フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

しゃちょ日記バックナンバー2020年6月

2020年05月09日 | しゃちょ日記

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2020年6月30日(火)その3973★大丈夫

人気投票最終日の朝。
現在の投票者総数は1,700名超。
パセオ6月号の臨時休刊と引き換えの捨て身企画だったから、
応募作品の高いクオリティと視聴者の高い投票率が正直うれしいし、
西田管理人と裏方技術スタッフの涙ぐましい尽力も忘れ難い。
大げさかもしれないが、この先何があろうとフラメンコは大丈夫!と心底想える。

さて先ほど私も、メイン部門5名、エンタメ部門1名の投票を済ませてきた。
トータル16時間に及ぶ独り選考会だったが、
これほどまでに贅沢な時の過ごし方はなかなか得難い。
来週の東京都知事選もこのテンションで臨みたい。

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2020年6月29日(月)その3972★正体探し

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中野北口にスタジオを構える大沼由紀さん。
この人は下戸だから、昼過ぎからは年に数度の蕎麦会~サ店コース。
途切れぬ会話からパセオの講座連載の芽が出る。
およそ1分で来年新年号スタート、
『フラメンコを踊りたいなら、まずはフラメンコの正体を知ろうよ』
みたいな方向が決まる。
時節柄、原点回帰は必ず吉と出る。
当然ながらペソ(重み)にも踏み込む流れ。
だってそれがフラメンコの正体だから。

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2020年6月29日(月)その3971★タンゴ・アン・スカイ

見上げれば、青い空と白い雲のコントラストが美しい。
ハードなメニューも何のその、気を入れて
ひとつひとつ片付ければ必ずなんとかなる。

今宵はパセオ編集室移転後初の大吉参り。
重き荷を背負いて(800グラム)、
道のりは遠いが(歩8分)、
気分はタンゴ・アン・スカイにてござる。

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2020年6月28日(日)その3970★魔法の鏡

自分自身の「過去」の醜態や、「未来」の醜態の可能性をシャープに映し出す。
優秀な反面教師というのは、まるで魔法の鏡のようだ。

昨今はコロナが引き金となって、
現実でもメディアでも殊に年配者の崩れ方が痛ましい。
防御一辺倒という油断で「晩節を汚す」光景は見てて愉快ではないが、
そういう名教師を遠ざけ過ぎるのもいけない。
一歩間違えりゃオレだってすぐそうなるんだから(いや、すでにゾンビ化してる?)、
人のフリ見て実感して、せめて我が身の「現在」を救いたい。
またすでに手遅れの場合も、優れた反面教師として
社会のお役に立てるならそれもアリだろう(TT)

とは云え、攻守のバランス調整に有効なのがこの映画(インターン)で、
経験値とユーモアを活かしたデ・ニーロのスタンスがいいイメトレになる。
もう暴君はいらない。
性別や年齢超えて呑んだり遊んだり仕事したいのはやっぱり、
互いにこういう人だよ。

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2020年6月27日(土)その3969★馴染み

移転先の場所柄、ランチの選択肢がぐぐっと増えた。
1~2分で通える有力なめし屋と呑み屋はざっと30軒。
気分で選べるのが新鮮で、蕎麦、和食、寿司、中華、
イタリアンあたりが主力となる気配。
中でも旨い馬刺しと蕎麦と冷や酒の〝すず木〟は中野五差路の隠れ名店である。
それにつけても、おとなり焼き鳥大吉から遠ざかった(歩8分)のが痛い。
ドクター川名の啓示通り、やはりでセットで移転すべきだったか?
まあ、それでもチョーうれしい時、チョー凹んだ折にはやっぱり大吉なんだろなあ。

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2020年6月27日(土)その3969★挨拶状

編集部の引っ越し先は中野サンハイツ三階。
表玄関は南口駅前通りに接していて、駅まで2分、丸井や銀行には1分。
1階がイタめし屋の裏玄関は、となりがコンビニで郵便局は1分かからない。
正面は居酒屋、斜め前にはTSUTAYAやコンビニが並んでいて、
ご丁寧に中野随一の老舗ラブホもある。
皆さんもラブホにご滞在の節は、ぜひお帰りに編集部にお立ち寄りください、
などとふつーの引っ越しの挨拶状のよーなことを書いてみる。

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2020年6月26日(金)その3969★引っ越し完了

そこそこくたびれたが、とりあえずお引っ越し完了。
余分な物もごっそり捨て、小ざっぱりした作業環境は120%良好。
あとは溜めたメールを片づけ、今宵は1階イタリアンで移転祝賀会。
さあ、明日からはパセオフラメンコ8月号追い込みじゃあ!

