。
鈍くなった反射神経と衰えた体力を、
全体を見通す余裕と判断力に転じることができれば、
あるいは可能なことなのかもしれない。

 

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2018年2月24日(土)その3150◆復帰間近

 

忙中閑あり。

 

この春のパセオの新入社員と新人執筆者が出演するというので、
今晩は高円寺エスペランサ(二部から)、
賑やかしに連れ合い連れて呑み放題コース。
明日日曜は13時よりタカミツ先生のカンテ講座(曲はマラゲーニャ、席あり!)、
16時よりよらんだ画伯と連載まんがのネタ出し。
編集長就任号(四月号=ページ減らしてオールカラー)の制作手配もほぼ完了し、
月曜から久々に本来業務に復帰!

 

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2018年2月24日(土)その3149◆足湯

 

近ごろは足湯にハマってる。

 

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2018年2月23日(金)その3148◆重たく爽やか

 

「そろそろ通院でよいでしょう」
主治医は言ったが、彼女は同じ口から五年後の生存率は
三十パーセントですとも聞いている。
もう入院治療を続ける意味がないという最後通告にも思われた。
「死亡率七十パーセントですね」
「人間の死亡率は百パーセントですから、よい方ではありませんか」

 

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13の短編からなる乙川優三郎の『トアイライトシャッフル』。
どれも重たく爽やかだ。
引用は『ミラー』という小品の冒頭。
どちらを持つにしてもこんな会話が好ましい。

 

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2018年2月22日(木)その3147◆以心伝心

 

四度目の編集長復帰、本日パセオ四月号校了。
私の仕事がひと段落したことを彼は感じている。
しばらくは復活祭の呑み会がつづく。

 

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2018年2月21日(水)その3146◆相棒

 

ウィスキーで『相棒』。
寝る前にカフェオレ。
すたすたとジェーが書斎にやって来る。
素早く専属カメラマン(元写真部)が撮る。

 

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2018年2月21日(水)その3145◆日曜午後の

 

「カンテ歌ったことのない人でも受講できますか?」
「はい、いつも半数はド素人さんです」

 

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きのうも今日もそんなお電話。
日曜午後はタカミツ先生のカンテ講座なりっ!     
ジェー(用心棒犬)も三階編集室で待機の構え。

 

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2018年2月21日(水)その3144◆エル・トロ

 

いよいよへレスのカンタオール、エル・トロの初登場。
カンテソロのライヴは50人超えが難しいのが普通だが、今回は楽々それを超えた。
興味津々の連れ合いもレッスンをやりくりして駆けつけるという。
明日は早朝から12時間実務フルコースを軽々とこなし(汗)、
待望のエル・トロ鑑賞の段取り。
  
2018年2月22日(木)20時
パセオフラメンコライヴ Vol.082
アントニオ・ペーニャ・カルピオ"エル・トロ"カンテソロライヴ

 

アントニオ・ペーニャ・カルピオ"エル・トロ"(カンテ)
石塚隆充(ギター/パルマ/カンテ)
斎藤誠(ギター)
末木三四郎(パルマ/バイレ)

 

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 歌には人の本質が宿る。バイレやギターなら隠しておくこともできるそれがカンテでは丸裸になる。無論、技芸に秀でた玄人は"装う"こともできる。しかし歌い手がリミッターを振り切る時、隠しきれない本性が立ち現れる。思わずニヤリ。¡Olé!の瞬間である。
 ヘレスの歌い手 "エル・トロ"。カルピオ家に生まれた彼は、10歳より歌い手としてアナ・マリア・ロペスらをはじめとする踊り手の仕事で各地を巡り経験を積んだ。過去には鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団の招きで度々来日、直近では秦晴美氏が招聘したヘレサーノの一員として大沼由紀氏らと共演歴がある。
 彼の強みは、連夜の歌唱にも喉をつぶさずスタミナ切れを起こさない身体の強靭さと、彼を知る人が「あれほど真面目でいい人は見たことがない」と口を揃える人格。伝統的なヘレスのブレリアやカンテホンドで威力を発揮する深い歌声には、確かに彼のそんな本性が宿っているようだ。例えるなら白色の温かい光。
 しかし、ドローレス・アグヘタを招聘している慧眼のアフィシオナーダ濱田貴代さんによれば「一度、トロの歌にヒターノの漆黒を見たことがあるわ」と言うではないか! ニヤリ、そして¡Olé!の瞬間である。なぜか居てもたってもいられなくなり、本人に聞いてみた。
「カンテを歌っているとき、何を感じる?」
トロいわく
「自由、平穏、喜び、愛。そして...」
「そして?」
「僕の中の荒ぶる何かがすべて解放されていくのを感じるよ」
 白と黒、エル・トロの本質やいかに?
 2月22日エスペランサで目撃されたし。
 (月刊パセオフラメンコ2018年2月号より~瀬戸雅美)
         
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2018年2月20日(火)その3143◆ヘイ・ジュードー

 

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DVDもらった。
無我夢中で柔道にかけた姿三四郎の、その懐かしのテレビ版(1970年)。
主題歌はビートルズのヘイ・ジュードー、、んなわけねーだろ

 

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2018年2月19日(月)その3142◆通奏低音

 

そりゃあ何と云っても色気や愛敬のある異性と呑むのが一番だが、
親しい野郎どもとの酒にもまた格別な味わいがある。
春永までにいくつか幹事をやらにゃならんが、
どれも呑み屋天国わが街・中野に集結させる段取りだ。

 

云ってみれば奴らとは戦友同士であり、また、
いつ誰が逝ってもおかしかない世代だから、硬軟どんな話題であろうと、
そういうペーソスな通奏低音がそれぞれの中に好ましい共感を生むのだろう。
永い歳月は無駄ではなかったし、そうしたふれあいは男女を問わない。
人は誰しも共感なしには生きられない寂しがり屋だから、
暮らしにおけるそこからの逆算は案外重要かと想う。

 

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2018年2月18日(日)その3141◆やがて伝統

 

フラメンコで例えるならロシオ・モリーナ、
あるいはマヌエル・トーレか。
中盤の暴れ方はゴジラそのものだし、
正確無比な終盤はスパコンか。
       
準決勝で羽生善治竜王を、決勝で広瀬八段を破り朝日オープン優勝。
二つの棋譜をじっくり並べたところだが、開いた口がふさがらない。
伝統的な価値判断では計りようのない精緻な前衛手の数々。
その意味では棋力十三段と評された幕末の大棋士・天野宗歩に近い。
宗歩の革新は明治・大正・昭和を経て、やがて伝統となった。
藤井六段の革新もやがては伝統となり、
棋界全体を底上げすることになるだろう。

 

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(写真左より羽生竜王、藤井新六段)

 

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2017年2月17日(土)その3140◆一本化

正月からほぼ無休で斬り込んだ現行プロジェクト。
ようやく目鼻がついたので、久々に分厚いステーキを喰った。
土日も出勤だが、軸の決まったインプロなので気分は軽い。
そして、これも久々の旨すぎ高すぎマッカラン。
冷や汗だくだくで飛んだあとのささやかなご褒美。

 

大音量でパコ・デ・ルシアを聴いている。
若い頃は正反対に感じたバッハと、同質な要素を感じる瞬間も多い。
二律背反の一本化。
ずっとそれが望みだったが、なんやかんやと四十五年、
ずいぶんと時間がかかった。

 

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2017年2月15日(木)その3139◆自給自足

 

2/14パセオライヴから帰ると、
テーブルに高そうなチョコレート。
すでに包みは開いてる。
ジェーを抱く連れ合いはキャハッと笑った。
「遅いから、先に食べちゃった」
自給自足、仏壇お供えの先喰いである。

 

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2017年2月15日(木)その3138◆才人

 

ライヴでモーツァルト(ピアノ協奏曲21番)を聴いた。
楽譜やピアノから抜け出したモーツァルトが広い宇宙を駆け巡る。
第二楽章の天使のインプロは、作曲家でもある鬼才サイならではの閃き。
舞台上で起こっている奇跡をそれと認識するのに数分要した。
十年も前の僥倖だが、俯瞰するならあれは一生の宝だ。
誰が聴いてもモーツァルトに、そしてサイに惚れ込む。
かつてはハルサイの多重録音でクラシック界に風穴を開けた。
ファジル・サイはライヴの人だが、この録音にも僅かながら
そういうファンタジーを垣間見る。

 

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2017年2月14日(水)その3137◆叱咤激励

 

四日間で26個。
義理チョコとしては多い。
香典・お布施・塔婆料としては少ない。
君たち、もっと目標を明確にしたまえっ!

 

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2017年2月14日(水)その3136◆師弟ライヴ

 

本日20時スタート、パセオライヴ!
恒例の演目フライング発表!

 

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青木 愛子
ヴォダルツ・クララ
師弟デュオライヴ
2018年2月14日(水)20時開演
於:高円寺エスペランサ

 

青木 愛子(バイレ)
ヴォダルツ・クララ(バイレ)
有田 圭輔(カンテ)
石井 奏碧(ギター)
森川 拓哉(ヴァイオリン)

 

1:ラ・ビダ・ブレベ
2:シギリージャ
3:グアヒーラ
4:タラント
5:ムシコス
6:アレグリアス
7:フィン・デ・フィエスタ

 

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2017年2月13日(火)その3135◆お供え

 

五十代半ばからチョコレートの数が増えた。
義理チョコとゆーより、香典先払いという感触。

 

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2017年2月13日(月)その3134◆青木愛子&ヴォダルツ・クララ

 

2018年2月14日(水)
パセオフラメンコライヴVol.081
青木愛子&ヴォダルツ・クララ デュオライヴ

 

青木愛子(バイレ)
ヴォダルツ・クララ(バイレ)
有田圭輔(カンテ)
石井奏碧(ギター)
森川拓哉(ヴァイオリン)

 

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 青木愛子をNHK趣味悠々「情熱のフラメンコ ウノ!ドス!トレス!」で知った人は多いと思う。本誌「グラシア!」(2015年2月号)のインタビューで彼女は、小松原庸子スペイン舞踊団でやっていくために徹底的に基礎を追究したと語っているが、アシスタントとしてテレビに映し出された彼女は、初々しさの中に既に正統派の所作と天性の華やかさ、ノーブルな雰囲気を醸し出していた。
 その姿勢を貫いて、昨年11月のリサイタル「Relicario」では、そこからはるかに進化した姿を見せた。クールでダイナミックな動き、しなやかな上半身、大人の色気、徹底的に鍛え上げた体。地味なことを一つ一つ積み上げてきた歴史には迫力があった。
 ことにサラ・カレーロ(スペイン国立バレエ団の元ソリスタ)に師事したクラシコ・エスパニョールには、磨きがかかっていた。顎から胸のライン、ボディのしなり、そしてふんわりと丸い形の腕。クラシコ・エスパニョールとはこんなにもフラメンコとポジションが違うものかと驚いた。そのうっとりする美しさをぜひ間近で見てほしい。
 今回のパセオライヴは、弟子のヴォダルツ・クララとのデュオライヴとなる。ヴォダルツは、2014年日本フラメンコ協会新人公演にて奨励賞受賞、2017年CAFフラメンココンクールのファイナリストで、いま勢いのある踊り手だ。師弟のフラメンコは表面的にはそれほど似ていないが、受け継がれているものもしっかり見える。そこも見どころとなりそうだ。
  (月刊パセオフラメンコ2018年2月号より/若林作絵)

 

あす水曜は青木愛子&ヴォダルツ・クララのパセオライヴ。
昨秋の草月ホール公演でめざましい進境を魅せた愛ちゃんと、
新人公演奨励賞以来のヴォダルツさんの師弟ライヴにもりもりと期待が募る。
座席指定残りわずか、パセオ忘備録執筆は若林作絵。

 

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2017年2月12日(月)その3132◆はよせーよ

 

スリリングに生々しい夢。

 

起きるなり記憶するシーンをwordに打ち込む。
考察は加えず、実際の場面のみを即物的に入力し終えたところ。
これだけストーリーが明快な夢も珍しい。
舞台は近現代の東南アジアか。
私は盗賊頭で、ハリマオとインディジョーンズが交錯するエンタ夢。
反体制ジタンの複雑な心境が盛り込まれているところが秀逸。
解析が楽しみ!って、、はよ仕事せーよ。

 

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2017年2月11日(日)その3131◆おぞまじい光景

 

時おりブ厚いビフテキが食いたくなるように、
時おりブ厚い音響が聴きたくなる。

 

オケならショスタコやブルックナーあたり、
などと気取りまくった青春時代のヤセ我慢の反動なのか、
近ごろは臆面もなくベタベタな人気交響曲を聴く。
悲愴、新世界、40番、未完成、運命、田園、ブラ3・・・
ぎゃあ、恥んずかしい!などと照れてる場合ではない。
明日にでもモチを喉に詰まらせ一丁上がりの世代なのだから、
残り人生を率直に謳歌したいものである。

 

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で、ブ厚いビフテキ代わりにドヴォルザ-ク『新世界』を
大音響で聴きながら一杯呑ってる。
肴は惜しくも薄い豚肉と鱈の湯豆腐。
最終楽章のころには髪ふり乱しながら指揮棒(長めの箸)を振り、
トランペットの強奏部分では両手は宙にユニゾンで吹き(歌い)まくる。

 

客観的には世にもおぞまじい光景かもしれんが、それがどーした・・・
ふと斜め後ろを見やれば、約3メーター後方でジェーが思いきり引いている。

 

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2017年2月10日(土)その3130◆万病に効く

 

バックにも家にもパセオにも周到に仕込んである。
ちょっとでも具合が悪いと、すぐさまその常備薬を呑む。
なので滅多に風邪をひかないし大病もしない。
バカは風邪をひかないと云うが、私の場合はひと味違う。

 

ふふっ・・・
お江戸の昔から、
ガンでも痔でも骨折でも金欠病でも、
何でもかんでも万病に効くと伝え聞く、
例のアレを呑んでいるのだ。

 

(↑ 昭和三十年代に多いカッコンおやぢ)

 

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2017年2月9日(金)その3129◆そこそこいい奴

 

梅見を来年の楽しみに、今日はパセオ4月号追い込み。
そこそこの天気にジェーもやる気まんまん。
表紙は最新DVDが発売となるサラ・バラスの、
あのゾクッとくるような逞しく美しい背中に注目!
よらんだ漫画や近藤佳奈さん写真連載や
白石和己さんのエッセイを含む新連載六本も、
校正直し待ちの安全圏。
夕刻から北口で、連れ合いと月イチおつかれ会。

 

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2017年2月9日(金)その3129◆そこそこいい奴

 

しばらく先までスケジュール表は真っ黒に埋まっている。
多くは達成感の高い案件なので、そこそこハードルも高い。
飛べるかどうかはわからない。
ゆえに、もろもろ周到に段取りを進めている。
それなりのプレッシャーはあるものの、
逃げを打たない限り、
まあ結果的には飛ぶことができるだろう。

 

そして何年がすると、飛んだクオリティ自体が
飛んでも無い大失敗ものだと分かってくる。
そうした循環の中で、それでもこうして生き永らえる不思議。

 

はあ~、人に対して人生は寛大だとつくづく想う。
神か仏かわからんが、
創造主というのはそこそこいい奴だと想えてくる。

 

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2017年2月8日(木)その3128◆乱歩ワールド

 

永年恋焦がれた女性。
若くして嫁いだはずだがら離縁したのかもしれない。
その憧れのマドンナの実家に婿で入ることになった、らしい。
何故そうなったのか、プロセスはまるで分からない。
しかも、その彼女が誰であるのか特定できない。

 

江戸の外れ、おそらくは世田谷あたり。
立派な庭のあるそれなりの豪邸に一張羅のスーツで出向く。
私は三十前後だろうか、下心満載で妙に身体が軽い。
自分の住む家も仕事も、そこらへんも分からない。
ただ、凡庸で尻軽な独身会社員であるような気がする。

 

全体にセピアトーンだが、灯篭の明りはオレンジ。
時代的には昭和三十年代の空気感が漂う。
右手に池を見ながら、長い廊下を歩いているうちに、
浮き浮きしていたはずの気持ちが徐々に暗くなる。
だが、耽美にして妙にエロティックではある。
すでに江戸川乱歩的世界に突入しているらしい。
暗くダダっ広い座敷に招き入れられる。
ボロを隠すべく、静かに卒なく対応する。   
楽しくはない先方のご両親との会見が終わり、
ようやく二階にある彼女の部屋に案内される。
やけに電灯がまぶしい。

 

ぎょぇっ!!!
ふり向いた彼女の異様に長い顔。
潤んだ大きな瞳に見覚えがあるが、声もアイレも未知の女性だ。
永年恋焦がれたマドンナとは別人のようである。
次の一手がわからず、呆然と立ち尽くす。

 

唐突に夢は終わる。
ホラーではないが、生々しい落胆を絵に描いたような結末。
断片的にはいくつか思い当たるフシがある。
おそらくは潜在意識が、この世にうまい話などひとつも無いぞ!と、
いい歳こいたお調子者のご主人さまに警告しているのだろう。

 

青春期に死病を患った吉行淳之介は、
貴重な残り時間の一部である夢を実際の人生の一部とみなし、
筒井康隆は人の夢こそが、人類を解き明かす鍵だと位置づける。
夢を見る時間というのは、数秒とか数十秒とか極めて短いらしい。
それだけでは意味不明の、映画のぶつ切り予告編みたいなイメージがある。
目覚めとともに忘れてしまうことが多いが、印象的は夢というのは、
それを思い出しながら辻褄が合うように物語を形成しているのだろう。
本日未明に見たであろう乱歩ワールド的な夢は、
年に一度見るかどうかの傑作。  

 

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2017年2月6日(火)その3127◆魅惑の珈琲

 

パセオフラメンコライヴ Vol.080
小林伴子ソロライヴ

 

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2018/02/201728.php#006027
小林伴子(バイレ/パリージョ)
遠藤あや子(カンテ)
三澤勝弘(ギター)
山﨑まさし(ギター)
大谷美佐子(ヴァイオリン)
2018年2月8日(木)20時/高円寺エスペランサ
☆残席わずか!

 

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「例えば、スペインのおじさんやおばさんがなぜカッコいいのかというと、心と身体運動が一体化しているからだと思うのです。そこに超絶技巧は無い代わりに、まるで動物のように自然体です」
 踊ることへの心構えとして、心と体の相違を埋めていくのが稽古で、それはある技術を通して自分の感じた事が観た人にうまく伝わって欲しいと願うからだという小林伴子さんの言葉が好きです。そこに立ち、いるというだけで意味があるように思えてくる存在感。カスタネットの旗手として名を馳せているけど、むろんその踊りにはいうまでも無く気品と優しさと温もりがある。どれほどの鍛錬が今の彼女を作っているのか想像もつかぬが、私たちはそこに座って同じ空気を吸うだけで、その恩恵に属すことができる。超絶技巧と自然体とが同時に味わえる幸せ。
 初めてのパセオライヴでは直前に倒れたアギラールへの追悼を兼ねた公演になってしまったが、その思いは痛いほど伝わる舞台だった。その脇に笑顔の彼が見えたのは私だけではなかったと思いたい。二人の人柄が、相性が、垣間見えた気がした一夜でした。
 彼女が音楽家でもないのに音楽を奏でたい!と思う瞬間を創り出す伴奏者達と奏でる一夜の夢。小林伴子自身が創りたいと思う音と踊りに満ちた空間のアンサンブル、この日もきっと熱く黒く魅惑的な珈琲の様な味わいで魅了してくれると思うのです。
 それと忘れてならない猫好きってこと。時間があるとフラッとスタジオの看板のグリさんを見に行ってしまう私。(パセオ2月号より~石井拓人)

 

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2017年2月5日(月)その3126◆アルゲリッチ

 

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およそ四十年前の録音だが、
もぎたてのフルーツのような新鮮な味わい。
だがあの頃、先鋭的な彼女の演奏を懐かしいと感じた。
愛される革新、吟味された伝統とは、
こうしたものではないかと想う。

 

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2017年2月4日(日)その3125◆晩のおかず

 

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床屋に行ってすっきりしたジェー。
NHK将棋を観てから、土曜日曜と連ちゃんのパセオ出社。
すでにやる気まんまんの模様である。
晩のおかずを相談しながら、裏の緑道を往こうな。

 

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2017年2月3日(土)その3124◆気合いの入るまじない

 

このところ平日は鉄板業務だから、
土曜の朝はさすがに疲れが出る。
すでに連れ合いは代々木のスタジオに出掛け、
いまひとつ気合いの入らぬ私は、
手帳の年間スケジュールをちんたら改編しながら、
ペペ・デ・ルシアとともに『ブアナ・ブアナ・キングコング』
(パコ・デ・ルシアのライヴ・イン・アメリカ)をドラ声音痴で熱唱している。

 

何ごとですかいっ!?と、ジェーが書斎に飛んでくる。
いや何でもねえ、単なる気合いの入るまじないだ。
さてこれから、彼とお約束の同伴パセオ出社。
晩めしはおまえの大好きなクリームシチューだわ。

 

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2017年2月2日(金)その3123◆理想のテレビ局

 

トーマスと相棒とニュースを一時間ずつ流してくれるテレビ局があったら、
チャンネルはそこに固定で決まり。
なんなら6~8時と20~22時以外は全部CMでもいい。

 

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2017年2月2日(金)その3122◆ゆきが降る

 

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雪が降るたびに想い出す。

 

数年前、カリスマ・バイラオーラ大沼由紀さんに
パセオへの連載エッセイを熱望依頼した。
二人してその連載タイトル付けに迷い、
真摯の塊りのような由紀さんに
張り倒され覚悟でこう提案した(汗)

 

『ゆきが降る』

 

驚いたことに由紀さんは笑ってこれを承認し、
奇跡的に私は無事だった。

 

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2017年2月1日(木)その3121◆キリリと燃やす

 

それと感じさせない超絶技巧から紡ぎ出される気品と洗練。
冷静かつ精悍な音程と絶対的な美音は、なぜか独特の暗い表情に包まれる。

 

『相棒』目当てで早めに帰宅し、一本だけ原稿を書いたら、
胸がいっぱいになるようなオーケストラ伴奏のヴァイオリンが聴きたくなった。
たぶん腹が減っていたからだろう。

 

曲ではなく人で選んだのは、
フランコ(フランス)・べルギー派の巨匠アルテュール・グリュミオー。
学生の頃はこの人のモーツァルト(今でも人気ナンバーワンディスク)の
端正にすっかりやられたものだが、珍しく今宵はブラームスのコンチェルト。

 

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人気曲だけに数十はある名演の中、特に人気のある演奏ではないが、
彼のようなウルトラクラスになると、世の超美人さんたちといっしょで、
あとはもう好みの問題でしかなくなる。
最初から最後までキリリと内面を燃やす、
お寒い晩にぴったりフィットするブラームスの浪漫。

 

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しゃちょ日記バックナンバー/2018年01月

2018年01月01日 | しゃちょ日記

 

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2017年1月31日(水)その3120◆万難を排し

銀行回り、パセオ3月号最終校正、支払調書の作成配送、
原稿整理2本、原稿執筆2本と、晦日は何かと忙しい。
本日『相棒』後編、万難を排し万全の体制でこれに臨む!

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2017年1月29日(月)その3119◆寝床

長々と出口の視えない退屈極まりないスピーチに、
パーティ設営側も参加者も全員ハラワタが煮えくりかえっている。
校長先生の炎天下の役に立たねえ訓話やら結婚式の拷問的式次第などを含めれば、
誰だって百回や二百回はそんな目に遭っている。
されど人は誰しも、実もなく面白みもないダレ話など正直御免こうむりたいものだ。
また、そういう悪趣味な時間超過によって、
その後に準備された設営側の汗と苦心の工夫は一挙に破壊される。

語られるご本人さまだけがご満悦の様子は、
地位を笠に着て罪なき庶民に痛すぎる独演会を拝聴させる、
あの古典落語の大傑作『寝床』の拷問シーンそのものである。
古今東西、鬱屈した自己顕示欲の暴走というのは
大小さまざまな事件を巻き起こしてきた。
昔も今もスピーチは三分以内という粋な良識。
誰でも知ってるそういう当たり前の相互マナーを意に介さない御仁の厚顔には、
被害者全員でパイやらピザなどを思いきり投げつけるのが
世の中の健全なバランスというものだろう。

まあしかし、加害者はご高齢であられることも多いし、
それで怪我でもされた日にゃ大騒動となるから、
目には目を!ではなく、もっと穏やかに抗議する必要がある。
例えば、囲碁・将棋のような秒読みシステムの導入はどうか?
スピーチの持ち時間は常識的に3分、残り30秒前になったら
記録係が秒を読み始める(なんなら慣れてる私がやってもいい)。
ところがどっこい大先生、時間切れになってもまだまだ喋り続けるだろうから、
次なる一手は送迎係の出番だ。
万難を排し語り続ける大先生を高価な壊れものでも扱うように
若手力持ち四人がかりで台車に乗せ、
会場となりの来賓用カラオケマイク付き豪華控室にご案内する。
「先生こちらでお気のすむまでお語りください」と思いやりを込め
明るく前向きな忖度を胸に、外側からしっかり鍵をかける。

何だかますます『寝床』みたいになってきたが、
こんな陽気な逆襲ならば被害者全員ハラを抱えて笑えるし、
その後は安心して運営陣が工夫を凝らしたパーティの段取りを楽しめるから、
次回の参加者が増えることだけは間違いない。
また逆に開き直って、そういうお笑いアトラクションとして
最初からプログラムに組み込む手(所要時間3分半)は相当に有力だ。
まあ誰しも欠陥はあるし、
これはあくまで自戒のための冷や汗ものの是々非々論。
           
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2017年1月28日(日)その3118◆留守番のご褒美

「2020年、2020人で踊る大セビジャーナス」
きのう日曜は早朝から編集整理と原稿書き。
午後から中野サンプラザで大セビジャーナスの決起大集会を取材。
全国からそうそうたるメンバーが集結し、そ
の実現に向けギネスものの巨大プロジェクトが豪快にスタートした。
南口の珈琲ロードで記事をまとめ、
17時より同じサンプラでフラメンコ協会恒例の新年会。
前年の新人公演奨励賞の受賞式で、ようやくフラメンコ界の新年が始まる。
ベテラン陣もみんな元気で何よりだ。
その初司会を務めた連れ合いが何も食えなかったというので、
帰り道の安旨寿司で打ち上げ。独り留守番を務めたジェーは、
土産の厚焼き卵でさくっと機嫌を直した。

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2017年1月28日(日)その3117◆知的好奇心

この正月からそれが毎晩のルーティンになった。
藤井聡太四段の棋譜を一局だけ並べる。
就寝前の小一時間、対戦相手の側に座り、彼の指し手とじっくり対話する。

上達を望んでいるのか?

