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PARC Audio アルミウーファーについて 3

2008年06月20日 23時54分09秒 | オーディオ




こんばんは。

今日は皆さんお待ちかね(?)の17cmアルミコーンウーファー(DCU-171A)のトラブル裏話です。こんな話をブログで書くのもなんですが、PARC Audioとして製品の品質やサウンドポリシーについてどのように考えているかを分かっていただければと思い、書くことにしました。ソニーだったらこんな事を公表したりしたら大変な事になってしまいますが、こんなことが書けるのもガレージメーカーの良さかも知れません。では早速本題を。

それは量産初ロット品が入荷し、いつものように音質チェックを行っている時でした。PPコーン、ケブラーコーン、アルミ13cmコーンと順調に進み、今回も無事に終わりそうだなぁと思いながら最後のアルミ17cmコーンを聴いた瞬間、私は思わずフリーズしてしまいました。それは明らかに神様とは違う音だったのです。神様とは以前ブログでも書いたかと思いますが、ソニー社内でスピーカー関係者がよく使っていた言い方で、標準(基準)スピーカーのことを言います。何故標準スピーカーを神様と呼ぶかというと、それは決して壊したり変更したりしてはいけない神聖な存在だということのようですが、個人的にはソニーに入社してこの言葉が一番気に入っています。

まぁそんなことは置いといて、とにかくその差はかなり大きなものでした。長年設計をやっていると、通常の量産でのバラツキかそれ以外の要因かはだいたい直感で分かります。その時の差は残念ながら後者の印象でした。すぐさま特性を確認しましたが、案の上特性も全くの別物でした。よく言えば、高域のピークが少し少なめにはなっていましたが明らかにピークの周波数は下がっており、音質も神様に比べかなりSN感が悪く、ちょっと金属くさい感じだったのです。

正直その瞬間「何とかこれを量産でOKにして、そのまま使えないか?」と頭の中で10秒ほど悩みましたが、やはり答えはノー。PARC Audioとして目指していた方向とは違うので、たとえここでロスが出るとしても出すべきではないよなとの結論を出したのです。こんな時ソニーなら、上司の承認を取ったり、いろんな部署に根回しをしたり本当に大変ですが、ガレージメーカーは対応が早いです。(そんなこと自慢してどうする!) でも正直このロスは痛かったです。

さて量産NGという結論が出たことで次にやらなければいけないことは、何故そうなったかの原因探し。これが一番重要で、はっきりした原因が分からないと、対策もうてないので量産のやり直しさえ出来なくなります。先ずは中国サイドに連絡し、

「こら~、お前ら量産で何か変えただろう!」
と怒鳴りたい気持ちを抑えつつ、

「大分特性と音が違うのですが、どこか変更したりしてない?」
と聞いてみると帰ってきた答えは
「いいえ、特に変更はしてませんよ。ちゃんと量産用の抜型も起こしたし・・・。」との回答が・・・・。

「なに~? りょ、りょうさんようの抜型 おらぁそんなもん聞いてないよう~!!!」
とダチョウ倶楽部なみに突っ込みを入れたい気持ちを必死で抑えて、
「え、量産用の抜型って何ですか?」
と平静を装いつつ再度確認すると、試作サンプルは試作型でのアルミコーンを使っており、量産時に量産型を起こしたとのこと。やっぱりなぁ、そうじゃなきゃあこんな差は出んもんな、って感心してどうする。

「こら~、お前らなんでこんな重要な事を事前に言わねえんだ? 振動板ってもんは、最重要パーツだぞ。その金型を量産で確認もせずにいきなり変えるってどういうこった~?」 

なんて事を今更言ってもしょうがないので、とにかく再度金型を起こし直すことで再量産のメドがついたというわけです。結果的にはほんと しょうもないことなのですが、日本の常識、中国の非常識ということは沢山あって、彼らとの仕事には忍耐が必要なのです、はい。たのむで、ほんま。血圧上がるちゅうに!
まぁ、今回の金型代も結局うちは一銭も出して無いのであまり偉そうなことは言えないのですが・・・・。

いずれにしても、原因がはっきりしないトラブルというのも結構起こるので、その意味では今回はまだましなほうかも知れません。これだけ明確な原因は無いですから。ただ怪我の功名というか、最終的にやり直したサンプルは元の神様を凌ぐ出来で、今度の量産品はかなりいけてます。PARC Audio ただでは転びません! 音の傾向も13cmと同じ太目のしっかりした音色で、金属コーンで心配される神経質なところも少ないので、多くの方に喜んでいただけるのではと思っています。F0も最終品は32.4Hzと若干変更になりましたが、依然としてクラストップクラスの低さで、かなり下半身のしっかりしたバランスに仕上がっており、自分でも上出来だと感じています。

