サバイバル ①
「好きな仕事で生活出来ていいねえ」。
ショーバイ柄こう冷やかされることは多いが、そのたびに私はギクリとする。
確かに、好きな仕事で今のところはどうやら食えてる私は、その実力からすれば相当にラッキーだと思うし、その幸運について感謝を忘れることはない。
だがしかし、その一方にはこんな深刻な裏事情もあるのだ。
好きな仕事以外では使いものにならない、というのが私の本質なのである。
好きなことなら寝食を忘れてそれに没頭するが、好きでないことは大体10分くらいで飽きてしまう。自分でも持て余してしまうほど極端な性格なのだ。
そういう偏向が服着て歩いてるような人間だから、当然職業的にはかなり限定されてしまうタイプとなる。
汎用性が求められる現代人としては、致命的な欠陥を背負った宿命と云えよう。
冷やかされるたんびに「ギクリとする」のは、
「それ以外では役立たずなのはお見とーしだ!」
うわっ見破られたあ、と感じざるを得ないからである。
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さて、今さら遅えだろうが、こうした私の不名誉を少しでも緩和するために、ダチどもを巻き添えにしたろうと思う。
アート関連の私の親しい友人の内、少なくとも三名は私とまったく同じタイプの人間である。
SとMとKよ。ギクリとしてんじゃねえよ。おめーたちのことに決まってるじゃねえか。
ったく、どいつもこいつも、好きな仕事にしがみつけた強運だけでどうやら食えてる連中で、こいつらが好きでもない仕事に就いたならば、入社15分後にリストラを喰らうだろう。
俺は入社前に喰らったが。
(つづく)
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