いや、実戦から退き45年、筋ワルの老境アマチュア六段に
そういう良質な野心はない。
多少なりとも知識のあるジャンルを足掛かりに、
AIおよびAI世代の思考方法を探る試行錯誤をただ飽きずに繰り返している。

17世紀から徳川政権のサポートを受けつつ積み上げられてきた、
人知の結晶とも云うべき膨大な将棋定跡および手筋の数々。
「これにて先手良し」的な神話に現代科学のメスが入り、
がらがら音をたてながら伝統が崩壊する様子には、
現代人としてのある種の快感があるが、
その美性・善性まで同時に失なってしまう寂しさは正直やるせない。
もう、あの日には帰れないのである。

藤井さんの指し手には、真理探求を軸に、
そうした諸々を具体的に現場検証するかのような、
時おり鋭い痛みを伴なう未知なる覚醒がある。
まるでイスラエル・ガルバンやロシオ・モリーナの舞台に
ガチンコ対峙するかのような興奮と落胆と希望がある。
45年ぶりの知的好奇心が、
この先の仕事や暮らしに役立つかどうかは分からない。
ただし、それが〝フラメンコの未来〟に無縁であるとは感じられない。

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2017年1月27日(土)その3116◆「許しませんよっ!」

早起きして原稿到着分の編集整理を終え、家に戻りジェーと
遅めの昼飯とドラマ『相棒』にかぶりついてると玄関チャイムが鳴る。
重要なシーンだったが、宅急便を待たせちゃいかんと急ぎドアを開くと、
ひと目アレだった。

それまでの人生の来し方がすべて現れる十秒という時間だけ、
濁った両眼の勧誘者のプレゼンを聴き、折悪く水谷右京警部が憑依中の私は、
怪しい来訪者に吠えまくるジェーの正義を背中に受けつつ、
よしゃあいいのにこう云った。

「あなた方はご自分の心の闇に他者を巻き込むことで、
ご自分を救おうとしておられる。
ご自分の魂はご自分で救済すべきではありませんか?
いたずらに他者の大切なひと時を奪うなんて、、、
決して僕は許しませんよっ!!!」

柄にもないことをやり過ぎだぞと自分を戒めながら、
束の間の平穏を唐突に侵され怒りまくるジェーをなだめつつ、
かの二人組が相棒ファンでないことを彼らの神に祈った。

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2017年1月27日(土)その3115◆もやし野郎

光栄にも女子会(ほぼ円熟系)からお呼びがかかり、
タダでたらふく呑ませるから外部アドバイザーをやれと依頼(脅迫)される。

「エラソーで頼りないモヤシ野郎は絶滅せよ」
     
最長二時間のお約束で参加した当懇親会における、
それが第一線で活躍する彼女たちの不満とストレスと糾弾の結論であり、
現代の残忍極まりない犯罪の多くもソレ系男子の仕業だと断定し、
客観的同意を私に求める。
つまり私は外部アドバイザーなどではなく、
吊るし上げの格好のリアル素材だったことに手遅れながら気づく。
タダより高いものはないのである。

窮地に追い込まれつつも、ひき肉餡かけもやしラーメンが大好きな私は、
もやしと俺とを一緒にすんな、もやしにはもやしなりの重要な役割
(麺とか肉とか他者とかに逆に勇気を与える)があるんだ、
それが調和を夢みる全体バランスってもんだと熱弁をふるい、
争点をボカし局面を複雑化させる姑息な手筋によって、
辛うじて集団パワハラから逃れたのであった。
しかしながら、自立する女性たちが世のもやし野郎を嫌う気持ちは実はよくわかる。
なぜなら私だって頼りない無責任もやし姫がちょっと苦手だから。
           
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2017年1月26日(金)その3114◆若い理由

「自動車の安定じゃなく自転車の安定を」

老いたがゆえの鑑賞眼(=老眼)で周囲を見渡せば、
転ぶリスクを背負って漕ぎ続ける人はたしかに、
彼(彼女)ならではの魅力を失うことがない。
つまり、チャレンジには付きものの〝いい冷や汗〟を
かき続けているから呆けてるヒマがないし、
リスクに対する真剣さがゆえの艶がある。
還暦過ぎの舞踊家たちが十も二十も若い主たる理由はそこだ。
なるほど、そーゆーことだったか、
・・・ったく老いも若きも、楽しいことは楽ではないねえ。

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2017年1月25日(木)その3113◆運動不足

「家と会社の行き帰りで10分、歩くのはそんだけの日もあるなあ」
「そりゃ運動不足だな」
「あ、でも、区切りのたんびに屋上で一服するから、けっこう階段歩くな」

「余計悪い、タバコやめてマラソンやれよ、お前全校三位だったじゃん」
私を除く六人のうち三人が口をそろえてこう云う。
みな元ヘビースモーカーの現役マラソンマンである。
一方、現役スモーカーである残りの三人はこう断言した。

「階段いいじゃん、タバコやめたら運動不足でお前死ぬぞ」

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2017年1月24日(水)その3112◆ソコロフの憧憬

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ソコロフこそは世界一のピアニスト。
         
そう主張するピアノファンの気持ちは、例えば彼の弾く
ショパンの協奏曲(第一番)を聴くと、いとも簡単にわかってしまう。
そのあまりの雄大さに畏怖さえをも感じるのだが、
それは例えば今話題の藤井四段の棋風にも通じるところもあって、
しかし私はそうした完全性をあまり好まないという本音が羞恥となって、
健常なる音楽愛好家たちとの対話を曇らせるのである。

偉大なる崇高なるロシアン・ピアニズム。
ソコロフのバッハ(パルティータ第二番)を聴きながらこれを書いているのだが、
好みから云えば圧倒的に愛着の深いシフの演奏(二度目の録音)と
ついつい比較してしまう。
ソコロフの淡々と流れる巨大さに、寒々とした冥さを感じてしまう
自分のみみっちい器を照らし出されるようで、いまひとつ踏み込めないでいる。

とは云え、グレゴリー・ソコロフ(1950年~)は
現代の混沌とその解決のヒントを実に大胆繊細に描き出す。
深々とするあの重低音からは未知なる領域からの普遍と救いが聞こえてくるし、
その中高音は人間の業や欲望を否定しない。
文学の領域では難しいかもしれない生理感覚で描き出される憧憬にひれ伏しながらも、
その完璧な即物性にちょっとだけカチンと来ている。
うっ、なんか昭和のガキだぞおれ。

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2017年1月24日(水)その3111◆フライング情報

明日木曜晩、高円寺エスペランサ20時スタート
エル・プラテアオのカンテソロライヴ。
新春を飾る本格プログラムにどっきり。
究極のパコに出会う予感!         

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1. TIENTOS
2. GRANAINA
3. SOLEA DE TRIANA Y APOLA
4. ABANDOLAOS
5. PREGON Y SEGUIRILLA
6. CUPLES POR BULERIAS
7. CANTIÑAS Y MIRABRAS

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2017年1月23日(火)その3110◆老境

思わぬ臨時収入にニヤリ。
何か買おうと考えるが・・・欲しいモノがひとつもない。
ひゃあ~~~、老境とはこうしたものなのか。
・・・まあええわ、モノよりコトとゆーことで。

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2017年1月22日(月)その3109◆真っ赤なバスと透明な青空

海岸線の道をひとり歩いている。
ほとんど波のない静謐な海。
夕暮れにまでには時間がありそうだ。

百メーターほど先に十名ほどの集団が見える。
時おりふり返り、手を振る者が何人かいる。
中学か高校の仲間のようだが、はっきりとは視えない。

追いつこうとするが、疲れているのか歩は遅い。
ふと見やれば、ちょっと先にバス停がある。
ベンチに腰かけバスを待つことにする。

ここは何処だろう? 後方を見渡すと、穏やかな一面の砂丘。
その背景に山や街は見えない。
穏やかすぎて寂しい、淡い水彩画のような風景。

海の方向に振り返ると、目前にあったはずの海が遠ざかっている。
道の右手から真っ赤なバスが走ってくる。
よし、あれに乗ろう。

停留所に間に合うかどうかは微妙だ。      
砂丘から海に向かって、なぜか私は自転車を漕いでいる。
必死にペダルを漕ぐのだが、海は遠ざかる一方ではないか。

その時、真っ赤なバスが方向を変え、
猛スピードで私をめざし突っ走ってくる。
私もバスめがけて突っ走る。

この忙しい中、何となく闘牛をイメージしている。
正面衝突寸前でバスは消えるが、うなるような走行音は残っている。
恐怖も安堵もなく、仰向けにぶっ倒れて仰ぐ透明な青空が奇妙に美しい。

そこでおしまい。
先週見た路面電車の夢よりスリルがあったが、
必死でチャリンコを漕いだぶんだけ疲れた。

途中から半覚醒であったような気もする。
真っ赤なバスと透明な青空が象徴するものは何か。
いろんな夢判断が可能だろうが、観たままをメモることに留める。

明朝は郵便局・銀行に立ち寄り、某賞の選考会議で喰っ喋り、
各種役所を駆けまわり、中野南口・珈琲ロードで文春・新潮を読み、
午後の自由時間にどっしり本業と向き合う段取り。

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2017年1月21日(日)その3108◆熱望

ああ、このお方のカンテが聴きたい!

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2017年1月20日(土)その3107◆おまじない

「マイナス的なことを決して云わない」
娘さんは大好きな父親をそう評した。

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夜の人気ニュース番組に生出演した将棋の羽生善治永世七冠。
強く優しく愛され続ける自然体なキャラを、改めて凄いものだと想う。
マイナス的なことを云わない理由は、
「自分の言葉は自分という人間を創るものだから」。
なるほど、愚痴も云い訳も悪口も、デビュー当時から決して口に出さない人だ。
将棋の発展深化に全身全霊で集中するあまり、
そんな馬鹿げた行為に興ずるヒマはなし、という側面も少しはあるのだと想う。
私に云える筋合いではないが、人生の楽しみ方を、きっと彼は熟知している。

「リスクを引き受ける」
今夜の生出演もそうだが、近ごろの羽生さんは必ずこうコメントする。
その深く厳しく楽しい意味合いに反応できるうちは、
きっと自分も何とかなるだろうと、効果不明のおまじないを唱えてみる。

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2017年1月19日(金)その3106◆博士の愛した数式

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『博士の愛した数式』。

寺尾聡さん主演の映画で知ったが、
第一回本屋大賞の受賞作で、原作は小川洋子さん。
芥川賞受賞作を読んでつまずいたが、この作品で再度注目した。
朝湯で読んだ昨日の東京新聞の彼女のエッセイが、二日酔いの胸に突き刺さる。

「こうしたいろいろな場面が、スコット・ロスのチェンバロの音色とともに蘇ってくる。
 そのCDをかけると、聴いているのか、思い出しているのか、
 記憶の中の風景を見つめているのか、よく分からなくなる。
 どれでも同じことだと思えてくる。
 死者と一緒にバッハを聴いていると、口先だけではなく、
 心の底から正直に、死ぬのが怖くなくなる。
 自分が死んだあとの世界にも、バッハは流れる。
 この当たり前の事実が、私を慰めてくれる」

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2017年1月19日(金)その3105◆霊感

80回目を迎えるパセオフラメンコライヴ。
当初目標の100回まであと20回。
そりゃ何をやってもいろいろあるけど、
やってよかったと心底思える納得のシリーズ。

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今回登場はセビージャ出身、おなじみエル・プラテアオ。
この歌い手の語りかけるようなグアヒーラにやられた瞬間、
古典フラメンコの小粋な味わいに目覚めた。
彼の生音ライヴでは予想だにしない霊感と出逢うことも多い。
高円寺エスペランサ、1/25(木)20時スタート。
踊り伴唱とはまた異なる深淵を引っぱり出すパコ。
絶対に後悔させないカンテフラメンコのソロライヴ!

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2018/01/2018125.php#006026

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2017年1月18日(木)その3104◆基礎工事

あす金曜晩は、カンテフラメンコ奥の細道。
スペイン人にも敬愛されるカンテ伴奏の名手エンリケ坂井による、
しみじみと心洗われる上質レクチャー。
現代フラメンコに脈々と引き継がれる古典の霊感。
聴いて歌って、歌って聴いて、
そのルーツの風景を味わい尽くす。
   
そのことはバイレ上達に関係あるのか?
いや、関係というより、深層心理の基礎工事に近い。
それは無意識の最深部を育くみ、
揺るぎない動作の品格を高める源泉だと私は想う。

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2018/01/626_1.php#005931

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2017年1月17日(水)その3103◆内圧と間

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さあ、今宵はパセオライヴ、
「内圧と間」
あの稲田進の登場である。
必ず何かが起こるっ!
当日予約は17時までによろしくっ!

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2017年1月16日(火)その3102◆社会人への道

なぜか将棋と落語が来てる。
特に将棋は江戸期以来の空前のブームである。
理由はちょと分からんが。
さて、ここにフラメンコとバッハが加わると、
私の趣味道楽は四冠王となる。
すでに半世紀以上、終始沈んだまんま、
あらゆるブームとはまるで無縁なさみしい江戸っ子だっただけに、
正直ちょとうれすい。
一般人・社会人への道は、わりと近いっ!・・のかっ?

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2018年1月15日(月)その3101◆オブリビオン

曲はオブリビオン(忘却)。
暗いガード下でピアソラを弾く老人。
ぎりぎりの演奏だが味わいは深い。
持ち合わせがないので、足元にそっと煙草を置く。

やって来た路面電車にあてもなく乗り込む。
夜明けとともに田園風景が広がる。
神保町らしき街で降り、角の花屋で真っ赤なバラを求める。
入院する彼女を見舞いに行くのだろう。

名前も顔も忘れてしまったから、逢えるかどうかわからない。
すずらん通りのオープンカフェで熱いカフェオレを頼む。
やって来た路面電車にあてもなく乗り込む。
運転手の動作をまねてみる。

線路はやがて単線となり、終点は増上寺近くの砂丘だった。
キーを渡しながら運転手は云う。
「あとはよろしく」
見よう見まねで電車を動かす。

そこでおしまい。
もう少し続きが見たかった久々の長夢。
ちなみに夢はカラーだった。

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2018年1月14日(日)その3100◆タイプ

滔々と流れる大河のように、ぎりぎり一杯まで歌う。
今となっては稀少となったプレイズバッハ。
無伴奏のチェロ一本でここまで歌い切るリスクは大きいが、
それでも全体の構築性がビクともしないところに名人フルニエの真髄がある。
好み以外の何ものでもないが、舞踊家でも俳優でも、
結局このタイプにシビれてしまう傾向に、たった今気づく。

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2018年1月13日(土)その3099◆おつかれ会

この土日はパセオでどっぷり編集・執筆。家でやるのも好きなんだが、
ひと仕事片付けるごとに青空社長室(=屋上)で一服する開放感がたまらなくいい。
さて、今宵は連れ合いと月一のおつかれ会。
彼女はフグ刺しを狙っているが、
ジェーは玉子焼きのお土産を狙っている。
         
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2018年1月12日(金)その3098◆犯人

初めて入る東高円寺の呑み屋。
めちゃ良しライヴの余韻醒めやらず、
ああだこうだと親しい仲間と呑んでると、
なにやら不穏な匂いが漂ってくる。
そのあまりの強烈さに、すでにヘベレケ同士の
フラメンコ談議は余儀なく中断される。

「うっ、こ、これは、くさやの干物っ!」

そのときハッと気づく。
犯人(注文した不届き者)はおれだった。

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2018年1月9日(火)その3097◆妙味

なんて深い味わいなのだろう。
ひゃあ、うめえもんだなあ、惚れぼれするわあ。
おそらくは、技術のための技術ではなく、
あらゆる細部が表現を助けるための技術であるところに深い共感が広がるのだろう。
戦前から戦後にかけ一世を風靡した国民的大歌手・岡晴夫さん
(1916~1970年)の名唱の数々を、近ごろは同じく
フラメンコの大歌手マイレーナ(1909~1983年)や
カラコール(1909~1973年)に浸るような感覚で聴いている。

空前のヒットを飛ばした『憧れのハワイ航路』『啼くな小鳩よ』
『東京の花売娘』などは、カラオケのお仲間だった今はなきフラメンコ界の
マエストロ本間三郎師匠(1936~2013年)の十八番だった。
銀幕スターのような容貌で、若い頃には歌手を志したくらいの粋人だから、
渋くて艶のある、そりゃもう実に見事な歌いっぷりだったよ。

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サブロー師匠の生歌唱を二度と聴けないのがちぎれるほどに寂しいが、
高円寺エスペランサの木曜会で折あるごとに拝聴させてもらったおかげで、
今でもあの味わい深い響きをフィードバックすることが可能だ。
眼前で聴く師匠の歌唱には、生きるヒントが満載だった。
こういう素朴なエピソードが、振り返れば実は
人生の核心のひとつだったりするところに人生の妙味がある。

さて、年とともに〝味わい深さ〟にハマってゆくのは悪い感じではないのだが、
若さゆえの芸についてもみっちり向き合っていたい。
元若者ながら実は後者のほうがはるかに難しいが、
楽しく暮らしてゆくには仕事も私事もここらへんのバランスは極めて重要だ。
そんなこんなの偏りを改善すべく、この正月から毎晩寝る前に一局ずつ、
若いエネルギーに充ち満ちた、あの藤井四段の
ハチャメチャど迫力の棋譜を並べている。

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2018年1月8日(月)その3096◆定跡

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「さてとっ、今宵の金曜ロードショーは何かな?」

大吉の親切な美人さんたちが毎日切り抜きストックしておいてくれる
一週間分の新聞将棋欄を読み終えた私は、
その日の夕刊を手にしながら毎度こう云う。
手相観の鉄人・大吉マスターは焼き鳥を反転させつ定跡通り淡々と応える。

「はい、今日は月曜ですから、金曜ロードショーは無いですね」

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2017年1月7日(日)その3095◆希望

「おいっ、そんな手は破門だ」

1970年代、かなりの筋ワルだった私が、
独創性と信じ本筋にはない手を指すと、
そう師匠にドヤされた時代が懐かしい。

ここ数年は、人工知能の発達によって伝統的な〝本筋〟そのものの
合理性・実利性に鋭くメスの入る時代だ。
永遠にも想えた将棋定跡の神話は崩れつつあり、
既存の価値観に安住していては敗北にまみれるばかり。
そうした傾向は序盤戦術と中盤の戦略に顕著であり、
将棋界も囲碁界も日夜その対応に追われる時勢となった。
困惑するであろう社会の十年・二十年先の現実に先んじ、
彼らは未知の困難に直面しているのである。
ただし、最近の棋譜を観る限りの羽生さんについては、
むしろこうした状況を歓迎しているかのようにも想える。

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2017年1月6日(土)その3094◆最大リスクとは

「年齢を重ねるとリスクを避けがちですが、あえてリスクを取るのも大事。
 まったくリスクを取らないのは最大のリスクになる」

史上初の将棋永世七冠王・羽生善治(47歳)さんは、
同じく史上初の囲碁現役七冠王・井山裕太(28歳)さんに、
かつてこうアドバイスしたという。
わたしたちの次元に当てはめては火傷するだけだが、
なんとも身に染み入る言葉だ。
こたびのお二人の国民栄誉賞授与によって、
たとえ一瞬であっても政治が真実に追いついたことがうれしい。

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2017年1月5日(金)その3093◆案外単純

「男らしいカッコよさ、女らしいカッコよさって、確かにあるのよ。
 それを捨てた時、つまんないおじさんおばさんになっちゃうの」
あの時分、実際カッコよかったその女性は云った。
「しかしさ、そういうのを超えた人間らしいカッコよさってあるだろ」
「ぷっ、馬鹿ね、人って案外単純なのよ」
そんなことあるもんかと思っていたが、
まんざら間違いでもなさそうだと、今は想う。

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2017年1月4日(木)その3092◆繁栄の昭和

パセオから帰ってゴロンと横になってたらウタタ寝したらしい。
散歩をせがむジェーに鼻先をペロペロ舐められ目を覚まし、
まだまだ新年の薫る町内をぐるっと回って先ほど帰宅。
湯上がりにアンドレ・プレヴィンのギター協奏曲(ギターはジョン)を聴いてるが、
ちょっとだけプロコフィエフなところが好き。
いつもはシンプルなバッハなのに、ちょっとユーモラスな管弦楽に、
足元でフシギ顔のジェー。

今日から本格的に仕事始め。
おとつい下準備を蒔いた成果から絶好調で目標クリア。
さて、正月に鳴神響一さんの小説を二冊読んで、すっかり読書づいたようで、
これから筒井康隆さんの新刊『繁栄の昭和』(文春文庫)を読む。
十代後半から記事を書き始めた50歳まで、
毎日一冊ペースで文庫を乱読してた頃を想い出す。
あの時代の猛烈なインプットが現在の文章力にまったく反映されてないところに、
この私の大器晩成の資質が垣間見れる・・てゆーか、
いってえ大器晩成っていつごろなのか?(汗)

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2017年1月3日(水)その3091◆君の名は

「君の名は。」

世代ギャップを覚悟でラストまで観る。
意外にも「コクリコ坂から」のようにどっぷり楽しめた。
身体のガタピシはともかく、気だけはまだ若けーなと想う。

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2017年1月2日(火)その3090◆ユニバーサル

それは本場スペイン仕込みの邦人フラメンコが、
日本人のオリジナリティをフラメンコの根源に違和感なく融合させることで、
フラメンコ全体の広がりと深まりに貢献する美しい情景によく似ている。

鳴神響一『猿島六人殺し』。
ブレイク必至の『脳科学捜査官』につづく正月期待のもう一冊。

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読み始めて間もなく、アガサ・クリスティへのオマージュ作品とわかる。
模倣の仕方が下手なら〝パクリ〟、上手なら〝オマージュ〟である。
三章までは面白さでぐいぐい一気に読ませるが、
四章・五章の深い味わいのオリジナリティが上質のオマージュたらしめる。

鳴神響一のボーダーレスでハイセンスな音楽的教養にはいつも驚かされるが、
彼の中ではやはり異邦人(特に日本人)のフラメンコは
特別な位置付けなのではなかろうかと推測する。
赤丸上昇中の超多忙な作家だからそう簡単には実現しないだろうが、
パセオ本誌(しょちょ対談)でそこらへんに思いきり突っ込みたい衝動に駆られる。

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2017年1月2日(火)その3089◆極楽読書

年末からうずうずしながら封印してた、鳴神響一さんの新刊二冊。

一気に読ませてしまう面白さがこの並み優れた小説家の特性だ。
『脳科学捜査官 真田夏希』は、
おなじみの逢坂剛さん『カディスの赤い星』(1987年直木賞受賞作)を
想起させるスピード感とクオリティ。
サスペンス・エンタとしても抜群だが、プラスアルファの領域に
彼の真摯な美性が大いに発揮される。
発売わずか一週間で増刷だという。
とても興味深い実用性もあって、近いうちに再読復習することはまず間違いない。
そう遠くないうちに映像化されることも予言しておこう。
主役は例えば、そう、綾瀬はるかさんかな。
どうあれ、この作品のシリーズ化は必至!

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2017年1月1日(月)その3088◆わっしょい 

達者になった甥や姪たちとの新年ギャグバトル、
そして〝相棒〟元旦スペシャル。
そこでようやく正月を実感するここ数年の定跡。
明日はちょこっとだけ会社に出て、
あさっては昼から〝相棒祭り〟で盛り上がる。

夢のような三が日だが、四日本格スタートのプロジェクトも待ち遠しい。
ナンボ生きてもやっぱ正月は楽しいわあ。
あっ、そう云や今年はいぬ年だわ、おめえもせいぜい
妙なる浮世のコントラストをさくさくっと楽しむこっちゃ。

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2018年1月1日(月)その3087◆初笑い

お月さまとお日さまと雷さまが、仲よく旅に出かけた。
ある朝、雷さまが目を覚ますと連れのお二人がいない。
こりゃどうしたことかと宿の姐さんに尋ねると、
「あら、お月さまとお日さまなら、朝早くお立ちになられましたよ」
おや、そうかい、雷さまは感慨深げに独りつぶやく。

「ふうっ、月日の経つのは早いものだ」

深読みするほどにおもしろい、
年明けに何かしらのヒントをもたらしてくれそうな、
元旦の笑いにドンピシャの、ほのぼのとする古典小噺。
本年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

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しゃちょ日記バックナンバー/2017年12月

2017年12月01日 | しゃちょ日記

 

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koyama@paseo-flamenco.com

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2017年12月31日(日)その3086◆妙手の心

大晦日の朝刊で知った、
年忘れ宗教論議・メール変換の妙手。

「紙を頼らないし、それを拭こうとも思わない」
(神を頼らないし、それを不幸とも思わない)

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2017年12月31日(日)その3085◆改善の母

んもー、滑りにスベった2017年。
当たって砕けて、転ぶ門には福来たる。
失敗は改善の母なり。

足元にジェーの寝そべる編集部。
大晦日になだれ込んだ残務も16時には完了の見通し。
夕刻よりわが家の恒例しゃぶしゃぶ忘年会、
明日元旦は故郷の新年会。

みなさま方には今年もお世話になりました。
どうぞ佳いお年をお迎えください!

