「パセオは誰に何を伝えたいのですか?」③
「パセオは誰に何を伝えたいのですか?」
愛しのルジャビーよ。
根性の入った真摯なご質問をありがとう!
以下に、現時点の私たちパセオの考えを述べます。
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誰に?
年代、国籍、居住地、性別、性格、思想、顔、血液型、アマ・プロ、技術レベル、身長、体脂肪率、髪の毛の本数……などとは無関係に、「フラメンコはライフワーク」と感じている人たち、さらに「まだ私はそうじゃないけど、フラメンコはライフワークって素敵だな」みたいに感じる人たちを読者像の中心に据えながら、私たちはパセオを創りたい。
何を?
フラメンコは、人生の実相に直結するアートだ。
だからこそ、フラメンコはどこまでも有機的なアートなのだろう。
ひとつではない核心の周りを、無数のエピソードが取り囲んでいる。
同時にそのエピソードそのものが重要な核であったりすることが多いのがフラメンコであり、また、人生そのものであったりする。
要するにパセオの誌面創りの切り口は無限なのだと思う。
フラメンコと私たちの人生をリンクさせながら、そこから発生する豊かさの可能性について、これまでの常識や経験にとらわれず、思い切り踏み込むという基本方針が自ずと定まる。
生涯の伴走者としてフラメンコを選択する人たちに、そうそう、こんなのが読みたかったあ!と共感いただける記事を私たちは創りたい。
フラメンコをより広くより深く楽しむための知識・情報、上達のためのヴィジョンと工夫、失敗を恐れぬより豊かな生き方…等々のさまざまなテーマがヨコ軸となるだろう。
そしてそれらを本腰入れて語るタテ軸は、ライフワークという、生涯を見すえる長いスパンの観点であり、この視点こそが今回のチャレンジの眼目になるのではないかと思う。
私たちはこんなやり方で、フラメンコの内側に充ちあふれる人生の喜怒哀楽を通し、生きることの切なさとよろこび、あるいは懐かしさや未来ヴィジョンに思いを馳せつつ、いま現在をよりよく生きるための実質的ヒントをつかみたい。
憧れのアーティストから落ちこぼれ練習生(←おめえさんのことだよ TT)まで、そしてさらに、ハシにも棒にも引っ掛からない私のような観る聴くだけの阿呆シオナードに至るまで。生涯ドップリ浸かるのもよし、淡く永くふれあうもよし、フラメンコとの付き合い方は人の数だけあることを伝えたい。
いろんな理由で一時的にフラメンコから離れざるを得ない人たちに、フラメンコは逃げないことを伝えたい。“母なるソレア”を内包するフラメンコが、その子らの難儀を見捨て逃げるようなヤワな玉ではねえことをしっかり伝えたい。
それが、文明のひずみや欝などに限りなく悩みつづける現在・未来を、それでも豊かに生き抜くための極めて有力なエネルギー源のひとつであることを、誇りを胸に実証しつづけてゆきたい。
思いもよらぬさまざまな発見とともに、読んだ後に少しだけ元気の出る専門誌。その分だけ日常生活が愛おしくなって、やっぱ、フラメンコを選んでよかったあ!と実感できる、しんぱいゴム用な架け橋パセオでありたい。
どーやって?
「誰に何を伝えたいのか?」については以上だが、ではそれを「どーやって?」という部分についても少し補足しよう。
ご覧の通りSNS上で展開し始めた、ウェブと本誌パセオの連携強化がその中核戦術だ。
踏み込むべき具体的テーマの多くの場合の発見手段がウェブであり、それらを深く掘り下げてゆくのが本誌パセオフラメンコ、という役割分担。
つまり、ウェブの「即時性・双方向性」と本誌パセオの「踏み込み性・保存性・反芻性」という各々の長所を噛み合わせ、短所をカバーし合うことで、その相乗効果を高めるやり方だ。
例えば、今回のウェブ上のアンケート結果は、すでにパセオの「特集」「インタビュー内容」などに濃厚に反映されつつあり、また新読者ページ「バル de ぱせお」という切り込み隊長的メディアも誕生させた。
ちなみに云うと、“バル de ぱせお”へのアマ・プロ混合のアフィシオナード投稿などは、あたかもダイヤモンドの原石のようであり、それらを読み込んでゆくと、特集や連載などのヒントを面白いように発見することができる。
これは望外の成果だった。
本格始動は年明け以降となるが、直接対話から生まれるヒントが、夢を推進させる構造はすでに整いつつある。
また、フラメンコ専門SNSの立ち上げも視野に入れたところだ。
各種ネットワークの連携強化とその相乗的活用による「アフィシオナードが創るアフィシオナードのためのフラメンコの未来」は、この展開の延長線上に必ずあると私たちは思う。
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意外と大したことねえ結論だが、それがどーした、いつものこっちゃ(TT)。
例によってまた失敗するかもしれんけど、失敗とその修繕のくり返しこそが人生であり、そのプロセスを汗水流しながら楽しむのがこれまた人生、などと前もって負け惜しみを述べておきたい。
つーことでルジャビー。
オレはあんたの直球を打ち返すことができただろーか。
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