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2020年6月26日(金)その3969★スーパーマンの気持ち

私ならひとつがやっとのダンボール荷を、
余裕でニつ三ついっぺんに運ぶ引っ越しの兄さんたちは、
まるでスーパーマンのようだ。
「そう見えます? 実はオレたち一杯いっぱいなんすよ~」

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2020年6月25日(木)その3969★フェアの意味

不断の努力がいつでも勝負できる状態を
保っていることに胸を打たれるのだ。

とりあえず二回ずつ観て、いいなと感じるものを10作品ピックアップし、
ここ数日朝晩リピートしている。
準備期間の短い企画であるにも関わらず、よくぞここまで
高いクオリティのパフォーマンスが揃ったものだと感慨深い。

なんやかんやと多忙を極めるが、会社移転を済ませた土日に、
新しい編集室から投票するつもり。
七月の都知事選もそうだが、エントリーの志に敬意を表し、
選考には全力で取り組みたい
そして互いにフェアであろうとすることの意味を再考したい。

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2020年6月24日(水)その3969★明日は引っ越し

JR中野からも家からも2分、この先は
会合・取材・銀行回りやらがチョー楽になる。
明日は編集部のお引っ越し。
あらかた準備は済んだが、
合間の締切ワークや愚痴相談所がダイハードでござった。
では後ほどお疲れ前夜祭。

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2020年6月23日(火)その3969★自粛してほしいもの

せっかくの自粛ブームなんだから、
云い訳や愚痴も自粛してほしい。
最近多すぎで、おっちゃん困ってる。
いつか聞いてやるけど、
来年の二月まではちょっと無理、という愚痴と云い訳。

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2020年6月22日(月)その3969★イメージ

ヒラリー・ハーンの美性が全開するバッハ
今週の引っ越し&8月号締切は、
こういうイメージで乗り越えませう。

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2020年6月21日(日)その3969★街頭演説

宮部みゆき『火車』のモデルにもなった元日本弁護士連合会会長。
13時から中野北口でその都知事選街頭演説ありと
ご近所お仲間から聞きつけ、急ぎ駆けつける。

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失態続きの国政に堪忍袋の緒を切る直前の昨今だが、
俗悪なアホーマンス一辺倒の都政にも東京ネイティブはいい加減ウンザリしている。
貸金業法改正を実現するなど、ブレないヴィジョンで
弱者救済と法改革を一本化する地道で現実的な
この勇気ある正義の無所属爺さんを応援するのは江戸っ子の習い。
一方で、官僚との協働を自負する熊本県副知事8年という経歴の若手も有力で、
果敢な世代交代に賭けるならこの人だろう。
このお二人の正々堂々の一騎打ちとなることを願う。
都民の民度が明らかになる7月5日投開票。

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2020年6月21日(日)その3969★美しい晩節

パコ・デ・ルシア(1947~2014年)最晩年の『二筋の川』。
永い歳月の積み上げが最善のレイアウトで彫刻された美しい晩節。

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2020年6月20日(土)その3969★グランプリは誰?!

第一回フラメンコwebフェスティバル
実行委員長:佐藤浩希、三枝雄輔
エントリー44作品

土曜零時より、いよいよ視聴者投票スタート。
https://www.flamencovideo.net/?fbclid=IwAR0qcf9-njZS6W-3T1n_bkYPStYOc20SGa8ekG5iPlbyvjNYspRNOWOBPFw
改めて独り選考会を実施し、
念のためロンの意見も聴取するが、
投票は常にフェアで在りたい。
こたびの自民党的在り方には異議あり。
ロンより証拠である。

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2020年6月19日(金)その3969★44の希望

第一回フラメンコwebフェスティバル
投票開始の明日土曜は、2時間強でじっくり見直し、清き一票を投じる。
受賞者は一般視聴者(どなたでも参加できる)の人気投票で決まるが、
出演者も運営スタッフも一視聴者として投票できるシステムだ。