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2017年12月30日(土)その3084◆空回り

朝湯あがりの珈琲、トルトゥリエ入魂のチェロで無伴奏五番。
骨太で悠然とする巨匠のバッハを聴くのは十数年ぶり。
その静かなる気合いがすんなり胸に染み、
何やらじわじわとエネルギーが湧いてくるのだが、
年末業務は大方終わっているので、
おそらくは無駄にアドレナリン空回りの図だろう。

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まあしかし、じっくり腰で打ちたいメールも十本ばかりあるので、
朝めし食ったら、すでに本業(代々木スタジオの番犬)の
仕事納めをすませたジェーと散歩がてらパセオ出社。
刺身、たこ飯、にんにくマリネ、焼きダコ、里芋煮・・と、
晩めしにきのう仕入れた旨そうな生ダコをどうしたろーかと思案中。
ちなみに、世のタコ野郎どもは例外なくタコ好きである。

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2017年12月29日(金)その3083◆バランス維持

そこはかとなく年末の風情。

これから今年最後の郵便局~銀行~珈琲ロードという定番コース。
新聞・テレビ・ネットだけだと情報が偏りそうな昨今なので、
珈琲片手の週刊誌でバランスをとってる。
時おりハッとするような書評やコラムに出会って、
心があったまることも多い。

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2017年12月28日(木)その3082◆2017年を漢字一文字

「今年のフラメンコ界を漢字一文字で」
きのうの座談会で司会者からいきなりフラれた課題。

2017年のフラメンコシーンにおける私の印象は『協』だった。

新年早々のカニサレスとNHK交響楽団との〝協演〟。
推進しながら安定する精緻なアンサンブルで力奏された『アランフェス〝協〟奏曲』。
次に、異なる領域のアーティストの意外な組み合わせによる〝協演〟の数々。
一期一会のステージでギリギリまで〝自立協働〟するおざなりでないクオリティの高さ。
さらに、ギター一本の生音ライヴから、絢爛豪華な劇場舞踊公演まで、
フラメンコの幅広い活動領域が、それぞれ相互に補い合いながら、
ゆるやかで大らかな連帯感をもって〝協立〟していたこと。
それらジグゾーパズルが希望に充ちた現代フラメンコの
全体像を浮き彫りにしていたこと。

『協』という実質的で美しいキーワードが、
フラメンコ全体を相互補完しながらもりもり底上げしてくれた
好ましい充実の2017年だったねえ。

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2017年12月27日(水)その3081◆本日、座談会!

今宵は『2017年マイベスト公演』(パセオ2/20発売号)の座談会収録で、
十名ほどの精鋭ライターが中野の編集部に集結する。
地雷を踏まないように、どこまで建設的本音で語れるか?!

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2017年12月26日(火)その3080◆どーよオレ

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カデーナのかよちゃん(←料理の鉄女)が撮ってくれた。
まんざらでもねえ面してるクリスマスのご老体。

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2017年12月26日(月)その3079◆意外なほどに

「初心忘るべからず」
慣れがおごりを呼ぶが、始めたころの謙虚な志を忘れてはいけない。
とまあ、そんなふうにこの句を認識していたが、
発信者の世阿弥(1363~1443年/能の神さま)の原典をたどってゆくと、
これが意外なほどに生々しい。

「しかれば当流に万能一徳の一句あり。
 初心忘るべからず。この句、三ヶ条の口伝あり。
 是非とも初心忘るべからず。
 時々の初心忘るべからず。
 老後の初心忘るべからず。
 この三、よくよく口伝すべし」

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世阿弥の云う『初心』とは「始めたころの志」ではなく、
「初心者のころのみっともなさ」だったのではないか。
つまり「あの惨めな状態には戻りたくない」と自戒することで、
さらに精進できると、そう読み解けることも出来る。
『時々の初心を忘るべからず』とは各段階におけるそれ。
若き日の未熟な状態から抜け出した後、
二十代、三十代、四十代、五十代・・と歳を経て、
老境に至るまでの各段階で年相応の芸を学び続ける。

「あの惨めな状態には戻りたくない」という恐怖によって、
深く幅広い芸の習得が可能になるのだと。
『老後の初心を忘るべからず』とは、
老境でさえそれにふさわしい芸を学ぶ初心が在るから心配すんな、
死ぬまで上達できるよん・・どうやらそういうことらしい。
高尚というより、生々しく下世話であるところにフィジカルな実用性がある。
悟りなんかクソ喰らえ、そこに思いきり共感できる。

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2017年12月24日(日)その3078◆犬の手

早朝よりたっぷり時間をかけて、フラメンコ界のこの二年を振り返る。

今週水曜のパセオ3月号座談会『2017フラメンコ公演マイベスト』、
さらに社団法人現代舞踊協会制定・河上鈴子スペイン舞踊賞(2016~2017年)の
一月選考会、それぞれの下準備をカッチリ終えたところ。      
ひとっ風呂浴び朝めしを食ったら、ジェーとパセオに出社し、11月経理まとめと、
3月号パセオライヴ・プレ記事執筆(松下幸恵さん)と4月号台割。
明日から忘年会三連チャンなので、とにかく暇さえあれば仕事をやってる。

里芋メインで、豚バラブロック、大根、ゆで卵、椎茸、コンニャク、焼き豆腐、
薄揚げ、はんぺんなどの好物を、日本酒たっぷりの京風出汁でことこと煮込む。
湯上りのビール・ぬる燗、刺身(コープのタイムサービス)と
おでんでやる今宵のおつかれ会。
仕込み(里芋の皮剥き)をしっかり観ていたジェーも、
すでにうれしい晩めしを予感している。
惜しくも犬なので、猫の手も借りられない状況ではある。

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2017年12月23日(土)その3077◆庭かけまわり

三日分の買い出し、そして料理の下ごしらえをすませ、
これからジェーとパセオ出社。
新たなプロジェクトのスタートに向け、
二十本ばかり渾身の相談メールを打つ。
期待に胸を弾ませる買い出しと下ごしらえみたいなものだ。

結果がどうあれ、こうしたひと時こそが、
縁の下のプロデューサーの役得のようにも想える。
なにせ人生戦歴3勝997敗のヨタローなので成果など望むべくもないが、
弱気とオサラバし100%集中するこうした瞬間と湯上りの一杯に、
勝敗を超越する快感が庭かけまわり、ジェーはこたつで丸くなる。

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2017年12月19日(火)その3075◆ツボ

ウィンウィンをヴィジョンする会合をこの三日で四つばかり。
やむを得ずギリギリを生き抜こうとするならず者同士だから
シビアな自己主張・プレゼン合戦は必至だが、
それでも互いの接点を発見しようとする
繊細でスリリングな対話、そして実現、
つまりはそこが楽しいのだと想う。

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2017年12月18日(月)その3074◆確かに

「未知の世界に自ら飛び込んで、
 やったことのないことをやることによって、
 使ったことのない脳が働き出す」
              (日比原重明)

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出版経験まるでナシ(編集、執筆、広告、営業など)で
パセオを創刊したのが二十八。
すべてが未経験のことに飛び込む日々、
確かに使ったことのない脳がもりもり働き出した。
この三十四年を走馬灯で振り返るに、
働いたところで大したこと無かったことが、
私の脳の唯一の難点だった。

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2017年12月17日(日)その3073◆ほぼ互角

いまから十五年前、生まれて間もない彼は、
わが家にやって来た。
連れ合いは三十八、私は四十七で、
ともに遠路はるばる千葉県の佐倉まで迎えに出掛けたのが、
つい十五年前の昨日のことのようだ。
おととしと今年と二度ほど彼は死にかけたが、
近ごろはそれなりに元気にやっている。

互いの老いぼれ具合に近いものがあるので、
以前よりは彼の心がわかる。
死の概念の有る無しを除いては、
そうは違いのないことに苦笑することも多い。
食住の面倒を見るぶんだけ、
人間さまの優越感を当然のように謳歌するものの、
犬は核戦争を起こさないから、
同じ生き物としてどちらの程度が高いのかは実に微妙で、
創造主の見解を傾聴したくなる。
まあ、とりあえず、説教する気はなくなったわ、めでたしめでたし。

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2017年12月16日(土)その3072◆便利か平和か

〝文化〟の定義は実にさまざまだが、
目下のところ本命はコレ。

「文化は命を愛するものである。
 命を傷つけるものは、
 文化でも文明でもない」
        (日比原重明)

だが、文明の母は戦争である。
スマホの産みの親は戦争である。
人類はそこが辛い。

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2017年12月15日(金)その3071◆例外

鳥は飛び方を変えることは出来ない。
動物は這い方、走り方を変えることは出来ない。
しかし、人間は生き方を変えることが出来る。(日比野重明)

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2017年12月14日(木)その3070◆運命

心の良い習慣というのは
表情やしぐさにあらわれる。
人の顔つきも習慣なのです。
            (日野原重明)

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徒然草も方丈記もいいが、話題のこのお方の哲学には
時や地域を軽々超える英知があって、
理屈をこねくり回すことなくストンと普遍性に着地する。

さあ今宵は、なぜか近しいアイレを感じさせる今枝友加のソロライヴ!

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私たちは運命を生きるのではなく、運命を作っていくのです(日比原重明)
こんなところにも今枝友加のカンテ(生き様)が聞こえてくるわけ。

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2017年12月12日(火)その3069◆高い自由度

年に三、四回、勘定は順番に持ち回り、各々稼ぎに見合った
お気に入りの呑み屋を当番の勘定奉行が決定できる。
昨晩はギターつながりですでに四十年近い付き合いの
愛すべき先輩たちとの三人会。
最年少の私が当番の折は崩れかかった渋すぎる呑み屋へお連れするのだが、
今回はやり手社長の担当だったので池袋の鮨屋でへべれけ限界点まで呑み喰い。

みんなてんでに我がままなのによくまあ続くもんだと思う呑み会だが、
ボコボコにやっつけたりやられたり、
遠慮会釈や情け容赦のないその自由度の高さが
ちんたら続く理由なのかもしれない。

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2017年12月11日(月)その3068◆笑う駒

きのうのNHK杯、藤井四段敗れたものの、
稀に見る手に汗握る大熱戦だった。
A級在籍の稲葉八段が序盤の紙一重の有利を、
中終盤のひるまぬ攻防で死守した。
ことごとく私の読みは外れ、ひえー!とか、うわあ!とか、
トップ同士の鋭く深い至芸に一手ごとに感嘆符を発し、
隣りに佇むジェーを困惑させた。
安全策を採ることなく、双方ともに骨を斬らせて命を断つ方針を最後まで貫いた。
なるほど金の獲れる将棋とはこういうものかと改めて思い知る爽快感。
おれの仕事なんざ、これに比べりゃ甘々であり、
ちっとは見習え、こうするもんだと、
盤上の駒たちがどこまでも生ぬるい私を笑っていた。

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2017年12月11日(月)その3072◆松下幸恵ソロライヴ

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パセオライヴ初登場、
名古屋の大物バイラオーラ!
幸恵さん、美し!

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2017年12月10日(日)その3071◆黄色い笛

「君、専門バカになるなよ」

私の担任からプロ棋士という進路志望を伝え聞いたという
中澤先生(空手四段の白哲インテリ)は、
自主的に授業を切り上げバイトと修業に向かう
高一の私をつかまえそういう話をした。
少しムッとしたが、それが親切な好意だということは何となくわかった。
仕事好き・音楽好き・女好き・人生好き・才能ナシなどの
散漫すぎる理由から専門バカにはなれなかったが、
当時の私を大いに買いかぶってくれた中澤先生の杞憂を懐かしくうれしく想う。
プロテスト失格後の私はやけくそな好奇心に任せて、
むしろ広がりとかバランスを求める暮らしにのめり込んでいったが、
その結果ふつーのバカになれたから、
その意味で先生の教えに私は忠実だった・・・あ、笛鳴ってる?

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2017年12月9日(土)その3070◆銀シャリ祭り

存分に寝坊する、さわやか土曜日。
朝めし喰ったらジェーと出社して半日経理。
帰りにおめえの大好きな緑道のカフェに寄ってくか。
晩めしの江戸っ子カレーは昨晩仕込み済み。
今日は待望の炭水化物祭り、
新潟直送炊きたて銀シャリに久々のご対面っ!

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2017年12月8日(金)その3069◆もぐらのように

わたしたちが正しい場所からは
花はぜったいに咲かない
わたしたちが正しい場所は
踏みかためられて かたい

でも 疑問と愛は
世界を掘りおこす
もぐらのように 鋤(すき)のように

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今朝の東京新聞でこんな詩を知った。
イスラエルの国民的詩人アミハイ。
タイトルは『エルサレムの詩(うた)』。
ビジネス至上主義からもっとも遠いところにあるアルテ。

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2017年12月7日(木)その3068◆先を読む力

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相手の不幸のために徹底的に先を読むのが将棋。
相手の幸福のために徹底的に先を読むのが人生。
願わくば、先を読む能力が、後者にはたくさん機能してくれますように。

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2017年12月6日(水)その3067◆エル・トロ初登場!

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本場へレスの人気カンタオール、パセオライヴにエロ・トロ初登場!
協演はタカミツ、斉藤誠、三四郎!
12/22(金)予約スタート!
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/2018222.php#006029

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2017年12月5日(火)その3066◆おかわり

「瓶ビール、おかわりねっ!」

おとなり大吉・一番奥の老人優先シートに着くなりそう頼む。
いきなり初オーダーでこう先手を打つには理由があって、
それはこの後の展開に対するささやかな謝罪保険なのである。

つまり、この癒しの楽園でついうっかりつまらねえギャグを発してしまう場合、
そうした営業妨害の代償に柔らかに売上貢献を求められるのが、
当店におけるストイックな暗黙マナーなのである。
「おかわりですか?」「おかわりですよねっ?!!!」

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2017年12月4日(月)その3065◆快適と平和

さあ、そろそろ上がるか。
毎月曜の週1ルーティンは、おとなり焼き鳥大吉の独り呑み。
なので月曜晩はなるべく仕事も呑み会も入れない。
大吉が切り抜きストックしてくれる
一週間分の新聞将棋欄を眺めながらの小一時間、
ちんたらと呑む酒と肴のカンフルが、
つづく一週間の快適なリズムを後押ししてくれるから。
ジェーにはささ身、貧血気味の連れ合いにはレバーと、
ワンコインほどの土産で家の平和も保たれるのであった。

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2017年12月3日(日)その3064◆お助けライヴ

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「漆黒のフラメンコ、虚飾なき純正フラメンカ」(by 井口由美子)

いよいよ二週間後、12/14(木)パセオフラメンコライヴ
その第75回目となる今枝友加カンテソロライヴは、
前回同様この強力な魅力的協演陣(ギター俵英三、パルマ井山直子)
との期待満載の一夜。残り少ない座席指定の予約はこちら。
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/12/20171214.php#005994
私にとっては、このクソ忙しい年末を乗り切るための最良カンフル!

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2017年12月2日(土)その3063◆帰巣本能

1989年のベルリンの壁崩壊とロシアの近影。
2009年のオバマ大統領就任と2017年のトランプ大統領就任。
ここ数年加速する民族大移動とEUの混乱。
2017年の囲碁将棋(チェスは1997年)における人工知能の躍進。

これらはパセオ創刊から34年の私生活で、
最も刺激された地球的エポック。
私の中の共通キーワードは、「作用反作用」「宗教・主義の限界」、
そして「諸行無常」「それでも人類は試行しながら生きてゆく」などだが、
これら課題に踏み込むヒントは、何故か私というヘンタイ野郎の中では
すべてバッハやフラメンコの生命力・融合力に直結している。

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2017年12月1日(金)その3062◆持つべき友は

大好きな炭水化物を夜遅くに食わない習慣が定着してほぼ一ヶ月、
体重が2キロ半減っているのに驚いた。

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パセオおとなりヤキトリ大吉の大将(←手相観名人)の
さり気ないアドバイスに軽々と乗っかり、
飲食の全体量を減らすことなく、自分の性質に合わせて
食や酒との付き合い方をほんのちょっと変えただけなんだが結果は大吉!
こんなに楽チンな生活習慣なら得意のリバウンドも回避できそうだし、
持つべき友は心優しいヤキトリ屋である。
一年で10キロ減が目標だが、こうした絵に描いた餅の賞味期限は、
これまでの経験則から、およそ三ヶ月ほどかと推定できる。

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コメント
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しゃちょ日記バックナンバー/2017年11月

2017年11月01日 | しゃちょ日記

 

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koyama@paseo-flamenco.com

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2017年11月30日(木)その3061◆バタフライ効果

「バタフライ効果」
        
蝶の小さな羽ばたきが、
遥か遠方のお天気に影響を与えるという気象学の仮説。
自然界におけるカオス運動の予測困難性の解決はAI時代の楽しみのひとつだが、
人間界におけるバタフライ効果については、
例えばある人の感じ良い態度、
あるいは感じ悪い態度の引き起こす永年の蓄積が、
明快な法則性を実証している。
それこそが〝人の運〟と呼ばれるものの正体なのだろう。

 

〝人の運〟というのは日頃の心掛けと行ないに比例する手堅い確率論だが、
〝時の運〟には人知ではどうにもわからん偶然性がある。
例えばパセオ創刊二年後の1986年のアントニオ・ガデス舞踊団来日公演を
導火線とする空前のフラメンコブーム。
明らかにそういう〝時の運〟だけで生きてきた私は、
今年だけで三度ほど親しいお仲間たちにこう評された。 
「前世の行ないがよっぽど善かったんだねえ」
つまり今生における根性の悪さを遠まわしに糾弾されているのである(涙)

 

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2017年11月29日(水)その3060◆五千円札の薫陶

 

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「不機嫌な人」
そういう人と仕事したり呑んだりするのは、
できれば御免こうむりたいタイプだ。
つい今さっき観たNHK「知恵泉」で、
概ねアバウトながらもそこだけは妙に厳しい性向の理由が、
番組主人公の五千円札・新渡戸稲造(にとべ いなぞう)からの
薫陶であったことに想い当たってハッとする。

 

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教養の人、つまり寛容の人であり続けた稲造でさえも、
人間同士の相互理解を破壊する、人の不機嫌そのものをバッサリ否定した。
むろん若かった私もバッサリ斬られたひとり。
人のフィジカル面を軽視しないところに
誠実な実際家であった彼という賢人の普遍性が視えてくる。
一万円札というのは、この人か聖徳太子だと願う私だが、
肖像が誰であろうと一万円札それ自体をフィジカルに愛するところに
私という愚人の普遍性もついでに視えてくる。

 

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2017年11月28日(火)その3059◆100億点満点!

偶然フェイスブックで見つけたライター若林作絵のエッセイ。
100点満点中、100億点満点のフラメンコ上達エッセイ!

 

   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

踊り仲間と飲み。

 

「タラントを踊るなら、構成が~」とか、
「アレグリアスは、1スタートと12スタートが~」とか、
なんかそんな話をぐだぐだぐだぐだしていたのですが、
「そういうのわからない。そういうのをレッスンで教えてほしい」
という話が出てきました。
「私はそういうことがわからないから、"フラメンコダンス"になっちゃう」と言うんです。

 

「でも、ちゃんと歌を呼べるジャマーダを打ってるじゃない。全然"フラメンコダンス"じゃないよ」
「それに 、そういうことをやるとレッスンの半分くらいが講義になっちゃって、『先生、トークはいいから、早く振り付け教えて』ってなるって(笑)」
なーんて話したのですが、考えてみたら、ダンスのレッスンでこんなに理論が必要なものってほかにありますかね?

 

パセオフラメンコの実践講座とか、フラメンコ協会の講習会とか、シティオ塾とか、理論中心の講座というのは結構あります。
こういう講座はピンポイントなのでなかなかドンピシャにはならないけれども、そこが糸口になって、するするっと視界が開けるということはあると思います。

 

自分のレベルに合わない話は、聞くそばから抜けてしまう。
バセオの記事を3年後、5年後に読んで、
「へー、こんなこと書いてあったんだ。今なら意味がわかる、というか、読んだ記憶がない」
となることがあります。
3年前の自分、5年前の自分は、こんなにわかっていなかったのか!
まあ、それだけ自分が進化しているのを実感できる、とも言えます。

 

読み返すことができるという点で書籍は何年も何年もずっと役に立つ。
だから、パセオも毎月買うのがいいんです。(ちょっと宣伝)

 

『JINOKISM』は、何曲かレパートリーができて、マルカヘもジャマーダもレマーテも動作としては幾つもバリエーションを知っている、というくらいの人にちょうどいいです。
今の自分の曲に関係ないところも含めて、1冊という分量を読み終わると、
「レッスンでは全然理論の話をしてくれない」と思っていた先生が、結構語ってくれていたことに気づいたりします。
自分のレベルに合った話は、ちゃんと耳から入ってくるようになるのです。

 

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2017年11月27日(月)その3058◆メフィスト聖書

 

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ロストロのバッハ無伴奏チェロ。
メフィストのような超絶技巧から卒業した頃の全曲録音。
久々に通しで聴いてみて、改めて凄いと想った。
元気に踏み出したい週明けに、実にしっくりくる重低音。

 

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2017年11月25日(土)その3057◆枯葉族

 

朝湯にストレッチ、縁側でシャンソン聴いて
晩秋のメランコリーを盛り上げる。
サラダ、豚味噌ステーキ、目玉焼き、コンソメ、
オートミール&ヨーグルトの朝めし。
仕事は明日に丸投げで、これからこの秋ラストの大江戸散策。
小石川後楽園、駒込六義園あたりを比較検討中。
音楽のお供はロストロのバッハ無伴奏チェロ、
小説のお供は大崎善生『赦す人』、
昼めしはベンチでアンパン牛乳だな。
夕方から中野北口で連れ合いと呑み会。
天ぷら喰いてーんだって。

 

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2017年11月23日(木)その3056◆ヴィオロン効果

寒っ。
朝湯に飛び込んで、ハイフェッツのシャコンヌで全開モード。
残務を終えたら出掛けるつもりだったが、
この天気だし、エクセルのお勉強に変更。

 

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2017年11月22日(水)その3055◆腰抜けの知恵

 

今日から改めて本格的な終活スタート。
いついつ終わるかわからないところがスリリングだが、
骨格さえグラつかなければ、それがいつ来ようと
あきらめがつき易いモードには設定してある。
四十代と六十代のそれとでは開き直り加減が随分とちがう。
まあそれでも、根っからの臆病もんだから、
いきなりガン宣告でも受けたひにゃあ、
三日くらいは腰抜かすにちげえねえ。

 

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2017年11月21日(火)その3054◆ベートーヴェン的な

 

うんめーっ!!!

 

肴によし、おかずによし、近ごろお気に入りの大根の漬け物。
塩と鷹の爪と酒をさっと煮立て、上かつおの一番出汁を加える。
冷めたら多めの酢と合わせる。
大根を千枚に切って、タッパでひと晩、そこに寝かせるだけ。
辛くて酸っぱくてシャキッとして、
最後にかつお風味の柔らか余韻がほど良くおいしい。
連れ合いも絶賛、原価300円で一週間は楽しめるよ。

 

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2017年11月20日(月)その3053◆哀愁のアルハムブラ          

 

何故か無性にタレガのアルハムブラを弾きたくなって(←これしか弾けない)、
五年ぶりくらいで一ヶ月右指の爪を伸ばし、
新品のギター弦やら爪ヤスリなども購入したのだが、
なんと三日ばかり弾いて気がすんでしまった爺い心と秋の空。

 

四十年ほど前(大学五年)、一年ほど場末のパブの専属ギタリストをやってた。
カラオケと生演奏が半々の店で、譜面通りのリピートで
十八番アルハンブラをいい気になって弾いてると、
ステージそばに来てじっと私を見ていたカラオケ客はこうつぶやいた。
「早く終わんないかな」・・(泣)。
まあしかし、ここの稼ぎで親父の墓が建ったわけだし、まーいいか。

 

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2017年11月19日(日)その3052◆絵にも描けない美しさ

絵にも描けない美しさ。
〝フラメンコのパレハ〟という魅惑的なジャンルを再発見させたエポック的公演。
青木愛子とアンヘル・ムニョスのアレグリアの幸福な官能。
容姿とテクニカがひとつになって強く愛らしい女性像を舞う青木愛子。
嫌味のない逞しさで360度見渡す包容力のアンヘル・ムニョス。
好ましい女性性と男性性が、足し算ではなく掛け算で響き合い輝き合う二声の交歓。
補い合い引き立て合うギブ&テイクの妙。
あらゆる老若男女に憧れをもたらすであろう男女舞。
あるいはここらへんがAIの盲点か。
かつてこれほどまでに観る歓びを充足させるパレハがあったろうか?
いや、記憶を手繰り寄せるとひとつだけあった。
それは24年前の鍵田真由美とエル・トレオによる『愛の歌(パコ・デ・ルシア)』。

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2017年11月18日(土)その3051◆最初の休日

生まれ故郷のどんちゃんフライデーナイトの余韻を朝湯で冷まし、
モーニング珈琲とカザルスのブランデンブルグ三番でバランス調整する、
残り少ない人生のその最初の休日の幕開け。

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ぼちぼちジェーも回復してきたことだし、
これから一本原稿仕上げて、
午後から去りゆく秋の明治神宮やら外苑あたりをゆるり散策、
それから赤坂・草月ホール、華の青木愛子リサイタルへと向かう、
静かなる土曜日のうれしい段取り。

 馬の子の故郷はなるる秋の雨 (一茶)

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2017年11月16日(木)その3050◆ちゃんこ仲間

明晩は高三同級の四季の呑み会。

お江戸に散らばるポン友どもが母校近くのちゃんこ屋に集結する。
写真はおととしの金沢旅行で、見てのとーり、私以外みなガラが悪い。        
ブザマだが活きのいいピカレスクな青春のその僅か一年ばかり、
机や盛り場や寝食を共にしただけなのに、
その後四十四年つづく腐れ縁をつくづくフシギに想う。
まったく、相性の判定には気の遠くなるような時間が必要だ。

珍しく今回は女性ゲストなしなので、下ネタは五割ほどの見込みだ。
マドンナご降臨の場合は下ネタ100%となるのが
昭和三十年代・東京下町育ちの哀しい性である。

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2017年11月15日(水)その3049◆谷朝子ソロライヴ

今宵は谷朝子ソロライヴ。
で、恒例の演目フライング公開。

2017年11月15日(水)20時開演 高円寺エスペランサ
【出演】
谷 朝子(バイレ)
柴田 亮太郎(ギター)
水落 麻理(カンテ)
伊集院 史朗(パルマ)
大儀見 元(パーカッション)

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1.カーニャ
2.ギターソロ
3.タラント
4.オバタラ con アレグリアス
※『オバタラ』はヴードゥー(アフリカ由来の信仰)の神々の中でも特別な存在であり、 「平和と調和」を象徴し、創造と死、夢を意味する。
 大儀見元アレンジによるオバタラとフラメンコのアレグリアスのコラボレーション。
         
パセオフラメンコ来春3月号忘備録執筆は往年(オーメン)の大女優・関範子、
フロントは御子柴ハーマイオニー明子、バックと撮影は小倉編集長、
ドリンクと忘れ物係はおれ。

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2017年11月14日(火)その3048◆だーれだっ!?

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だーれだっ!?

