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2011年12月16日(金)/その896◇道草
ふと気づけば、今年もあと半月ばかりだ。
多くの人がそうであったように、
3月の大震災は、私にとっても大きなターニングポイントとなった。
ここで変わらなければ、一体どこで変わるんだ?
頼むぜニッポン! と思わず願ったが、
私だってニッポンの構成員のひとりだった。
そして私はニッポンが大好きだった。
震災の晩の徒歩での家路、
世界のパコ・デ・ルシアのアルモライマをリピートで聴いていたら、
新宿西口あたりで、こんなお告げが聞こえてくる。
他者への期待じゃなく、まず、おめえ自身が変われ!
翌日からいろんな改革に着手した。
あぶねえ橋を毎日渡った。
そして、あれから9ヶ月。
ふと気づけば、周囲の環境はガラッと変わっていた。
それは当初のヴィジョンを軽々と超える成果だった。
失敗すりゃあ今ごろ命はねえ、いわゆるところのマグレだったが、
周辺の無駄なストレスはきれいに一掃されていた。
多忙だったが、ただ楽しかった。
自分の人生は自分の好きにやればいい。
ケツさえ自分で取れる限りはそれでいい。
先のことはわからんが、道楽はつづく。
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2011年12月17日(土)/その897◇① 臥薪嘗胆の人間バンジー
新創刊的・増頁大リニューアルとなる
パセオフラメンコ新年号(12/20発売)について、
自分で自分をお祝いしながら、
今日から四日続けて、我田引水しながら自画自賛する。
臥薪嘗胆の人間バンジー塞翁が馬は、意外にも天衣無縫である。
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新年号表紙はフラメンコの光源『ファルキート』
明るい笑顔のこの一枚を独断で選んだ。
震災後の来日公演は延期にはなったものの、
ファルキートは本当によくやって来てくれたものだ。
何とか撮影させてほしいと直談判にやって来た大森有起と、
撮影を快諾してくれた招聘元イベリア蒲谷氏に大感謝!
表紙のほか、本文カラー全9ページは永久保存のカッコよさ!
美しいファルキートの立ち姿を活かすため、見開きタテイチ頁も実現。
例によって、東敬子の凄筆が光る。
『南への羅針盤(コンパス)』
『フラメンコの美学』に続く中谷伸一の新連載、
カラー8頁・隔月連載がスタート!
その第一回目はカルロス・サウラの新作映画『フラメンコ・フラメンコ』。
映画は来年2月に日本封切となるが、これを事前に読めば何倍か楽しめそう。
中谷解説を三度読んだ私は、後日の試写会で実際三倍楽しんだ!
『東敬子/フラメンコの今』
毎月カラー4頁連載となって新装オープン!
現在の最先端フラメンコシーンを硬派なタッチで鋭く捉える東敬子。
フラメンコ専門誌の存在しない本国スペイン。
せめて我らは、現代フラメンコをリアルタイムで掌握しながら、
各人さまざまな手立てで、エールを送り続けよう。
『for eva』
エバ・ジェルバブエナの前回来日ステージで、
彼女の真髄を余すとこなく撮りまくった写真家・北澤壯太。
数千枚のライブラリーから、その究極を厳選したショットを、
1月号・2月号で各カラー4ページで掲載。
すベて写真は見開きだが、凄みと深みが同居するそれらショットはA級保存版。
私のタイトルの駄洒落に付き合ってくれた壯太に感謝!
ちなみに、彼の内なるタイトルは「孤独」だと云う。
『伴奏者の視点』
編集長の倍は仕事すると云われる小倉泉弥による、
カラー9ページ、渾身の上達新連載(全12回予定)。
初回ゲストは、フラメンコの使徒、ご存知エンリケ坂井。
「いい踊り手は、いい顔をしている」
読むだけで、いや、二度読むだけで、飛躍的に上達できることを保証する。
何たって、普段はほとんど聴くことの出来ない超一流伴奏者の
惜しみない親身なアドバイスが満載なのだあっ!
ちなみに、次回(3月号)ゲストは、フラメンコギターの石井奏碧。
『心と技をつなぐもの』
カラー9ページ、その第11回目。
いよいよ、あの屋良有子が登場するが、あいにく担当者は私だ。
もちろん写真家・大森有起のド迫力ショットがそれを補ってくれる。
タイトルは「自問自答」。
ど真ん中ストレート。
ブレない心を創る、目からウロコのシンプル秘法。
これで人生変わる人、けっこういるんじゃないか?
(つづく)
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2011年12月18日(日)/その898◇② 天衣無縫の人間バンジー
『フラメンコ最前線/公演忘備録』
井口由美子(みゅしゃ)、坂西愛(ai~福岡)、藤堂由起子(yukiyanagi~在西)、
國分郁子、若林作絵(さくさく堂)、小倉泉弥(ぐら)、そして私。
堀越画伯の芸大後輩・國分以外の5名はmixiマイミク同志。
総勢7名によるレビュー執筆はパセオ史上初。
私ひとり書いてた頃が、遠い昔の悪夢のようだ。
ステージからもらった勇気を、それぞれが伸びのび発光する様子が頼もしい。
全国各地のアフィシオナードがフラメンコの普及発展を推進する一里塚。
近頃はまた道産子「ぷよめんこ(沖仁/北海道ツアー)」も初参加!