★最優秀賞=総合評価で一番得票数が多い作品
★優秀賞=次の3作品
★入賞=次の5作品
★エンターテイメント賞=エンターテイメント評価で一番得票数が多い作品

スッキリしない国際的昨今に、一筋の光明を与える44の希望。
webフェスの特集記事(パセオ7/20発売号)は編集部井口に任せ、
一匹狼アフィシオナードとして、降って湧いた特権を思う存分行使したい。

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2020年6月19日(金)その3969★本領発揮

引っ越し準備に後ろ髪を引かれながら(だからハゲる)、
今日のメインはパセオフラメンコ8月号追い込み。
興味深くおもろい特集を二本仕上げる。
来月から通常発行に戻すので、月末は引っ越し&入稿の暴挙。
ふつーはやらないが、幸い私は異常者だ。
さて、断酒は四日目。
もってこいの時刻に焼き鳥大吉を素通りする家路の激しい葛藤は、
ハムレットの苦悩に迫るものがある。
一方、写真のごとく二ヶ月前は大人しそうな坊ちゃんだった
暴れん坊将軍ロンはおめえ元気すぎるぞ!の毎日。
〝ロン〟とはあの「砂漠の狐」ロンメル将軍の暗示だったかと
ガックリ肩を落とす。

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2020年6月18日(木)その3969★絶妙なるバランス

機関車トーマスに現れるような、クラシックでのどかな風景に癒される。
イギリスの作曲家&リュート奏者、ジョン・ダウランド(1563~1626年)の
シンプルにして小粋な世界が、程よい鉄道映像に描かれる。
気の合う仲間とアンサンブルに興じた青春期がフラッシュバックする。
人と自然と文明と音楽の絶妙なるバランス。

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2020年6月18日(木)その3969★希望の結実

出演者のみなさん、ありがとう!
いましがた、エントリー作品すべて脳裏に焼き付けました。
この世界的ピンチの状況下、希望に充ちあふれるみなさんのチャレンジは、
すでにこの段階で実っています。
月刊パセオフラメンコ7/20発売号の巻頭カラー特集は、
このWEBフェスティバルで決まりです。
四月の緊急事態宣言の二日前に誕生した「Flamenco2030」プロジェクトチームが、
その日のうちに開催を決めたフェスティバル企画です。
あれから二ヶ月あまりで、あの日の希望が実現したことに
偉大なるフラメンコの底力を改めて感じます。
繰り返し感謝します、みなさんありがとう!  

      Flamenco2030 相談役
      月刊パセオフラメンコ編集長 小山雄二

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2020年6月17日(水)その3969★名手発見!

トラヴェルソの名手発見!
ロ短調の曲想と、音色・アーティキュレーションが
見事にひとつに溶け込んでいる。
今日からしばらく、朝バッハはこれだな。
珈琲、バナナにオレンジがお供。
すっかり家に溶け込んだロンがそばで何かを狙ってる。
今日の編集室は引越し準備パートⅡ、
溜め込んだ書類を整理し8割減量だ。
そして断酒二日目。

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2020年6月16日(火)その3971★曲が先か、話が先か?

人気売れっ子作家によるまさかの月刊パセオ連載『祝祭のアレグリアス』。
一回分の文章量が少なすぎる!との苦情が程よく殺到中。
話題の鳴神響一、幻冬舎文庫最新作をイッキに読む。

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読み始めると止まらなくなるので、事前準備は必須である。
主人公桜子の冴えた推理とスリリングな踏み込みが時を忘れさせる。
面白さは同様だが、全体に前作より彫りが深くなっている。
ドラマ化すればヒットは手堅い作品で、現代物だから制作費も問題ない。
映像にはパガニーニのカプリース24が音の華を添えることだろう。
この快感ミステリーには最良の選曲と想える。
ストーリーが先だったか、曲が先だったか、
こんどお会い出来たら一番にお聴きしてみよう。

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2020年6月16日(火)その3970★来週船出

今日は丸々一日、お引っ越し準備。
犬の手も借りたい状況だが、
運動会のつもりで汗をかこう。
新たな船出は来週末!