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あす水曜パセオライヴ出演の谷朝子でござる!(撮影・北澤壯太)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/11/20171115.php#005992

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2017年11月14日(火)その3047◆カナレース&鈴木敬子

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ジェーが本調子でないので、
明晩は留守番担当でござるよ。

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2017年11月13日(月)その3046◆青木愛子スペイン舞踊三十周年記念公演

早いもんで、可憐な愛ちゃんがNHKのフラメンコ講座に
出演してたのは前世紀末の1999年。
おととしの初ソロ公演に続く青木愛子の二度目のリサイタルは、
スペイン舞踊三十周年記念公演。
協演のアンヘル・ムニョス(あのカニサレスの盟友、世界ツアーでも活躍中)や、
愛弟子ヴォダルツ・クララ(来年2月に愛子師匠とパセオライヴ)にも
期待の膨らむライヴ。その公演は今週土曜、赤坂の草月ホールにて。
パセオ忘備録は石井拓人が執筆。拓人は昨日もモーラと鼠(森田志保&三枝雄輔)を、
明日は新宿ガルロチのアントニオ・カナーレス&鈴木敬子も担当する大忙し!

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2017年11月11日(土)その3045◆モーラと鼠

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意外な組み合わせにびっくりだが、このお二人ならハズレはないだろう。
あす日曜は吉祥寺で、森田志保&三枝雄輔の『モーラと鼠』。

ディエゴのパセオライヴ打ち上げ。   
なんで雄輔?と問うと、にこりとして志保さんは答えた。
雄輔さんに「パルマ」を教えてもらっていたら、
彼が「舞踊」を教えて欲しいって。
そういう交換教授が公演に発展したの。
なるほど、トップ同士のアンテナとはそうしたものか。

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2017年11月11日(土)その3044◆癒しのスープ

今日の主食はちゃんこ汁。
豚バラに、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、長ネギ、
じゃがいも、里芋、白菜、豆腐、うす揚げ、なめこ、シイタケ、
その他残りもの、食う前に水菜の彩り。
薄味の出汁はかつお節と味噌と酒とコンソメ。
下茹でアク抜きするので出来るのに30分かかるが、
これで二人・三食分。味はともかく、
食後の余韻がとてもいいのが取り柄の癒しスープ。

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2017年11月10日(金)その3043◆前年比150%増

「しゃちょ日記の大ファンです。
 ここへ来ればお会いできると思って・・」

熱狂の有田圭輔ソロライヴが終わり、
ご来場の皆さんを御礼かたがたお見送りしていると、
突如そのアラサー美女は私めがけてそう云った。
「小さく嬉しいでしょ、小山さん?」とそばに居た絹子
(バイラオーラ&カマレーラ)はそう冷やかすが、小さいどころではない。
何せこれまで6000万人にひとりだったしゃちょ日記ファン
(ジェーと連れ合いの合計2名)が、一夜にして
4000万人にひとりに急増(前年比150%増)したのであった。

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2017年11月7日(火)その3042◆西のピカソ

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風呂上がりになんでも鑑定団を観ていたら、またしても凄い絵が出てきた。
張大千(1899年~1983年)は中国の書画家で、
「東の大千、西のピカソ」と称されたそうだが、ちーとも知らなかった。
温故知新の底知れぬ可能性にヒヤリとしたよ。

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2017年11月6日(月)その3041◆三年がかりのラヴコール

今週木曜日、三年がかりのラヴコールでようやく実現する圭輔のソロライヴ。
さっき届いたプログラム原稿をフライング掲載!

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パセオフラメンコライヴVol.073
有田 圭輔 カンテソロライヴ
2017年11月9日(木)20時開演
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
【出演】
有田圭輔(カンテ)
長谷川暖(ギター)
福山奈穂美(パルマと歌)
井上泉(パルマと歌)
篠田三枝(パルマと歌)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/11/2017119.php#005991  
【プログラム】
Cantiñas
Malagueñas
Nana del caballo grande
Colombianas
カンテ部のグアパスたちと大騒
ほか、いろいろやります!お楽しみに(有田圭輔)

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2017年11月5日(日)その3040◆石井智子リサイタル

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今日はこれから石井智子さんのリサイタル。
パセオからは総勢五名で出掛け、忘備録執筆は井口由美子。
九月のパセオライヴはそのプレ公演の趣きだったのだが、
練り上げられた各シーンを精緻に構築するクオリティに
石井智子の輝くような未来が視えた。

スペイン舞踊ではやはりホタが楽しみ。
そして、やはり絶品だった石井のファルーカは四十周年を迎える今回の目玉とみる。

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2017年11月4日(土)その3039◆トロッコの夢

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『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』。

懐かしのアメリカン・エンタメの極致をテレビで観た。
公開された1984年夏はどんぴしゃパセオ創刊のころ。
三十三年の波乱万丈があのトロッコシーンのように駆けめぐる。
二時間でまとめるなら、誰の人生だって皆あんな風だろう。
地味だろうが派手だろうが、踏ん張ってふんばって、
いま生きてる人ってのは皆まったく、
あのジョーンズ博士の如くしぶとく逞しく、
実際それだけで大したもんだよと、とりあえず自分に云ってみる。

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2017年11月3日(金)その3038◆かこち顔

庭に出て、月を観てたら想い出した。
いまも続く呑み友たちの、高三時代の〝かこち顔なる〟選手権。
優勝したのは、サッカーとフルートの名手・坂井だったか。
今もって正統かこち顔を知らぬが、坂井ほどではなかろうと想う。 

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2017年11月2日(木)その3037◆愚者の休日

実務インフラ整備でだいぶ飽和気味なので、
土日をオンにして明日金曜祝日は前倒しの全休。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」というのが
憲法で定めた〝文化の日〟のテーマだという。

そういうのをショーバイにしちまった愚者が休んでていーのかという疑問は残るが、
やはり休む日くらいは自分で決めたい。
8時には家を出て、東京北部の江戸名所を、
都電とバスとタクシーと歩きとで縦横無尽に散策するコースを、
地図とにらめっこで只今構想中。

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2017年11月1日(水)その3036◆異邦人だからこそ

農耕民族特有の異様にネバる2拍子。
外国人はニッポンのあの宴会手拍子が苦手。
皆どう打ちゃえーのか分からんと云う。
フラメンコのコンパスも理屈はそれと同じだとギタリスト原田和彦は云う。
つまり、簡単ではない、すぐに効果の出る特効薬などない。
では、その困難を原点にゼロからスタートしよう!

そういう発想から生まれた科学的アプローチが、
彼の発明(フラメンコ・メトロノーム)に結晶した。
こんな発明はスペイン人には絶対ムリだと、
原田メトロノームを日々愛用するベレン・マジャは云う。    
よって、日本の宴会2拍子用メトロノームを発明するのは、
たぶん外国人である。(←売れんのかっ!?)
 
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★原田和彦レクチャー「もうコンパスが無いなんて言わせない!」    
日時◆11月24日(金)19時30分~21時(19時開場)
対象◆バイレ・カンテ・ギター・観る聴く専門の初級者からプロまで
講師◆原田和彦(ギター)/ほか
受講料◆90分/3,000円(当日受付にて)
定員◆20名程度 ※独習のための録音可
会場◆スタジオ・アルソル(中野区と杉並区の境界線上にある 笑)
※丸の内線「東高円寺」徒歩6分、JR・東西線「中野駅」徒歩10分。
2階フラメンコ協会で3階パセオ編集部、その1階がスタジオ。
予約◆ ☎03-6382-4611 paseshop@paseo-flamenco.com
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/11/post.php#006012

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2017年11月1日(水)その3035◆ただそれだけ

「自分の仕事に誇りを持ち責任を果たす。
 ただそれだけです」(安藤忠雄)

 あまりに見事な人生の因数分解に、ただただ敬服。

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コメント
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しゃちょ日記バックナンバー/2017年10月

2017年10月01日 | しゃちょ日記

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2017年10月31日(火)その3034◆荻野リサ ソロライヴ

 

「歌うように踊りたい。踊るように歌いたい。その空間を包んでいる音楽を身体中で吸い込んで吐き出すように表現したいのです」
 荻野リサさんのフラメンコはそんな渇望から生まれる。
今年6月、リサさんは自ら主宰するライヴ「Al son de la tierraⅡ東京公演」で新宿ガルロチを超満員にし、観客を熱狂させた。踊り手出演者全員が踊りとともにカンテも真剣勝負で披露する心躍るライヴ。それは荻野自身が10年前に企画し、小さなハコから毎年続けて育て上げ、花開かせた舞台だった。共演者や観客との信頼を大切にしながら築き上げて来た、フラメンコへの一途な想いの結晶ともいえよう。
 その希望の実現は、彼女の踊りのみならず、彼女の歌うカンテをも深化させていた。高く低く、強く弱く、溢れ出る想いを言葉にし、潤いの帯びた声で紡ぎ出すリサさんの歌は胸の奥に染み入った。美しく歌い舞う、アートに誠実であろうとする気高き女優の存在感に心奪われる。その濃厚な空気に包まれた時間はやはり特別なものとなった。
「エスペランサだからこその一体感、出演者やお客様との近さや生音であることを一緒に楽しみたい!」
 名舞踊手ホセ・ミゲルの偉大かつエモーショナルな血と魂はリサさん自身の日々の鍛練によって彼女の深層に鎮まってきたようにみえる。けれどそれは絶え間なくマグマのように沸々とたぎっているものだ。今回3回目となるパセオライヴでそれがどのような艶やかな火花となるか、至近距離で感じたい。

 

   (月刊パセオフラメンコ12月号より~井口由美子)

 

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2017年12月21日(木)20時
パセオフラメンコライヴ Vol.076
荻野リサ ソロライヴ
【出演】
荻野リサ(バイレ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
逸見豪(ギター)
三枝雄輔(パルマ)

 

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2017年10月30日(月)その3033◆更けゆく秋

 

11月に出掛ける劇場公演は石井智子『大地の歌』、
森田志保&三枝雄輔『モーラと鼠』、
青木愛子『レリカリオ』。
大沼由紀舞踊公演はパセオライヴとバッティングで残念無念。
パセオ関連では有田圭輔(11/9)と谷朝子(11/15)の共に初登場のソロライヴ、
それとフラメンコメトロノームで特許を取ったギタリスト
原田和彦のパセオ講座(11/24)。
そして永らく続く、気の早い忘年会が三本。
何はともあれ、更けゆく秋を味わい尽くさんとねえ。
        
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2017年10月29日(日)その3032◆谷朝子ソロライヴ

「気品のあるすらりとした肢体は、絵画から抜け出た踊り子のように幻想的だった。物憂げな面差しに儚さが滲むタラントから爽やかな風を感じるブレリアへ、そして静かな怒りを秘めたソレアへと移りゆく様はクラシカルな映像を想わせた」
 初めて谷朝子のフラメンコを見たときの印象。懐かしいようなセピア色と前衛的な透明感が溶け合っていた。それを伝えたら「そのような時空を超えたような感覚が巡るとき"悠久のとき"を感じ、その感覚は踊っている時以外でも流れていたりします」と語ってくれた。詩的な感性の人だ。
 20年前、ジーンズ姿でソレア・ポル・ブレリアを踊り、新人公演奨励賞を取ったという大胆な挑戦者でもある。そのギャップにも惹かれる。けれど彼女は過去には固執しない。クラシックバレエ、コンテンポラリーダンス、スペイン舞踊、ホタを学んだ身体で豊饒なフラメンコを踊り、深化を遂げていく。
 カラーのグラデーションに節目は無く、どの色合いにも名前が定められないように、舞踊には言葉に尽くせない繊細な心のきらめきと移り変わりがある。モネの描く水面の睡蓮のように。踊りを見るときに感じる哀しみ、痛みに、私たちは言葉に出来なくとも涙をこぼす。儚く消えゆく舞踊という時間芸術が胸中に永遠に刻まれる不思議。谷朝子はその言葉を超えた次元の美しさを知っている。他者の言葉の呪縛に捉われ身動き出来ない人にこそ、谷朝子のフラメンコを感じ、解き放たれてほしい。

 

 (月刊パセオフラメンコ2017年11月号より~井口由美子)

 

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2017年11月15日(水)20時
パセオフラメンコライヴ vol.074
谷朝子ソロライヴ
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/20171115.php#005992
【出演】
谷朝子(バイレ)
柴田亮太郎(ギター)
水落麻理(カンテ)
伊集院史朗(パルマ)
大儀見元(パーカッション)

 

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2017年10月28日(土)その3031◆今枝友加ソロライヴ

 

 今枝友加は"フラメンコの匂い"を持つ人だ。心の核にいつも在るものは何なのか? 彼女に訊いてみたことがある。
「いつも失わないことは舞台に上がるその日の共演者さん達を好きになること、でしょうか。彼らのギター、歌、踊りに、いつも愛を持って接すること。これに尽きます。負のイメージは舞台には似合いません。自分の命を削ってでも、その時前に立っている演者に力を与えられるようなアルティスタになりたいといつも思っています」。
 さらりと、腹を括った答えが返ってきた。
 誰もが新たなフラメンコを模索する中で、今枝は躊躇なくフラメンコの源流に挑み続けている孤高のアルティスタだ。孤高ではない、と映るかも知れない。常に多くの仲間と共演し、親しい盛り上がりの中で一際輝くカリスマ性を放つ人だからだ。けれどその輝きは、人の哀しさ寂しさの闇を知るゆえの愛情の深さであり、それをすべて呑み込む覚悟の上で自らのアルテを磨き続ける強さを持つからこそ、いっそう人々を惹きつけるものとなる。              
「カンテソロライブは私にとって究極に贅沢な時間。今回のライヴはフラメンコ界で最も尊敬するお二人との共演ですので、気を引き締めて挑まないとあっさり振り落とされるでしょう。言葉が魂となって空間を巡るには、良い息づかいが必要。この日のために自分のフラメンコをギリギリまで探り、濃密な時間にしたい」
 雑念の無い漆黒のフラメンコ。虚飾なき純正フラメンカ、今枝友加の生声に魂震える、忘れ得ぬ一夜となろう。

 

   (月刊パセオフラメンコ12月号より~井口由美子)  

 

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 Ⓒ小倉泉弥

 

2017年12月14日(木)20時
パセオフラメンコライヴ Vol.75
今枝友加 カンテソロライヴ
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/20171214.php#005994
【出演】
今枝友加(カンテ)
俵英三(ギター)
井山直子(パルマ)

 

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2017年10月27日(金)その3030◆格さん、突如現る!

フラメンコギターの名手、おなじみ水戸黄門の格さん、
突然のエスペランサご来店。
名探偵・明智小五郎シリーズでは敵役・黄金仮面(ルパン二世)として、
サビカスのファルーカを弾いたシーンは忘れ難い。

 

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圧倒的な実力で立ち見だらけの会場を沸騰させた昨晩の小島裕子ソロライヴ。
そろそろ打ち上げお開きという時刻に、伊吹吾郎さんは突如やって来た。
席に着くなりマエストロ、十名ほどの居残り組に酒と生ハムの大盤振る舞いで、
打ち上げやり直し(汗

 

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2017年10月26日(木)その3029◆ありがたい

 

中野五差路近く、桃園川緑道に接する
お気に入りな住まいに転居して早三年。
物価や家賃が安いのは大助かりだが、何より
パセオまで徒歩五分・駅まで四分というのがありがたい。

 

さらにフラメンコ公演の多い中野ゼロホール、高円寺エスペランサ、
座・高円寺(明日はAMIさん公演)、セシオン杉並などが
10~20分ほどの徒歩圏にあり、
また帰路は車で数分であることがこの老体にはありがたい。
公演帰りはハシゴ酒の朝帰りを常としたものだが、
もはやそんな元気もねえところがこの老体の薄幸の財布にはありがたい。
てなわけで、今宵は立ち見席ソールドアウト、
高円寺エスペランサの小島裕子パセオソロライヴでござる。

 

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2017年10月25日(水)その3028◆やるじゃん中野

 

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「こんどの土曜は、中野でねぶた祭り」

 

中野区在住ウン十年、経理の万里ちゃんに教えてもらった。
東日本大震災と熊本地震を継続支援するための、
中野区主催「2017東北復興大祭典なかの」。

 

へえー、やるじゃん中野。
北口サンプラザ広場を中心に〝ねぶた〟はじめ、
色んなイベントをやるらしい。
家で寝豚もいいが、百聞は一見に如かず、土曜の晩はこれだな。

 

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2017年10月24日(火)その3027◆今週は二連チャン

 

今週木曜はパセオライヴ、初登場の小島裕子。
発売同時に座席指定および立見席までソールドアウトの盛況。
当日は会場整理係と雑用とパセオ忘備録(来年2月号)の執筆担当。
素早い切り替えが肝心。

 

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つづく金曜晩は待望のAMIさんリサイタル(座・高円寺)。
パセオ忘備録(同じく2月号)は、まにさんこと白井盛雄が担当。
今月はイベント多数でややくたびれ気味だが、
この木金もまた新たなドラマ誕生の予感!

 

 

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2017年10月23日(月)その3026◆松村哲志ソロアルバム

「誰これ? ビセンテの新譜?」
     
レッスンから帰った連れ合い(フラメンコ歴35年)が、
大音響で鳴らすフラメンコギターに、
CDだらけの書斎に入って来るなりそう反応する。
十代でスペインに渡ってバイレ修業、向こうでカマロンやパコ・デ・ルシアの
追っかけをやってたくらいだから、そこそこ耳は肥えている。

 

アルバム全体の格調高きクオリティから、
私はむしろ漠然とパコ・デ・ルシアを連想していたのだが、
彼女の直観がある種マトを得ていたのも、
まるで擦弦楽器のような滑らかさでグイグイ伸びる音のつながりが、
まさしくビセンテ・アミーゴを想起させるフラメンコだったから。

 

「ロイドの松っちゃんが、ようやく新譜出したんだよ」
「スペイン人かと思った、へえー凄いね、スタジオ用にわたしも買おうかな」と、
うれしそうに笑う。(つづく)

 

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フラメンコ世界の誰もが認める注目のギタリスト、初のソロアルバム!
2017年9月リリース『松村哲志/I'M MELONCITO』

 

1, A mi estrellas (Rumba)
2, Siguiendo mi Camino (Soleá)
3, Café Palentino (Taranta)
4, Agua correcta (Alegrías)
5, Vivencia (Buleria)
6, 荒城の月 (Rumba)
7, Cancion De La Luna
8, Playa del Julio (Guajira)
9, Tango del cielo (Tango)
10, Osito (Minera)
(全10曲収録/3,000円税別/パセオでも入手可)

 

【参加ミュージシャン】
guitarra◇Satoshi Matsumura "Meloncito"
Piano◇Takaya Saito
Bajo◇Luis de Perikn
Percusión◇Luis de Perikn y Moises Heredia
Palma, Jaleo y coro◇Luis de Perikin, Nono, Paco Fernández, Aya Takahashi, Saki Matsumura, Kiyomi Matsumura, Meloncito

 

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2017年10月22日(日)その3025◆有田圭輔ソロライヴ

 

 フラメンコを楽しむ多くの人達の間では、有田さんは踊りの後ろで歌っている印象が強いだろう。実際に、いろいろな公演で有田さんは踊り手の背中を力強く押す歌を熱唱している。
   
 しかし僕は、有田さんは稀に見るたいへん優れたフロントマンであり、こんなにライヴで観客を盛り上げるのが上手なプロは、そういるものではないと常々考えている。ライヴというのは、その場に足を運んだ人が店を出るまで、いや、店を出てからもしばらくその余韻に浸りながら翌朝を迎えるまで、熱を感じていたい。
        
 有田さんにはそれができるのだ。現在は活動休止中のロカメンコだが、何度かそのステージを観に行って、そう確信している。ロカメンコの中心人物だったICHIROさんと二人だけで演奏したライヴでもまた、楽しくてあっという間に時間が過ぎた。その帰り道は有田さんの歌声を何度も頭でリピートして歩いたのだった。
        
 そして11月9日には、ついにパセオライヴに有田さんが登場することとなった。そういえば、有田さんのカンテソロライヴを見るのは初めてじゃないか! 皆さんはご覧になったことがあるだろうか? これまでに数曲歌うのを聴いたことは何度もある。しかし60分という時間を有田さんはどんな風に料理してくれるだろう? 数々のライヴで叩き上げてきたプロの本領が発揮される時が来た    
 相棒のギタリストが誰なのか、どんなセットリストなのかも、まだわからない。でも成功の予感がもうしている。
     
 (月刊パセオフラメンコ2017年11月号より~小倉泉弥)

 

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2017年11月9日(木)20時
パセオフラメンコライヴVol.073
有田圭輔 カンテソロライヴ
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/2017119.php...
有田圭輔(カンテ)
長谷川暖(ギター)
福山奈穂美(パルマと歌)
井上泉(パルマと歌)
篠田三枝(パルマと歌)

 

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2017年10月22日(日)その3024◆懸命の工夫

 

鳥は飛ぶために喰ってるんだか喰うために飛んでいるんだかわからないけど、
蟻はカンペキに種族の存続のために働いている。
一瞬を生きるか、永遠を生きるか。天に鳥、地に蟻。
(杉浦日向子さんの時間旅行エッセイ『江戸アルキ帖』より)

 

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これまでの行状からして私は前者寄りのタイプだろうが、
選挙の折にはカンペキ後者の視点に立つ。
ズサンな構造が明確になってきたので、
税金払って恒久平和を望む国民として、今回は比較的わかり易い。
小選挙区は人物、比例は党ヴィジョン。

 

この日曜は一家総出で裏の小学校に投票へ。
皆で出掛けるのが大好きなジェーだが、まあ台風次第だな。
投票終えたらそのままパセオで残務片づけ、
昼過ぎから階下のスタジオの嬉し楽しいタカミツ講座でソレアを歌う。
夕方から連れ合いと月例のご近所安旨鮨、
厚焼き玉子は留守番ジェーへの定番土産、
戻ったらボクシング世界戦・・・てな具合に、
忘れねえように段取りメモるぼけ爺さん懸命の工夫(汗

 

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2017年10月21日(土)その3023◆名人は名人を知る

 

「エンリケさんのギターと歌に痺れた」
             
この夏の清里スペイン音楽祭(濱田滋郎先生主催)で
エンリケ坂井さんと共演された、
世界に誇る屈指の音楽家(ギタリスト)原善伸さんのコメント。
パセオ創刊前の若き日、原さんの演奏会を
プロモートさせてもらっていた時期がある。
超絶技巧タイプではなく、西欧音楽の伝統的真実を
突出する感性で現代に蘇生させる真の音楽家である。
冒頭のコメントに「名人は名人を知る」ことを改めて知った。

 

さて、その数日後。
昨夜の「エンリケ坂井/カンテフラメンコ奥の細道」を終え、
さらに三階のパセオ編集部で各種打ち合わせを終えたころ、
何の脈略もなく、世辞の云えない我らがマエストロはこう切り出した。
「清里でびっくりしたんだけど、原さんっていうのは、
 とてつもなく素晴らしいギタリストだねえ。
 音楽の根っ子にある本質的魅力をあれほどまでに引き出せる
 クラシックの音楽家を僕は知らないなあ」

 

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2017年10月20日(金)その3023◆悠然と急ぐ

 

フラメンコの使徒・エンリケ坂井師匠の奥の細道レクチャー
(ソレア・デ・ウトレーラ)の心模様を存分に味わい尽くし先ほど帰宅、
湯上りのビール~ぬる燗で明日の小遠足に想いを馳せる。

 

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この写真、撮影者不詳だがつくづく佳いショットだ。        
千登世橋から眺める都電風景は、
全線中(早稲田 ⇔ 三ノ輪)ベストスリーに入るだろう。
右手明治通りのやや奥あたりに高田馬場の旧パセオ編集部。
展望に行き詰まるたびに、つまりはしょっちゅう、
この高台から悠然と急ぐ都電を眺めたものだ。
明日土曜は午前中に仕事を済ませ、雨が降ろうと午後から都電の旅をもくろむ。

 

 

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2017年10月20日(金)その3022◆悠久のひととき

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本日金曜晩はエンリケ坂井師匠、カンテフラメンコ奥の細道。
フラメンコの本質と悠久に没頭できる得難いひととき。
一度は覗いてごらんよ、きっとフラメンコ観が一歩前深するから。

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2017年10月19日(木)その3021◆師弟ライヴ

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杜の都・仙台より、溌剌とするフライヤーが送られてきた。
パセオライヴ2018新春幕開けは、最初で最後になるかもしれない
この麗しの師弟によるデュオライヴ。
かおる師匠にパセオ新年号カラープレ記事を現在取材中だが、
何やらほろりと来てしまう。
ああ、ムダに忙しい現代においても、
このように悠然とする師弟愛があったか。

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2017年10月18日(火)その3020◆飛び石

今宵水曜は土井まさりソロライヴ
金曜はエンリケ坂井「奥の細道」レクチャー。
日曜は石塚隆充「誰にも歌えるアレグリアス」レクチャー。
先週は三夜連チャンだったが、今週は飛び石なので体力的には大助かり。
木曜はぎっしり実務と原稿書きだが、土曜は小遠足を画策中。
夕焼け都電がテーマだが、お天気予報は小雨だわ。

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2017年10月18日(火)その3019◆Gパン奨励賞

二十年前の、あの光景が眼に焼き着いてる。
Gパンで踊って協会新人公演奨励賞(1997年)を獲った伝説のバイラオーラ。
いよいよパセオライヴ初登場!

