フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー/2009年12月①

2010年09月12日 | しゃちょ日記

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 2009年12月01日/その155◇ツバメンコ決死隊

 今井翼 Live house TOUR D&R ~ an extension
 2009年11月30日・12月1日/赤坂BLITZ 18:30

 「だいじょぶですかあ!?」
 
 小島章司さんの公演初日で、
 すぐそばの席になったツバメンコ師匠、
 佐藤浩希がこう云った。
 心やさしい彼は、
 1日のツバメンコを立ち見で観ることになった私を
 心配してくれているのだ。

 不安がないではないが、
 こう見えても私は、中学時代、マラソンで学年3位だった男だ。
 だから持久力には自信があるのだ。
 問題は、
 ①それからすでに40年経過している点。
 ②それ以降、マラソンをやっていない点。
 この2点のみである。

 さらに今日の赤坂BLITZ遠征には、
 チケットを手配してくれたnyanko na tsubasaをはじめとする
 ツバメンコ同好会(現在479名)のチョー美女軍団が、
 その大恥にひとつもひるむことなく、保護者として、
 私の引率と看護にあたってくれることになっている。
 待ち合わせの合言葉は「ビバ変態!」だそうで、
 その関係から、当日の私の服装は、
 チビ・デブ・ハゲの三連インフラに加え、
 ミニスカにピンクのももひきが予定されている。
 さらに別のツバメンカー、サムライには
 「失神は必至と云えども、失禁は困る」と釘を刺されたが、
 困ると云われても困るのであった。
 また、鼻血ブーがオッケーか否かについても、
 事前問い合わせが必要かもしれん。

 地元の行きつけで仲間にそんな話をしたら、
 まったく心配ないと、ヒデノリは云った。
 会場入りした途端に必ず、警備のおぢさんに、
 「ああ、大道具の人はこっちね」と舞台裏に誘導されるから、
 ヘルメットを着用して大道具を手伝いながら、
 舞台袖からしゃがんで観てれば、
 けっこうラクチンですよ」だって。

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 2009年12月02日/その156◇ツバメンコ決死隊~本番の巻

 今井翼 Live house TOUR D&R ~ an extension
 (その全国ツアーより)2009年12月1日/赤坂BLITZ

 ツバメンコ(=今井翼のフラメンコ)。

 もはやフラメンコの世界にもすっかり定着したこの固有名詞。
 その今井翼が、踊り、歌い、語り、ギターを弾き、ドラムを叩き、
 そして、ツバメンコを舞った!

 開場前に立って待つこと30分。
 係員が狼狽する眼差しを背に決死の覚悟で会場入りし、
 さらに立って待つこと30分。
 入場者数は、およそ1800人だという。
 そのほとんどがスタンディング(立ち見)である。

 昨年秋の日生劇場公演をテアトロ・フラメンコに例えるなら、
 今回のライブは、タブラオ・フラメンコということになる。
 それは私の知らない本生の今井翼だった。
 休憩なしの3時間の長丁場を、
 少しのテンションも落とすことなく、 彼は突き上げまくった。

 待望のツバメンコは、ライブ後半に現れる。
 波打つ観客と親密にコミュニケーションを取りながら
 サパテアードを打つという、噂に聞くヴァージョンだ。
 客席との対話の合間にフラメンコするという特殊な状況下、
 一瞬にして切り替える強靭な集中力から生じる靴音の音色は、
 シャープにして力強い響きと、フラメンコの粋を備えていた。
 それは、いきなり“どフラメンコ”的に動くことで、
 逆に客席を引かせることのリスクの狭間で、
 ライブ全体の印象と、フラメンコの魅力のアピールを両立させる
 ぎりぎり最善の方法のように思えた。
 10分にも満たないツバメンコ・タイムだったが、
 それによって、すでに3時間あまり立ち続ける
 両短足の痛みから解放され、
 さらに、浮きまくる私はようやくのことで、
 盛り上がる仲間の一人として、
 その場に溶け込むことができたのだった。

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 mixiと日刊パセオフラメンコ上に、
 『ツバメンコ同好会』を結成したことは、
 私にしては上出来だった。
 そのおかげで、メンバーである
 私のツバメンコ特命秘書(nyanko na tsubasa)と、
 りょう(←たぶんお公家さん)をはじめとする、
 そのお仲間美女チームの尽力によって、
 会場に潜入することに成功したからだ。
 当然ながら彼らは、私の保護者として
 その引率と介護を兼ねている。
 タタミ一畳に8名ぐらいの感じで、
 若い美女たちにモミくちゃにされながら会場を見渡せば、
 どうやら私は、その中でもっともハンサムなおやぢで
 あることが判明するが、 その事実と
 おやぢ客が私一人である事実とは無縁であると思いたい。