執筆陣に定員はなし。来たれよ、同好の同志! 年に一本でもオッケー!
ポイントは文章力にはなく、フラメンコを愛する心と折れない心。
連続フラメンコ小説『フラメンコ・フィーリング』
スペイン随一のフラメンコ名誌「アルマ100(現在休刊中)」の
主幹を務めた東敬子による処女小説の最終回。
現代スペイン・フラメンコ事情やヒターノの恋愛観が新鮮で、
リアルなストーリーは読み応えがあった。
7回連載は東の積極果敢な売り込みで実現した。
東敬子を含め、つづくフラメンコ小説の書き手を、私はいつでも待っている。
『森田志保/ねじ』
バイラオーラ森田志保×写真家・北澤壯太。
白紙の企画を森田に持ちかけ、森田はこれを堂々受けた。
その森田の要請を受け、北澤が全面サポートするコラボとなった。
撮影にすら私は立ち会ってない。まるで非常識な編集者。
信頼できる相手には、丸ごと任せる。
これでいーのだと、私のルールブックに書いてある。
案の定、なまじ余計な口出しをしないおかげで、予想以上の結果が出た。
『アンへリート・ネグロ』
フラメンコの使徒エンリケ坂井が、
スペイン修行時代を綴る12回連載のその初回。
あの真摯で温厚な人柄の歴史に、
こんなにも波乱万丈な人生があったとは!
編集者冥利に尽きる、驚愕と感動のフラメンコ史。
『渋好み純粋正統フラメンコ狂日記』
堀越千秋画伯のその第277便は「カンテ上達のコツ」。
ほとんどが新連載または新装開店の中、
マイペースでカンテ・プーロの雄叫びを発している。
ウツ病画伯の対向路線に、ソー病(?)私がチョイ役で登場している。
『"限りある無限"に向かって』
スペインのロンダ・コンクールに外国人として初優勝した
バイラオーラ萩原淳子の6回連載のその初回。
小学校の美しい先生が野外授業でやった
"たけしのコマネチ"ダンスが、
淳子の舞踊開眼のきっかけだったという恐るべき新事実!
(つづく)
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2011年12月19日(月)/その899◇③ 人間バンジー塞翁が馬
『もいちど読みたいフラメンコ!』
出るパセの右下に1年間じみ~に連載する、
みゅしゃのバックナンバー回顧録。
たいやきの尾っぽの方にも、
おいしい上等な餡子がいっぱい、みたいなイメージね!
『しゃちょ日記』
巻頭カラー24ぺージ毎月連載が野望だったが、
私の中の天使ちゃんとの壮絶な葛藤の末、
折り込みハガキの裏側へ、ひっそりモノクロ1ページに降格した。
専門誌には珍しく、ここだけは読まなくてもいい安心と寛ぎのコーナー。
だが、依頼原稿が締切を遅れる場合は、即座に96ページ特集にも変身出来る、
伸縮自在のポテンシャルを持った不良在庫の泉。
『失敗はフラメンコの素』
新連載の嵐の中を脈々と続く、
ヨランダ画伯による読者参加型・人気連載。
今回の「フラメンコは恥ずかしい」は、珍しい男性投稿。
そのオチが、なんとも云えないいい味出してるねえ。
上達コラム『ここにアクセント!』
編集部・小倉の半ページ新連載で、
その初回は「もっとカンテが好きになりたい」。
フラメンコ界を縦横無尽に取材するプロセスから得る
お宝のような知識&知恵を惜しみなく暴露!
『みゅしゃ修行』
三名の美人ライターが3ヶ月おきに連載するエッセイコーナー。
その一番手は、忘備録でもおなじみのみゅしゃ(井口由美子)。
二番手は(2月号)やはりマイミク仲間のユカリーヌ(藤原由香里)
三番手は(3月号)現地スペインでバリバリ稼ぐライター小林由季。
フラメンコの未来ポテンシャルを増大させる滑走路のイメージ。
初回みゅしゃの「記憶の力」には、しみじみと腰のあるインパクトが!
『ガチンコ・プレイバック!』
「ずっと地球で暮らそう」(コスモ石油環境キャンペーン)
などのコピーライトが本業の呑み友ヒデノリ。
一行でウン百万円を稼ぐこともあるプロフェッショナルが、
この一年、たくあん二枚のギャラで、一読者として
パセオのガチンコ感想を毎月mixiに投稿してくれた。
新年号からは、破格の待遇アップ(=たくあん三枚)で連載に臨む。
(つづく)
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