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2017年10月17日(火)その3018◆好きすぎる

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湯上がりのビールで久々のなんでも鑑定団みてたら、
ラストでもの凄い絵が出てきた。
絵画はド素人なので好き嫌いでしか判断できないミーハーだが、
この絵は好きすぎる。
他にも犬とか雀とか、どれも輪郭線の素早いタッチに
愛らしい生命力が溢れていて、晩酌用の画集が欲しくなった。
作者の竹内栖鳳(たけうち せいほう/1864~1942年)は
近代日本画のパイオニアで、第一回目の文化勲章受章者だという。

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2017年10月17日(火)その3017◆衝撃発言

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「私にとって、フラメンコは自己表現ではないです」

これはリサイタル前のインタビュー時の衝撃発言。       
清冽な印象を残す新宿シアターモリエールの初リサイタル(土の音)から三年、
土井まさりのパセオソロライヴがいよいよ明日に迫る。

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水曜晩のパセオチーム、パセオ新年号忘備録(プレ記事も)執筆は石井拓人、
同撮影は小倉泉弥編集長、フロント担当はおやぢキラー御子柴明子、
ちゃらいドアボーイ&ドリンク係がおれ。

2017年10月18日(水)20時
パセオフラメンコライヴVol.71
土井まさりソロライヴ
開演◆20時ジャスト開演(19時半開場 ※終演は21時10分頃)
会場◆高円寺エスペランサ
土井まさり(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
今枝友加(カンテ)
長谷川暖(ギター)
料金◆4,500円1ドリンク付(税込)
【予約/座席指定、僅かに有り!】
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

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2017年10月16日(月)その3016◆優先順位

土曜の百花園帰りに来年の手帳を購入。
年間スケジュール書き込みで日曜一日遊んだ。
「やりたいからやる」
そんな優先順位で書き込んだ。
おそらくは、百花園効果だな。         

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2017年10月15日(日)その3015◆男純情

パセオライヴの打ち上げ。
この夏の新人公演でも男純情、プーロなカンテを聴かせてくれたクマさん。
幾つか先輩のドクトルがオレもそろそろ定年だというから、
じゃあフラメンコに専念できるね?!と突っ込むと、
あの爽やか笑顔で好漢カンタオールはさくっと切り返す。
「いや、人生に専念するよ」
ひゃあ、やられたあ、座布団二枚!!

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2017年10月14日(土)その3014◆寒くなったら

厚手の長袖シャツで出かけたが、それでも寒かった。
戻るなり留守番ジェーが、脚が寒いからだっこしてくれよと、珍しくせがむ。
おい、晩めしはちゃんこ鍋だぞ。
大好物の響きに両眼が輝く。

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2017年10月14日(土)その3013◆何もない日は

北斎ファンタジー(平富恵)、パセオライヴ(ディエゴ・ゴメス)、
ビバ・ラ・ダンサエスパニョール(谷淑江)と心弾む三連チャンの合間に、
パセオ12月号の入稿もひと段落。

締切も約束もないこの土曜はさしあたり、
江戸っ子の心のふるさと隅田川界隈、まずは向島・百花園へ。
両の目でかみしめたくなる懐かしい情景。
通い始めて半世紀、淡々としながらも潔い、
泰然と変わることなき百花園の穏やかな表情は、
うれしくもあり寂しくもある。

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(画/佐藤英行)

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2017年10月13日(金)その3012◆集中力

「広い視野ですべてを捉えること。
 それが本当の意味での〝集中〟だと思う」
と横浜ベイスターズ筒香(つつごう)選手。
うっ、おれの集中はだいぶに勘違いだったと目からウロコ。

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2017年10月12日(木)その3011◆Viva La Dnza española

三夜連続のフラメンコ三昧。

あす金曜晩はDANZARTEスペイン舞踊団公演『Viva La Dnza española』。
会場の座・高円寺はパセオから徒歩10分なのが助かる。
前回はバッハに挑んだ谷淑江さん、
今回はファリャ『三角帽子』やショパンなどを盛り込み
クラシコ・エスパニョールの新たな可能性に切り込む。
ふと、三十年ほど前、巨匠ホセ・ミゲル(荻野リサさんのお父上)が
有名な映画音楽(ディアハンターほか)で踊った
斬新にして格調高きシーンを連想する。

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さてこの公演、多彩な協演陣にも注目!
ダビ・サンチェス/ビクトル・ブラボ(バイレ)
ニエベス・イダルゴ(カンテ)
加藤美香(バイレ)
徳永康次郎/木村直哲(ギター)
すがえつのり(パーカッション)
野口杏梨(ピアノ)←来年パセオライヴにソロ初登場!
Yui(ヴァイオリン)

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2017年10月11日(水)その3010◆ディエゴの真髄

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ディエゴ姐さんの歌唱力は、本物中のホンモノである。

踊り手にシンクロする伴唱も素晴らしいが、
じっくり聴かせるカンテソロコンサートには、
この歌い手の底知れぬ魅力が現れる。

曲が重なるにつれてじわりじわりと感興は高まり、
ラストの頃にはあの懐かしい歌唱の力に涙腺がゆるんでしまう。
スペイン人初の三度目のパセオライヴ。

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/20171012.php#005988

ディエゴ・ゴメス カンテソロライヴ。高円寺エスペランサ20時。
明晩のパセオチーム、忘備録執筆は白井盛雄、同撮影は小倉泉弥、
フロント担当は吉野理子、この日もまたおそらく使い物にならない無用の長物がおれ。

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2017年10月10日(火)その3009◆北斎ファンタジー

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明晩は平富恵の最新作・北斎ファンタジー。

平の昨秋の梁塵秘抄(2016年)は再演を切望したい名作。
私の中では小島章司の瞋恚の炎(1985年)、
碇山奈奈の忠臣蔵(2000年)、
鍵田真由美・佐藤浩希・矢野吉峰の曽根崎心中(2001年)に続く
ニッポン創作フラメンコの精華と数えたい。

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2017年10月10日(火)その3008◆歌心

フラメンコは歌から生まれ歌から発展してきたと言われています。
ところが日本人にとって、スペイン語/アンダルシア弁という
言葉の壁が立ちふさがるカンテは敷居が高く、
腰が引けてしまう方も多いことでしょう。

しかし僕は「フラメンコは、歌いたいという気持ちさえあれば
誰でも歌えるようになる」と信じています。
フラメンコを踊るにも弾くにも、歌心があるのとないのとでは
表現に雲泥の差が生じます。

フラメンコの観る・聴くときにも、カンテがわかったら、
楽しさ、感動が倍増します。
フラメンコをもっと楽しむために
Vamos a cantar juntos!! (石塚隆充)       

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一歩前進まちがいなし、元気の出るタカミツ講座!

パセオフラメンコ・オリジナル講座
「石塚隆充/誰にも歌えるフラメンコ!」アレグリアス編
10/22(日) 13:00~14:30(12:30開場)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/post_100.php#005916

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2017年10月9日(月)その3007◆江戸っ子

モーニングバスにストレッチ、モーニングエディションにカフェオレ、
サラダにトーストにチーズ、ベーコンエッグにコンソメ、、、欧米か。

(HIROSHIGE画/江戸末期の生家あたり)

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2017年10月8日(日)その3006◆源泉

「朝露の一滴にも天と地が映っている」

穏やかな秋の日曜午後、散歩途中のひなびたオープンカフェ。
週刊誌のコラムからこんな一節が目に飛び込んでくる。
和歌のような深い奥行き。
「悠々として急げ」の開高健(1930~1989年)さんの言葉だった。
なるほど、これが巨匠の文学の源泉だったか。
では、絵画や音楽や舞踊は?と、かたわらのジェーに問うと、
もっとチーズケーキおくれ!と、毅然とした面構えで訴える。
なるほど、これが彼の原動力の源泉だったか。

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2017年10月7日(土)その3005◆満十九年

「バツ2は確実、それでもいいのか?」

婚姻届は連れ合いの誕生日に合わせた。
上記確認のうえ渋谷区役所で籍を入れ、
上野で安指輪を買い、
浅草発の遊覧船から私の故郷・隅田川を眺めた。
すでにくたびれ果てたポンコツは43、
相方はその日34になった。

彼女お気に入りの呑み屋が日曜定休なので、
一日繰り上げ夕方から退院祝いも兼ねるおつかれ会。
バツイチ同士の先の見通しも何もない再婚だったが、
明日で満十九年になる。

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2017年10月6日(金)その3004◆フラメンコ奥の細道

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フラメンコ、奥の細道。

今月20日の金曜晩は、おなじみエンリケ坂井師匠
(写真はパセオライヴよりⒸ小倉泉弥)による極渋カンテ講座。
奥は深いが、単発参加でも困らない懇切丁寧な90分、
学ぶことの安らぎってこれだと想う。

今回はソレア・デ・ウトレーラ。
毎回、貴重な手書き楽譜と歌詞解説を参加者に配布。
本家スペインにも、ここまで踏み込んだ内容のレクチャーは無いのじゃなかろうか。
観る聴く専門の初心者からトッププロまで参加者は多彩で、
受付の役得で私も参加。初めての方、お気軽にどーぞ!

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/10/626_1.php#005931

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2017年10月5日(木)その3003◆悪い奴ほど

「悪い奴ほどよく眠る」

涼しくなってからの私は、余程に悪いヤツらしい。
ここ数日は朝になってビックリするくらいよく眠る。
ひとつには冷房が必要なくなったこと。
もうひとつには、潜在意識と意識がそこそこうまく折り合っているからだろう。

バブル時代、次から次へと厄介な任務を押し付けてくる諸先輩方は、
三十代の私によくこうアドバイスしてくれたものだ。
「小山くん、死んだらいくらでも眠っていいから」

まあ、それもそうだが、熟睡すると仕事の効率(質とスピード)は
安く見積もっても三割程度はアップするから、今のところは、
ぐっすり寝ても充分おつりが返ってくる勘定ではあるようだ。

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2017年10月4日(水)その3002◆困った時のムヒカ

AIの件はこの原点を持続したらいい。
選挙の件はもっと難解だが、
やはり原点志向で決めることにした。
42年間、多くは投票に失敗したが、
棄権するほどには落ちぶれちゃいない。

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2017年10月2日(月)その3001◆モチベーション

あれよあれよと秋到来。
今日から新年号の準備だ。
正月も射程に入り、好物の餅が喰いたくなってきた。
うーん、餅ベーション上がるわあっ!

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2017年10月1日(日)その3000◆灯台下暗し

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「不平家とは、自分自身と決して折合わぬ人種を言うのである。
 不平家は、折合わぬのは、いつも他人であり環境であると信じ込んでいるが」

若い頃にはいまひとつ踏み込めなかった小林秀雄を
再発見するきっかけとなってくれたマエストロ自身の名言。
環境を改善するためのあらゆるヒントが盛り込まれている。
わたしの場合だと、そう、週に十ぺんくらいはこれを想い出す必要がある。

コメント
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しゃちょ日記バックナンバー/2017年09月

2017年09月01日 | しゃちょ日記

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2017年9月30日(土)その2999◆出所出迎え

 

朝湯あがりのストレッチとジェーの緑道散歩。
朝刊と珈琲とで、ただいま洗濯&炊飯中。       
焼き海苔と明太子、豚味噌漬とキャベツ炒め、
豆腐となめこと若芽と長ネギの味噌汁、
主役はもちろん炊きたて銀シャリ。
厨房歴四十四年、味はともかく早いのが取り柄。
パセオでなければ、おそらくは流しの三流板前だったろう。
さて、朝めし食ったら車で十分、西新宿・東京医大病院へ。
おいジェー、おめえの大切な相方連れて戻ってくるからよ、
もうちょいだけいい子で待ってな。

 

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2017年9月29日(金)その2998◆動機次第

 

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熱心に状況説明に耳を傾けるジェー。

 

体調を崩し緊急入院した連れ合いが明日退院する。
ここ数日元気なくグレ気味だったジェーは、
彼の愛する相棒が明日帰ってくることをどうやら理解したようだ。
ついさっき、寝る前の散歩では、
いつもは避ける裏の緑道の階段をイッキに駆け登った。
犬も人も、つまりはモチベーション次第ということなのだろう。

 

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2017年9月28日(木)その2997◆フーガの技法

 

考えは言葉となり
言葉は行動となり
行動は習慣となり
習慣は人格となり
人格は運命となる

 

どこかで聞いた確率論だが、きのうの夕刊コラムで、
これがマーガレット・サッチャーの言葉だと知った。
ふーん、まあそんなもんかもと、これまで漠然と聞き流してきたが、
いま改めてこのフーガ風論理を検証してみると、
冷や汗が出るほど冷静な定理と気づく。

 

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2017年9月28日(木)その2996◆旅情

 

くたびれ果てた夜には、案の定、バラードが効く。
『夢の跡~Trail of Dreams』は17年来の愛聴盤。

 

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ジャズピアノの巨匠オスカー・ピーターソンと、
映画音楽(シェルブールの雨傘)でも有名なミシェル・ルグランの夢の協演。
カナダ全土への鉄道敷設をテーマとする壮大な組曲で、
音楽の描き出す美しい情景が淡い郷愁を誘う。
旅の想い出にしんみり浸るような気分に、
安スコッチがどーにも止まらないリンダ困っちゃう状態。
で、もちろん、バラード系が特に佳い。
          
時節柄、アルバムタイトルからはお隣りアメリカの
Trail of Tears(涙の旅路)を連想してしまうが、
勢いカナダの歴史に興味が湧いてくる。

 

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2017年9月27日(水)その2995◆小島裕子ソロライヴ

 

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 あまり表舞台に出て来ないほんまもんの実力者。小島裕子(ひろこ)はまさしく、そうした隠れた大物のひとりである。とにかく一度観ておけという相棒プロデューサーのアドバイスに乗って、初めて彼女を観たのが昨年二月。
 わずか数秒のソレアで彼女はその本領を顕わにする。余分なことは一切やらない、ほど良い重量感の真摯な静けさ。存分にタメの利いた身体から一転して繰り出されるシャープな霊感。上体もブラソも回転も足技もすべてが必然性を帯びながら一体化している。古き良き伝統を継承する本格フラメンコだが、古臭さは微塵もない。決して過度にはならないさり気ない現代性が心地よい。ステージに派手な華は無いが、そういう表面コーティングにまるで興味を持たない矜持と意志が視えてくる。          
 まったく凄い踊り手がいたもんだ。ダレ場のない踊りの経過とともに腰のある感動が蓄積されてくる。アレグリアスを踊っても虚飾は皆無で、暖かで明るい透明な歓びがタブラオを駆けめぐる。ヴィジョンとテクニカがしなやかに一元化される誠実なプロセスが、ここでも着実に積み上げられるが、殊に足技が突出している。サパテアードの超絶技巧と音量・質感・音色は充分エキサイティングなのだが、全体の品性の高さがそれらを敢えて突出させない、実に渋い大人の芸なのだ。        
 こだわりやこねくり回しのないストレートでたっぷりした奥行きの本格正統フラメンコ。この上なく爽やかな余韻。「とにかく一度観ておけ」という相棒の推奨を、そのまま皆さまにトスしておこう!

 

    (月刊パセオフラメンコ2017年10月号~小山雄二)

 

2017年10月26日(木)20時
パセオフラメンコライヴVol.72
小島裕子 ソロライヴ
開演◆20時ジャスト開演(19時半開場 ※終演は21時10分頃)
料金◆4,500円1ドリンク付(税込)
出演◆
小島裕子(バイレ)
石塚隆充(カンテ)
柴田亮太郎(ギター)
伊集院史朗(パルマ)
会場◆高円寺エスペランサ
◎予約受付中!
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

 

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2017年9月27日(水)その2994◆この月の月

 

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 月々に 月見る月は 多けれど
 月見る月は この月の月

 

来週水曜は〝中秋の名月〟だという。
小さい秋も佳かったが、そろそろと中くらいの秋。
仕事がすんだら、ゆるり月見で一杯だな。
山芋にまぐろ、それとめったに買わねえ上等卵を買い忘れんよーに。

 

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2017年9月27日(水)その2993◆巨匠サウラの最新大作!

 

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ホタ、ホタ、ホタ、ホタ・・・全編ホタである。

 

『カルメン』『血の婚礼』『セビジャーナス』『フラメンコ』などなど、
世界中に上質なフラメンコを発信し続けてきた
名匠カルロス・サウラ監督の最新作は『J:ビヨンド・フラメンコ』。

 

本日午後は京橋でその試写会。
約90分、あの奇抜にして透明感あふれるサウラ節を存分に楽しんだ。
ホタで有名なアラゴン地方は、サウラ監督の生まれ故郷でもあった。
出演はおなじみのサラ・バラス、ギターのカニサレスをはじめ、
バグパイプのカルロス・ヌニェス、ダンサー兼振付師のミゲル・アンヘル・ベルナ、
歌姫カルメン・パリスなどなど多様多彩。
美しい宝石の詰め合わせセットのような・・・ではあるけれど、
やがて泣かせるファンタジー絵巻。であるところがサウラの本領。

 

11月25日より渋谷Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。字幕監修はあの「小倉真理子!!!」、そのしっくり来る来るクオリティに大満足!

 

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2017年9月25日(月)その2992◆土井まさりソロライヴ

 3年前、私は湘南国際マラソンをゴールして固まる体を無理矢理動かし大磯駅までを更にギクシャク走り、会場に駆けつけたのが土井まさりさんのソロリサイタル「土の声」でした。

 市民アスリートとして個人的な達成感と挫折感を繰り返すなかでフラメンコと出会った私はその一瞬の中に人生の永遠を感じて度肝を抜かれた訳です。そこに生きる意味や日々の暮らしの中で感じる歓びや悲しみを包み込むような優しさや、時に激しく叱責するような厳しさを感じた私にとっては彼女の放った「私にとって、フラメンコは自己表現ではないです。」という言葉に、ならば彼女は何を伝えたいのか、と会場に駆けつけずにはいられなかったのでした。

 軋む身体と心で観たフラメンコは、力強さと妖艶さ、そしてすがすがしさを漂わせ、月の光に虫の声、時折吹き抜ける風に土埃の匂いすら感じたのです。そしてまた走ろうという意欲も湧いてきたのでした。あれから3年、この間に彼女の中のフラメンコはどう深化したのか。リサイタルに匹敵するパセオライヴの1時間はまさに待ちに待った再会の場。

 今、彼女が感じる時代の空気は乾いて熱いのか、冷気をまとう妖しさなのか、あるいは不安を抱えた畏れなのか、と興味は尽きません。土井さんがこの日に掛ける思いと結果は間違いなく観た人全てが個人的な思い入れと共に、これから迎える日々の活動に対する動機付けになると思うのです。結果を求めるのでは無く、受け入れる、その姿勢で彼女の紡ぐ空気を深呼吸して感じたいと切望します。

   (月刊パセオフラメンコ2017年10月号より~石井拓人)

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2017年10月18日(水)20時
パセオフラメンコライヴVol.71
土井まさりソロライヴ
開演◆20時ジャスト開演(19時半開場 ※終演は21時10分頃)
会場◆高円寺エスペランサ
土井まさり(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
今枝友加(カンテ)
長谷川暖(ギター)
料金◆4,500円1ドリンク付(税込)
【予約受付中!】
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

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2017年9月23日(土)その2991◆パセオ最新号!

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フラメンコの定点と変貌を追っかけるパセオ。
なぜか定期購読者急増中。
気まぐれなのか、成熟なのか、時代なのか、それはわからない。
月刊パセオフラメンコ、最新号の読みどころはこちら(↓)
http://www.paseo-flamenco.com/monthly/2017/09/201710.php

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2017年9月22日(金)その2990◆ディエゴ・ゴメス

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 日本で活躍するスペイン人アーティストは少なくないが、その中でも間違いなく売れっ子と呼べる歌い手の一人がディエゴ・ゴメスだ。
 フラメンコの歌い手にもいろいろと傾向があって、たとえばアグヘータのような怪物もいれば、マイテ・マルティンのような美声の歌い手もいる。同じように咆えるような歌でもチャノ・ロバートとチョコラーテは違うし、美声でもアルカンヘルとミゲル・ポベーダは違う。抜群の音程と歌唱を誇るカマロンはパーフェクトとしか言いようが無い。こうした素晴らしい歌い手に共通しているのは、声が魅力的だということだ。
 翻って、ディエゴ・ゴメスは踊り手の背中を押すような迫力のある歌も歌うが、本筋としては美声のカンタオール(ラ)だろう。前回のパセオライヴでもカディス出身らしい小気味良い歌を、得意の美声で聴かせてくれた。付け加えると、ディエゴは2002年にラ・ウニオン市のカンテ・デ・ラス・ミーナスコンクールの決勝まで勝ち進んだ実力の持ち主でもある。
 ディエゴの歌はとにかく美しかった。前回はソレアやシギリージャといったカンテ・ホンドは歌わなかったが、この日はどうだろうか。いつだったか、アンダルシアの各地域をあたかも旅するかのようなスタイルで様々なカンテを聴かせるという芸達者ぶりも見せたこともあったそうで、魅せ方も心得たスマートさもディエゴの魅力だ。
 
 (月刊パセオフラメンコ2017年10月号より~小倉泉弥)


2017年10月12日(木)
パセオフラメンコライヴ vol.70
ディエゴ・ゴメス ソロライヴ
出演◆
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
エミリオ・マジャ(ギター)
三枝 雄輔(パルマ)
稲田 進(パルマ)
会場◆高円寺エスペランサ
開演◆20時ジャスト開演(19時半開場 ※終演は21時10分頃)
料金◆4,500円1ドリンク付(税込)
【予約受付中!】
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

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2017年9月21日(木)その2989◆逆さ鏡

「子供の頃は確かにお調子者だったようだけど、
 長じてすっかり落ち着いて、今のこの人がある。
 冬には日だまりのよう、夏には木陰のように優しい」

(きのうの東京新聞夕刊の連載小説、宮部みゆき『あやかし草紙』より)

 なんて美しい一節。
 冬には寒々しく、夏には暑苦しいわが身を映す逆さ鏡。
 ふんわりと心みちびく文学の夢。

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2017年9月20日(水)その2988◆本日20時ゴング!

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9/20(水)20時ゴング!
座席指定は即日完売、座れる立見席は本日15時までにお問い合わせを。
また連絡なしの当日ドタキャンはどうかご勘弁。
本番では空いてしまうことになるいい席を実際のご来場の方に提供したいので、
遅くも開場一時間前までにご連絡よろしく!
てことで、例によってプログラムのフライング公開。

パセオフラメンコライヴVol.069
山室 弘美 ソロライヴ
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/09/2017920.php#005986
2017年9月20日(水)20時開演
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
【出演】
山室弘美(バイレ)
西井つよし(ギター)
石塚隆充(カンテ)
吉田光一(パルマ)
【プログラム】
1 vidalita y farruca
2 músicos
3 alegrías
4 músicos
5 soleá          
     
フロントは(国語・算数・理子・社会で)おなじみの吉野理子、
バックと撮影は小倉編集長、残り少ない頭髪をさらにカットした哀愁ドアボーイと
公演忘備録(パセオ12月号)とハードパンチャーのセコンド担当はおれ。

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2017年9月19日(火)その2987◆正路あすか初登場!

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「う~む、ひと味ちがうよね」

格調高き主体性のどっしりライン。
夏の協会新人公演の有終を飾った奨励賞ゲストOBの正路あすかさん。
仲間たちの賛意を得てメールでパセオライヴ初登場を打診すると、
気持ちよくオッケー返信してくれた。
時期は来年七月で暫定。
ソロでじっくり観たい聴きたい人の種は尽きないことに、
今宵のわたしはたいへんな上機嫌で、これからスパークリングワイン!

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2017年9月19日(火)その2986◆女王さまの反射神経

パセオフラメンコライヴ2018
2018年5月24日(木)川島桂子(踊り) ←(汗・・・

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パセオライヴ最新フライヤー1万部のガッツリ誤植。
夏の新人公演、喧騒のロビーで川島めっけて平謝り。
すると日本を代表するフラメンコ女性歌手は、泰然とこう笑う。

「コワイモノ見たさで、即売り切れかもっ」

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2017年9月18日(月)その2985◆お静かに

月曜祭日。連れ合いのスタジオの番犬業務(勤続十五年)は
本日お休みだというので、尻尾をプルプルさせながらジェーもパセオ出社の意向。
春から始めた実務インフラもだいぶスッキリしてきて、
どーやら今月中にメドも立ちそうなので、今日はその先食い追い込み。
何事も始めなければ始まらないが、始めちまえばこっちのもんだ。
お江戸を避けてくれた台風一家だが(←未だそのイメージ)、
行く先々であんまり暴れねーでいてくれることを祈る。

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2017年9月16日(土)その2984◆三年ぶりのエバ

三年ぶりのエバ・ジェルバブエナ。
明日日曜は渋谷オーチャード15時『 Apariencias~仮面 』を観る。
来日公演のフライヤー(↓)の裏面で予習しておこう。

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アパレンシアとは外観、見せかけという意味。
そのタイトル通り、オープニングでアフリカのボーカルを踊る、
坊主頭に赤い衣装をつけた筋肉隆々とした
男性コンテンポラリーダンサーは、実はエバ。
「フラメンコは何よりも現代的」と語る彼女が、
フラメンコの伝統とルーツにインスパイアされ、想像をはばたかせる。
限りない自由をもって。

スカートの男性。スペイン国立バレエ団出身の二人をはじめとする
四人の男性ダンサーたちが描く美しいかたちと動き。
仮面をつけたエバ。翻るマントン。言葉。マラゲーニャ、ペテネーラ。
そして最後、エバが踊る渾身のソレアに観客は皆圧倒されることだろう。
フラメンコのパワーを、エネルギーを感じさせる作品であることに間違い無い。
           
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2017年9月15日(金)その2983◆湯たんぽ戦略

「要するに、業界を温めたいのね?」

直観と機転の人、代々木時代の呑み友・明子は云った。
ライヴ当日の助っ人を引き受けてくれる彼女のパセオライヴについての感想。
外部からの冷静な視点にはいつもハッとさせられる。

二十代からの三十四年、月刊誌を出すのも何かやるのも、
詰まるところはそういうアバウトな初心だったかと。
綺麗ごとと稼ぎ仕事とがカラフルに混在する様々な選択肢から、
清濁併せ呑み正解らしきを抜き取るシンプルな指針。
「それによってフラメンコ界はあったまるか?」
哀しいほどにちっぽけな器量であっても、
そこさえしっかりつかんで歩んでゆくなら、どうやら食いながら、
退屈せずに暮らしてゆけるんじゃないかと楽観する他力本願。

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2017年9月15日(金)その2982◆奥濱春彦の至芸

これぞマルシギ!
これぞソレア!
これぞタラント!
これぞアレグリ!

ヌメロの踊り分け、それぞれの鮮やかな彫りの深さに、
思わず感嘆の溜め息が漏れる。
伝統美を際立たせる格調高き未来派。
見通しとタメの利いた技術は常にスタイリッシュで逞しい。
タブラオ空間は溢れんばかりの〝美〟で満ち充ちた。
もちろんクラシコ(ファリャ・はかなき人生)も大喝采。

全編しびれにしびれた昨晩の奥濱春彦パセオライヴ。
ぶらり小松原庸子さんご来場、カウンターに優雅に腰掛け、
その存在感だけで開演前の観客席をビビらせていた。

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2017年9月13日(水)その2981◆奥濱春彦ライヴ!

