あせらない根性
日常生活に自然とリンクしてゆけるような、
なんとゆーか、
真剣なんだけどめっちゃ明るい!
そんなフラメンコのレッスンDVDが創りたかった。
上達の壁に挫けそうになってる人。
フラメンコにどう向き合えばいいのか? そんな迷路にハマる人。
いろんな事情からやむを得ずレッスンを休止されてる人……。
人生同様、フラメンコはそう簡単には問屋が卸してくれない。
元からして、そのドッシリした確かな手応えに私たちは惚れ込んだのだから。
そーゆーもんなんだ、それは仕方のねーことなんだ、という出発点から、「ライフワークとしてのフラメンコ」という私の中の核心テーマを、レッスン映像というフォーマットの中で、シンプルに解きほぐしてみたいと思った。
生きるのといっしょで、上達をあせる必要なんてまったくねーんだ。
日々コツコツ積み重ねる修業そのものを愛し、楽しむこと自体がステキなことなんだ。
そんなセリフが自然に飛び出してくれそうなアーティストを思い浮かべた。
ふと気づけば、まったくそんなタイプのバイラオーラがわが家にひとり居た。
しかも明るさ満載のチョー天然系である。
生きることは踊ること。
踊ることは生きること。
年に三日ばかりのお休みで、苦しいながらも毎日毎日を楽しそうに、迷うことなくそんな生き様を実践している連れ合いに、私は白羽の矢を立てた。
そのチョー天然系は、即座にこんなテーマ(↓)を抽出し、即座に私はそれに合意した。
(1)何が起きても大丈夫でいられるように、フリを覚えることより、どんな時でも頼りになってくれる基本の引き出しをしっかり増やすこと。
(2)人生もフラメンコも、ここぞという時にはやっぱり根性(←死語)。要所要所に限界まで根性を入れることで、自分だけの魅力を徹底的に引き出すこと。
(3)自分ひとりでは何も出来ないのはフラメンコも同じ。自分の心からの気持ちこそが、みんなをひとつに束ねて、フラメンコなエネルギーを炸裂させること。
仕事を介在させないくつろぎを何よりとする結婚だったし、業界的にもベタベタな感じがカッコ悪いので、
出演者とプロデューサーという関係での仕事は互いに敬遠していたが、共に暮らしたワンコンパス12年の歳月は、カサブタが自然にはがれるかのように余分なこだわりを除去していた。
制作期間中は、当たり前に意見が衝突することはあったが、共有するヴィジョンが、いとも容易にその解決策を発見してくれた。
すでに何十回もチェックした映像だったが、予定通り今日発売となるそのDVDを、ついさっき、改めて真っサラな気分で鑑賞してみた。
世に出す当日の、いつもの儀式である。
あせらねーで根性入れてくか、こっちも……と、少し笑った。
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