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2020年6月15日(月)その3969★ロン

ジェー去って一年半。
きのうわが家に犬がやってきた。
意外と大きくて毛がぼうぼうで
何だかハンソロの相棒みたいな奴だ。
なんとなく「ロン」と名づけた。

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2020年6月15日(月)その3968★朝バッハとバナナと珈琲

近ごろの朝バッハ
珈琲とバナナがもれなくセットで付いてくる。
さあ、今日も思い切り遊んでやろうか!

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2020年6月14日(日)その3967★フラメンコの未来

休む間もなき長丁場がひと段落した金曜真夜中に聴いた
スティング(フラジール)から、アンドレアス・ショル ⇒ ジョン・ダウランド ⇒
松尾芭蕉 ⇒ ドナルド・キーンを経て、エンリケ坂井へとつながった。
次号パセオ特集『立ち上がる復興サイト flamenco2030.com 』にも引用する
エンリケ坂井師の論文『フラメンコの未来』の抜粋だが、
この啓示がゆるやかに業界に浸透する頃までは何度でも、
まずは自分自身の脱皮成長のためにリピートしてみたい。
独りバトンはこの後エンリケ師から同郷の異端児西田昌市につながるのだが、
それは復活する月刊パセオフラメンコ次号で。
  
 ─────────
(前略・・・)
 そんな時、私をハッとさせたのが我が師ペリーコ(Ⅱ世)が言った言葉だ。
「私達はサンブラで正統なフラメンコをやってきた。
客は半分以上観光客だったがちゃんと聴いてくれ相手もしてくれた。
相手が誰でもこちらが誠意を持ってきちんと演れば伝わるんだ。
それにサンブラの経営者はフラメンコに対して見識を持った人だったから、
騒ぐ客がいればちゃんとカマレーロが注意して黙らせた。
サンブラはそういう店だったんだ」と。
 目から鱗とはこの事だった。
問題は商業主義という外から押し寄せるものではなく、
フラメンコに関わる者としての見識であり、ひとりひとりが良心に従って
最上のものを演るという内なる覚悟なのだと。
それこそが"諸刃の剣"と付き合う唯一の方法なのだろう。
(中略・・・)
 歌は世につれ、と昔の人は言ったが、どんなアートも時代の影響下にある。
昔の名人達のフラメンコが好きでも時は戻らないから、結局、
我々は先人の精神を受け継ぎ、自分の内なる声に耳を傾けて
アートに生きるしかないのだ。
 私の世代は戦後の貧しい時代から豊かさやカッコ良さに憧れて来た。
それは便利さ、手軽さの追求とも重なって、ひたすらそんな事に
エネルギーを費す時代になった時にいろいろ考えさせてくれたのは
ヒターノやスペイン人のフラメンコ達の生き様だ。
私はこのアート、そして人から生き方や精神を学んだ。
 今、名人の時代は終わったと言われる。
確かに歴史に残る巨匠達は絶滅したかに見えるが、
空白の後には必ず何かが生まれる事は他のジャンルでも同じで、
既にその芽は出て来ている。
 それは昔のものとは違ったものになるかも知れないが、
そこにフラメンコの精神があればそれで良いと思う。
 AIがいかに発達しようが、私は顔と個性の見える手ざわり感のあるアートが好きだ。
しかしもしAIがそれを作り出すなら、そこからも学ぼうと私は思う。
 プーロの精神はこれからも続き、それを中心にフラメンコは続いていくと信じている。
未来は決して暗くはないのだ。
混沌たる時代に光を放つのは、
フラメンコのように生命力豊かなアートなのだから。

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2020年6月14日(日)その3966★ふたつの回答

フラメンコの使徒エンリケ坂井さんのギターと言動に触れるたびに連想するのは、
日本を愛してくれたドナルド・キーンさんの親愛なる功績。
太平洋戦争中はアメリカ海軍の通訳官だった

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「俳句を理解できますか?」
日本人にそう問われるとき、
キーンさんは二通りの回答を用意していたという。

