キットA キットA(組立時)
キットB
こんばんは。
今日は、PARC Audioから発売されるキットモデルについてお話したいと思います。既に、一部の販売店様では予約販売がスタートしているのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。最近スピーカーのキットモデルもいろいろなものが発売され、なかなかクラフトユーザーには好評のようです。
ただ正直私としては、当初うちのような会社が中途半端にキットをやっても価格的に商品力が出せないので、あまりやるつもりはなかったのですが、ちょっと事情があって発売を決めました。
一つ目の事情とは、販売店様から
「デモ機を展示するなら、展示しているモデルについて必ずその価格を聞いてくるお客様がいるので、売れなくてもいいから価格だけはちゃんと決めてほしい。」
との強いリクエストがあったのです。ご存知のように、スピーカーはスペックだけで判定するのはなかなか難しいので、どうしても音を出してなんぼ、という感じがあります。そのため、デモ機は是非とも必要なのですが、それをやるためには出来るだけ非売品ではなく商品にしてもらった方が販売店としては都合がいいとのことなのです。
もう一点は、ユーザーの方から
「PARC Audioのスピーカーを使ってみたいけど、箱から作るほどの気力はないので、メーカー純正品を発売してほしい」
とのリクエストが結構あったことです。これはメーカーとしてはうれしい驚きで、正直あまり売れるとは思えませんが一度トライしてみる価値はあるかなぁと感じたのです。ちなみに販売店様からも、
「PARC Audioを販売後最近ちょっとお客様の様子が変わったようにも感じる。以前は箱と言えば汎用品の安いBOXを売っていれば良かったが、最近PARC Audioの指名をされるお客様はいろいろこだわりがあり、メーカー純正品は無いのかと聞かれる。」
とお話があったことも決断した理由の一つでした。
ということで、先ずは売れ筋のウッドコーンフルレンジ3モデルのキットを発売することになりました。ここでPARC Audioとしてこだわったのは、今回のキットはあくまでPARC Audioのユニットに合わせこんだ専用キットだということです。ビクターのウッドコーンもこれと同じですが、今までのクラフト業界で多く流通していた汎用キャビネットとは大きく違います。
細かい点は、近日中にWebにupします(現在取説製作で奮闘中です)のでそちらを見ていただきたいのですが、全モデルオニメ使用や、バッフル背面もちゃんとエアーフロー対策のザグリ加工を入れるなど、地味ですが基本に忠実な仕様となっています。またダクトも音質最優先ということで、あえて成形品ではなく肉厚の塩ビパイプを採用しています。一般に流通しているスピーカー用の成形ダクトは、大きなR加工がされておりダクトの風切音対策には有効ですが、いかんせん肉厚が薄く強度的に弱いのが大きな弱点です。それに比べ塩ビパイプは外観はそれなりですが、強度的には非常に優位差があります。また塩ビパイプはダクト長の調整が数mm単位で調整可能なことも採用した理由です。接着剤や工具さえあれば、スピーカーユニット以外の必要な部品はインシュレーターを含め全て揃っていますので、面倒くさがり屋さんには非常に便利かも知れません。PARC Audioの可愛いロゴマークも付いていたりします。
これらのキットは各ユニットに対して3つのグレードがあります。最初分かりやすく言うために松竹梅モデルなんて表現していましたが、さすがにそれではまずいので安いほうからABCということになっています。型番のDCK-というのはお察しのとおりDream CreationのKitということです。その後に続くナンバーは使用するPARC Audioのユニットナンバーを表します。例えば、8cmウッドコーン用の一番安いキットは、DCK-F101W-Aとなります。
では3種類のABCの差は何かということですが、Aは板材カットのみでBOX加工無しの状態、Bはそれを組み立てた状態のもの、Cはさらに塗装をしたものという組合せです。付属されるパーツは全て共通ですが、AのみはBOXに組み立てていないため角部は全てR加工無し(いわゆるピン角)となっています。それぞれ皆様の予算と、気力との関係で選んでいただければと思います。価格(定価)だけを書いておくと下記になりますが、正直ご自身で木材の加工をされる方にとってはあまりお値打ちという感じではないかも知れません。なお塗装の仕様はウレタン塗装ではありますが、塗装後に磨き加工をしたタイプで、他のメーカーではピアノ仕上げと謳っているところもあるレベルになっているため、価格的にはかなり高めになっています。
*DCK-F101W-A 17,500円(ペア・税込)
*DCK-F101W-B 27,000円(ペア・税込)
*DCK-F101W-C
*DCK-F121W-A 19,250円(ペア・税込)
*DCK-F121W-B 32,000円(ペア・税込)
*DCK-F121W-C
*DCK-F131W-A 23,250円(ペア・税込)
*DCK-F131W-B 39,000円(ペア・税込)
*DCK-F131W-C
実際の販売価格については、販売店様にお問い合わせください。
現在、都合によりCタイプは販売していません。
ユニットでも一番の売れ筋であるF121Wについては、キットについても既にご注文が入り始めており、これからどの程度売れていくのか非常に興味深いところです。なお言い忘れましたが、全てのモデルは基本的に受注生産対応となっていますので、納期は塗装付きの場合など1ヶ月前後かかりますので、ご了承ください。では今日はこの辺で。
うれしいですねぇ、キットの発売。たしかに、spedを使っていろいろ計算するのもおもしろかったのですが、なにしろ、私、恥ずかしながらぶきっちょで(^^ゞ。
でも「ぬりぬり」は比較的得意ですから、買うならBキットかな?