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「いま、男性トップかもしれないですね」

そういう感想をちらほら聞くようになった昨今。
◎印の注目バイラオールは私にも数名いるが、
彼に注目し始めたのは十年ほど前。
精緻にして風林火山の如き趣がある。
日本人としての特性がユニバーサルな領域に達する原動力になっている。

いよいよ明日木曜、シリーズ初登場となる奥濱春彦ソロライヴ。
座席指定はソールドアウトだが、座れる立ち見席は
若干残っているので木曜17時までに当日予約を(☎03-3383-0246)。
で、例によって演目のフライング公開。

パセオフラメンコライヴVol.068
奥濱 春彦ソロライヴ
2017年9月14日(木)20時開演 高円寺エスペランサ
【出演】
奥濱 春彦(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
ペペ・マジャ・マローテ(ギター)
【演目】
1.マルティネーテ・イ・シギリージャ
2.ギターソロかカンテソロ
 (またはクラシコエスパニョール=CD)
3.ソレア
4.五分休憩
5.クラシコエスパニョール(CD)
6.タラント
7.カンテソロ
8.アレグリアス

月刊パセオフラメンコ忘備録(11/20発売号)の執筆とフロント担当は若林作絵、
バックと本誌忘備録撮影は小倉編集長、代表戸締り役はおれ。

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2017年9月12日(火)その2980◆全面肯定

もしもどちらか
もっと強い気持ちで
いたら愛は続いていたのか

風呂上がりのビールと夕刊で寛いでいると、
テレビから流れる布施明の絶唱(積木の部屋/昭和49年)が
いきなり胸を直撃し、懐かしさで一杯いっぱいになる。
高校出たら即同棲、それが東京下町・青春の王道だったあの時代。
変わらぬ布施さんの全身全霊の熱唱は人生を全面的に肯定していて、
その潔い歌唱力にほろりと来た。
タイプは違うが、なぜかディエゴ姐さんを想い出した。

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2017年9月12日(火)その2979◆父帰る

人の世の、美しい対話

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2017年9月11日(月)その2978◆月曜チャージ

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「片手に伝統、片手に革新」

シャズやロックやクラシック、永きにわたる異種格闘技修行の末、
ついにフラメンコに還ったパコ・デ・ルシア。
冷や汗もののインプット、そしてリスク満載のアウトプット。
1987年発表の『SIROCO/熱風』は
フラメンコそのものの国際的ステータスを確立した。
思う存分ふにゃらけた休日の翌朝、まずは冒頭ラ・カニャータ
(タンゴス)で秒速エネルギーチャージ。

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2017年9月10日(日)その2977◆すみませんべい

三時のおやつに食いたい気分だ。

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2017年9月9日(土)その2976◆根気のスパン

緑と赤を見分ける人間の識別機能。
森の中で赤い実を見つけるために発達した能力だという。
ヴィジョン達成までに何万年かかったことだろう。
根気というのはそーゆーものなのね。
いろいろと腑に落ちるわ。

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2017年9月9日(土)その2975◆ろばと親子

父子がロバを売りに市場へ出かけた。
二人でロバを引いて歩いているとある人が云う。
「せっかくロバを連れているのに、乗りもしないなんてもったいない」
そこで父は子をロバに乗せる。

しばらく行くと別の人が云う。
「親を歩かせるなんてひどい息子だ」
そこで父がロバに乗り、それを息子が引いて歩く。    

さらに行くと別の人が云う。
「我が子を歩かせるなんてひどい父親だ。二人で乗ればいいのに」
そこで今度は二人でロバに乗る。

するとまた別の人がこう云う。
「重くてロバが可哀想そうだ」。
父子は長い棒にロバの両足をくくりつけ二人で担いで歩く。

不自然に辛い姿勢にやがてロバは暴れ出し、
不運にもそこは橋の上であり、
暴れたロバは川に落ちて流されしまう。
おしまい。

これはまさしく世界共通、現代のお話。
そう指摘する新聞エッセイを読んで、小学校の図書室で
このイソップを知った頃の心情を想い起こす。
うーむ、勝っても負けても自分で決めちゃう方針は
この強烈な物語の影響だったか・・・そんなんで、
人の話を聴く知恵が身に付いたのは、ごく最近のことである(汗)

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2017年9月8日(金)その2974◆9/20山室弘美ライヴ

純白のドレス、笑顔ひとつないアレグリアス。
全編静かなるコラヘ(怒り)で踊るアレグリにド肝を抜かれた。
シンプルにして人の心を鷲づかみにする力がある。
それは2011年東日本大震災のチャリティライヴにおける
山室弘美による神聖なる舞い。
内面に強烈な感情を秘める山室のストイックな哀悼は
今も脳裏にくっきり残る。

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今枝友加の最初のバイレ師匠であることや、
舞台演出にも優れて独創的なセンスを発揮することも
複数の信頼筋から聞いていた。
パセオライヴの観客として来場した彼女と初めて会話を交わし、
その場で出演依頼したのが一年ちょっと前。
いつか彼女を引っ張り出そうと静かに網を張っていたのだ。
作との評判も高い、そんな彼女の演出作品"VIVE O MUERE"
(2015年夏エスぺランサ初演、翌年秋の座・高円寺での小島慶子リサイタルで再演)を
踊ったパロマ小島慶子は、盟友・山室弘美をこう語る。

「弘美さんのプロデュース・演出による作品の独特な世界観、
その強いパワーにすぐに引きずり込まれました。
演出は奇抜でも根底はフラメンコへの愛に溢れていました。
あの作品は私を自由へと解き放ってくれました。
優れた踊り手なのに演出に徹し、人一倍の責任感で創造した世界を
具現化する力のある人、彼女は真の表現者です。
あけっぴろげに見えて実は繊細で人の痛みのわかる人だからこそ、
彼女のフラメンコは説得力を持つのでしょう。
なかなか観ることのできない彼女だけのフラメンコを、
このパセオライヴで堪能できることを楽しみにしています!」

(月刊パセオフラメンコ2017年9月号より~小山雄二)

2017年9月20日(水)
パセオフラメンコライヴVol.69
山室弘美ソロライヴ
【出演】
山室弘美(バイレ)
西井つよし(ギター)
石塚隆充(カンテ)
吉田光一(パルマ)
※座席指定ソールドアウト、立ち見席キャンセル待ち
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/09/2017920.php#005986

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2017年9月7日(木)その2973◆本日石井智子ライヴ!

総勢14名出演、ホタまで出るよ。
いよいよ本日、石井智子ソロライヴ!
まだ、少し入れそうなので、ご希望の方は
本日17時までにご連絡を(☎03-3383-0246 セルバ)。
    
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ところで。
月に三回、パセオライヴのある日は、一日を二つに分ける。
仕事は9~16時で、第一部終了。で、歩いて5分の自宅に戻り、
ひとっ風呂浴びて軽い夕食。
そして、18時に現場エスペランサに向かうところから
本日二つ目の一期一会が始まる。
荷物が多いのでワンメーターちょいのタクシー移動。
準備・リハ・客入れが済めば、待ちに待った鬼のライヴに没入、
終演後にギャラ計算を済ませば、あとは誰でも呑み放題1,500円コースの打ち上げ。
主役や協演者、多彩な来場者たちとのゆるゆる呑み二ケーションには、
いつもたくさんの新発見とネタ拾いと歓びがある。
さすがに昨今はシンデレラ帰りだが、
パセオ忘備録担当の場合もその夜のうちに書いてしまう。
あとが詰まっちゃうからではなく、
この歳だと物理的にあとが無いから逆に迷いがない。
てなわけで、一粒で二度おいしい大安吉日、
残り少ない人生の最初の一日。

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2017年9月6日(水)その2972◆奥濱春彦ライヴ!

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 奥濱春彦さんの存在は特別だ。恵まれた体躯を駆使した巨大な踊りは迫力満点である。そしてバイラオールでありながら、バタ・デ・コーラを豪快にかつ美しく空中へ巻き上げる姿は、あたかも風神雷神を思わせた。

 これまで何度か奥濱さんの舞台を拝見したが、そのいずれもビシッと引き締まった姿で魅了していた。立ち姿には本来見えるはずのないイメージとしての身体の軸が、頭から背中を通って足先までぶっとく貫いているのが、はっきり見えるようだった。

 今度のパセオライヴで、ゆっくり話を訊いてみたいと思っていることがある。それは、フラメンコ舞踊を音楽として捉えているかどうかだ。奥濱さんのサパテアードは美しい。見目麗しいだけではなく、音色が端正で、そして音階がある。踊りながら、時にさえずりのように、時に慟哭のように響く靴音は、背景を流れるカンテやギターの響きとあいまって、ひとつの楽曲となるのだ。

 何も考えずに、いや、何も感じずに、このように魅力的なサパテアードを繰り出すことができるだろうか。きっと奥濱さんの耳や肌には、音楽が感じられているはずだ。
 バイレはミュージカルではないので、踊りながら歌ったりはしないが、しかし、奥濱さんは舞いながら奏でている。
 奥濱さんの踊りから感じられるものは数多い。歌舞伎に見えたり、彫刻に見えたり、映画に見えたりする。その芸術家としての重厚な積み重ねを、この目で再度確認したい。

 (月刊パセオフラメンコ2017年9月号より~小倉泉弥)

2017年9月14日(木)
パセオフラメンコライヴVol.68
奥濱春彦ソロライヴ
【出演】
奥濱春彦(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
ペペ・マジャ・マローテ(ギター)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/09/2017914.php#005985

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2017年9月5日(火)その2973◆四十周年のプレライヴ

どーよ、このバリエーションとボリューム!!!

あさって木曜晩の石井智子ソロライヴ。
11月の四十周年リサイタルのプレライヴとあって、
男前の智子さんらしい大盤振る舞い。出演者数も最多新記録!

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★石井智子ソロライヴ(9/7木20時スタート)プログラム
         
1、グァヒーラ   石井智子
2、ホタ      中島朋子、桑木麗、清水真由美
3、カンテソロ   井上泉
4、グラナダの洞窟 
    松本美緒、小木曽衣里子、福田慶子、
    杉浦桃子、樋口万希子、角谷のどか
5、ファルーカ   石井智子 
6、ギターソロ   エミリオ・マジャ
7、ボレラセビジャーナス
    桑木麗、清水真由美、杉浦桃子、樋口万希子
8、カンテソロ   ディエゴ・ゴメス
9、アレグリアス  石井智子

  フィン・デ・フィエスタ 全員
         
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/09/201797.php#005984
本誌パセオ忘備録(11月号)執筆は白井盛雄、フロントは御子柴明子、
バックと撮影は小倉編集長、そして打ち上げ担当(率先して呑む係)はおれ。

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2017年9月5日(火)その2972◆体力勝負

シャープにして繊細。正確にしてスピード抜群。
永らくパセオフラメンコのチーフデザイナーを務める大宮直人が、
所属のデザイン会社を円満退社し独立するという。
一瞬冷や汗もんだったが、フリーになってもパセオは継続ということでひと安心。
デザイン会社(ルヒア)ともうまくいってるだけに心境はやや微妙。
ルヒアの気のいい営業・武田くんや小倉編集長とともに、
明晩は大宮くんの独立を祝う呑み会。
中野北口あたりでその明るい船出を祝福したい。
おっとその前に16時より、新規協業プロジェクトの会合。
この世にうまい話などあるわきゃねーが、先方の話のクオリティによっては、
ちょっと忙しくなるかもだ。体力勝負の秋だな。

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2017年9月4日(月)その2971◆石井智子ライヴ!

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 石井智子を形容する言葉に「エレガンシア」がある。小松原庸子スペイン舞踊団のセンターで踊っていた時代は、大輪の白いバラが舞台で咲き誇るようだった。子育て期を経てもう一度走り出した彼女は、足しげくスペインに通い、かつ、精力的に作品を発表し始める。ディエゴ・カラスコと共演した「エル・コンパス」、モライート・チコとの「MAGIA」、「コローレス」、「ラ・ペテネーラ」、「ロルカ三部作」等々、まるで情熱が堰を切ったかのようだ。

 その多くの作品で新たな共演者と組む。熟練したベテランとも組み、新進気鋭の若手とも組む。ときにはフラメンコの原点のような素朴な踊りに興じ、ときにはコンパスだけを言語にした際どいせめぎ合いをし、日々生まれてくる新しい音楽・新しい振付が加わっていく。まるでフラメンコを習いたての人のように、柔軟でみずみずしい。だから、石井智子は変化し続ける。「石井智子? ああ、エレガンシアの人ね」と思っていたら、それは間違いではないけれども、大輪の花を咲かせながらも新しい枝葉を伸ばし、別な色の、別な花も咲かせているのが今の彼女だ。

 パセオフラメンコライヴは、普段の劇場公演ではプロデューサーであり、ディレクターでもある彼女が、素の踊り手になる貴重な機会だ。大劇場の隅から隅まで届くオーラ、一つのヌメロを形成する器量の大きさ、そしてフラメンコを丸ごと受け入れるような柔軟でみずみずしいかわいらしさ。そんな今の石井智子に会えるに違いない。

(月刊パセオフラメンコ2017年9月号より~若林作絵)
            
  
パセオフラメンコライヴVol.67
石井智子ソロライヴ
2017年9月7日(木)
【出演】
石井智子(バイレ)
中島朋子(ホタ)
石井智子スペイン舞踊団(バイレ)
 松本美緒/桑木麗/小木曽衣里子/清水真由美
 福田慶子/杉浦桃子/樋口万希子/角谷のどか
エミリオ・マジャ(ギター)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
井上泉(カンテ)
三木重人(ヴァイオリン)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/09/201797.php#005984
     
写真は前回パセオライヴの親子協演(撮影は小倉編集長)。
座席指定は数枚アリ、濃厚なプログラム内容は明日ご紹介!
        
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2017年9月4日(月)その2970◆すっぽかされちゃった

今来むと 言ひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるかな

よーするにすっぽかされちゃった歌なんだが、
かるた(百人一首)取りに凝った頃から、
妙に惹かれた素性法師の名作。
まあ、人間の機能上、センチメンタリズムにも
深くしぶとい救いはあるとゆーことで。
四季折々楽しみは多いけれど、やっぱり秋はいいねえ。

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2017年9月3日(日)その2969◆伝統と革新

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臨機応変。
NHKの英断がうれしい。

注目の藤井聡太四段と森内俊之九段(第十七代永世名人)の
好カードを、本日10時からライヴ中継する。
いつもはすべて録画対局だから、異例中の異例とも云うべき快挙。
全国数百万人の将棋ファンはテレビに釘付けである。

両者の作戦も勝敗の行方もまるで予測がつかない。
どちらが勝っても凄まじい好勝負となるだろう。
伝統と革新。どちらにも勝って欲しいが、
心の底ではやや森内名人寄りであることに気づく。

30分後にスタート。
ドキドキしてきた。

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2017年9月2日(土)その2968◆ダメ出し

ダーウィン『種の起源』は、
『主の機嫌』に左右される生き方にダメ出しする。

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2017年9月2日(土)その2967◆シレンシオ

これから原稿書いてがっつりブランチ。
午後からジェーと出社で重いコンダラ汗だく業務。
沈む夕陽とともに北口でどんちゃん騒ぎ。
楽しい土曜の試練塩的バランス。

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2017年9月1日(金)その2966◆惜しい

夏祭り去り
吹く風は秋
されど気分は春
惜しくもフトコロは冬
     
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2017年9月1日(金)その2965◆忖度

どんでん返しをでんぐり返しと
まつがえた大御所。
全員気がつかないふりをした。

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コメント
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しゃちょ日記バックナンバー/2017年08月

2017年08月01日 | しゃちょ日記

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2017年8月28日(月)その2959◆知恵と限界

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年寄りの知恵と限界。

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2017年8月27日(日)その2958◆おつかれ会

地元・中野のイケてる呑み屋、その1。

季節料理「第二力酒蔵」。
JR中野北口から歩いて三分。
近くにスタジオを構える大沼由紀ちゃんに教えてもらった。
メインは新鮮な魚だが、天ぷら、煮物などなど何食っても旨い。

ふぐ刺し・アワビなんかを調子こいてポカスカ頼めば福沢先生軽くふっ飛ぶ。
ところが、高いも安いも全体に上等な鮨屋ばりの鮮度&クオリティで、
低価格帯に小粋な肴がたくさんあるから、
懐具合に応じて呑み食いできるところがありがたい。
ひとり6千円ほどで庶民なりの美味しいゴージャス気分。
まあ月いっぺんがせいぜいだが、今日も仕事終えたら連れ合い連れて、
この夏のもろもろおつかれ癒し会。

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2017年8月26日(土)その2957◆遠足の極意

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望外の完全休養日。
     
わかってるよ、約束だからな。
午前中はこやつと家の裏手の桃園緑道めぐり。
古民家を改造したオープンカフェのチーズケーキが奴のお目当て。
わざわざジェーのために飲み水を用意してくれる親切なお店。
今日も暑そうだから日陰以外はだっこだな。
           
この一週間、五つのチョー濃厚ライヴでちょっと身体が固まり気味なので、
午後からは大江戸散策、東急・世田谷線沿線めぐり。
都電・荒川線と同じく、江戸近郊の懐かしい情緒の薫る東京散策の穴場。
ちんたら気ままにぶらつけばフシギと疲れが癒えてくる年寄りのプチ遠足。
おやつは三百円まで、ただしバナナとゆで卵はこれに含まない。
              
夕方から世田谷線の終点・三茶で、絶対スベらない
アルテイソレラの最新作『愛の果てに』。
日がなみっしり英気を養い、明日からみっちり本業復帰。

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2017年8月25日(金)その2956◆運の育て方

「運を育てる」

日本有数の勝負師たちが同じようなニュアンスを語る。
米長邦雄さん(元将棋名人)と色川武大さん(麻雀放浪記の作者)。
敬愛するお二人の著作や棋譜・雀譜を若いころから夢中で読み漁った。

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人には機嫌よく接したらいい、役に立つなら進んで助けたらいい、
いいところを褒めたらいい、奢られるより奢ったらいい・・・
えーーーーっ、お二人とも鬼のような勝負師なのに、そこなのかっ?

運というのは万人平等だが、より良い運を掴みたいならコツコツ運を育てればいい、
それらを暮らしの習慣にしてしまえば苦もなく運気は上昇する
(助けるから助けられる)というセンス。
種も仕掛けもない単純明快ギブ&テイクな確率論だが、
実は見返りも求めない飄々玄妙なる対人ディスタンス。

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2017年8月24日(木)その2955◆醒める間もなく

深く静かにすでに彼女は入っていて、声は掛けられない。
ライヴラストのソレア。
舞台に向かう通路からそれは始まっていた。
客席最後方から、フラメンコの化身とも云うべきその後ろ姿を見送る。
何年かぶりでみる萩原淳子は、歓ぶべき深化を遂げていた。
音と舞いと想いとが自然に溶け込み合う生理的・精神的快感。
非の打ちどころのない深い芸がしみじみ胸に沁みる。
昨晩はシリーズ初登場、満員御礼の萩原淳子ソロライヴ。
家路をたどりながら、ずっとそのディープな余韻に浸っていた。

そして、今宵はフラメンコロイド。
パセオライヴの連チャンはシリーズ開始以来初めて。
新人公演の夢から醒める間もなく、幸福な日々は続く。

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2017年8月23日(水)その2954◆萩原淳子ソロライヴ!

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本日20時・高円寺エスペランサ、
パセオフラメンコライヴVol.065
2010年ロンダ・コンクールで外国人として初優勝した
萩原淳子がいよいよ初登場!

萩原淳子(バイレ)
エミリオ・マジャ(ギター)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
マヌエル・タニェ(カンテ)
写真Ⓒアントニオ・ペレス

発売同時に座席指定ソールドアウト、立ち見席(←座れる)若干あり、
17時までに☎03-3383-0246までお問い合わせを!

パセオ忘備録担当は新田陽子、フロントは吉野理子、
バックと撮影は小倉編集長、ヒマそーな老いぼれ雑用係がおれ、
それではのちほどエスペランサでお会いしましょう!

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2017年8月22日(火)その2953◆ファンダンゴ・デ・ウェルバ

だんご愛好家のことをファン団子と呼ぶことにしますた。
なので腹がへったらファン団子飢えるば、となりまふ。

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2017年8月22日(火)その2952◆愛の果てに

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世界に誇る国際レベルのクオリティ。
天まで届かんばかりの鍵田真由美の舞踊性、
そして佐藤浩希の構成演出力。
その新作はオルフェウス神話に題材をとる『愛の果てに』。
映画『黒いオルフェ』が典型だが、その解釈は無限である。
果たして天才ヒロキはどんな行方を選ぶのだろう?

完全休暇をとって土曜初演に出掛ける。
開演は18時なので、午後から都電の次に好きな東急世田谷線
(終点に公演会場キャロットタワー!)を満喫する段取り。

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2017年8月21日(月)その2951◆ウソップその3

イソップ物語はバリエーションが豊富で奥が深い。
 働き者のアリが近ごろの暮らし向きを尋ねると、
    道楽者のキリギリスはこう答えた。
      「わりとギリギリっす」

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2017年8月21日(月)その2950◆実話

びっくりしたお相撲さんが
  ドヒョーと叫んだ。
おおっ、見上げたプロ根性
  土俵に懸ける執念!

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(↑ 38年前の実話の事件現場)

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2017年8月20日(日)その2949◆祭りのあと

三日間の新人公演も先ほど無事終了。
みなさま、ほんとうにおつかれさまでした。
例年同様、実にファンタスティックな三日間だったね。

会場からエッチラ歩き(15分)、いま家に到着したところ。
連れ合いは選考委員で遅くなるので、ジェーの当番は私。
これから散歩に出掛け、遅い晩めしをいっしょに食う。
選考委員会はこれからまたひと勝負、あともうちょい頑張ってね!

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2017年8月20日(日)その2948◆受ける青春

「受ける青春」

23歳でビッグタイトル〝王将〟を獲得した中村修九段。
こんなキャッチフレーズで一世を風靡した。
あれからもう三十年経つのか。

久々にのんびりする日曜朝はNHK将棋トーナメント。
強豪・行方尚史(なめかた・ひさし)八段を相手に、
精緻かつ文学的なギリギリ受け将棋で、手に汗握る波乱万丈の勝利。

受けるだけでは、あるいは攻めるだけでも、
勝利することが出来ないのは将棋も人生も一緒。
攻めと受けのバランス、そしてメリハリこそが真の個性と云うべきものだろう。
攻めが強くなければ受け将棋は成立しないのだ。

無理くり云うならフラメンコもまた同様だろう。
押したり引いたり協演者・裏方・観客との一期一会のライヴ・コミュニケーション。
稽古不足を幕は待たない、フラメンコはいつでも初舞台。

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2017年8月20日(日)その2947◆永続の理由

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夏の甲子園に例えられるフラメンコ界最大のお祭り、今日はその最終日。

二日間観てびっくりするのは全体水準の高さ。
この人に賞をあげたい!!!
そんな出演者が、私の中ですでに20組を超えている。
うれし過ぎる悲鳴の中、奨励賞選考委員の皆さんのプレッシャーを想うと
冷や汗が吹き出す。
試されるのは己自身なのである。

迎えて26回目となる日本フラメンコ協会新人公演。
パセオライヴ出演者の多くもこの新人公演出身者であり、
出演者のファイアーをどれだけ記憶に叩き込めるかが私にとっての勝負となる。
近年では徳永兄弟、本間静香、土方健人などがここから生まれたお宝だった。

一方、今回ほとんど二階席から観ているのだが、
改めて感じ入るのは多彩でファンタスティックな照明の美しさである。
「コンクール」ならば等しく平板なベタ照明なのだが、
「公演」だからこそ満員の観客を楽しませる視点を重視できる。
「新人公演って何?」という問いには、
「新人公演は新人公演」と答えたい。
そのブレないアイデンティティこそが永続する理由であるだろう。

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2017年8月19日(土)その2946◆相合傘

新人公演の中日土曜の終演後は、中野五差路で
恒例のパセオライター有志(総勢八人)呑み会。
会場を出ると雨降りの最中だったので、
べっぴんライターさんと相合傘でいちゃいちゃ移動。
こーゆーこともあるからして、
私の中で傘を持ち歩かない主義が無意識に確立されたことに気づく。

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みんなまあ快活に、よく呑みよく喋る。
書けないこともたくさんあるからなあ。
いつもいつもおつかれさん。
今宵もまた、みんなの本音が聞けて超ラッキー!

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2017年8月19日(土)その2945◆ウソップその2

  まじめな働き者かと思いきや、
案外そうでもなかった男の悲哀が身に
  つまされるイソップ人気作。

   『わりとキリギリス』

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2017年8月18日(金)その2944◆ウソップ

  どこか日本風で、
   イソップでは
 このお話がイチバン好き。

    金の斧
    銀の斧
    ふつーの小野

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2017年8月18日(金)その2943◆今日から新人公演!

「何やってんだー、金払ってるんだぞー!」
「この野郎、いつまで待たせるんだっ!」
「ばかやろー、早くしろおっ!」
          
1991年夏にスタートしたフラメンコ協会新人公演。
あの頃は開催会場を転々としていた。
当時の運営主要メンバーは四人で、みな血気盛んで若かった。
60代/赤木知雅(元国会議員秘書の大物舞台監督/現場の大将)
50代/佐伯泰英(いまや超売れっ子人気作家/チーフディレクター)
40代/田代淳(ご存知、協会事務局長/総仕切りプロデューサー)
30代/おれ(鼻たれ小僧/事件解決係と広報・渉外担当)

何度か目の新人公演、会場は都市センターホールだったか。
炎天下の混乱を避けるために行列整理に乗り出す。
開場前の入口付近はすでに数百名の来場者で芋洗い状態。
リハが長引き開場10分押しとの伝令を受け、
炎天下の行列の両脇を平謝りしながら独り走り回るが、
若きトムタルーズめがけ冒頭の如き強烈な怒号罵倒が飛び交う。
まあ、あの狂うような暑さじゃ無理もねえ。
詫びる一手の1時間マラソンで3キロは痩せたな。
ズボンがずり落ちそうになったのを覚えてる。

現在の会場・中野ZEROは、行列を建物内に吸収できるのがうれしい。   
てなわけで、今日から丸々三日間、フラメンコ界夏の風物詩『新人公演』!
では皆さま、のちほど会場パセオブースでお会いしましょう!