最新情報では予定が早まり、今日中国を出航したとのことですので、少し早めに皆様にお届けできるかも知れません。では、今日はこの辺で。


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10 コメント

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ビクター (K村)
2008-06-24 20:36:59
こんにちは、初めましてK村と言います。(このタイミングでのコメント内容は適切では有りませんが)ブログ楽しみに読んでいます
先日DCU-F121Wを購入し自作の箱で聴いています、今1番悩んでいるのは吸音材の種類と量です、今はコットンとヤシ柄活性炭を適当に入れながら調整しています、箱は6.5Lの標準箱を作りました。とても良い音ですと言うよりすごい音です、まだ20時間ほどしか聴いていないのですが、低音もすごいですね、並べてKEFのiQ3(アルミ振動板の同軸です)を聴いていますが、ウッドコーンは楽器の音が良いですねー。次回はPPコーンフルレンジを狙いたいと思います。追伸、S51年~3年間ほどだと思いますが、ビクターの横浜第1工場でモータの製造をしていました、その頃となりにスピーカー事業部さんが有って、自作をする為のウーハーを譲ってもらった事を良く覚えています、その後守屋工場に移転し、静岡に移り住む事になりました、今は私もビクターを離れていますが、ブログにビクターの部品事業の話が出てきたので懐かしく、書き込みさせて頂きました、ビクターのウッドコーンを検討していましたが、PARCさんにして良かったと思います(V社ウッドコーンは聴いていないが)
長々と申し訳ございませんでした、これからいろいろな製品をだされる事を楽しみにしています、ブログも楽しみです。
Unknown (PARC)
2008-06-24 22:40:56
K村 様

DCU-F121Wのご購入ならびに試聴結果の情報ありがとうございました。KEFのiQ3は聴いたことがないので具体的なコメントはしずらいのですが、16cmユニットのようですので10cmのF121Wで対応するのはちょっとしんどいかなぁと・・・。(^^;
でもF121Wも一応何とか少しは存在感を出せているようなので安心いたしました。

私がビクターに入社したのはS53年で新人のころは横浜工場にいましたので、少しの間は同じ工場内で働いていたということになりますね。ほんと懐かしいですね。

最後に吸音材ですが、F121Wはユニットとしてはそんなに低域がたっぷりと出る方ではないので、吸音材は出来るだけ少なめでチューニングを取られた方が吉かと思います。また機会があればPARC Audioのウール吸音材も試していただけると幸いです。小口径のユニットとは特に相性が良いかと思います。

では今後ともよろしくお願いいたします。
アルミのイメージ (盛田)
2008-06-25 23:17:04
 他の素材に比べてアルミコーンは尚一層、店頭での試聴やポップによる音作りの方針説明が重要かもしれませんね。 例えば・・
誤解その1・・如何にもメタリックな感じの音が好きな人が買って「なんだ、物足りない」と思われる。
誤解その2・・癖の無い音が好きな人(PARC向き?な人)は買えば気に入るのに、アルミコーンと聞いただけで「アルミ? 癖が有りそうだ、やめとこ」と思われてしまう。
   
 僕は171Wにおおいに興味ありな口ですが、他の素材に比べて最も(実際どうなんだろー・・)と思って拝読しています。
訂正 (盛田)
2008-06-25 23:19:06
上の「171W」は171Aの間違いです。
Unknown (PARC)
2008-06-25 23:28:53
盛田様

おっしゃるようにPARCのユニットの中で、このアルミウーファーが一番見た目と実際の音でのイメージの差が大きいかも知れません。

まぁこの辺のところは、今後実際に購入して使っていただいた方の審判を待ちたいと思います。
Unknown (tanukine)
2008-07-09 20:14:48
先週、F131Wと131Aが届きました。
(これで、Fウッド3兄弟が揃いました。)
F131PPを取り付けていたMM-151に順次付け替えて、とりあえず音出ししてみましたが
(まだ、それほど時間を取れていませんので初めの印象だけです)
131Aは、F131WとF131PPの中間という感じで、フルレンジとして問題なくいけそうだと思っています。
まあ、私の場合はかなり嗜好が偏っていると自覚していますので、みなさんの参考にはならないかもしれませんが・・・。
1つにしぼるのは、難儀しそうなので箱を増やすしかないのかなと思いますが、そうするといずれ出てくるであろうF171Pのスペースが(汗)。
もう少し、エージングが進んでからゆっくり考えます。
Unknown (PARC)
2008-07-09 22:02:30
tanukine様

沢山のPARCのユニット購入、本当にありがとうございます。先ずはF131Aの第一印象が悪くなかったようで一安心です。今後いろいろとご視聴されましたら、またユーザーコーナーの方に情報をいただけると幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
Unknown (tomton)
2013-03-15 09:44:38
今日DCU-171Aを購入しました。
今使ってるのはDaytonRS180-8なのですが、音は
良いのだが能率が87dbと低めのため89から90dbのアルミコーンウーハを探していました。
御社のものがぴったりです。はやく聴いてみたいです。
Unknown (文系卒@)
2013-11-12 10:14:30
 中国での現地生産での問題点を開示して、どの様な意味が有るのでしょう?
 日本製品の製造は、殆ど大陸で行っており、その工程管理に文系卒を監督に派遣しているのが、実情です。
 単に工程管理をサボっていただけでは?
Unknown (PARC)
2013-11-12 23:44:40
文系卒@様

>中国での現地生産での問題点を開示して、どの様な意味が有るのでしょう?

ブログに関しての感想は人それぞれですので、意味が無いと思われれば、どうぞスルーしてくださいませ。

>その工程管理に文系卒を監督に派遣しているのが、実情です。

どちらの業界のことをおっしゃっているのか分かりませんが、少なくともスピーカー関連で言えば、私が長年見てきた中で工程管理に文系卒を監督に派遣というのは聞いたことがありません。設計のことが分からない人間がいくら見ても、工程管理をすることはできませんので。

>単に工程管理をサボっていただけでは?

このトラブルに関して言えば、工程管理(正確には品質管理)以前の話でしたね。

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