①「幼い頃から日本の文化の中で育った人でなければわからないでしょうね」
そう応えると、多くの日本人は我が意を得たりとばかりに喜ぶのだそうだ。

②「それなりに理解できます」と応えると、たちまち場はシラけ、
すぐに話題は切り替えられるそうである。

毎朝の知恵泉、東京新聞『筆洗』で知った話。
同邦として若干赤面だが、まあ、この程度の民族主義なら可愛いもんだわ。

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2020年6月14日(日)その3965★逆にね

古池や
蛙飛び込む
水の音
(松尾芭蕉)

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Old pond
Frogs jumped in
Sound of water.
(小泉八雲/Lafcadio Hearn訳)

The ancient pond
A frog leaps in
The sound of the water.
(ドナルド・キーン訳)

ここらへんは極く自然な感じ。
中には興味深く面白い英訳もある。
カエルからの視点、しかも池に飛び込む前の情景。

By an ancient pond   古い池で
a bullfrog sits on a rock  岩の上に座るウシガエル
waiting for Basho?    芭蕉を待ってる?
(スコット・アレクサンダー訳)

逆にね、
フラメンコのレトラ(歌詞)の
いろんな邦訳の可能性を感じたりして。

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2020年6月13日(土)その3964★あふれよ、わが涙

英国人ジョン・ダウランド作曲『あふれよ、わが涙』。
2006年に同郷のスティングがカヴァーして全世界的にヒット。
日本では1970年代にオランダ人ブリュッヘンの
リコーダー独奏(涙のパヴァーヌ)で広く知られるようになった。
深く透明なこの1996年録音、ドイツのアンドレアス・ショル(カウンターテナー)と
アンドレアス・マルティン(リュート)のセッションは、聴くほどに味わい深い。
作曲家&リュート奏者ダウランド(1563~1626)は
ヨーロッパで名声を博したのちイギリス王朝で活躍した。
諸国を旅するアーティスト、松尾芭蕉と同じくスパイ説がささやかれる。
何故かどちらもシンプルで彫りが深い。

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2020年6月12日(金)その3963★ことわざ辞典

 「人間バンジー塞翁が馬」
 またの名を、飛び込め青春!
(『パセオことわざ辞典』より)
 って、そんなワケねーだろ

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2020年6月11日(木)その3962★ウソ

「ウソも方便」
確かにそれによって救われる状況はある。
一方でウソはいつかバレるから悪いウソは止めるに限る。
さて、ウソをつくと何故かそれぞれのお国訛りが出るって、
うっ、そりゃ「ウソも方言」だっぺ。

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2020年6月10日(水)その3961★雪山バッハ

春の単独来日公演が流れた2CELLOSのルカ・スーリッチ。
もろスタジオ録音だか、この雪山の無伴奏バッハは実に見通しがいい、
まさしく快演だね!

尚、今年3月のルカ公演は来年1月に延期。
なるほど、こんな手もあるのか。
【振替公演日程】
2021年1月21日/東京国際フォーラムC [2020年3月30日・東京公演の振替]
2021年1月22日/住友生命いずみホール [3月31日・大阪公演の振替]
お手持ちのチケットは指定の振替公演日程にそのまま有効となります。
プレイガイドにて払い戻しも可です。

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2020年6月10日(水)その3960★チェリー・カプリース

スペイン留学中のバイレ練習生が活躍する
連続フラメンコ小説『祝祭のアレグリアス』。
月刊パセオフラメンコの超目玉連載である。
超売れっ子作家がパセオのために書き下ろしてくれる理由は、
実は彼が熱血アフィシオナードだから。

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その鳴神響一先生の幻冬舎文庫最新作は
令嬢弁護士シリーズ第二弾『チェリー・カプリース』で、
こんどの日曜午後イッキ読みの予定。
それにしても、パガニーニのあのカプリースがテーマとは、
音楽通でも知られる鳴神響一ならではの冴えた選択。
無伴奏ヴァイオリンの超絶技巧傑作だが、
最終曲24番はギター編曲でもよく弾かれる「主題と変奏」なので、
せめて鋭く美しい単旋律の主題だけでも弾けるようにと
若い頃ギターで猛練習したが、まったく歯が立たなかった。
まるで「主題も変奏」のような難しさである。
そこらへん、読む前から推理しておく必要を感じる(汗)

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2020年6月9日(火)その3959★イエイ

学べるうちは学び、
遊べるうちは遊び、
働けるうちは働く。
メメント・モリ、
日本の平均寿命の罠に陥ることなかれ、
自分の意志を自覚できるうちが私の寿命、
ムダな延命治療だけはどうか勘弁してくれと
ラストに明記し実印押して、
毎年恒例2020年65歳ヴァージョンの遺言完成。
遺影付きだぜ、イエイっ!