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2017年8月17日(木)その2942◆フラメンコロイドの夏

 ここ最近、僕は今一番観るべきライヴバンドとして、フラメンコロイドをいち押ししている。
 ギターがうまい、歌がうまい、個性がある。フラメンコロイドを結成する前から、すでに業界では一目置かれていた3人のアーティストのことだ。そんな人たちが、足掛け5年以上も全国行脚をやり続けている。1年続けるのだって大変なのに、なんというアーティスト魂!!
 フラメンコロイドは新しい。ファッショナブルで都会的かつ現代的な感性は見た目からも伝わってくるが、楽曲がとにかく爽やかな新鮮さを放っている。松村さんのギターが、とにかく巧い! 観るたびに、聴くたびに、いつも感激している。またロイドは、気がついたら素晴らしいパーカッションまで駆使したサウンドになっている。叩くのはあべさんだ。あれ、歌い手じゃなかったっけ?? そう、あの歌い手のあべさんが叩いているのだ。裏返せば、歌い手にもこれほどのリズム感、ひいてはコンパス感が宿ることを教えてくれる。そしていよいよその個性が花ひらき始めた愛夜さんのカンテ。愛夜さんのカンテは、ぜひ近くで聴いてほしい。じわじわとその良さが身体に入ってくることだろう。
 この5年を超えるツアー生活がロイドに与えた深みはゆるぎないものだ。どっしりと腰を据え、観客と真っ向から対峙し、人を楽しませ続ける気迫がある。明るく朗らかな雰囲気の向こう側には、そんな芸事の厚みを感じずにはいられないのだ。

 (月刊パセオフラメンコ2017年8月号より/小倉泉弥)

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2017年8月24日(木)
パセオフラメンコライヴVol.66
フラメンコロイド ライヴ
松村哲志(ギター)
あべ まこと(カンテ)
高橋愛夜(カンテ)
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/08/_2017824.php#005983
(座席指定、予約受付中!)

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2017年8月17日(木)その2941◆萩原淳子ソロライヴ

「普遍的な怒りを一手に引き受け、それを光ある歓びに浄化して行くダイナミズム」
 5年前、初めて観た萩原淳子のソレアの強烈な印象。努力と信念の人だ。15歳でフラメンコギターに衝撃を受け、学生時代からフラメンコを始めた。2010年ロンダのコンクールで外国人として初優勝した遅咲きの華はどっしりと地下に根を張っていくタイプ。
「重要なことは歌やギターが聴こえてくる時に、自分自身の心も身体も感性もそれらを受け入れる状態に100%なっていること。踊る前のある時間で、その状態になるように集中する。例えるならラジオの局をチューニングする感じ。その〝チューニング〟さえできれば、あとは舞台の上で聴くだけ。そこから出た踊りだからこそ、お客様に伝わるものがあるのだと思います」
 セビージャに住み、現地の薫りを濃厚に纏う。教授活動やライヴのための日本との往復、また写真家であり夫君であるアントニオ・ペレス氏との撮影旅行等、超ハードスケジュールを割いてようやく実現したパセオソロライヴ。
「彼の地にはお金では買えないフラメンコというものが確実にあり、それを肌で感じながら吸収することによって、目と耳・感受性・フラメンコ独特の呼吸・キャッチするアンテナみたいなものが自分の中に培われています。それが自分のフラメンコの土台」
 迷いの無い骨太のフラメンコは風格を増し、吹っ飛ばされそうになる。フラメンコはこうでなければ!
      (月刊パセオフラメンコ2017年8月号より/井口由美子)

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2017年8月23日(水)
パセオフラメンコライヴVol.65
萩原淳子ソロライヴ

萩原淳子(バイレ)
エミリオ・マジャ(ギター)
マヌエル・タニェ(カンテ)
マヌエル・デ・ラ・マレーナ(カンテ)
写真Ⓒアントニオ・ペレス
http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/08/post_117.php#006009
※予約開始日に座席指定ソールドアウト、立ち見席(←座れる)若干あり

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2017年8月16日(水)その2940◆秘密の仕組み

「スペイン人の体内リズム」って一体どうなってんの?
 そのあんまりの違いに愕然と泣く。

 お前さんにはコンパスが無いと、スペイン人アーティストから馬鹿にされ続けた日本人が、その屈辱とコンプレックスをバネに開発したフラメンコ専用メトロノーム。発明者であるギタリスト原田和彦の鬼の執念は実り、いまではあのベレン・マジャやロシオ・モリーナ、そしてトマティートたちも日常的に愛用するに至り、世界初の特許も取得した。

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「スペイン人にこれは作れない、ハラダだから出来たのよ」とベレンは絶賛するが、外国人だからこそ出来ることがある。フラメンコ特有の神秘的なうねりを発生させるコンパス。その仕組みを科学的に解明し、日常的なリズム上達のために実用化したのがこのメトロノーム。いまフラメンコ界でいちばん売れているCD『聞くだけフラメンコ』(8/22にその第六弾リリース!)もその延長線上に生まれた。

 原田博士の快挙に注目したこのパセオ講座の目的は(パセオ本誌でもいよいよ連載スタート)、その理論をシンプルに現場的に理解すること。あとはメトロノームと聞くだけCD併用で、迷わずコンパス強化のトレーニングに集中するだけ。ほんの少しのインスピレーションと飽くなき反復練習が理解上達を推進する。てなわけで来週金曜は、原田博士直伝のおひとり様歓迎のボーダーレス講座を開催。難解そうな部分は、すかさずMCパセオ小倉編集長と私(雑用係)が鋭く突っ込み平たく理解する。百聞は一見に如かず!

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★原田和彦レクチャー「もうコンパスが無いなんて言わせない!」
日時◆8月25日(金)19時30分~21時(19時開場)
対象◆バイレ・カンテ・ギター・観る聴く専門の初級者からプロまで
講師◆原田和彦(ギター)/ほか
受講料◆90分/3,000円(当日受付にて)
定員◆20名程度 ※独習のための録音可
会場◆スタジオ・アルソル(中野区と杉並区の境界線上にある 笑)
※丸の内線「東高円寺」徒歩6分、JR・東西線「中野駅」徒歩10分。
 2階フラメンコ協会で3階パセオ編集部、その1階がスタジオ。
予約◆ ☎03-6382-4611 paseshop@paseo-flamenco.com(お名前・お電話番号を明記)。
 なお次回講座は11月24日(金) 

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2017年8月15日(火)その2939◆青い鳥

四六時中とまではゆかぬまでも
そこはかとなく機嫌のいい人
男も女もそこじゃないかと想う

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2017年8月14日(月)その2938◆トリスな気分

金曜の協会新人公演を皮切りに、
九日間で七イベント(10月号締切のおまけ付)という濃厚な熱風を前に、
今宵はこんな気分で寛ぎたい。

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2017年8月13日(日)その2937◆マイブーム

田口久人さん(=© hisatotaguchi)の詩にふんふん感心しながら、
目覚めの朝湯なんかで彼の作品と語らい合うのが近ごろのマイブーム(←不気味)。
机上ではなく現場でひと通りやってきたアクション派に共通する
リアリティと決断が深く鋭くおもしろい。

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コレ(信じればいい)なんか、ラストの「すべてを可能にする」には若干引くけど、
納得ずくで死んでゆくためには、このスタンスは相当に有力だと想うな。
グチや云い訳とは無縁に、何が起きても因果応報・自業自得と笑える、
案外と涼しい世渡り戦略。

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2017年8月13日(日)その2936◆鬼が笑う

来年夏には当初目標の100本に達することに気づいてびっくり。
その先どうするか?
年内にはしっかり結論を出すつもり。

2018年パセオフラメンコライヴ
077 01/11(木)藤井かおる&ブラシェ小夜音(踊り)
078 01/17(水)稲田進(踊り)
079 01/25(木)エル・プラテアオ(歌)
080 02/08(木)小林伴子(踊り/カスタネット)
081 02/14(水)青木愛子&ヴォダルツ・クララ(踊り)
082 03/08(木)大渕博光(歌)
083 03/21(水)松下幸恵(踊り)
084 03/22(木)高野美智子(踊り)
085 04/12(木)石塚隆充(歌)
086 04/18(水)屋良有子(踊り)
087 04/26(木)渡部純子(踊り)
088 05/10(木)鈴木眞澄(踊り/歌)
089 05/16(水)森田志保(踊り)
090 05/24(木)川島桂子(歌)
091 05/30(水)未定
092 06/14(木)大沼由紀(踊り)
093 06/20(水)鈴木舞(踊り)
094 06/28(木)エンリケ坂井(ギター/歌)
095 07/12(木)鈴木敬子(踊り)
096 07/18(水)未定
097 07/26(木)野口杏梨(ピアノ)
098 08/09(木)井上圭子(踊り)

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2017年8月12日(土)その2935◆すれ違い惹かれ合う

ああ、なるほどねえ。
分かったところで手遅れなことばかりだが、
知らないままでいるよりはいいのは、
相手に対するマイナスイメージが多少は緩和されるから。
けれども、分かったところで互いにそうは変わらないだろう。
そのすれ違いこそが惹かれ合う理由のひとつでもあるわけだから。

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2017年8月12日(土)その2934◆時間旅行

きのうもそうだが、タイムトラベルする夢を最近よく見る。
過去に遡ることが多いが、稀に未来ものも見る。
とんだ騒動に巻き込まれたり、あるいは自ら騒動を巻き起こすドタバタものが多い。
なので、ジャンル的には〝タイムトラブル〟と呼ぶべきかもしれない。

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2017年8月11日(金)その2933◆自分でレイアウト

ジタバタする青春、懐かしい感触。
人も仕事も遊びも、誰だって相性というのはある。
自分の居場所を自分でレイアウトできる時代。

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2017年8月10日(木)その2932◆舞姫

「現在は過去と未来との間に画した一線である。
 この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである」(森鷗外)

ヴィジョンがどうあれ、眼前の現実、
つまりプロセスそのものを重視しない暮らしは着実に心身を腐らせる。
鷗外は医師だったから、身体生理学には殊に敏感だったのだろう。
マエストロのこんなバランス感覚にピンと来たころから、
開き直りの世渡りが板につき、あまり肩が凝らなくなった。

パセオフラメンコ創刊のちょうど百年前の1884年、
現・東大医学部を卒業した鷗外は、陸軍の派遣留学生としてドイツに赴任する。
有名な『舞姫』(映画は郷ひろみ主演)はこの頃の実体験に基づく。
19世紀後半はカフェ・カンタンテも盛んだったから、
もしも鷗外がスペインに渡っていたなら、
舞姫のヒロインはバイラオーラだった可能性もある(!)。
鷗外ならばフラメンコの本質的魅力を、きっと一発で見抜いたに違いない。
惜しいなあ、ホント惜しい。

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2017年8月9日(水)その2931◆ケント初登場!

明日木曜20時、ウワサのケント初登場!
ちょっとワクワクするよねえ。
忘備録(&本誌用撮影)は小倉編集長、
フロントは最近めっきり艶っぽくなったライター若林作絵、
バックと火の用心と用心棒はおれ。

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パセオフラメンコライヴVol.064
土方 憲人 ソロライヴ
2017年8月10日(木)20時開演
会場:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
出演:        
土方 憲人(バイレ)
松田 知也(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
織田 洋美(カンテ)
斎藤 誠(ギター)

演目:
1. Martinete
2. Malagueña
3. Caña
4. Alegrías
5. Guajira
6. Tarantos
7. Fin de fiesta

座席指定、若干あり
予約:(セルバ)☎03-3383-0246/(エスペランサ)☎03-3316-9493

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2017年8月8日(火)その2930◆云うまでもなく

わずか三ヶ月でシンプルでわかり易いパセオ向きの経理システムを創り上げた、
この春入社したばかりの経理担当マリちゃん。
今宵はこれから新宿KOプラザにて、彼女の歓迎会だ。

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総勢七名で出掛けるが、パセオ会長(田代の淳ちゃん)のおごりなので、
今宵は各員存分にハメを外すべし!
尚、云うまでもないが、おれのおごりの場合は、
各員慎みと奥ゆかしさと忖度などなどを肝に銘ずべし!

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2017年8月8日(火)その2929◆世間的価値
        
いろいろやったがバイトの稼ぎはよかった。

現場の意図を掴み、第一に正確さ、第二にスピードを心掛ければ、
高校大学の授業や将棋麻雀なんかよりずっと簡単で、
しかもそのライヴな手応えや充実感が妙にうれしかった。
自主練(作業技術の予習復習)もバリバリやって、
時給も面白いように上がってゆく。
毎日機嫌よく働きさえすれば、そこそこ食えて、
そこそこ仲間と楽しくやってける。
机上の学びより現場の学びが性に合ってた。
将来に対する不安がなかったのはそのせいだろう。
ゆえに世渡りをナメてたフシもある。

絶対受かると思っていたレコード会社(ソニーとビクター)に
一次試験(論文と集団面接)ですんなり落っこちて、
井の中の蛙、そこで初めて世間的な自分の価値を思い知った。
そこから自分の居場所(フラメンコの出版)を見つけるまでの五年間
(無謀な独立や駆け落ち婚含む)のドタバタ喜劇は鮮明に覚えていて、
その記憶が案外、今でも暮らしのテコになってくれる。

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2017年8月7日(月)その2928◆精神年齢

久しぶりに遺言を書き直すので、葬儀の写真を選んでる。
これなんか、いいんじゃねーの、行年62だけど気分は17だし。

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2017年8月7日(月)その2927◆今週木曜は土方憲人!

 思い起こすと2年前の新人公演、必死にメモをとりながら見ていた私の手を止めた踊り、それが土方憲人さんでした。数少ない男性というだけでなく、彼が放つ光や熱はハッとするだけではなく叫び出したくなる衝動に突き動かされる何かを感じました。

 終わると同時にメモしたものを今読み返すと、当時感じた衝撃と混乱も蘇ります。「優雅さ、粗暴さ、叫びたい衝動、静と動の対比、なんだ こりゃ。」最後には「切れている」と殴り書き(笑)。
女性陣がほとんどの中で数少ない男性踊り手というだけでも注目に値するのに、彼の放った鮮烈なエネルギーは確かに会場の空気をかき乱し温度を上げ、そこかしこでため息をつかせたのは確かです。一言で言い切れない多様性を持っている踊り手でしょう。

 奨励賞受賞に際しての言葉の中に「刺激を受けるのは"目指しているものが見える人"です。それがフラメンコ性の追究でも、モデルノでも、関係ありません。アートは虚栄心で歌ったり踊ったりするものではないですから。自分のよいところを知り、目指すものに向かう人は、魅力的です。」とあります。この時点で既にプロとしての高い意識とご自身の中にぶれない芯を持っていられます。それ故その後の怪我とそこからの復帰を経て、どう進化してきたのか、この1時間のリサイタルの中で見てみたいのです。 

 パセオライヴにあって、きらりと光る男性踊り手の回は大いに注目したいところ。その目で、五感で、熱と光と土方さんの目指す地平の先を感じようではありませんか。

       (月刊パセオフラメンコ2017年8月号~石井拓人)

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パセオフラメンコライヴVol.064
土方 憲人 ソロライヴ
2017年8月10日(木)20時開演
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
出演:
土方 憲人(バイレ)
松田 知也(バイレ)
ディエゴ・ゴメス(カンテ)
織田 洋美(カンテ)
斎藤 誠(ギター)
予約:
昼(セルバ)☎03-3383-0246
夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

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2017年8月6日(日)その2926◆祭りと冷や水

タイム・イズ・アレグリア。
前倒しで時を稼ぐ。
これからパセオで10月号デザイン入稿。
15時終了目標で、そのあとは自由時間。
八月後半は主催・取材が七本あるので、体力は温存気味に。
とか何とか云いつつ、つまりは全開しちまうのが
フラメンコの性とゆーか宿命とゆーか。
今宵もそーゆーお仲間たちとわいわい呑む。
人生は祭りだ(リルケ)という一面の真実を無理くり拡大する年寄りの冷や水。

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2017年8月6日(日)その2925◆斬り合い

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ダガンダダカダンッ ダガンダダカダンッ
ターミネーターのような不気味さで、執拗に攻めてくる。

ネット上に無料公開されている、
総合力的にアマ四段程度のコンピュータ将棋ソフト。
人間的な美学は皆無であり、勝利することだけに目的を絞り込み、
容赦なく鋭い狙いを貫通させようとする。
作戦的にこちらが優位を築いても、
表面的にはちょっとトボけたような、実際には絶え間なく逆転を狙う
一連の指し手のその強烈極まりない意図に気づかないでいると、
いとも簡単にひっくり返される。

コンピュータを上回るスピードで攻め潰すか、
あるいは徹底的に受け潰すか。
私程度の実力ではその二択しかなく、
どっちつかずの対応をしていると必ず逆転を許すことになる。
なりふり構わぬ凶暴なその攻撃に対し、
先手を取りながら徹底的に受け潰す方が勝率は高いのだが、
リスク承知で攻め合い一手勝ちを見切る(たいへん疲れる)ほうが、
遥か本筋のように感じるし、勝っても負けてもそれこそが
老境の私が将棋を指す意味(ボケ防止)なんじゃないかと、
ヘボなりに斬り合いギリギリ勝ちの一手を探す。

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2017年8月5日(土)その2924◆ギブ&テイク

 

平日は連れ合いのスタジオで番犬を務める。
基本週末は家で留守番だが、土日どちらかは
パコ・デ・ルシアのがんがん響くパセオ編集部で過ごす。

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すでに十五年あまり毎日フラメンコな環境に暮らすジェー。
今日もこのあとパセオに出勤し私の仕事を手伝う。
彼の仕事内容は、訪問者に吠えまくる、昼寝、屋上に行こうとせがむ、
昼寝、おやつをくれとせがむ、昼寝、散歩に行こうとせがむ、
昼寝、訪問者を撃退すべく入口あたりで待ち構える、
昼寝、早く仕事をすませて例の桃園緑道オープンカフェ
(チーズケーキ狙い)に行こうとせがむ等々、
なかなかバリエーション(ロンド形式)に富んでいる。

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2017年8月4日(金)その2923◆どちらでもいい

驚いたな、どんぴしゃだよ。
凄い人がいるもんだ。

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2017年8月3日(木)その2922◆自我自賛

「自我自賛」。
リビドー(快感を求めるエネルギーの源)や
超自我(良心の源)をバランスするのが自我(人格)。
表題は自我を自画自賛することで、
それが老齢男性の場合は「自我爺さん」と呼ぶ。

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2017年8月3日(木)その2921◆刻む幸運

昨晩の内藤信ギターソロライヴの美しい余韻が、
静寂の朝湯に響く。            
それにしてもラストスパートの二曲、ソレアとタランタは絶品だったな。
ソレアは十年前の新人公演ぶっち切り奨励賞受賞曲。
ハートを骨折することも多いパセオライヴだが、
こういう快感を全身に刻める幸運が本線に在る。
清濁すべてをセットで捉えるセンスは、
もっともっと鍛えていいのじゃないか。

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さて、ついでに楽屋オチをひとつ。
配布するプログラムには「曲目未定」。
パセオ11月号忘備録の執筆係なので、
リハを終えた内藤に演目を確認しメモをとる。
しばらくして、二階の楽屋から降りてきた凄腕ギタリストは、
開場を準備する私にこう尋ねた。
「すいません小山さん、曲順忘れちゃったんで、さっきのメモ見せてもらえます?」

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2017年8月2日(水)その2920◆サタディ内藤フィーバー

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水曜だとゆーのに、サタディ内藤フィーバー!である。
           
七時間フル睡眠、体調万全、
今宵は内藤信(まこと)のフラメンコギターソロライヴ。
座席指定はまだオッケー。フロントは御子柴明子、バックと撮影は小倉編集長、
ドアボーイと忘備録担当(パセオ11月号)はおれ。

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2017年8月1日(火)その2919◆ESTE AMOR

君が 見えなくなる
僕は 息できない

  (ESTE AMOR/OHBUCHI Hiromitsu『蒼い予感』より)

視界がかすむ、息ができない。
大好きな女性と別れることになって、呼吸困難となった遠い昔の記憶。
その瞬間をもろに想起させる歌に出逢ったのが11年前。
強烈な魅力のシンガーソングライターは、フラメンコの歌い手でもあった。
2006年キングレコードからメジャーCDデビュー。
この歌が大ヒットしなかったら日本の音楽シーンはだめだと思ったが、
ヒットしなかった。案の定、日本の音楽シーンはだめになってる。
時の運には抗し難し。
だが、感傷はやがて芯のあるバネと成る。
つまりは今、そしてこれからだ。

熱狂の平松加奈ソロライヴの打ち上げで、
協演者である彼と初めて話らしい話をした。
と云ってもほんの三分くらいだったと思うが、
へべれけの私の本音をぶつけた。
ヌメロにこだわる必要はないよ、
ギター一本でやりたいようにやって欲しいんだ、
あんたの歌そのものがフラメンコなんだから。
ダメ元の依頼だったが、その五日後に届いた返信は吉だった。

2018年3月8日(木)20時 於:高円寺エスペランサ
パセオフラメンコライヴVol.82『大渕博光ソロライヴ』

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何年経っても色褪せない。あらゆる部分、あらゆる細部が核そのものであるという、寄せ集めではない広がり。アルバムはかく在りたい。

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コメント
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しゃちょ日記バックナンバー/2017年07月

2017年07月01日 | しゃちょ日記

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2017年7月23日(日)その2907◆平松加奈ソロライヴ

オリジナルフラメンコ満載、世界を股にかけて活躍する
ヴァイオリン・ヴィルトゥオーゾ加奈ちゃんの
意欲的なプログラム構成に大感激っ!!!
さまざまなジャンルに的確に反応しながら、柔らかに
あるいは鋭く踏み込むセンスを観逃す聴き逃す手はない。
殊にフラメンコには絶対的な相性を感じる。
アルバロ讃歌と大好きな『映画ひまわり~平松バージョン』の選曲にも感謝!!

1. El Vito canción tradicional de Córdoba
2. Tangos compositora Kana
3. Alegrias compositora Kana
4. Los Girasoles(ひまわり)compositor Henry Mancini
5. La vida breve compositor Manuel de Falla
6. Milagro (アギラール デ ヘレスに捧ぐ)compositora Kana
7. Kiri-te compositora Kana

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パセオフラメンコライヴVol.062
平松 加奈 ヴァイオリン ソロライヴ
2017年7月26日(水)20時開演(21時10分終演予定)
於:高円寺エスペランサ
主催:月刊パセオフラメンコ&エスペランサ
出演:       
平松 加奈(ヴァイオリン)
大渕 博光(カンテ)
柴田 亮太郎(ギター)
海沼 正利(パーカッション)
電話予約:昼☎03-3383-0246/夜☎03-3316-9493
      
忘備録執筆は石井拓人(パセオ10月号)、フロントは御子柴明子、バックは小倉編集長、
照明は田代淳、フロア監督は渡邉悦子、雑用係はおれ。

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2017年7月22日(土)その2906◆上野のお寺

来春、父の他界した年齢に達する。
温厚で誠実な彼の流儀は引き継げなかったが、
彼の愛したアートにはどっぷり浸かって来れたから、
いまだ問題児なおれにしては上出来じゃないかと想いたい。

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父のよく口ずさんだ西欧ロマン派音楽と古賀メロディ(昭和初期の浪漫派歌謡)は、
この頃から叩き込まれた可能性が高い。
昭和32年ころの江戸川区小松川(小松菜やおれの原産地)で、大きいほうが父。

道楽を生業とすることを彼は私に望んだ。
経済的な理由から絵描きの道を断念し12歳で職人修業に出た父は、
そのやるせない無念を何らかの形で開放したかったのだろう。
晩年は古賀メロディを弾く私のギターを好んで聴いた。

昨晩はエンリケ坂井のカンテ奥の細道講座、あす昼は石塚隆充のカンテ入門講座、
これから2018パセオライヴのスケジューリングをさくさく片づけ、
日暮里の羽二重団子とセブンスターを土産に、
久しぶりに彼の眠る上野の寺へと出掛ける段取り。

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2017年7月21日(金)その2905◆マーチの名残り

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「シューベルトの軍隊行進曲だよ」

通い始めた小学校の朝礼の音楽を口ずさみ、
この曲なーに?と聞くとそう答える父。
週にいっぺん通う駅前の銀行にいつも流れているのがこのメロディだ。
ピアノトリオによるゆっくり目のジャズバラード風アレンジで、
しかも三拍子である。
原曲のあの勇ましいニ拍子マーチだと、
機械操作がかえってギクシャクしそうだから、
そこらへんへの配慮かと想われる。

だが、最近のことはともかく昔のことだけはよく憶えてる私の脳裏には、
タッタカタータ、タッタカタータ、タッタタッタ、
タッタカタータ、タ・タ・タ・タンッ♪~という
あの懐かしい軍靴の響きが原曲通りビシバシこだまし、
ピシッと姿勢が良くなる分だけ操作ミスが増える(汗)

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2017年7月20日(木)その2904◆時間旅行

創刊34年目となる9月号(8/20発売)を先ほど入稿。
ライバルもいない月刊フラメンコ専門誌の、
張り合いのない世界最長記録の更新である。
34年という歳月は、平和な浦島世代にはアッという間にも感じられる。
一方で激動の時代の同じ34年間というのは、
ひたむきで濃密な人間模様を感じさせてくれる。

江戸時代の終わる明治元年(1868年)からの34年間には欧米列強の侵略に備え、
良くも悪くも日本の国家体制・経済・文化は大きく様変わりする。
さらに太平洋戦争に突入する昭和16年の34年後(昭和50年/1975年)、
食うや食わずの敗戦の荒廃から立ち直った日本は奇跡的な経済成長を遂げる。
そうしたスーパーコントラストな34年間を、
当時の人々はどんな想いで生き抜いてきたのだろう。
     
ところで、もしも仮に34年前(1984年)に遡り、
当時の私(28歳)に出喰わすことになったとしたら、
若い彼に対し老いた私(62歳)はどう対処すべきであろうか?
下手な助言でその後の歴史を変えてしまえば、時間旅行ライセンス剥奪の上、
時間管理局から重い処罰を喰らうだろう。
だが時すでに遅し、私を未来の自分と察した彼はつかつか歩み寄り、
いきなりこう問い掛けてくる。