ところで、このキットではバスレフポートは、ごく標準的なものになっていますが、私自身は、スリットバスレフに興味があるのです。というのは、ポート自身の強度やデッドニングを考えなくていいのではないか、と思うのですが、いかがなものでしょう?
Cタイプの色はやはり黒でしょうか?
まあ、選ぶのは主に経済的理由からAになりますが。
B,Cタイプについては、まだ写真の関係で仕様書が完成しないため販売店様でも詳細がupされていません。(^^;
ご予約は同じように可能ですので、よろしければお問い合わせください。
Cタイプの色は、PARC Audioのイメージカラーとしている黒になります。ちなみに、今回のBOXの材質は全てMDFですので、塗装時は下塗りが必要ですので、ご自身でやられる場合はお気をつけください。
設計者としては予算が許されるなら、できるだけB以上をお勧めします。箱の組立は、やはり素人の方が一般的な工具でやられるのと、プロの木工メーカーが大型プレス機等の工具を使って組み立てるのでは全く仕上がりが違います。また前面コーナーRが付いているため音質的にも外観的にも優位差がありますので。
スリットバスレフについては、ちょっとデーターを含めて説明した方が良いので、別途ブログで説明しますのでそれを見てください。
キットを買う人にはもちろん、キットではなく自作する人にとってもキットの写真とかを見れて作り方のイメージもわいたり、予算の目安になってより作りやすくなりますね~
やること満載で大変でしょうが
スピーカーボックスの設計は好きですが、スビーカーを作る時間がない
のです、余暇は夜間しかないので音楽を聞くだけで精一杯。
>先ずは売れ筋のウッドコーンフルレンジ3モデルのキット
ということは、アルミ、ケブラー、PPコーンウーハー等のキットも出
るのですね、期待しています、できれば材質を、米松、さくら、ぶな
ウォルナット等から選ぶ事が出来たら素敵です。
コメントありがとうございます。少しでも皆様のご参考になれば苦労のしがいもあるってもんです。でもちょっとくらいは売れて欲しいですね。
今回のモデルの販売状況にもよりますが、フルレンジ系の他のモデルについてはラインアップに追加してもいいかなぁと考えています。
ただウーファー系になると販売数が少ない上に、組み合わせるトゥイーターもPARC Audio製とは限らないでしょうから、なかなか商品企画としては難しいかなぁと考えています。販売実績としても、やはりウーファーやトゥイーター系はフルレンジに比べて少ないのが実情なのです。
またマルチの場合は、ネットワークも必要でしょうから、それまで含めるとかなり大変なことになるので・・・。ネットワークを含め全て揃ったキットがあれば、PARC Audioのマルチ系を購入したいというユーザーの皆様がどの程度いらっしゃるかがポイントかなぁと思います。
箱の素材についても同様で、バリエーションをどこまで増やすかは、今後の課題だと考えています。今後ユーザーの皆様のいろいろなご意見を広く聞いていきたいと思います。
いえいえ、いろんな女性に目移りをする浮気性の旦那様に必死で献身的につくす律儀な奥様のようなメーカーと思ってください。(笑)