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2020年6月8日(月)その3958★記憶

「世界中がたいへんなことになる」

フラメンコの世界も例外ではない。
あらゆるフラメンコ教室は閉じられ、
楽しみにしていたライブや公演はすべて中止に、
それらを支える各種専門店も長期休業の憂き目に合う。
出口がまるで視えないのは愛好家や練習生も同様である。
ゴーストタウン化するフラメンコ界、
その甚大な被害や後遺症をちらり考えるだけで気が遠くなる。
多くの読者と広告主を失うパセオとて発行停止は時間の問題だろう。

「じっとしてても仕方ない、とにかく動いてみよう」
暗闇の中にも希望を見い出したい仲間たちが声を掛け合い、
緊急事態宣言の二日前の4月5日の晩、東高円寺スタジオ・マジョールに集結した。
タブラオ管理人・西田昌市、バイラオーラ鈴木眞澄、
パセオフラメンコ編集部・井口由美子、そして私のさしあたり四名。

「何から始めようか?」
実はその時すでに皆の考えは一致していた。
昨年のパセオ11月号で西田管理人が提唱した『フラメンコ未来構想』と、
それを受けて議論した今年4月号『ライター座談会/
ネット上のプラットフォーム構想』に、その具体的な青写真は描かれていた。
業界内の新旧の連携を高め、超党派による知恵と工夫と試行錯誤で
フラメンコ人口の絶対数を増やし続けるヴィジョン。
その遠大な構想を、フラメンコ界の早期復興のために前倒しで着手しよう!

ハンパではない人手と費用の問題があるので
早くとも2021年以降のスタートが皆の暗黙の了解だったが、
それをこの身動きの取りづらいパニックの最中に始めようというのだ。
今月の家賃支払いもままならぬ状況だというのに。
ともあれ親しい呑み会メンバーによるノンアルコール、
おにぎり片手の約一時間の議論は、そういう果敢な結論を導き出した。
「誰でも参加できる公共性」という全体コンセプトも瞬時に決まる・・・

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とまあ、こんな書き出しで始めるパセオ7月号(6月末発行)
巻頭特集『立ち上がる復興サイト flamenco2030.com 』。
我ながら下手クソな実録ものだが、
まあフラメンコ界復活黎明期の正確な記憶ということで、
ボケないうちにね。

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2020年6月8日(月)その3957★常と思えば

人の一生は重荷を負うて
遠き道を行くがごとし。
急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。
   
定期入れに忍ばせた家康メモを朝晩眺め、
そんなもんだよ人生はと、
無理やり気分をほぐした四十代。
あの頃セットのようによく聴いたエルガーのチェロ協奏曲
今はそれなりに明るく聞こえる不思議。

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2020年6月7日(日)その3956★時の運

善性とか悪性とか、人の本性が露骨に現れるご時世。
これもまた時の運だろう。
いい機会だからヘボな本性でも少し鍛え直すか、
みたいなスタンスに結局は落ち着く。

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2020年6月7日(日)その3955★統一の起点

信長~秀吉~家康の日本統一ラインは、
ここから生じるであろうことが感慨深い。

いよいよ本日20時。
戦力比は今川軍10に対し信長軍1。
負けるか勝つかオケハザマ
祝勝用シャンパンはすでに冷蔵庫。

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2020年6月6日(土)その3954★戦後ドサクサ

今日は在宅でパセオ特集原稿(立ち上がる flamenco2030.com )を仕上げる。
まるで野戦病院のような有り様だったこの春、
書きたい材料やエピソードが一杯あり過ぎて、
いかにバランスよく整理するかがポイントになりそう。

夕方には新潟の義兄と甥が久々の来訪、
うんと旨いものを食わせてやろう。
なんだか戦後ドサクサの喜怒哀楽を生きるような毎日だが、
昭和の映画のような奔放な活気も悪くない。