「俺はあんたの歳まで永生きできるのか?」
短命承知で飛び込んだ世界なのに、目の前には自分らしき老人がいる。
「さあ、そりゃどうかな」
老人が曖昧にそう答えたのは、無鉄砲と生意気だけで
世渡りしてきた彼がヘタに楽観すれば、
即座に享楽のドン底へと一直線に転落することが目に見えているからだ。
生きるか死ぬかの緊張感で突っ走り続けない限りお前は自滅し、
その連鎖から未来の俺も消滅するだろう。
ほんとうは地味で辛口なアドバイスをしたいのだが、上手いセリフが思いつかない。
こりゃいかん、ヘタ云えば未来が妙にねじれてしまう、長居は無用だ。
素早く奴の左アゴに右フックを喰らわせ、一目散にタイムマシンへ乗り込む。

未来の自分にいきなり殴られた彼の頭の中は
「?????」でいっぱいのはずである。
理由を解明したいところだろうが、慣れない出版で忙し過ぎる日常が
そんな時間は与えてはくれないはずだ。
そう、これまで通り迷わず失敗の海を泳ぎ続ければ、それでいいんだ。
やれやれ、タイムスリップはもう懲りごりだな。
改善するのは未来に続く今日一日、いま現在だけでいい。

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2017年7月19日(水)その2903◆帽子の所有者

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『さまよえるオランダ人』。
    
年代的にみて父の愛聴盤はこれ(フリッチャイの1952年録音)ではなかったか。
ヨーロッパの浪漫派クラシックと母国の古賀メロディを等しく愛した彼は、
ワグナーのこの名曲をよく口ずさんだ。
そんなんでオランダは、当時アメリカしか知らなかった私が二番目に知った外国。

チューリップと風車、安楽死、合法売春、同性婚、ワークシェア、
自転車通勤と路面電車、バッハ演奏の本流などなど、
人々の本音を合理で解明し、次から次へとゴリゴリ推進するオランダ文化。
アメリカン軽チャーや腐れ朱子学に幻惑され
グズグズ決断しない私たち日本人には驚きが多い。

倹約好きでメシが不味いことでも知られるオランダの合理思考には、
人工知能との共通点を感じることも多い。
「合理か、美学か?」それはAI社会における最大の争点となるだろう。
すでに囲碁や将棋の世界ではその凄絶な葛藤が始まっており、
びっくり仰天の新旧攻防は上質なSF映画(例えばターミネーター)ばりに面白い。

何故かふと、いかに優秀な人工知能でも発想できぬであろう
格調高きインターナショナル小噺が脳裏を走り、
このウザい話のケツを取る。
「この帽子、ドイツんだ?」
「オラんだ」  

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2017年7月18日(火)その2902◆一丁上がり

落語(歴56年)
将棋(歴51年)
バッハ(歴47年)
フラメンコ(歴46年)

自他ともに認める飽きっぽい性格なのに、フシギとよく続いてる。
「伝統と革新がせめぎ合う世界」という共通項はある。
どれも今のショーバイには必須科目だから、
案外無意識にバランスしてた可能性もある。
仏教・キリスト・イスラムが隠し味になってることに今気づいた。
流行に鈍感だと、例えばこーゆーKYが一丁上がるわけか。

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2017年7月17日(月)その2901◆リスクの先

「安全そうに見えるルートが最も危ない」

安全に勝てる勝負など有りやしない。
将棋のプロ棋士を志したころ、骨身に染みた勝負の心得。
まさかそれが世渡りの方程式でもあったとは当時知る由もない。
誤った過保護が若者を骨抜きにする日本にあって、
勝負事と人生とは別物だと捉えていたし、
逆説的なこの方程式の深淵が実感とともにわかって来るのは五十過ぎである。
三年目となるパセオライヴの生命の躍動がそこにさらに拍車をかける。

危険そうに見えるルートについて、漠然とではなく具体的に
何が危険であるのかをとことん突き詰めようとする意志と正確な読み。
連勝ストップ後の第一戦ではそんな特性が中終盤の局面に顕著に現れていた。
保険を掛けない藤井聡太四段が勝負しているのは対戦相手ではなく、
ついつい安楽に陥りそうになる自分自身だ。
泣いて悔しがるズタズタな傷跡からしか生まれ得ない、
薄氷のリスクを読み切る確かな希望と技術。

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2017年7月16日(日)その2900◆うなぎ登り

「石塚さんて素敵な歌い手さんね。わたしもっと聴きたかったわ」

初代ミス・キャンパス(エリー)は開口一番そう云った。
先月の高校同級・四季の呑み会。
例のゴールデン帯でのテレビ出演で『ボラーレ』を熱唱したタカミツに、
いい歳のエリーはすっかりヤラれたらしい。
カラオケの機械採点でフラメンコの魅力が測れるわけもなく、
そのことをやたら彼女がくやしがってることがうれしい。
そんなタカミツを絶賛するエリーだが、一方でおれなんか
すでに44年間エリーを絶賛中である。

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大きなステージから小さな講座まで手抜きなく全力投球する
本格人気カンタオール石塚隆充。
多忙の合間を縫ってカンテ普及のためのレクチャーもコンスタントに続ける。
この7/23日曜13時、パセオ講座「誰にも歌えるフラメンコ」も七回目を迎え、
参加者数もうなぎ登りである。ああ、うなぎ喰いてえ。

http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/07/post_100.php#005916

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2017年7月15日(土)その2899◆アガペーの人

生(性)への渇望が〝エロス〟なら、
見返りを求めることなく一方的に与える愛が〝アガペー〟だ。       

ドゥエンデに同じく、後者アガペーに触れる機会は滅多にないが、
フラメンコにあって私たちは幸いにも、巨匠エンリケ坂井のさまざまな活動
(ギタリスタ、カンタオール、レコーディング、教授、執筆、音源復刻プロデュース、
そして何よりあのお人柄)にその実際を垣間見ることができる。
今週7/21金曜晩は、そのフラメンコの使徒による『カンテフラメンコ~奥の細道』。http://www.paseo-flamenco.com/daily/2017/07/626_1.php#005931

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フラメンコの貴重な古典音源を聴き、
レトラ(歌詞)の奥の細道に踏み込み、
マエストロ自らの弾き語りを参考に、
楽譜片手にその特徴的フレーズを皆で歌ってみる。
観る聴くだけの初心者から日本屈指のバイラオーラたちまで、
受講層がてんでバラバラなところが面白い。

受講後のあの嬉しく懐かしい感触の正体はいったい何だろう?  
リピーターも多い受講者それぞれは、そこで何を得るのか?
知識か、知恵か、上達か、インスピレーションか?・・・それとも?

(写真は2016パセオライヴにおけるマエストロ。ギター金田豊)

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2017年7月15日(土)その2898◆張り合い

「生きるのが商売だから」

乙川優三郎『芥火』の名脇役〝うら〟はキッパリ云う。
そのさっぱりと逞しい方針が、いつまでも人生の盛りを
生きているような瑞々しい艶を感じさせるのだろう。
張り合いを失う途端、人は皆ストンと老いる。

さて、ビンボー暇ナシもたいへん結構なのだが、
喰うための実務をやるヒマもないことが悩ましい。
なのでこの土日はパセオに缶詰で、
未来にヒマを産み出すための実務インフラを整備する。
昨日までにいらない過去資料(大ゴミ袋10杯分)をばっさり処分したので、
あとは残した有効データをさっぱりシンプルなシステムへと編み直すだけ。
その先の大幅時短が具体的にイメージできるので、この作業はけっこう楽しいはず。

先ほど明日明後日のパセオ特命番犬の依頼を受け、邪魔する奴はボクに任せろっ!
とジェーは大きく頷き(←業務終了後の桃園緑道オープンカフェのチーズケーキ狙い)
気合いを充実させている。
想い合う張り合いあるギブ&テイク精神は、
互いの老体の生き腐れを予防し合うのである。

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二日間のBGMは、先月旅立った高場将美さんにもらったピアソラと決めている。
1910年代のストラヴィンスキー『春の祭典』、60年代のビートルズ『イエスタディ』、
70年代のパコ・デ・ルシア『アルモライマ』などと並ぶ二十世紀屈指の名曲、
80年代のピアソラ『オブリビオン(忘却)』の二つのアレンジが泣かせてくれる。
う~む、忘却とは忘れないことなりか。

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2017年7月14日(金)その2897◆そもそもが

私「限界を恐れない人だよね」
パロマ「自分の限界というものを知らな過ぎるだけ。
 案外身体が弱いんですね。それなのにテンションが上がると
 軽々と体力の限界を超えてしまう。
 舞台で手を抜くなんてもっての他。猪突猛進、
 後先考えず持てる力をその場で出し尽くすのがモットーでした。
 体育系なんですね。こういう人なので、半世紀生きてきた今も
 そういうところは相変わらずで、まるで学習出来てない」
「うん、そもそもあの芸風で半世紀生きて来られたのが不思議だ」
「でしょ(笑)でも、そもそもセーブして何のメリットがあるのか?
 私の中では踊ることイコール命を削ること。
 精一杯踊らないと観に来ていただいたお客様に申し訳ない。
 ライヴは私の歓びそのものだから、どうしたってテンションが上がる」

 (月刊パセオフラメンコ2016年1月号しゃちょ対談㉗より)

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7/13小島慶子ソロライヴ反省会より。於:高円寺エスペランサ。
撮影はB忍あつこ(日本フラメンコ協会第八回新人公演奨励賞受賞)。
写真左より、B渡邉悦子ママ、G田代の淳ちゃん、Gパセオ小倉編集長、
B稲田進、C川島桂子、G尾藤大介、B小島慶子、Sセコンドのおぢちゃん、
G西井つよし、B本間静香。

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2017年7月14日(金)その2896◆連鎖反応

God helps those who help themselves.

「天は自ら助くる者を助く」と云うが、
パロマ小島慶子のステージには毎度それが在る。
救うのは協演者であり、観客であり、裏方であったりするのだが、
全身全霊で踊るその姿には、人の世の美しい側面が際立って顕れる。
高度なセンスと技術力だけではない、
保険を掛けない彼女の潔さ清々しさが、
美しい希望と共感の連鎖反応を引き起こすのだろう。

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パセオフラメンコライヴVol.60      
2017年7月13日(木)20時/高円寺エスぺランサ
小島慶子ソロライヴ
【出演】
小島慶子(バイレ)
西井つよし(ギター)
尾藤大介(ギター)
川島桂子(カンテ)
伊集院史朗(パーカッション)
稲田進(パルマ)

生還した川島桂子の歌声に大いに安堵した昨晩でもあったよ。
(写真は大森有起撮影)

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2017年7月11日(火)その2895◆いい通夜だったよ

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田代の淳ちゃんらとムイ・フラメンカの通夜から帰り、
安スコッチで明日のカルロス・サウラ新作(ホタ)試写会の予習中。
自身の通夜にさえ濃厚なアイレをブイブイ薫らせるアフィシオナーダ鈴木高子は、
何と云っても親子四代フラメンコの元祖だからねえ、
昔からそのインパクトもはんぱじゃなかった(笑)
ほんとはこの人ぜったい百まで生きるからまだまだ大丈夫って思ってたんだけど、
あの時取材しといてよかった。
この人記事にしたいって直観したら即やろうって、今日改めて決めたよ。
いつかやろうってことは、いつまでもやらないってことなんだね。
好ましい人を送る日というのは、何かひとつ賢くなる日なんだな。

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2017年7月11日(火)その2894◆ムイフラメンカ

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なんてムイ・フラメンコ!なカンテ、そしてバイレ。
高木高子さんが七夕の日に他界された。
鈴木眞澄の母であり、三枝雄輔と三枝麻衣の祖母である。
83歳、フラメンコな人生を生き通す見事な大往生だった。
その子孫は現代フラメンコの中核に在る。
今宵の通夜(ライフホール西川口)には顔だけでも出したい。

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2017年7月11日(火)その2893◆意外な事実

お前は逃げないからいいと云われるが、事実はちょっと違う。
そーゆー場合、腰が抜けちゃってて逃げるに逃げられないだけのことなのだ(汗)
誰しも欠点はある。まあ、このことも内緒で頼むわ。

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2017年7月10日(月)その2892◆防腐カンフル

カラっとした聴き心地の良さは、まるでメルチョール弾くタンギージョのよう。
主人公は気弱でお調子者の宿屋の番頭さんで、そのセコさとトホホさ加減が
とても他人事とは思えない・・なので100%感情移入(汗)

占い師を父に持つ彼の楽天的な連れ合いの機転で、江戸~神奈川~大阪を舞台に、
次々と起こる事件難題を解決する番頭さん。
大ピンチの中、紙一重で生じる逆転のドゥエンデ。
その奇跡の正体は、意外にも彼の内なるささやかな矜持と責任感。
なぜか微かなデジャ・ヴ。
心が腐りそうな気配を感じると、どうにも聴きたくなる話芸の毒消し。

名人円生による古典名作『お神酒徳利(おみきどっくり)』の一席。
映画では昭和の喜劇王エノケンが主役を務めた。
笑いの行間には喜怒哀楽の深いリアリティ。
スカッと突き抜ける余韻がたまらん熟睡の素。

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2017年7月10日(日)その2891◆不調はバネに

「私にとって三回目を迎えるパセオライヴ。
毎年何をしたら良いのか、正直悩みます。
昨年のライヴから約一年、またさまざまなことを経験しました。
一年前の自分より良く変わっているところはあるだろうかと、
必死に自分探しをしたり(笑)。
エスペランサという生の空間で、今の自分をそのまま
素直に表現できたら良いなぁと考えています。
信頼のおける仲間たち、そしてお客様とともに
爽やかな気持ちになれるライヴをめざします」(鈴木敬子)

 およそ三十年前、十代でスペインに渡り
六年間の修業を経て帰国した鈴木敬子を初めて観た。
それは彼女の先輩・高橋英子さんとのジョイントリサイタルだった。
コンパスの概念さえあやふやな時代で、本場スペインの
アーティストだけに可能だと思われていたアイレを身にまとった
その産地直輸入フラメンコに、関係者は大きな衝撃を受けたものだ。

あの頃の鈴木敬子はある種の揶揄を込め「テクニカの人」と称されていた。
年に一・二度のペースで彼女の公演を追いかけていた私が、
そのアルテの変化に気づいたのは15年ほど前のことだ。
持ち前の強靭でバランスのよいテクニカに加え、いつの間にか彼女は、
美しいメロディラインを全身でしなやかに歌いあげる芸風を身につけていた。
大怪我をして練習もままならぬ時期、
機械オンチの彼女が毎日パソコン教室に通い、
その操作技術をマスターしたのもあの頃だったか。
順調な折には順調なりに、不調な折には不調をバネに
新たな自分を発見しようとする、そういう逞しさは昔も今も変わらない。

 (月刊パセオフラメンコ2017年7月号より/小山雄二)

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2017年7月19日(水)
パセオフラメンコライヴVol.61
鈴木敬子ソロライヴ
【出演】
鈴木敬子(バイレ)
エル・プラテアオ(カンテ)
有田圭輔(カンテ)
ペペ・マジャ・マローテ(ギター)
【予約】
昼(セルバ)☎03-3383-0246/ 夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com
     
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2017年7月9日(日)その2890◆オリジナル

どこへ往くのもおめえ次第。
好きな匂いや景色を思う存分おっかけな。
それがこの宇宙にただひとつのオリジナル、
おめえさんだけの自由だよ。

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2017年7月8日(土)その2889◆カルロス・サウラの新作映画     

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その待望の新作は『JOTA ホタ』。

カルロス・サウラ監督の新作試写会の通知。
ただ、来週水曜13時とある。
この土日も出勤というチョー多忙期であり、
平日昼間にのこのこ外出してるヒマなどあるわけがない。
しかも試写会会場はパセオからめちゃ遠い江戸湾の月島だし、
尚かつ私は人生に対し生マジメな江戸っ子だ。
どー考えても、仕事はフケてサウラ三昧、
帰りにビールでもんじゃしかないではないか。

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2017年7月8日(土)その2888◆隷属なき道

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安楽死、公娼制度、同性婚、ワークシェア、酪農大国、
自転車通勤、粋な路面電車、バッハ演奏の本流・・・
まったくオランダという国には興味が尽きない。
日本に生まれてラッキーだったが、オランダには本音の魅力がある。

『隷属なき道』(文藝春秋刊)。
著者はまだ三十歳ほどのオランダ人歴史家、ルトガー・ブレグマン(1988年~)。
貧富格差の緩和を科学的に提案するあの聡明なる
ピケティ教授以来というキャッチについうっかり釣られた。

「人類は愚かであり、世界は破滅に向かっている」的な
いま流行りの厭世論とは真逆の発想である。
格差緩和と人工知能社会をリンクさせる手法には、
優れた歴史家らしい科学的な説得力がある。
人間のポテンシャルに関する彼の直観には〝パスカルの賭け〟以上の勝率を感じる。

そうした未来社会をイメージしながら日々生きるのが
世界中の年寄りたちの道楽だよと、昨日の藤井四段の、
敗勢にも希望を捨てることなく最善を尽くし大逆転に
漕ぎつけたシーンを観ながらつくづく想ったことです。

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2017年7月7日(金)その2887◆平松加奈ヴァイオリンソロライヴ

抜群の反射神経と豊かなインスピレーション。
そこに注目し過ぎては肝心要の彼女を聴き逃す。
それは類稀なる〝歌心〟。芯のある虚飾なき美音、
そしてシンプルにしてどこまでも深いフレージングは、
ストレートに人の心をときめかせながら安定させる。
あらゆる音楽をボーダーレスに弾きこなす、
個人総合では国際クラスのヴァイオリニスト。

現在スペイン演奏旅行中の加奈ちゃん。
ご帰国を待ち受ける、7・26パセオフラメンコライヴ!

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「イタリアのオペラも好きなんです」

 官能を謳歌するがごとく、踊るように弾き、歌うように奏でる平松加奈さんに、
ご自身の音楽のルーツを伺ったときに返ってきたこの言葉に深く納得したことがある。

 ライヴ終演後に交わす、ちょっとした会話にもその雰囲気は流れている。
彼女自身が奏でる音楽さながらのしなやかな振る舞いや、
時おり関西弁の混じる親しみやすい柔らかな甘い声に触れていると、
同じ女性ながらその魅力にドキドキしてしまう。
話すテンポも、声の抑揚も、周りの人の居心地を最優先する会話の選び方や深め方も、
舞台の上で加奈さんが放つ音楽のセンスと一貫している。
演奏活動のみならず、NHK番組の音楽を担当する等、
コンポーザーとしてもメジャーシーンで活躍する実力派ヴァイオリニストは、
この人の在り方そのものが美しい音楽であり、
その即興の閃きはそのままフラメンコにも通じていく。

「今回は、ピュアにシンプルに、私が今、
ヴァイオリンで奏でたいフラメンコを皆さまにお聴かせできればと思っています。
今回のメンバーは、そういうコンセプトでは最上の仲間。
ステージは人生と同じですね。過去も未来もその瞬間にはなく、
今だけ。その瞬間に発せられる高揚感、そこに起こるミラクルを大事にしたい。
7月はスペイン、コルドバの野外劇場で本番があり、帰国してすぐのパセオライヴ。
現地で培った空気、高揚感をそのまま音に紡ぐことができるのでは、と楽しみです!」

 (月刊パセオフラメンコ2017年7月号より/井口由美子)

2017年7月26日(水)
パセオフラメンコライヴVol.62
平松加奈ソロライヴ
【出演】
平松加奈(ヴァイオリン)
大渕博光(カンテ)
柴田亮太郎(ギター)
海沼正利(パーカッション)
【予約】
昼(セルバ)☎03-3383-0246/ 夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

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2017年7月7日(金)その2886◆漱石&グールド

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夏目漱石を愛したグレン・グールド。

漱石のアート論『草枕』が特にお気に入りだったという。
映画にしにくい小説だが、
全編グールドのバッハ演奏で創ってみたいものだ。
メインで使いたいのはゴルトベルク変奏曲、パルティータ、
そしてフランス組曲あたり。

漱石の結論とも云うべき地味だが美しいラストシーンは、
フランス組曲の第一番がいい。
淡々と湿り気のないスタッカートでアップテンポな演奏だが、
右手左手のニ声にはエロース本来の自立協働の躍動があり、
むしろ究極の男女愛さえ見え隠れする。
ああ、漱石先生に見せたい、聴かせたい。

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2017年7月6日(木)その2885◆博士の至言/その2

人の本当の価値というのは、
その人自身から見出すことはできない。
それは周囲の人々の表情や雰囲気の中に、
ありありと浮かびあがってくるものだ。
           (シュバイツァー)

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2017年7月5日(水)その2884◆暇さえあれば

七月半ばから八月いっぱいチョー多忙が続く。
前倒しでこなす以外に手はなく、
ここしばらくは暇さえあれば仕事をやってる。

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2017年7月5日(水)その2883◆パロマ瞬間秒殺!

音色に明るい音・暗い音があるように、
どうも踊りにも明るい踊り・暗い踊りがあるのではないかと最近考えている。
結局のところその源泉はその人の性格に由来するのだと思うが、
いずれの踊りも各様に魅力が備わっている。

パロマさんこと小島慶子さんの踊りは圧倒的に明るい。
パロマさんと実際に話したことがある人なら共感できると思うが、
やっぱり明るい人柄が魅力的で、また会って話したいと思うのだ。

踊りでも何でも、技術がないことにはどうにもならないが、
「いい踊りだなあ」と感じさせてくれるときは、
その人の美学や夢中になってる感じや、
全身全霊でブッこんでいる迫力、
そういう何かが技術を覆い尽くしている。
僕は常々、なんにせよ技術に対してお金を払っているが、
技術を包み込むでっかいもの、深いものが無いことには感動できない。
だから、"けっこう上手なんだけど、うーむ、
何にも残らない......"ような場面に出くわすと、いやあ、すっかり参ってしまう。

パロマさんの踊りはうまい。
そしてそれにも増して、例えば自分がパルマに回っているときでも
全身全霊を尽くして、本当にこれは倒れてしまうんじゃないかという気迫で
舞台を通し切る姿に、ズシッとしたものを感じるのだ。
パロマさんは100%を出し切らんとするところへ、
さらにカンテとギターのエネルギーを充填して無茶をする。
そんな人のソロライヴである。

 (月刊パセオフラメンコ7月号より/小倉泉弥)
 
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パセオフラメンコライヴVol.60      
2017年7月13日(木)20時/高円寺エスぺランサ
小島慶子ソロライヴ
【出演】
小島慶子(バイレ)
西井つよし(ギター)
尾藤大介(ギター)
川島桂子(カンテ)
伊集院史朗(パーカッション)
稲田進(パルマ)
【予約】
昼(セルバ)☎03-3383-0246/ 夜(エスペランサ)☎03-3316-9493
メール予約:selva@tablaoesperanza.com

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2017年7月4日(火)その2882◆博士の至言

成功は幸せの鍵ではない。
幸せが成功の鍵だ。
もし自分のしていることが大好きなら、
あなたは成功する。
           (シュバイツァー)
         
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2017年7月4日(火)その2881◆如才のなさとは

如才のなさとは、
敵を作らずに自分を主張することである。(ニュートン)

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2017年7月2日(日)その2880◆ブラックボックス

わが家の投票所は、中野区立桃花小学校。

学校は家からゆるり三分、ジェーの散歩コース桃園緑道の脇にある。
選挙犬にも校庭を開放してくれるのがありがたい。
ポスター、駅前演説、ネットなどですでに選択は済んでいる。
連れ合いと交代で投票し、空き番がジェーと戯れる。

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かくの如きに、およそ百四十年前に自由民権のマエストロ板垣退助の描いた
平等ヴィジョンは、この現代日本にしっかり定着している。
だが、そのことに有り難みを感じる人はもはや少ないだろう。
格差を減らすその大きな前進は、
同時に新たなブラックスボックスをも抱えたから。
ヒトラーは選挙によって躍進したのである。

やがて、かつて手塚治虫も描いたAI人工知能が浸透する世の中となる。
良くも悪くもいろんなことが変わるだろう。
その開発当事者でさえ不明だという人工知能の驚異恐怖のブラックボックス。
ターミネーターはすでにフィクションの世界ではない。
ちゃっかりいいとこ取りできる便利や進化など、もともと有りはしないのだった。

何かを得れば何かを失う、その逆もまた真なり。
そこだけは明快にして厄介だ。
人類の本能(エロス&タナトス)も厄介だからこそ、美と充実を生む。
人類にすべて解決なんてことは永久に無いことを知る。
坂口安吾はやはり正しい。
柔軟に変化を楽しみ、いつでも具体的に行動することで
ヘボなりにセンスを磨きながら、私は私でいようと想う。

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2017年7月1日(土)その2879◆快挙!!!

やったぜ快挙!
SIROCO、スペイン・ロンダのフラメンココンクールで優勝!

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2017年7月1日(土)その2878◆フラメンコの宿命

2階3階まで満員の観客席。
その客層はピアノ・インプロヴィゼーションの
キース・ジャレットのそれに近い印象。
基本クラシック&古典ジャズ好きだが、親しむ音楽の領域を広げたい、
感性豊かで礼儀正しいリスナーたち。
有名人、先輩、後輩、同業、同僚、旧知、美魔女、親類など、
意表を突かれるあまりに多彩な知人たちへの対応に追われた今宵ロビー。
なるほど皆、押さえるべきポイントを知っている。

東京オペラシティの沖仁デビュー15周年ライヴ。

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伝統テイストは仄かだが、未来を見通しながら完全燃焼する今この瞬間が濃い。
その濃度分布にはフィジカルな快感が充ちている。
腕と矜持と独創性、観客席との一期一会の真剣勝負。
それが沖仁のフラメンコだ。

「一般社会に斬り込むとはこういうことだ!」の稀有な成功例典型。
突き抜けて逞しい彼のストレート路線は、
この先も親しみとクオリティを増しながら、
間違いなくフラメンコの裾野を着実に広めてゆくだろう。
           
予想通り、アフィシオナードの姿はほとんど見られず。
二度のロング・インタビュー(スペインのコンクール優勝の事前事後)で知り得た、
沖仁の清冽な覚悟と日々の精進とを、改めて思い知る。
先月のエンリケ坂井のプーロなソロライヴとの鮮やかなコントラスト。
厄介なことに、あるいは幸福なことに、リアルタイムで
常にどちらも必要とするのがフラメンコの宿命なのだ。
エロスとタナトスが拮抗しないアートは、やがて博物館に埋もれてしまうのである。

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