ごろごろシャキーン!

だらだら書いていく日記

美味しいカレーの悲劇

2017-06-03 17:00:16 | 日記
あれは私がまだ小学生の時のことでした。妹のピアノのコンクールに付き合って遠出をしました。妹の演奏も聞き終わり、ちょっと時間が空いた時、お腹がすいてきました。母にそれを伝えると、ホールの中にあるカフェに連れて行ってくれました。サンドイッチでも食べようかなぁと思っているとメニューはドリンクとスイーツばかりで軽食はカレーライスくらい。当てが外れてしまいましたが、私はカレーが好きなので文句もなく注文することにしました。

待つこと10分。お腹がすいてまだかなまだかなとそわそわしているとようやくカレーがやってきました。第一印象は…く、黒い(><)。カレーって茶色いものだと思っていたのでこれにはびっくりしました。

なにこれ、焦がしたんじゃないだろうな。食べて大丈夫なの?苦くない?体に悪くない?そんな風に心配していると、母がおいしそうだねと言ってきました。黒すぎじゃない?って答えると、そういうカレーは美味しいことが多いよと言われました。本当かなぁとちょっと疑いつつ食べてみることにしました。

一口食べてみると…うまい(^^)!正直度肝を抜かれました。これがカレーか!カレーってこんなにおいしいものだったのか!もともとカレー好きではあったのですが、こんなにおいしいカレーは食べたことがありませんでした。母が作ってくれるカレーはもちろんのこと、カレーチェーン店やカレー専門店でもここまでおいしいと思ったものはありません。

なんでこんなにおいしいカレーが音楽ホールの片隅にある小さなカフェで食べられたんだろうと後で思いましたが、その時はそんなこと考える余裕はありませんでした。とにかくカレーを食べる事だけに集中していました。結構辛くて汗をかいたんですが、そんなことを気にすることなく夢中になって食べ続けました。あれはまさしく人生で食べたカレーの中で断トツのナンバーワンでした。

ですがここで悲劇が起きました。私はカレーが嫌いになってしまったんです。あまりに美味しいカレーを食べたことにより、他のカレーでは満足できなくなってしまったんです。父はああいうところでつくられるのはレトルトをベースにしたものだからそんなにおいしいはずがないとか言ってましたが、そんなことはどうでもいいんです。あのカレーは本当に他と比べ物にならないくらいに美味しかった。それだけが事実なのだから。単純に好みにジャストミートしただけかもしれませんが、でもそれって実は奇跡的な偶然じゃないでしょうか?

もう一度あのカレーを食べたいと思いましたが、あの後あのカフェは店をたたんでしまったらしく、二度と食べることができませんでした。奇跡って、一生に一度しか起きないから奇跡なのかもしれません。ああ、いつかまた本当においしいカレーが食べたい。