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2020年6月5日(金)その3953★効率

いい知らせとそうでない知らせが、毎日何度もほぼ交互に押し寄せる、
その目まぐるしさにすっかり慣れてきた今日この頃だが、
今月末には編集部の引っ越しが待ち構える。

JR中野南口のマルイ側、中野通りを五差路に向かって2分、
西武信金本店となりという好立地。
おとなり焼き鳥大吉から遠ざかるのが唯一難点だが、
ちょっと狭くなる分だけ家賃も下がる。
家から2分、郵便局も銀行も1分なのでぐっと移動効率が改善される。
引き続き残る問題はただひとつ、不良編集長の稼働効率の悪さのみである。

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2020年6月4日(木)その3952★束の間の贅沢

歌とギターの程よい大人のスウィング
お供はお決まりの安スコッチ。
はよ稼いでマッカランでも呑みてーが、
まあ、充分すぎる贅沢なひと時ではある。

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2020年6月3日(木)その3951★首の差で

「晩節を汚さず」

古今東西、晩節を汚すのがごく普通のことだから、
逆にこういう警句が生き残ったのだろう。
各方面まさかあの方が!という意外な本音が押し寄せたこの春のコロナブーム。
それらは他人に突っ込むヒマに、
「お前こそ大丈夫か?」とまずは自分に突っ込めと教える。

粋でスケベで果敢にチャレンジするガラ系オヤジが無性に懐かしい。
アル・パチーノ踊るタンゴ『Por una cabeza』は 競馬用語「首の差で」。
晩節もきっと本音やスケールの首の差なんだな。

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2020年6月3日(水)その3950★ある恋の物語

四半世紀ほど前のお話。
かつて月刊ラティーナや月刊パセオフラメンコの編集長を務めた
天才・高場将美と一度だけカラオケに行ったことがある。
あのころ三十ほども歳下の女性に熱愛中だった高場先生は
パンチョス『ある恋の物語~Historia de un amor』を何度も歌った。
年齢差を冷やかされるたびにマエストロは飄々と答えた。
「ははっ、おれは130まで生きるから、
 その頃には100になってる彼女との歳の差は、
 あまり気にならないと思うんだね」
歌詞冒頭にはっきり「マサミ」と発音される部分がある。
いま想えば、あれもマエストロの茶目っ気だったんだなあ。

23歳パブのギタリスト時代、この『ある恋』そして
『ベサメムーチョ』『キサスキサス』など、
原語・生ギターでパンチョスを歌いたい常連上客たちのリクエストに応えて、
その有名曲たちをギター1本の伴奏にアレンジして、
さらにハモりも担当して店の売上に貢献したあの頃が妙に懐かしい。
死期の迫る親父のベッド脇、耳とギターで必死にコピーしたパンチョス名曲、
時折かすれ声で『ある恋』を歌おうとする親父は根っからの音楽好きだった。

そのパブに突然893屋さんが50人ばかりご来店(えらい親分さんの葬式二次会)、
ヤジの乱舞の中、卒倒しそうになりながら
古賀メロディを延々弾きまくったシーンも忘れ難い(汗)。
腰を抜かして楽屋で青ざめる私を抱き抱えるようにして
ステージに運んだ清美は後にこう語った。
「死刑台に死刑囚を連れていく看守さんの気持ちがわかった」

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2020年6月2日(火)その3949★桶狭間

ひゃあ、うれしいわあ!
見よ、この勇姿っ!!!
こんどの日曜晩は外出禁止でござる。
           
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2020年6月1日(月)その3948★合い言葉

店の入り口で「山」と問えば、
奥のほうから「河」と応える。
東京都の要請通りの誠実営業なのだが、
後ろめたい風情が大好きな私は、禁酒法時代のムードに浸りつつ、
おとなり焼き鳥〝大吉〟入店時には必ず合い言葉を発したものだ。
一時は「国破れて」⇒「山河あり」などと
杜甫ホな漢詩バージョンも流行したことを昨日の事のように想い出すが、
それはつい先ほどの出来事であった。

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2020年6月1日(月)その3947★昔も今も

いよいよフラメンコのレッスンが全国的にスタートする。
都内タブラオの本格始動は7月の見込み。
何事もノーリスクというわけには行かないのは昔も今もいっしょ。

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