 おーまいがっど.jpg

 うねるような熱気にたちまち汗ダクとなり、
 皮ジャンを手に立ち尽くすことになるから、
 さらに身動きが取れない。
 せめてリズムには乗りたいと思っていたら、
 ライブが始まる途端、 四方八方から密着状態でやってくる、
 リズムに乗って動く美女たちの身体のうねりに身を任せれば、
 何もしないでもリズムに乗れることもわかった。

 礼儀正しいたくさんの美女たちから
 ニッコリ会釈されたところからすると、
 ツバメンコ同好会メンバーは、
 かなり大勢参戦されたものと思われる。
 みんなと同席できた光栄に感謝したい。
 また、お会いしよう!

 おしまいに、涙の特記事項。
 ステージ効果のため非常口の灯りを消します、
 というアナウンスが開演直前に流れる。
 「こりゃ出口がどこだかわからねーな」
 すでに身動きが取れない状況の私が、
 迷子や失神や失禁に備えてピタッと隣に貼り付いてくれる
 特命秘書nyankoにそう云うと、
 あたかもそれが本懐であるかのように、
 しみじみとした口調で彼女はこう呟いた。
 「火事になったら、その時はあきらめるしかないよね」
 うわっ、あっぱれ! これぞほんまのツバメンカじゃあっ!
        
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 2009年12月03日/その157◇晩秋の楽しみ(1)

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 毎年恒例。
 代々木公園、晩秋の楽しみ。
     
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 犬もおだてりゃ木に登るの図。

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 2009年12月04日/その158◇晩秋の楽しみ(2)

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 春の桜と、秋の落葉。
 う~ん。甲乙つけ難し。

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 2009年12月05日/その159◇晩秋の楽しみ(3)

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 また来年を楽しみに......。

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 2009年12月06日/その160◇パセオの新編集長

 すでに、パセオ12月号でお知らせ済みだが、
 な、なんと来年新年号より、
 この私がパセオ編集長に就任する。
 これまで何度か仕方なしにやったことがあるが、
 今回は初の立候補である。

 ただし、私が編集長を担当するのは
 限定二年という社内の約束があるので、
 読者や関係者の皆さま方のご忍耐・ご辛抱も
 わずか二年で完了の見込みだ。
 忍耐や辛抱は人を鍛え育てるので、
 それだけを希望の灯としながら、
 どーか二年間お付き合いいただきたいと願う。

 フラメンコファンをネットワークするパセオはこの先、
 毎日更新するこの日刊パセオフラメンコが、
 ニュース記事などで速報性・実用性を発揮し、
 この26年、毎月20日に発行する月刊パセオフラメンコは、
 及ばずながらも力の限り"フラメンコの肝"に踏み込む。

 「電子メディア+紙メディア」。
 その両翼からのなかよし連携で、
 フラメンコの普及発展のお役に立つことが、
 フラメンコの専門メディア"パセオ"の、
 変わらぬ本懐である。

 スペインの名専門誌『alma100』が休刊となった今、
 世界で唯一の月刊フラメンコ専門誌として、
 カチンカチンに固まってしまうつもりは
 毛頭ないし、毛髪もない。
 硬派も軟派も何でもごじゃれで、
 ただひとつ、「その先にあるもの」に迫りたい。

 四年におよぶ、
 たくさんのフラメンコ・ウェブ仲間との親密な会話。
 その濃厚なインスピレーションから生まれた、
 私の唯一の編集方針は、「シンプルに深く」。

 いつかまた読み返したくなる読み物とビジュアル。
 雑誌ではなくて、愛着あってちょっと捨てがたい、
 懐かしいフラメンコ絵本のような。
 読み手も書き手も作り手も、
 フラメンコに元気をもらえるような本創りに熱中したい。
 三度目の青春は、もうやりたい放題である。

 なお、定期購読には特典も奮発した。
 ヨランダ画伯入魂のフラメンコ・カレンダーである。
 新編集長の実力を考慮し、これまでモノクロだった
 カレンダーをカラー印刷に昇格させた。
 定期購読は送料込みで、年間9240円。や、安い!

 いま、刷り上った新年号のゲラを苦笑しながら眺める。
 ま、しょっぱなはこんなもんだろう。
 闘いながら闘い方を学んでゆくのは、
 わが家の家訓、パセオの社訓なのだ。

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